■2024年4月 ブログ

市の木

郵便局へ出かけた際、隣にある下石公民館の前のヒトツバタゴが白い花を咲かせ、まるで雪が積もったような光景でした。市内の主だった施設には、この「ナンジャモンジャ」と称されるヒトツバタゴが植えられており、この時期になると白い花が咲き誇っています。それもそのはず、土岐市ではヒトツバタゴが「市の木」に指定されているのです。

ヒトツバタゴはモクセイ科の落葉高木で、「ナンジャモンジャ」の別名で知られ、 よく似ている「トネリコ」(別名「タゴ」)という木が複葉植物であるのに対し、単葉であるために「ヒトツバタゴ(一つ葉タゴ)」と名付けられました。名付け親は、江戸時代に現在の愛知県にある尾州二ノ宮山中でこの木を発見した、名古屋の本草学者・水谷豊文だと言われています。

では、ナンジャモンジャという呼び名の由来を見てみると、特定の名付け親はなく、幾つかの説が存在しています。

・元々は占い神事に利用されていたもので、植物名で直接呼ぶことが憚られたものではないかという説。

・その地域に見かけない種類の樹木に「ナンジャモンジャ」と名付けられた。

1枚の花弁が4つに分かれて4枚に見えることから「何だこれは」が「ナンジャモンジャ」になったという説。

・神木の前を通りかかった水戸黄門が「この木はなんじゃ」と聞いたところ、地元の人が聞き取れず「なんじゃもんじゃ」と返答して、木の名前だと勘違いして広まったという話。 

 どれもこれも怪しい説ではあるからこそ、「ナンジャモンジャ」という別名がピッタリかも知れません。ちなみに、ヒトツバタゴは国内では長崎県対馬北端、岐阜県木曽川周辺、愛知県の一部などに自生しており、国の絶滅危惧II類(VU)に指定されているんだとか。5月から6月にかけて土岐市内の白山神社や織部の里公園などで、雪をかぶったような白い花を見ることができます。また、どんぶり会館前の県道66号線沿いは、ヒトツバタゴが多く植えられていることから「なんじゃもんじゃ街道」の愛称が付けられております。

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消滅可能性自治体ってか?

最近のニュースで、民間の有識者らで作る人口戦略会議が、全自治体の4割に当たる744自治体で、人口減少が深刻化し、将来的に消滅の可能性が高い、「消滅可能性自治体」に該当するとの試算を公表したことが取り上げられていました。202050年の30年で、子どもを産む中心世代となる2030代の女性の人口が50%以上減少する推計を根拠としているようですが、なにを今さらという感じがします。

 土岐市は9つの分類設定の中でD-③に該当し、「その他の自治体」として括られており、そのほとんどで若年女性人口が減少する見込みであり、減少状況によって必要な対策が異なることに留意する必要がある、とされています。近隣の瑞浪市や恵那市が消滅可能性自治体となっており、「まだマシか?」と思いがちですが、2020年の人口55,348人から移動想定の2050年人口37,104人に減少する訳ですから、約2万人減少するイメージを持って自治体運営されるべきですが、いまのところ、そのような気配は感じられません。

 そんな土岐市で商売をする場合、将来的にお客様の数がかなり減少する事を念頭に置かねばならず、商圏としては魅力のないエリアという事になります。大手企業なら儲かる時期に出店し、資金を回収したら即時撤退ということも可能ですが、地元の者が新規に開業する場合は、引くに引けない状況になって閉店の憂き目にあうことになります。私のように永続的に商売を続けることを考えていない場合は良いのですが、事業承継を想定していたり、長いスパンで続けることを考えている場合はリスクが多くなります。

 ましてや、珈琲屋や喫茶店をしている者にとっては、さらにコーヒー価格の上昇という問題が迫ってきています。生豆の倉庫保管料を削減する為、トヨタ看板方式ように従来の様な在庫を持たなくなっているため、コーヒー豆の不作や生豆価格の急激な上昇に対応できないうえ、今後も続くであろう円安によって仕入価格が高くなっています。さらに、コンテナ輸送コストは燃料価格の高騰とともに、紛争地域や気候変動によって運河の利用が制限されており、遠回りを余儀なくされる、一度に運べる量が減るといった輸送費の課題も生まれています。 

 今後は、今と同等の品質のものを倍以上の価格にして提供するか、品質を落として価格上昇を少しでも抑えるかの選択を迫られる状況が来ることになりそうです。まあ、「消滅可能性自治体」になるような地域では、そもそもお客様がいなくなってしまうのですから、薄利多売のビジネスモデルは成立しないように思うのですが。それとも、コーヒーの提供を止めてしまうのもありかもしれません。某外資系チェーン店では、乳飲料がバカ売れみたいですから。

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コシアブラ

昨日、お客様からコシアブラを頂きました。山菜の王様と呼ばれるタラの芽に対し、コシアブラは山菜の女王と呼ばれているようで、ウドやセリのように独特の風味を持っており、山菜の中では一位、二位を争う人気なのだとか。

 コシアブラという名前は、コシアブラの木の樹脂(あぶら)を絞り、濾したものを漆(うるし)のように塗料として使われていたことから。“コシアブラ”と呼ばれるようになったとのこと。(諸説あり)

タラの芽は栽培も進んで、スーパーなどで手に入りやすくなりましたが、コシアブラは自生地の若芽を採取したものばかりなので、一部の道の駅や直売所でしか見かけません。お客様のように山間部に住む方から、時々、コシアブラを頂くことがありますが、コシアブラの木の場所を知らないと見つける事が難しい山菜です。 

今回頂いたコシアブラは天ぷらとゴマ和えで食べましたが、山菜特有の風味が口の中に広がり、春を食しているという満足感が溢れます。ごちそうさまでした!感謝!感謝!

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強い生命力

開店記念日が5月5日なのは、プレオープンを含めて家族に応援してもらうため、連休を利用した背景があります。国民の祝日である「こどもの日」や、「端午の節句」を意識した訳ではありません。ただ、お祝いが重なることから、今では良い日にしたと思っています。

 もともと「端午の節句」は、古代中国の陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)に基づき、季節の節目となる日に制定された五節句のひとつです。男の子の成長を祝い、健康を祈る行事とされています。そして「こどもの日」は、昭和23年の「国民の祝日に関する法律」の制定当初に定められたもので、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」とあります。「母に感謝する」どころか、端午の節句と相まって男の子の日のような扱いになっていますね。

端午の節句は、もともとは病気や災いを避けるための行事だったそうで、その行事のために使っていた「菖蒲(しょうぶ)」が、武士の言葉や道具に似ていることから、だんだんと男の子の行事になっていったという説があります。娘たちが小さい頃には菖蒲を頭に巻いて菖蒲湯に入れたもので、こどもの健康を願う想いには変わりません。

 「こいのぼり」の風習は、江戸時代の武家で、男の子の成長や出世を願うため、絵柄と家紋が描かれた「武者絵のぼり」や「鎧(よろい)」などの武具を庭先に飾っていたことが由来のようです。その風習が武家だけではなく庶民に広まり、多くの家が庭先に「のぼり」を飾るようになります。この「のぼり」が「こいのぼり」になったのは、町人が「のぼり」の先にある「おぎしろ(小旗のようなもの)」を「こい」の形に変えたことがきっかけだとか。徐々にその「こい」が大型化し「こいのぼり」へ変化したといわれています。

 また、こいのぼりを飾る理由に、中国の故事「登竜門」が由来とするものもあります。「登竜門」は、山奥にある流れの速い滝(竜門)を立派に登り切った「こい」が、龍(りゅう)になって天に上る話です。そのため「こい」は逆境や苦難を乗り越えて立身出世する縁起物として扱われています。さらに、「こい」が沼でも池でも生きられる強い生命力を持っていることも理由のひとつで、こいのぼりには「立身出世」と「健康的で強く育つように」との2つの願いが込められているんだとか。 

 まめ蔵も、「こいのぼり」にあやかって、「健康的で強く育つように」なりたいものです。けっして、「立身出世」など望みませんよ。沼でも池でも生きられる強い生命力があればよいのです。

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感謝の苗

まめ蔵は、5月5日で9周年を迎えます。昨年のブログには、「あっという間に8年間が経過したという感覚です。」と書いておりましたが、今は、9年と言う時間の経過が加齢を前進させていることを実感する日々です。ただ、この現実には逆らえないため、加齢に合わせた店の運営をしなければと考えております。

そんな爺さんになっていく店主にも関わらず、多くのお客様が毎日来店され、コーヒー豆を購入していただいている結果が、9年という期間になっている訳ですから、ただただ感謝するだけです。そして、その気持ちを形にしようと考え、9周年記念のプレゼントとして準備しているのが「コーヒーノキの苗」です。

コーヒーノキはアカネ科コーヒーノキ属の植物で、本来、日本の地では育ちにくいことから、コーヒー生産国のような大規模農園は無く、観光用や園芸用で育てられています。今回用意した苗は三重県津市の赤塚植物園さんのもので、コーヒー豆を購入されたお客様やリピーターの方へお配りするため50個準備しました。コーヒーノキの花言葉は、「一緒に休みましょう」だそうですから、苗を見ながらリラックスしていただければと思います。

実は、このコーヒーノキの苗はUCCコーヒー博物館でも販売されており、これまで私自身も育てた経験があるのです。ただし、コーヒーノキは0℃以下になると根腐れし、30度を超えると葉が枯れやすくなるため、出来るだけ涼しい場所を好み、さらには、ある程度成長するまでは直射日光に弱いため、見事に枯らしてしまいました。それも、なんと三度です。

 そんな私が育てることが出来なかったコーヒーノキの苗を、9周年記念でお客様へお配りしようとするのですから、随分身勝手な話なのは重々承知しております。ただ、そうした育てることが難しいコーヒーノキからコーヒー豆が出来ることを知ってほしいからです。

 通常、コーヒー産地では3年でコーヒーの実がなることが多いのですが、日本で育てる場合、赤塚植物園さんの説明によれば6年かかるとのこと。その間は観葉植物として家の中で育ててもらいますが、置き場所については風水効果が得られるそうですから、育てられなかった私からアドバイスさせていただきます。

コーヒーノキのような艶のある丸い葉には、金運アップの風水効果があるとされ、さらに、風水的に赤い実をつける植物は、子宝運を上げるとされています。リビングにコーヒーノキを置くと、家庭運・金運・健康運アップにつながり、寝室に置けば、一日の疲れを癒して新たなエネルギーを蓄える効果が期待できます。また、書斎に置けば、仕事運・金運アップになるんだとか。 

 まあ、話のネタにお受け取りを!

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こいのぼりを見ながら

今日は父親の17回忌の法要のため、お店を臨時休業にしました。一般的に、法要の目的は故人があの世に安心して行ってもらうため、故人や先祖に対しての感謝の意も表すためだとされています。毎日、仏壇に供える水を代えている妻と違い、出来の悪い息子の私には、数少ない故人や先祖に対して感謝する日となりました。

 法要を終え、妻が買い物へ出かけるというので運転手を買って出ます。いろいろと準備をしてくれた事に対して、一応、感謝の表れということになります。買い物を済ませた後に、寄り道したのが瑞浪市民公園の芝生広場(瑞浪市明世町戸狩)です。5月4日と5日の行われる「第28回こいのぼり祭2024」を前に、4月18日に瑞浪市民公園内の「ホタルのせせらぎ広場」に吊るされた、こいのぼり約140匹が泳いでいる様子を見に来たのです。

瑞浪市には、市民から寄付された約200匹のこいのぼりが保管されているそうで、その内の約140匹が業者の高所作業者によって4列に吊るされ、春風に乗って泳いでいる光景が見られます。こいのぼり祭り終了後も、5月17日まで掲揚されるそうなので、何も考えず、ボーっとする時間を過ごすには良い場所になりそうです。 

法要を終え、こいのぼりを眺めながら、あの世へ繋がるであろう空を見つめた一時でした。

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店名

「まめ蔵」という店名は、意外にも早く決めることが出来ました。それは、「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」というフレーズが先に出てきたため、「まめ」を入れた人の名前っぽくしてみたのです。ですから、時には「マスター」ではなく、「まめぞうさん」と呼ばれたりして、何だか別人になったみたいな良い気分です。

 新たに店を始める際、できれば繁盛するような店名にしたいものですが、そんな店名のアドバイスの中に、次のようなポイントが紹介されていました。

■2~7文字である

お客様に覚えてもらいやすさ、ネット検索しやすさなどを考慮すると、長すぎないことも必要なのだかと。
■ショルダーネームがある

珈琲専門店○○○、ベーカリー○○○といったように、名前で何のお店か明確になります。
■客層を意識した字面である

だれでも読める、平仮名やカタカナにしてみたり、逆に、漢字を多用して重厚感を持たせるとか、狙った客層に合わせてみる。
■お店を連想するキーワードが入っている

魚屋さんの〇〇食堂とか、森の中の○○カフェ、○○好きが初めた○○屋、山男の○○珈琲など、料理や立地、ストーリーを感じさせるキーワードが入っている。
■ゆかりのある人の名前を使っている

 山田屋、居酒屋幸子といった、オーナーやゆかりの名前を使って親しみを感じてもらう。

 こんな感じで、いくつか店名を付けるポイントが紹介されていますが、正直、名前だけで商売が続けられるほど甘くはないですし、意表を突く店名であっても繁盛している所は沢山存在しています。ですが、店名に込められた店主の思いをついつい想像してしまう私は、毎回、新しい店に行くと勝手に想像してみるのです。

 先日、妻と訪れた「yama5ya(ヤマゴヤ)」は、ログハウスの建物が改装されており、見た目にも「山小屋」だと想像できたため、店名の「yama5ya」は「ご」を数字の「5」にアレンジしただけだと思っておりました。

 20184月のブログにも書いていますが、観光施設に置いてあったフリーマガジンに掲載されていた、「恵那市美郷町佐々木にある、畑の中の食堂」という記事を見て訪問しました。お店の前には畑が広がり、手作りした野菜や地場の野菜を使用して、身体に優しい野菜料理を提供されており、とてもホッコリした気分になったものです。

 今回、6年ぶりに予約なしで訪れたこともあり、食材準備のためにしばらく待つことになりましたが、その時間を利用して菜の花畑や枝垂桜の下を散策し、スマホでyama5ya」を検索しみます。すると、地元のお店を紹介するサイトで、ここを営んでいる山下俊治さんと知穂さんのご夫婦のコメントがあり、店名の理由が書かれています。『実は、シンプルな名づけ方なんです。主人の山下から「yama」、私の旧姓が五辺なので「5」をとって「yama5ya」です。』とありました。「山小屋」ではなく、「山五屋」なんだと分かり、「5」の意味に納得したのでした。ちなみに、「五辺(ごべ)」という名字は、奥さんの出身地である栃木県や群馬県の一部におみえになります。 

 店名に込められた意味を知り、お二人の息の合った厨房での動きに納得した私です。

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ハナ

「ハナ=花」は心を癒してくれます。この季節は、河津桜、ソメイヨシノ、しだれ桃、芝桜、花桃、チューリップ、ネモフィラと、各地を巡れば様々な花が楽しむことができます。そうした色鮮やかな花は、昆虫によって花粉を運んでもらい雌蕊に受粉する虫媒花です。

 しかし、美しい花も無ければ、虫によって花粉を運ばない植物の中で、スギやヒノキといった樹木は、昆虫に頼らず大量の花粉を風で飛ばして受粉する風媒花で、とても厄介な存在です。これが、今、私の「ハナ=鼻」を苦しめております。

先日も、妻に頼まれ恵那市大井町の「恵那峡の里」で、芝桜と花桃を見てきましたが、同時に、目に見えない微細な花粉に怯えながら散策しておりました。例年、2月初旬に掛かり付け医から、花粉症のために小青竜湯を処方してもらい、5月上旬まで花粉の季節を乗り切っておりましたが、今年は4月に入り薬効も虚しく、毎日、深夜に鼻水とクシャミで目覚め、書斎に1時間程篭る日々が続いております。

余りにも苦しいので、CMをしている市販薬を購入するも、その効果は一時的で睡眠不足と倦怠感で最悪の状態です。最後の頼みと思い、昨日、総合病院に駆け込み、鼻炎用の飲み薬、鼻噴霧用ステロイド薬、点眼薬を処方してもらい一夜が経過しましたが、鼻水とクシャミは出ないものの、鼻が詰まって口呼吸しているのか、喉が痛くなり、痰が以前よりも多くなりました。 

そんな訳で、私のマスクの下は「赤ハナ」で、「ハナ水」を垂らした無様な状態であり、決して無愛想になっているのではありません。今は、美しい「ハナ=花」よりも、すっきりした「ハナ=鼻」を欲してります。

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手話サークル竹の子の総会を無事に終えた後、妻と昼食に出かけた先は、お客様から315日に町内でオープンしたことを教えてもらった、韓国料理の店「ホラン」です。韓国語でホランとは虎のことで、店の看板や大弾幕にも虎の絵が使われています。もっとも、翻訳機能で호랑이は「ホランィ」と聞こえますが、まあ、店の名前ですから。

国土の4分の3が山林である韓国には、古くから虎が数多く生息し、「虎の国」と呼ばれていたそうです。または、「虎をあやつる君子の国」とも呼ばれ、2018年の平昌冬季オリンピックでは、マスコットキャラクターが虎であったくらいです。お店で使われている虎のデザインは、輪郭線に沿ってハサミで切って貼ったような平らな印象で、写実的な絵画というよりは呪術的なお守りのような雰囲気を帯びています。このデザインは、朝鮮時代の19世紀末から20世紀初めの間に描かれたものに多いようです。

そんな店内には、既に多くのお客様で一杯でした。入口で名前と人数を書くと直ぐに呼ばれて通されたのが、畳の上にテーブルという席です。ランチメニュー表から、石焼ビビンバ定食とプルコギ定食を注文します。韓国を象徴するような虎(ホラン)の名前のとおり、本格的な韓国料理が運ばれてきます。韓国料理と言えば辛さをイメージしますが、スープは多少辛いものの、旨味の詰まった美味しい料理でした。

メニューにはランチ提供用のものしかないため、会計時に夜のメニューについて伺うと、コースメニューの他にアラカルトも豊富に提供するとのことでした。これまで韓国料理を食べる機会がなかった私は、ニンニクと辛さばかりが印象に残って気楽に食べに行く雰囲気ではなかったうえ、近場に美味しい韓国料理が楽しめるお店を知らなかったことから足を運ぶことがありませんでした。しかし、これを機会に様々な韓国料理に挑戦してみようと思った次第です。 

호랑이 굴에 들어가야 호랑이 새끼를 잡는다(ホランイ クレ カヤ ホランイルル チャムヌンダ)「虎穴に入らずんば虎児を得ず。」

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50年目

 今日は、土岐手話サークル竹の子の総会開催日です。そういう訳で、まめ蔵を臨時休業にし、会場となるエウルフェア土岐に出かけました。

土岐手話サークル竹の子が設立されたのは昭和49年、今年で50年目を迎えます。岐阜県で2番目に設立された手話サークルで、最初に設立された岐阜市内の手話サークルは数年前から活動を休止しており、半世紀に渡って活動を続けている数少ない手話サークルになります。こうして続けてこられたのは、これまで多く先輩会員の方々によってバトンタッチされてきたからです。

 手話サークルの目的は、「私達は手話を学びサークル活動を通じ、ろうあ者への理解を深めると共に、より多くの人々にこれを広める。又、良き仲間として、ろうあ者の生活と権利を守り、差別のない社会を築く事を目的とする。」と規約に明記してあります。サークルが生まれた約50年前、ろう者は「準禁治産者(心神耗弱・浪費癖のため、家庭裁判所から禁治産者に準ずる旨の宣告を受けた者。法律の定める重要な財産上の行為についてのみ保佐人の同意を要した。)」と見なされ、住宅ローンの利用や家業を継ぐことも出来ませんでした。

 そうした中、ろう者や手話通訳者によって運動が広がり、昭和54年に旧民法第11条が改正され、昭和48年に補聴器装着を条件とした自動車の免許も取得可能から、平成18年には全く聞こえない方にも運転免許が取得できるよう警視庁発表がありました。手話通訳に置いても、平成元年に厚生大臣公認の手話通訳士試験が実施され、平成2年に成立した身体障害者福祉法第33条で、「視聴覚障害者情報提供施設」の設置が盛り込まれ、全国に「聴覚障害者情報提供施設」が誕生しています。

 この50年程の間に、ろう者を取り巻く生活環境は大きく改善されました。しかし、他の障害者と同様、その障害や障害に伴う派生的な障害が正しく理解されているかといえば、疑問符が残る状況には変わりません。手話サークルとして、「ろうあ者への理解を深めると共に、より多くの人々にこれを広める。」活動は今後も必要になってくるでしょう。ただし、その存在が無くなるような社会になることが本来望ましい姿なのですが。 

 そんな事を考えながら、総会を無事に終え安堵しております。

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チューリップを見ながら

店の前の花壇には、昨年秋に妻が植えたチューリップが咲き始めました。昨年のブログを見ると328日に記録しているので、10日以上遅く咲いたことになります。これも桜の開花予想が外れたことと同様に、3月の寒さが影響したのでしょうね。

 そんなチューリップの花を覗いて見ると、雄蕊(おしべ)から花粉が溢れ出しそうになっています。ですが、雌蕊(めしべ)はこの段階では、まだ未熟なままなのです。雄蕊が萎れた頃に、ようやく雌蕊が成熟するのです。このように、雌蕊と雄蕊で成熟する時差があるのは、同じ花の中での自家受粉を防ぐためで、他の花との間で受粉をすることで、強い次世代が残そうとしているそうなのです。これを「自家不和合性」と呼びます。

生き物の多くは、近親結婚が数世代続けば、その子孫の集団は遺伝的に均一となってしまい、遺伝的多様性が失われると同時に、集団内の個体は繁殖能力が低下する場合が多いことが知られています。植物は動物と異なり動き回ることができないため、地理的に遠く離れた個体との間で子孫作るチャンスが少ないうえ、多くの植物では、生殖器官である花のなかに雌蕊と雄蕊が同居しているために、必然的に自家受粉しやすい構造になっています。

したがって、自家受粉を回避し、同一種内の他の個体から由来する花粉で受精する(他家受精)という他殖性の機構を進化の過程で獲得してきたんだとか。この仕組みが、地球上に被子植物が広がった成功の要因の一つであると考えられており、被子植物種の半分が自家不和合性であり、残り半分が自家和合性(自家受粉)であると推定されているそうです。

 普段飲んでいるコーヒーの元となるコーヒーノキにも、この自家不和合性と自家和合性の二つが存在します。一般的に、レギュラーコーヒーの主原料となるアラビカ種、缶コーヒーやインスタントコーヒーの主原料となるロブスタ(カネフォーラ)種、それに極僅かに飲まれているリベリカ種をコーヒーの三原種と呼びますが、アラビカ種は自家和合性を持ち、他は自家受粉では種子が作れない自家不和合性という性質を持っています。

ここで違和感を思えるのは、自家不和合が近親交配を回避し様々な環境に適応できるような子孫を残すため、植物が進化の過程において獲得した巧妙な遺伝的機構であるならば、自家和合性を持つアラビカ種というのは、進化できないまま今日まで永らえてきたことになります。あれだけ様々な品種と交配され、多くの品種を持っているアラビカ種が、その交配の過程を経ても自家和合性を持ったままであることが不思議でなりません。 

そんな事を思いながら、色とりどりに咲くチューリッピを眺めておりました。

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串原へ

定休日に車を走らせていると、町のいたるところで桜の花を見ることが出来ます。テレビでは桜の名所が紹介され、多くの人で賑わっている様子が映し出されます。先日も、お客様が、「鶴舞公園に行ってきました。」と話してくれました。先週、私は各務原へ花見に行ったものの、まだ桜は咲始めといった状況だったため、再び満開となった桜を見ようと思いましたが、人混みが苦手なため、5年ぶりに恵那市串原町の「しだれ桃」を見に出かけることにしたのです。

 恵那市串原町木根地区では、住民有志でつくる「きね四季花会」が平成23年から、花で地域を盛り上げようとしだれ桃の植栽を始めました。このうち、会長さんの自宅周囲に広がる1.5haを「きねしだれ桃園」にし、段々畑などの跡に植えた600本が満開の時期になると、色鮮やかな花が水田に映えている光景が見られます。ただ、今回は少しタイミングが早いためか、白い花は咲いているものの、赤やピンクの花はこれからといったところです。

 駐車場で協力金の案内をしていた「きね四季花会」の方の話では、夏場の異常気象で一度葉枯れしてしまったため、満開になったとしても、例年のような多くの花が咲かないのではないかと話されました。5年前に見た桃源郷のような景色は、今年は見られそうにないそうです。

 この「しだれ桃」を木根地区一帯に植えられた「きね四季花会」の方は、恵那市の山間地区ということもあり、高齢者が中心メンバーです。ですが、意欲的な活動をされておられ、

海を越えて長距離移動することで知られる蝶の「アサギマダラ」が、会員の庭先に植えたフジバカマの蜜を吸う光景を見つけ、「観光に生かせるのでは」と考え、会でフジバカマ園を整備されました。

そのフジバカマ園は、「くしはら温泉ささゆりの湯」近くの遊休農地15aで、子どもたちと800本を植えられ、飛来するアサギマダラの匹数データを取り、日別や時間別にまとめました。さらに、マーキングして放したアサギマダラの再捕獲情報も追跡し、確認できたものの中には、飛行距離が最長は10日間で1044キロということが分かったそうです。

さらには、アサギマダラが飛来を終えた「フジバカマ園」のフジバカマから、葉や茎の香りを利用した商品開発をし、刈り取って陰干しで乾燥させ、葉や軸、枝をもんだり細かく切って匂い袋を作ったそうです。その匂い袋は、串原のくしはら温泉ささゆりの湯やマレットハウス、恵那市大井町の市観光物産館えなてらすで販売しているそうです。 

そんな意欲的な活動をされている「きね四季花会」ですが、やはり高齢化の現実は避けられず、5年後、10年後も同じように「しだれ桃」が見られるんだろうか?って思ってしまいます。これが、人口減少が止まらない地方の現実なのかな。

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田楽

 多治見市へ買い物に出かけたついでに、虎渓公園に立ち寄って若松屋の豆腐田楽を食べることにしました。公園内には既に多くの人が出かけてきており、花見をしたり屋台を覗いたりしていますが、やはり花見よりも田楽や五平餅がお目当てのようで、若松屋にも豆腐田楽を注文する人が絶えません。

 公園内の桜を見ながら豆腐田楽を食べていると、確か、田楽という名前は、平安時代に農村で豊作を祈る風習「田楽舞い」が由来だったことを思い出します。しかし、そもそも「田楽舞い」など見たこともないので、調べてみると、「田楽舞い」は室町時代には衰退し、現在は民族芸能として神社などで行われている地域もあると分かりました。 

 そこで、YouTubeで検索してみると、佐賀県の「白髭神社の田楽」、浜松市の「西浦田楽」、東京都北区の「王子神社田楽舞」などが見られます。しかし、よく見ても「田楽舞い」と食べる「田楽」との接点が分からぬままでした。まあ、この時期に豆腐田楽を食べると桜の咲く季節だというのは、私の体に刻み込まれているのは確かなのですが。

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夜桜

先週末、いつも一人でコーヒーを飲むお客様が、娘さんと一緒に来店されました。「珍しいですね」と声をかけると、「中学校のボランティア活動で、土岐高山城まつり(330日・31日)のお手伝いをした帰りに連れて来ました。」とのこと。日頃、思春期を迎える子供達との関係に苦慮していると溢していた方とは思えぬ、やさしい父親の姿を見せてくれ、何だか微笑ましくなりました。

土岐高山城址には、地元の方々が植樹された200本のしだれ梅、350本の花桃や桜の木が咲く場所です。そして、30日から一週間はライトアップされた桜を見ることができるため、昨晩、妻を誘って出かけてみたのでした。ただし、途中の道が何度も曲がりくねって細いため、まだ明るい時間に自宅を出発します。

着いた時刻は5時50分頃、日の入り時刻の6時17分まで散策しながら、土岐市駅前の景色を眺めます。人口減少が続く我が故郷を高所から眺めると、なんだか将来が寂しくなりますが、眼下に広がる寂れゆく街の前に色鮮やか花桃を見ると、少しだけ救われた気持ちになるのが不思議です。 

空が徐々に暗くなってくると、ライトアップの土岐高山城址へ訪れる人が増えてきました。狭い駐車場は直ぐに一杯になってしまうため、道路が混まないうちに早めに帰ろうと、最後に街並みを見る事にします。すると、先ほどと違って家の灯りがあちこちに燈り始めています。ここに暮らす人たちの営みを感じながら、夜桜見物を終えたのでした。

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自己責任ってか?

先週、母親から頼まれてコンビニで振込を行いました。所謂、機能性表示食品のキャッチコピーに踊らされて購入した商品の代金です。母親は「薬の代金」だといって袋に入れた振込用紙とお金を手渡すのですが、毎回、「これは薬でなくて食品だから!」といっても聞く耳を持ちません。95歳という高齢者に、加齢を遅らせる食品は存在しないのだけれど。

 今、話題になっている小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」も機能性表示食品です。この機能性表示食品制度は、安倍政権の成長戦略で「健康食品の機能性を表示できる新方策」について記載され、2015年4月から導入が決まったいきさつの制度です。それまであった特定保健用食品は、健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。

しかし、機能性表示食品はというと、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品であり、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありませんし、国は文献の内容は審査しないのです。

そんな「事業者の責任において」という問題のありそうな制度であったためか、20037月に内閣府に設置された食品安全委員会でも問題になっていたようで、201512月8日の第587回食品安全委員会において、「委員長、座長から国民の皆様へ」メッセージが出されています。

メッセージの中で、『「健康食品」については、多くの人での何年にも及ぶ長期間の科学的研究が少なく、安全性や有効性が確立しているとはいえません。「健康食品」を利用するかどうかはあなたの判断次第です。信頼のできる情報を基に、あなた自身の健康に役立つ選択をしてください。』と自己責任を強調しています。

また、『ここでいう「健康食品」とは、「健康への効果やダイエット効果をうたって販売されている食品」を言います。これには、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品も含まれます。』とも言い、健康食品について次のような問題提起をしています。 

・「食品」であっても安全とは限りません。

・大量に摂ると健康を害するリスクが高まります。

・ビタミン・ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります。

・「健康食品」は医薬品ではありません。品質の管理は製造者任せです。

・誰かにとって良い「健康食品」があなたにとっても良いとは限りません。

 これって「健康食品」を「コーヒー」に替えても言える話で、コーヒーを大量に飲むと健康を害する場合もあり、コーヒーは医薬品ではないので○○のリスクが軽減するとかの話を真に受けないとか、誰かにとって美味しいコーヒーがあなたにとっても美味しいコーヒーとは限らない。ってことになります。全て自己責任で判断せよってことだな。まめ蔵をご利用のお客様も自己責任でご利用願います。 

 ただ、高齢者には通用しない面もあり、正直、能性表示食品制度はこのままで良いのかって思います。

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二分咲き

各務原市の「ホカルノコーヒー」さんへ行ったついでに、少し足を延ばして、各務原市民公園で行われている「第48回各務原市桜まつり」330日~ 47日)を覗いてみました。公園の横には各務原市内を流れる新境川があり、両岸にはおよそ1200本の桜が立ち並ぶ、日本さくらの会選定「日本さくら名所100選」にも選ばれている桜の名所です。ところが、4月1日現在の開花状況は二分咲きといった感じで、花見にはまだまだ早いのでした。

 そんな残念な花見でしたが、公園には春休みとあって若者や家族連れでにぎわっています。園内には多くのキッチンカーが並び、美味しそうな食べ物が食欲をそそりますが、強風が吹いていることもあってか、キッチンカーの前に並ぶ人は見かけません。ここは、株高やベースアップといった景気の良い話とは無縁のようで、財布のひもは固いままです。 

 そんな訳で、新境川の両岸に咲く桜の写真を撮ることを諦め、土手に咲く菜の花と市民公園前駅から名鉄岐阜駅へ向かう電車の写真をパチリ!

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金魚飯

先月の手話サークル学習会では、岐阜県聴覚障害者情報センター作成の読み取りチャレンジ動画を使用しました。その内容は、各務原市へ訪問した時の様子を話したもので、鵜沼宿で食べた「金魚飯」が登場していたのです。

各務原市の鵜沼宿にある「いっぷく茶屋 花の木」で提供される金魚飯は、地元野菜のニンジンを炊き込んだご飯だそうですが、その時の参加者全員が食べたことが無いと言うので、一度は食べてみたいと思ったのです。しかし、その店の定休日が月曜日の為、金魚飯を食べる事が出来ないと諦めていました。

けれど、最近になり、各務原市内で人参農家を営む方が始めたカフェが、月曜日にも営業しており、金魚飯を提供していることを知ります。そこで、早速出かけてみる事にしました。その店の中「ホカルノコーヒー」さん。ホカルノ?この地方では“捨てる”という意味で“ほかる”と言ったりします。だから、捨てるようなコーヒーか?って一瞬想像しましたが、調べてみると、美味しいのに規格外であるため市場に出回らない野菜=“ほかる(捨てる)もの”を活用した料理やドリンクを提供しているそうです。ちなみに、人参農家というのは農業生産法人フォレストファームさんです。

 今回注文したのは、ランチメニューの中の「お魚定食ランチ」で、ご飯が白米か金魚飯を選ぶことができ、当然のごとく金魚飯を選択しました。金魚飯にはたっぷりの人参が入っており、家庭で食べる炊き込みご飯よりも薄味で、しっかり人参を感じることが出来ます。これなら自宅でも作れそう!でも、「金魚飯だよ!」と言っても、「何それ?」って空気になるんだろうな。 

 ちなみに、農業生産法人フォレストファームさんの紹介動画はこちらです。

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