■2023年4月 ブログ

マキネッタですか

昨日、店内でコーヒーを飲んでいたお客様から、「エスプレッソに合うコーヒー豆はどれですか?」という質問をいただきました。速攻で、「何でもいいんです。」と答えます。「エスプレッソはコーヒーを抽出するための道具の一つですから、浅煎りでも深煎りでも抽出できます。ただ、一般的には深煎りを使用することが多いのですが、お客様の好みに合わせた豆をお使いになるのがいいでしょう。」と付け加えました。さらに、「以前、バリスタチャンピオンとなられた方から浅煎りのエスプレッソを飲ませてもらいましたが、美味しかったですよ。」、そういうと、「私は苦いのが好きだから深煎りにしするわ。」そう言ってケニアのコーヒー豆を選ばれたのです。

そこまでは良かったのですが、「ミルが無いから挽いてもらえます。」となったので、「うちでは、エスプレッソ専用の極細で挽くミルが無いのです。」、「できれば、専用ミルで挽きたてのコーヒー粉を金属製のバスケットの中へ入れ、タンパーで押さえるといいんですが。」と伝えると、お客様の顔が????マークでいっぱいになっています。

念のため、「エスプレッソですよね?」と確認すると、「そう、下を温めると上にポコポコ上がってコーヒーができるんだけど。」、えっ!それってもしかして?そう思って食器棚の奥からサイフォン器具を取りだし、「これですか?」と尋ねると、「いや違って、下が金属で。」、との返答でした。

な~んだ。そう思いながら改めて食器棚から取り出してお見せすると、「そうそう、これです!」と言われます。「これマキネッタという器具です。」と言いながら、「確かに、直火式のエスプレッソともいいますが。」と自分に言い聞かせるように話します。なんとも、滑稽なお客様とのやり取りでした。

これまでのお客様の抽出方法は、ペーパドリップ以外では金属フィルター、サイフォン、ネル、コーヒープレス、全自動エキスプレッソマシン、手押し式エスプレッソマシン、ベトナム式、そうだ、エジプトからの留学生がイブリックを使うって言ってたな。こんなところでしたので、マキネッタを使用するお客様を想像することができなかったという訳です。

マキネッタでは24気圧程度までしか加圧できないためクレマは出ないなど、この方式によるものはエスプレッソではないという見解もあるようですが、南ヨーロッパの家庭に普及しているのはこのタイプが多くてエスプレッソとして通じるようです。ですから、エスプレッソかどうかは別にして、コーヒー豆と水をセットして火にかけるだけの手軽さや、使用後のお手入れの簡単さ、器具の安さ、場所を取らないサイズ感、シンプルで故障知らず、を考えれば、このマキネッタも良いのかもしれません。 

お客様とトンチンカンなやりとりをしてしまいましたが、中々、オシャレな抽出器具を利用する方がいらっしゃることを知り、正直、感心したしだいです。

0 コメント

8周年

 来月の55日で、まめ蔵開業8周年となりますが、あっという間に8年間が経過したという感覚です。サラリーマンを約35年経験し、全く異なる分野に進んできましたが、多くの幸運に恵まれながら続けられたことに感謝するばかりです。

 そんな感謝の気持ちを形にするため、コーヒー豆を定期的にご購入していただいているリピーターの方々や、新たにコーヒー豆を購入していたけるお客様へ、小笠原諸島父島のコーヒーノキで作られた「珈琲花茶」をプレゼントすることにしました。そんな理由で、今回の絵手紙はコーヒーの花を題材にしたのです。

 珈琲屋のプレゼントですからコーヒー豆がいいのかもしれませんが、それぞれ好みがあり、希少な豆とか、高級な豆とかいうものを選んでも、必ずしも喜ばれる訳ではありません。それよりも、「なんじゃこりゃ?」、「へー!」といった珍しさが良いのではないかと考え、「珈琲花茶」のティーバッグにしてみたのです。お渡しするときの反応が今から楽しみです。

 8周年といえば、漢字の「八」からイメージされる「末広がり」の意味で、幸運な数字、縁起の良い数字であると言われています。「八」の形が「上」(現在)から「下」(未来や将来)へ広がり、これが永久的に発展、繁栄するということを意味しているんだとか。しかし、必ずしも良い表現ばかりがある訳ではありません。

・八方美人(どこから見ても欠点のない美人、転じて、誰に対しても如才なく振る舞う人)。

・八方塞がり(どの方角・方面にも障りがあって何もできない状態)

・八つ当たり(直接関係のない人を含めて、あらゆる方面に怒りをぶつけること)

・嘘八百(数えきれない程のたくさんの嘘)

・口八丁手八丁(「八丁」は八つの道具という意味で、それらが使いこなせるほど、いろいろなことが上手であること)

 それに、8周年は同時に9年目に突入を意味するのですから、験を担ぐようなことをしても仕方がないのです。サラリーマン時代のことを思えば、やっと主任になったくらいでしょうから、まだまだ未熟者なのです。一つの通過点として、地道に前を進むことを考えます。それが自分らしいから。

 

 

0 コメント

鯉のぼり

先週は可児市のワールドローズガーデンへ行きましたが、今週は瑞浪市民公園内にある「ホタルのせせらぎ広場」へやってきました。ここでは、瑞浪市教育委員会主催の「第27回こいのぼり祭2023」が5月4日・5日に行われるため、4月20日に業者の高所作業車によって、鯉のぼり約140匹が掲揚されているのです。

 孫が男の子ということもあり、記念写真を撮るために散歩しながらジジ・ババがベストショットを探していると、何組もの家族連れがピクニックにやってきます。公園の遊具で遊ぶ子供たちや、カップルが楽しそうにお弁当を広げる光景を見ながら、空に舞う鯉のぼりを眺めておりました。

 掲揚されている鯉のぼり、市民からの寄付などを利用したもので、瑞浪市には現在、約200匹がいるそうですが、昨年が約160匹、今年は約140匹だそうで、年々鯉のぼりも痛んでくることでしょうから、実質、掲揚が可能なものが減ってきているのでしょう。

 昔は親戚の家に男の子が生まれると、初節句に合わせて鯉のぼりを贈ったものですが、そもそも鯉のぼりを掲揚する場所もなく、掲揚する家庭も少ないことから、今後はさらに減っていくのでしょうか♫屋根より高~い鯉の~ぼ~り♫といった歌の意味も理解できない子供たちが、さらに多くなってしまいますね。 

 なお、こいのぼり祭が行われる前日の5月3日から5日までの3日間は、瑞浪市化石博物館・瑞浪市陶磁資料館・瑞浪市市之瀬廣太記念美術館の文化施設が無料開放されるそうで、イベント終了後も5月19日までこいのぼりが掲揚されるとか。空を眺めることが少なくなった日々の生活の中で、自然と上をを向いて歩くことになるのは貴重な時間になるでしょうから、また、一人で散歩してみようと思います。

0 コメント

閉店率の高い業態ワースト5

2015年5月にまめ蔵を開業してから、まもなく8年を迎えることができます。そして、9年目、いや20年目を目指して、コツコツと日々を積み重ねていけたらといいと思っています。飲食店という業界でよく言われていることに、「1年で4割、3年で7割が閉店する。」というものがあります。その中にあって、持続可能な低空飛行の状態で8年間を楽しく過ごせたことは、本当に幸せなことなのです。

 そんな事をぼんやり考えながらYouTubeを見ていると、飲食系の動画の中に「閉店率の高い業態ワースト5」といものがありました。それによると、ワースト5は次のようになっていました。

1位:居酒屋・ダイニングバー

2位:BAR

3位:カフェ

4位:ラーメン屋

5位:イラリアン

この中で、居酒屋やBARといった分野は1年で8割が閉店しているとされ、カフェは差別化がしにくい点や、自分の世界観に入りやすく視野が狭くなったり、参入しやすさから設備投資を疎かにするといった指摘がされていました。

確かに、窯業界から参入してみたものの、1年を待たずして閉店したカフェがあったり、開業2か月で「飲食店はやるもんじゃない。」と取引業者の社長に愚痴る現実を見ると、閉店率の高い業態であると実感します。ましてや、個人店ではなく従業員を雇用するような規模になれば、なおさら厳しい現実が待っているのかもしれません。

最近はコロナ禍で苦しんだ飲食店業界も、ようやく明るい兆しが見えてきたと言われていますが、現実には、コロナ禍で身に付けた「新しい生活様式」から元に戻ること少なく、物価高と給与据え置きという壁が立ちはだかるなど、一部の人を除いた大多数のお客様の消費行動は地味なものになるのではないでしょうか。 

まあ、最初から持続可能な低空飛行を理想としている私にとっては、大空を飛びまわる夢など持ってはいないので、日々の暮らしに喜びを感じるだけで幸せなのです。「美味しかったです。」、「また来ます。」という言葉を頂ける生活が続くよう、ただ精進するだけですから。

0 コメント

ワンコとの生活

娘が産後の里帰りで4月から5月の連休まで居るのですが、同時にペットのワンコも同伴で来ております。そのため、我が家では初めてのワンコとの同居生活が続いており、新鮮ではあるものの、孫だけでなくワンコにも気を遣って暮らしているしだいです。

 ワンコの犬種はジャック・ラッセル・テリアといい、小さい体から想像できないほど活発、頑固で負けず嫌いな性格のようです。狩猟犬として誕生した経緯もあり、その素質を色濃く残し、好奇心が強く、動くものに反応してしまう傾向があり、玄関を開けると私の周りを走り回ります。

 また、運動量が不足するとストレスをためて攻撃的になることもあるので、散歩を欠かすことができず、毎日朝晩といわず何度も散歩に連れ出されてはいるものの、それでも運動量が足らないのか、食後にゆっくりしようとソファーに座っていると、遊んでくれと付きまとってきます。

 そんなワンコを見ていると、食べること、遊ぶこと、食べること、遊ぶこと、時々寝る、といった生活に飼い主である人間がワンコに合わせており、それまで自由に暮らしていた私には、とても面倒を見ることができないと感じております。人間の子供であれば、食事や下の世話は成長とともに手が離れていきますが、ワンコとの生活では寿命のある限り続いていくのですから。

 新鮮なワンコとの同居生活では、自分に懐いてくれる(ただ餌をくれる相手だから)相手が増えた点や、毎日、軽い運動を強制的にやらされること、食後の間食はワンコに狙われるため食べられない、といった変化生まれました。そのためか、体重が2kg近く減少しております。ちょっと嬉しいのですが、きっと、居なくなれば元に戻るのでしょうね。 

 かといって、ワンコを飼おうとは思いませんが。

0 コメント

バラは無いけど

定休日の月曜日、ぎふワールド・ローズガーデン(可児市)へ出かけてきました。ローズガーデンと謳いながらも、肝心のバラの花は6月以降しか咲かないため、今はネモフィラ、チューリップ、アイスランドポピー、トキワマンサクといった花々を楽しみます。

この時期にはネモフィラが人気で、平日にも関わらず多くの方が訪れており、ネモフィアの咲いている丘では、青い花をバックに記念写真を撮影している光景が見られました。何を隠そう、私も出産後に里帰りをしている娘と共にやってきて、孫と写真を撮っているのです。まだ何も分からない赤ん坊には申し訳ないのですが、世間一般的なジジ・ババなのであります。

公園内をぐる~り一周すると、様々な場所で作業している人達を見かけます。大きな公園を維持するには結構な維持費が必要なんだと感じたしだいで、気になって公園工事に伴う入札業者を見ると複数の土木事業者名が挙がっていました。

 この公園は、美濃加茂市のぎふ清流里山公園と同様に、指定管理者によって運営されています。ぎふ清流里山公園は赤字が続いて指定管理者が何度か代わっていますが、ぎふワールド・ローズガーデンも県の2018年から2020年の指定管理者評価結果票を見ると、やはり赤字体質のようです。

毎年2億円前後の指定管理費(税金)が支払われていても、「ネモフィラやヒマワリなど年間を通じて、集客を図っていることが評価できる。」とか、「大河ドラマ館との連携や新たな飲食店の設置など収益向上を図る取り組みが評価できる。」といった見立てで、最終評価は毎年Aとなっています。いかにも行政が作った文書といったことろです。 

やはり、公園整備事業と言うのはお金にならない部門なんでしょうか?そんなことを感じながら、何枚もジジ・ババが喜ぶ写真を撮って公園を後にしました。

0 コメント

植樹のその後

イオンモール土岐が昨年10月7日にオープンしましたが、混雑する場所が苦手なため、しばらくの間は出かけることを控えてきました。なにしろ、県内3カ所目のイオンモールは、延べ床面積72,000平方メートルというイオンモール各務原に次ぐ規模で、東海地方初出店20店舗、県内初出店23三店舗を含む雑貨や衣料品の専門店140店舗を構えると言われていましたから。

また、年間約650万人の来店を想定していたこともあり、さぞかし近隣の道路は渋滞するかと思いきや、意外にも渋滞となったのはオープン直後くらいで、国道19号線は普段の渋滞状況と大きく変化が無いように感じています。(慢性的な渋滞は以前からです)

 そこで、オープン前の9月11日に妻と参加した、「イオン ふるさとの森づくり」植樹祭に植えた木の様子を見に、自転車置き場後ろのエリアに向かってみました。イオンでは、環境保全・社会貢献活動の一環として、施設の敷地内にその地域に自生する「ふるさとの木」の苗木を植えており、今回も地域の樹木を中心に61種 7000本を植樹されたのです。

 あります、あります。植樹したエリアに設置された看板には、参加者が当日書いたサインが書かれていました。そこにはちゃんと「まめ蔵」と書いてあります。でも、植樹された木々は何となく元気がありません。周辺の山は新緑でいっぱいだと言うのに、今にも枯れてしまいそうに見えました。(素人なのでよく分からない) 

 という訳で、イオンモール土岐の店内にはご縁が無いので、時々立ち寄っては植樹した木々の様子を確認してみようと思ったのでした。

0 コメント

まめ繋がり

まめ蔵の駐車場には、時々他県ナンバーの車がやってきます。土岐南多治見IC近くにあるアウトレットへ来た際、「近くに珈琲屋がないか検索して訪れました。」という方が多いのです。ところが今日は、「まめ」という限られたキーワードを検索し、この店に訪れたお客様がありました。

お客様の話によれば、4年間飼育していた観賞用のフグが死んでしまったため、フグに付けていた名前の「まめ」で検索し、この「まめ蔵」に辿り着いたというのです。観賞用のフグ?思いもかけぬ話に驚き、念のため「観賞用フグ」で検索すると、アベニーパファーというインドの川などに暮らす淡水フグの仲間で、全長は2.5cm3cm、世界最小のフグということでした。確かに豆のようなフグであります。

コーヒーの話や他愛もない会話をした後、帰り際に「又、来ます!」と言っていただきました。けれど、観賞用フグの感傷に浸って訪れた「まめ蔵」で、果たして「フク(福)」に転じたのでありましょうか?店主には良くわかりませんでした。

 

毎日、楽しい出会いに恵まれています。

0 コメント

竹の子総会

 今日は、ウエルフェア土岐において、第48回土岐手話サークル竹の子総会を行いました。一応、事務局を担当していることもあって、これまで総会の準備に携わってきており、無事に総会を終えることができてホッとしています。

 3年前は土岐市駅に近いセラトピア土岐を会場としていましたが、土岐市総合福祉センターであるウエルフェア土岐に夜の例会会場を移転したことや、新型コロナウイルス感染拡大による影響もあって、年々総会への出席者も減少するばかりでした。

 そこで今回は、総会開催を日曜日の午前中とし、以前のように土岐市や社会福祉協議会からも来賓をお招きして開催することにしたのです。そのせいか、出席者は30名を超え、一つのボランティア団体としては規模の大きなものになったと思います。

 サークルの会員数としては、OBとしてこれまでサークルを支えていただいた方々を含めれば40名を超えるのですが、活動が金曜日の午前中となる昼の部と、木曜日の夜に行っている会員との交流は少ないため、久しぶりに顔を合わせ見て「あの人誰だっけ?」といった事態もご愛嬌といったところです。

 また、会員の入会・退会もあることから、手話サークルの目的や方針といった基本的な部分を認識するための総会になったことでしょう。年齢や職業など様々な方々が手話を通じて交流できる貴重なサークルであり、他地域のサークルと比べて男性会員が多いのも、土岐手話サークル竹の子の特徴です。 

 そんな手話サークルの第48回総会を終えて思うのは、時代や社会が変わる中にあっても、手話を通じて聴覚障害者への理解を広める活動が続けていけることを願うばかりです。そこに関わった者の一人として。

0 コメント

金枠ちゃんと一緒

 まめ蔵には様々なお客様が来店されますが、時には、抽出する様子をジッと見ながら、「なぜ、そのような淹れ方をするんですか?」と質問される方がいます。そんな時には、松屋式の説明をしながら、「もっと詳しく知りたのであれば、大須にある松屋コーヒー本店に行ってみてください。」と必ず言っています。

 また、「松屋式をやってみたい。」と言う方がいれば、嬉しくなって金枠をプレゼントしてしまうため、在庫が少しづつ無くなってしまうのです。そこで、久しぶりに大須に出かけて金枠を買い足すため、松屋コーヒー本店に顔を出し、金枠を購入後に会長にご挨拶をしてきました。

 訪問した際には、毎度のことのように会長が淹れたコーヒーを頂きながら雑談をするのですが、今回は、パナマのゲイシャを飲ませてもらいます。久しぶりのゲイシャの香りと酸味を楽しみながら、金枠ちゃんを取り出すと、「私はこんなの作ってます。」と、金枠ちゃんネックレスを首にかけて見せてくれます。中々お似合いなんですが、どう見てもチェーンの方が高価に感じてしまうところがビミョーです。

 楽しい雑談の後、帰り道に立ち寄ったのが、千種区今池の路地裏にある「珈琲舞姫(まき)」です。329日のウォーカープラスの「コーヒーで旅する日本/東海編」の記事の中で、「深くて、自分らしい味を出したいと思いながらコーヒーと向き合っています。コレスのサーバーに松屋式の金枠を合わせたペーパードリップで抽出します」とあったので、金枠ちゃんと記念撮影がしたくなったという訳です。

 渋い外観の店舗の中に入ると、カウンターとテーブル席が一つというシンプルなお店で、とても落ち着いた雰囲気です。抽出する様子を見ていると、確かに松屋式の金枠を使用しているものの、そのスタイルはネルで淹れているかのようです。(松屋式ではありません)店主の明るい接客を受けながら、数日前に来店された珈琲狂を肴に、コスタリカのガンボア農園ブラックハニー深煎りを楽しみました。

 いぶし銀ともいえる会長の抽出と、20代の若い情熱に刺激をもらう定休日でした。 

0 コメント

自動販売機

 久しぶりに、大須の松屋コーヒー本店に足を運びました。立体駐車場に車を停めて、商店街に向かって歩いていくと、春休みなのか大勢の人が歩いて来ます。田舎者の私は思わず怯んでビルの方へ避けてしまいました。すると、自動販売機の前に家族連れが集まっているではないですか。

  よく見ると、その自動販売機には大きく「昆虫食」と書かれており、全国各地のコオロギがガーリック味、ソース味、甲州みそ味など、様々なフレーバーで販売されています。また、隣の機械にはサソリ、タランチュラ、タガメ、シロアリなんてのも並んでおり、タガメサーダーなんてのもありました。

 調べてみると、スマートフォンアクセサリーやデジタル雑貨などの企画・製造・販売を行っている「株式会社アイキューラボ」が設置したもののようです。この自動販売機の一番人気は、山形こおろぎガーリックマッシュルーム味(税込700円)で、カブトムシやキョクトウサソリ(税込1,500円)、タガメ(税込1,400円)も人気だそうです。

 ちょいと前には、コオロギ給食が話題になりましたが、私にとっては子供の頃から「ヘボ」や「イナゴの佃煮」を食べているので、何を今更といった気がします。ちなみに、「へぼ」とはクロスズメバチのことです。地蜂とも言って、地中の巣を山の中を駆け回って探し当て、花火の煙幕でクロスズメバチを失神させ、幼虫を楊枝で取り出す光景を何度も見てきました。海から遠い山間部では、貴重なタンパク源として、へぼを甘露煮や味飯にして食べていました。(ご馳走です)

 イナゴは稲が実る頃、田んぼの周りを虫取りタモを持って走り回り捕まえ、瓶の中に入れてフンを出した後、煎ってから佃煮にしていたのを思い出します。子供たちは、今では食べなくなりましたが、「ヘボ」も「イナゴ」も喜んで食べていたものです。

 そんな事を考えて歩いていると、先日、地方のテレビ局が大須の万松寺を取り上げて、光り輝くLEDの納骨堂が新時代のお墓だと紹介していたことを思い出しました。そこで、松屋コーヒー本店を通り過ぎ、万松寺に行ってみると、ここでも見慣れぬ自動販売機があります。機械の上部には「Banshoji Coin」と書かれており、「このコインはお賽銭として利用できます。」、「当寺で1枚500円の通貨としてご利用いただけます。」と日本語の他、英語、中国語の3か国語で記載されています。

 「お賽銭が500円は高くね!」と思いましたが、面白そうなので買ってみようと思いましたが、自販機はキャッシュレス決済に対応しているため、アナログな私には購入することができませんでした。ちなみに、この自動販売機も「株式会社アイキューラボ」が設置したようです。 

 考えてみたら、私が歩いてきた所は全て、宗教法人万松寺に関係しており、不動産事業やビルメンテナンスをする萬松寺土地株式会社、 IT事業や万松寺の境内をイベントスペースとして貸出す(株)SMC、納骨堂「水晶殿」を販売する()マテリアルシードや飲食業の()シュラインなど、全て万松寺で成り立っておりました。昆虫食も凄いけど、一番凄いのは宗教法人だった。

0 コメント

ムアンバを食べながら

先月の3月29日(日)は臨時休業し、UCCコーヒーアカデミー東京校で行われるアンゴラコーヒーの飲み比べ会に参加予定でした。ところが、急遽、友人の葬儀参列のためキャンセルとなったのです。日本では輸入がされていないアンゴラコーヒーのため、飲める機会は稀で大変貴重な経験ができるはずでしたが、それが出来ずとても残念でした。

その代りに、松原食品(福岡市)がアンゴラ大使館のレシピ、アンゴラ大使館監修により作り上げた『ムアンバ』を食べながら、アンゴラの事をブログを書いております。ちなみに、『ムアンバ』とは、香ばしい鶏肉料理で、鶏肉とトマト、玉ねぎなどの野菜をピーナッツバターで煮込んでシチューのように仕上げる、アンゴラの国民食として愛される伝統料理だそうです。

 アンゴラ共和国はアフリカ大陸の大西洋に面する場所にあります。面積は日本の3.3倍。人口は約3,000万人。公用語はポルトガル語、つまり、かつてはポルトガルの植民地だった国です。1975年に独立した後も27年にわたって内戦が続き、アメリカはアンゴラの反政府勢力を支援し、一方、旧ソビエト陣営は、政府軍を支援したという、東西冷戦における代理戦争の典型でした。

 現在のアンゴラは、アンゴラは石油産業の急速な伸びにより、近年は世界でもトップレベルの経済成長を遂げています。しかし、最近は産業多角化にも力を入れ始めており、コーヒー産業もその1つとなっています。実は、以前はコーヒー生産量世界34位(現在は36位)といわれた、コーヒー産業が活発だったアンゴラなのです。

 アンゴラにコーヒーが伝えられたのは1830年代にポルトガル植民地時代だといわれており、1970年代には最盛期を迎え、当時はロブスタ種の中でもさまざまな品種が育てられ、2,000ほどのプランテーション農場があったそうです。しかし、1974年にポルトガルから独立を果たすと、長い内戦が勃発しコーヒー栽培は廃れていきます。そして、2014年に政府主導で再びコーヒー栽培を活発化させるべく、様々な対策が取られるようになりました。

 今回、日本への輸出が行われていないアンゴラコーヒーを売り込むため、3月24日に駐日アンゴラ共和国大使館でアンゴラコーヒー試飲会が行われた後、UCCコーヒーアカデミー東京校でもアンゴラコーヒーの飲み比べ会が開催されることになったのです。しかし、試飲することが出来なかったものの、秋に行われるSCAJの展示会で何かしらのイベントが行われるでしょうから、その時までお預けということになります。

 先に述べたように、アンゴラと言えば石油の他にダイヤモンドの採掘が知られており、内戦後には急激に発展を遂げていきます。そのため、首都のルアンダでは世界一物価の高い都市とまで言われたことがありました。同時に、中国との一帯一路政策にも依存しており、アンゴラ産原油を担保にした中国による、いわゆる「アンゴラ方式」と言われる借款が始まり、石油輸出国の7割以上が中国となっているのです。さらに、アンゴラは今やアフリカの中で対中債務残高が最も多い国にもなっていることを知ると、アンゴラ産のコーヒーもさぞかし苦いのではないかと想像します。(知らんけど) 

それにしても、この『ムアンバ』はアフリカらしい風味がして美味しいではないですか。ソースをパンに付けて食べて良し、スプーンで口に入れてもピーナッツバターの香りが広がり異国情緒を感じます。ただ、鶏肉は胸肉を使用し安価なはずなのに、パッケージの写真に比べて少なすぎるのが残念です。この辺は大使館の監修対象になっていないんだろうか?などと疑問に感じながら、アンゴラのイメージトレーニングをしておりました。いつかアンゴラコーヒーが飲める日を心待ちにして。

0 コメント