■2023年3月 ブログ

夜桜

チューリップの満開をお知らせしましたが、やはり桜を見ないことには始まらないということで、土岐市土岐津町高山にある高山城址で行われている、桜のライトアップを見に行ってきました。

 ライトアップは3月25日(土)~4月2日(日)まで雨天でなければ行われるため、高山城跡に植えられた花桃や桜が美しく照らし出された光景を見ることができます。また、〇〇ドルの夜景とまではいきませんが、高台から見える市内の夜景もいいものです。

 残念なのは、ここまでの道が狭くて曲がりくねっていることです。夜の細道で対向車を避けながら車を走らせるにはチョット危険なため、あまりお勧め出来ないといった点です。まだまだ知られていないことから無難に到着できましたが、多くの方々が見学に来られると足が遠のきそうです。 

 そうとは言っても、夜桜はやはり綺麗です。私は花見にお酒とはなりませんが、若い男性二人組がガスコンロ持参で焼肉をして楽しんでおりました。よくやるわ!

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満開

東海地方の各地で、桜が満開だというニュースが流れています。娘たちの住む神奈川県では既に葉桜になっているそうですから、日本列島というのは思った以上に長いものだと気付かせてくれます。

 その桜の開花状況は、気象庁が北海道から沖縄まで全国各地で桜の観測をして発表しているのですが、観測する桜の木は「標本木」と呼ばれ、全国で58本あるそうです。近くでは、名古屋市千種区にある名古屋地方気象台のソメイヨシノや、岐阜市では加納清水町にある清水緑地南端に岐阜気象台の標本木があったりします。

 その桜の花の開いている花の数の割合で「○分咲き」だと判定されており、次のように定められいるんだとか。

開花:標本木で56輪以上の花が開いた状態

三分咲き:標本木の樹冠で約3割の花が開いた状態

五分咲き:標本木の樹冠で約半分の花が開いた状態

満開:標本木で八割以上のつぼみが開いた状態 

 満開って全部咲いてる訳じゃないんだ!8分咲きが「満開」なのだ。ということは、まめ蔵の花壇に妻が植えてくれたチューリップの今が満開!!ということです。先日も、花壇の草取りをしてくれたので綺麗に咲いた光景が見られます。コーヒーが苦手な方も癒されますから覗いてみてください。

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最後の一杯

コーヒーをお客様に提供する際、毎回、「最後の一杯」のつもりで抽出しています。それは、過去に何度もカウンターに座られたお客様が、最後の一杯になったであろうという経験をしてきたからです。コーヒーが好きでまめ蔵に来店され、カウンターに座って何気ない日常会話を続ける光景は、ある日突然に終止符を打ちます。お客様が高齢だからと分かってはいるものの、当たり前にコーヒーを提供する方がいなくなるのは寂しいものです。

昨日も、お客様の訃報を聞くことになりました。ただ、今回は年齢が若いことや経緯を知っているだけに、来店されるたび「これが最後の一杯になるかも」と感じながら淹れていたこともあって、それが現実のものとなると受け入れがたい気持ちで落ち着きません。

普段から世間話をしているお客様が、「どうも調子が悪いから検査を受けに行ってくる。」、そう言った数日後、「検査で専門医にかかった方が良いと言われた。」と不安そうに話してくれました。その後、専門の医療機関で精密検査をすると、「〇〇に腫瘍があるだって、手術すべきか迷っている。」と正直な気持ちを話してくれました。

そんな経緯を辿って手術をし、その後も時々カウンターに座って、コーヒーからカフェオレに代わりながら術後の経過について話をしてくれましたが、数か月後には再発という現実がやってきます。その際にも明るく振る舞ってくれますが、どこか覚悟を決めていたように思いました。

私の妻が医療機関で働いていることもあり、日頃から「死」について話すことが多くあります。二人にとっては「死=今を生きる」という認識であって、必ずいつかやってくる日のために、この瞬間を大切にしたいと考えています。ところが、実際に自分自身が「死」と直面することがないために、死を覚悟した方へどのような言葉を掛けて良いのか分かりませんでした。まったく情けないものです。 

だからこそ、「最後の一杯」のつもりでコーヒーを淹れることが、私に出来ることだと改めて心に刻むのでした。

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チューリップ

 WBCのおかげで、午前中はノンビリと過ごしている店主です。花粉症の症状がひどい事もあり、夜中にクシャミで目覚め、再度、処方された漢方薬を飲んでいる日々です。そのため、日中は頭がボンヤリとしている状態ですから、昨日と今日のようにお客様がテレビに釘付けとなって、午前中だけでもゆっくり出来る時間はありがたいものです。

 ボンヤリしながら入口ドア越しに花壇を見ると、赤と白のチューリップが咲いています。過去のブログを読むと、例年よりも数日早く開花したようです。妻が昨年秋に植えた球根が、暖かな気温に促されて咲いたのでしょう。今日も最高気温は24℃だとか。まるで初夏と言った気分です。だったら、花粉症も収まればいいのに、こればかりは5月上旬まで続きそうですね。

 チューリップで有名なオランダにはこんなお話がありました。 

『むかしオランダのある町に住んでいた、かわいらしくて、心のやさしい少女に3人の騎士が恋をしました。騎士たちは少女に気に入られようとして、王冠や剣、宝石、金銀などをつぎつぎと贈りとどけました。はずかしがり屋の少女は、どうしたら良いものかわからなくて困り果ててしまい、花の女神のフローラにお願いをして、自分を一輪のきれいな花に変身させてもらいました。その花は、「王冠」の花びら、「剣」の葉、「黄金」の球根をもっていました。やがて、人びとはその花のことをチューリップと呼ぶようになりました。可憐なチューリップは、こうして生まれたのです。』

まめ蔵には、かわいらしくて、心のやさしい少女は来店しませんが、店主は「王冠」に似た松屋式の金枠、「剣」のように尖ったケトル、「黄金」のように光り輝く頭で、一生懸命にコーヒーを淹れております。

 

 

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カタクリの群生地へ

 定休日の今日は、妻と共に可児川下流域自然公園のカタクリ群生地を見に行ってきました。今週の25日(土)・26日(日)にカタクリまつりが開催されるますが、観光協会の開花状況を覗くと見頃なっており、鳩吹山の北斜面約7,000平方メートルが、約10万株の淡い紫色の花で覆いつくされていました。

 カタクリの生態は実にひたむきで、応援したくなるような生き方をしています。ブナ林などの落葉樹林の林床で、冬の間は落ち葉の下で寒さにじっと耐え、まだ樹木が目覚める前の早春に芽を出して葉を出し花を咲かせます。春が深まり周囲の草木や樹木に葉が覆い茂り光が差さなくなると、葉を落として再び土の中で眠りにつくのです。そして体力を温存しながらじっと春を待つという、まさに早春限定の草花なのです。

 また、種から花が咲くまでに最短でも7年もかかり、1年目は芽を出すのみで地上部は枯れ、2年目~6年目は春に葉を1枚だけ出すのみ、7年目にして、ようやく葉を2枚出して花を咲かせます。その間、球根に栄養をためて花を咲かせる準備をするのですが、時には人間によって球根を奪われ、片栗粉になってしまいます。

 ただし、大量生産され市場に流通している大半の片栗粉は、ジャガイモ(馬鈴薯)から製造される馬鈴薯デンプンです。馬鈴薯粉であることから、英語ではポテトスターチ(Potato starch)とか、ポテトフラワー(Potato flour)と呼ばれております。

 この辺の表記に関しては、片栗から作ったものではないのに片栗粉としており、表示違反にならないのか疑問が残るところですが、片栗粉はそれ全体が商品名、既に一般に広く定着した商標なんだとか。片栗の粉ではなく「片栗粉」と言う名前の澱粉粉であり、原材料にきちんとした表記が有るなら不当表示には当たらないそうです。 

 例年よりも早く咲いたカタクリの花を見ながら、花粉症も早く終わってくれないかと願う店主です。

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ROTA BLUE COFFEE

3月11日にNHKのBS放送で、『小さな島のコーヒー大作戦 〜ミクロネシア ロタ島〜』が放送されました。NHKによれば、「ミクロネシアの自然豊かな島、ロタ島。観光業がコロナで大打撃を受け、窮地に陥った。野生のコーヒーを栽培し、復興につなげようとする島民。徒手空拳で挑む人々の物語。」とあり、興味が湧いてきたので録画して見ることにしたのです。

 コーヒー栽培を始めるキッカケとなったKFCトライアスロンクラブとロタ島との関係や、コーヒーの歴史的存在、コーヒー栽培を行うまでの過程を再現VTRで構成されており、なるほどと思いながら見ておりました。ただ、手作りの手廻し焙煎釜での焙煎も、ドラムのスリットから豆がこぼれ落ちるわ、そもそもパーチメントのまま焼くしまつ。どこまで本気なのかと疑ってかかってしまいます。それに、唐突にUCCの農事調査室室長である中平さんが登場するのも違和感がありました。

 そこで、KFCトライアスロンクラブの代表である大西喜代一さんが2022118日書かれた、『ROTA BLUE COFFEE トライアスロンクラブが作った南の島のコーヒー農園』読んでみることにしました。すると、ロタ島が衰退した過程や大西さんが関わりだした理由が分かってきました。

観光を主要産業とするロタ島経済は現在、観光客の激減でどん底状態にあします。2001年のアメリカ同時多発テロで世界の航空業界はテロ対策のセキュリティー強化でコストがかさみ利益の出ない路線を廃止・縮小。日本航空も05年にサイパン路線から撤退しました。さらに新型コロナウイルスによる観光客の激減が追い討ちをかけています。

KFCトライアスロンクラブは、1993年にタヒチ国際トライアスロン大会へ参加することになっていたものが、フランスによる南太平洋フランス領ポリネシアで核実験により中止となります。そこで急遽、トライアスロンとは無関係にロタ島へ観光旅行に行ったことから、大西が「ロタ島でトライアスロンが出来る!」と直感して大会が継続して行われるようになりました。        

 ロタ島との関係を深めた中で、航空路線の廃止や新型コロナウイルスという苦境が待っています。現地の人々から「昔、日本人がコーヒーを植えていた。」という情報からコーヒー栽培へと突き進むのですが、いかんせん素人だった。冗談かと思ったら、本当にド素人なのには正直驚きました。手作りの焙煎窯でのできごとにも納得できます。また、UCCとの関係も、大西代表がUCCのホームページのお客様窓口にメールを入れて問い合わせ、運良く、中平室長につながりUCCの協力が得られることになるという奇跡のような出来事でした。

 本の中にも6つの奇跡として取り上げていますが、奇跡ではなく、「畑違いでも本気になってやれば何かできる。」ということかもしれません。私自身、畑違いな仕事から珈琲屋になっているので、こんなストーリーを見聞きすると励みになります。 

 ちなみに、「ロタブルーコーヒー」という名前は、「ロタブルートライアスロン」に由来するかと思ったら、UCCの中平さんから、ロタ空港から離陸直後に上空から見た透き通ったブルーの海を見て提案されたそうです。そこは、自分たちで決めたんじゃないのか?とツッコみたくなりました。

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成田淑恵 展

今月初め、お客様から「こんな個展があるんだけど興味あります?」といって渡された一枚の葉書が、314日から19日まで恵那文化センターのF展示室で開催される「成田淑恵 展」でした。

その葉書には、座ったクマから様々なものが溢れ出てくる楽しそうな絵が使われています。どこかで見たような記憶があるものの、いったい何で見たのだろうか?初めて見るようでも懐かしいような気がして、気になって仕方がありません。そこで、急遽、開催日となる14日の午前中は店を閉め、恵那市文化センターまで見に行ってきました。

 成田淑恵(なりたよしえ)さんは恵那市大井町の出身です。中学1年の時に、何げなく開いた美術の教科書に載っていたサルバドル・ダリの「燃えるキリン」を見て、意味不明な、けれど確かに大切な何かを訴え掛けてくる作品に驚き、戸惑い、引き寄せられたそうです。確かに写実的で整った絵とは真逆なんですが、私は今でも「ゲッ!」って引いちゃうで、芸術のセンスのある人の感性というのは違うもんですな。

 葉書に使われていた絵は、「夢みる夢」という題名が付けられていました。全体に動物をモチーフにされており、スズメ、猫、像といった生き物が描かれてはいるものの、作者の声や夢、活きる力を感じる作品ばかりです。なんだか絵本を読んでいるような時間でした。 

 興味を持ったことに対し、「見る」「聞く」「行く」っていう行動が躊躇なく出来る間は、まだまだ老いることは無いだろうと安心している店主です。(儲からんけど)

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おひなさま

 東濃地方では旧暦の43日に雛祭りを行うところが多いため、我が家でも先週の土曜日に妻がお雛様を飾ってくれました。店に出て何もしない私は、夜に妻の肩をマッサージして誤魔化しております。まあ、毎年の事なので、あまり期待はされていないようですが。

 そこで、昨日は雛祭りに合わせた雛菓子を買い求めるため、隣町の笠原町にある和菓子屋「陶勝軒」さんへ行ってきました。二年前までは「おこしもの」も作っていたそうですが、今では需要もなくなって作らなくなったようです。そこで「おこしもの」を諦め、「おひなさま」を買ってきました。何だか食べるのが勿体無いくらいの練りきり菓子です。

 雛菓子といえば、「ひなあられ」を思い浮かべますが、それ以外のお菓子も、ひな祭りの伝統的なお菓子の多くは、縁起の良い「白」「赤」「緑」の3色で作られているといいます。確かに、私の購入した「おひなさま」も「白」「赤」「緑」の3色が使われていました。 

 生菓子なので、4月3日を前に家族で食べてしまいました。また、何か美味しそうなものを探してお供えしましょうか。

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一足早い花見

 今年は桜の開花は例年よりも早くなりそうだと、車のラジオから流れてきました。そういえば、二年前の今頃は、名古屋市東区の「桜通泉二丁目」から「芳野二」交差点北まで続く、全長約1.4キロメートルの桜並木を見に言ったことを思い出しました。そこで、雨上がりの道を名古屋へ向かいます。

 ここの桜の並木道は、毎年名古屋市内でいち早く花見ができる名所となっており、現在では約140本の桜が並木道をつくっているそうです。淡紅色の桜は、大寒桜(オオカンザクラ)で、濃い紅紫色の桜は、寒緋桜(カンヒザクラ)とういことですが、桜の木が細く、並木全体を見れば綺麗なのですが、ちょっと物足りなさを感じます。

 そんなことを考えながら、道路を迂回して帰ろうと路地に入ると、七小公園という場所には大きな桜の木が何本もあり、満開となって咲き誇っていました。遊具で遊ぶ親子連れを横目に、桜に木の周りを散策してきました。

 すると、公園の中心に、某地方テレビ局が「富士山すべり台」の上で地元グルメを食べるというのではないですが、それに似た「石の山遊具」とやらが、カラフルに塗り分けられて鎮座しておりました。「名古屋市はこんなんが好きなんか?」と不思議に思ったしだいです。

 公園の名前が「七小公園」というので、近くに第七小学校でもあるのかと思いましたが、どうやら旧町名が「七小町(ななこまち)」であったようです。この地域には、高岳院、善光寺・養蓮寺・遍照院・普蔵寺・正覚寺(のち円通寺墓所)・東漸寺の7寺院があり、「七箇寺門前」と言われていたそうです。この「箇」が「小」に置き換えられたとの由来があるそうです。 

 脇道に外れてみたら、思いがけなく綺麗な桜に出会え、一足早く花見が楽しめました。

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持続可能な低空飛行

2月は思いのほか忙しく、体力的にも精神的にも疲れてしまいました。月末にデータを見てみると、なんと12月よりも来店客数と売上額が多くてビックリです。いわゆる「二八(にっぱち)」といって2月は売上が落ち込むと言われる時期なのに、なんでそうなるのか不思議でなりません。正直、異常値とも言える数字に驚いたと同時に、その反動が心配になってきます。

 経済産業省でも「経済解析室ひと言解説集」の中で、「二八」について過去に取り上げており、「小売業の活動が2月に落ち込むということは確かなようです。2月は日数が少ないので、活動量が2/30.4=6.5%程度落ち込むのは当然といえば当然です。一方、8月に前後の月に比べて落ち込むかというと、そういう傾向は読み取れません。飲食料品小売業では、寧ろ8月の販売量が多くなっています。小売業全体で言えば、2月の落ち込みや12月の盛り上がりが特徴的で、8月の水準は寧ろ平均的です。」と書かれており、やはり2月の増加は不思議です。

 そんな心配を他所に、3月に入ると例年のペースに戻ってきているような気配です。余計な心配だったかもしれませんが、未だに2月の疲れが抜けきれておらず、どこか元気が出てきません。そこで、定休日に向かった先が焼肉の店です。一人焼肉ができる店で、ホルモンの盛り合わせを注文しました。そうそう、ついでにホルモンの唐揚げも。ガッツリ食べて元気を出そうという魂胆です。

 時々、「忙しいのはいいじゃないか!」とか、「そんな贅沢言ってるのはお前だけだ!」と、忙しい状態に困った顔している私を叱るお客様がいらっしゃいます。しかし、「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」を目標にしている私としては、「生まめを まめに焙煎」できるのは良いものの、「楽しく まめに暮らす」が出来なければ本末転倒だと思っているので、持続可能なくらいがちょうどいいのです。(また叱られそうですが)

 それに、一番危惧しているのが、一人で全てやっているスタイルなので、キャパオーバーになってしまうと、品質が落ちる結果になることです。人間は基本的に欲張りで怠け者の生き物なので、環境が整えばそんな行動を取ってしまうものです。だからこそ、「あれ?美味しくないぞ。」、「期待していたものと違うんじゃないの?」などとならないためには、自分が出来る範囲でやらなければいけないのです。 

 持続可能なレベルで低空飛行を続けることが、私にとってはベストだと思っています。朝ドラみたいに、「舞いあがれ!」を夢見ていないのです。

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春の花

 店の前の花壇からチューリップの芽が出てきました。昨年の秋に花壇の植え替え作業した際、妻がチューリップの球根を植えたものが冬を越して芽を出したのです。自宅の庭には水仙の花が咲き、紅梅も空に向かって花びらを広げています。そして、3月下旬には桜も咲き、春爛漫も近しといったところでしょうか。

 そんな話をお客様としていると、「アセビも咲いてますよ。」教えてもらいます。「アセビですか?」聞き覚えのない私は聞き直してからタブレットで調べてみると、ツツジ科の常緑性の低木で見たことのある花でした。アセビは「馬酔木」とも書き、葉にアセボトキシンなどの有毒成分が含まれることから、ウマが葉を食べれば毒に当たって苦しみ、酔うが如くにふらつくようになる木というところからついたとされるます。

 確かに見たことがあるのですが、実際に見てみたいと思い、自生しているといわれる近くの山へ散歩がてら見ようと思ったのですが、いきなりクシャミが出てしまい出歩くとこを諦めました。花粉症と付き合っている私にとって、この時期に屋外での行動は大変リスクがあるのです。目覚めとともにメヤニで目が開けられず、顔を洗っても痒みが治まりません。花粉が飛散するピーク時には、夜中にクシャミで目が覚め、鼻水が止まらずベットに寝ていられなくなる程です。 

 この季節は窓から見える春の景色を楽しむか、冒険して外に飛び出すか、悩ましい日々が続きます。

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日本未上陸!?

シンガポールへ出張に行ったお客様から、お土産にコーヒー豆をいただきました。コーヒー袋には大きく「Bacha Coffee」と書いてあります。どうやら、アフリカ北西部に位置するモロッコ王国のコーヒー屋さんのようです。Bacha Coffee(バシャコーヒー)は1910年にマラケシュ に設立され、アラビカ種100%を専門に30カ国以上の生産国から取り寄せているんだとか。

 お客様によれば「日本未上陸」ということで選ばれたようで、確かに、シンガポールには2019年にカフェをオープンさせてはいるものの、日本にはカフェ店舗はないようです。でも、コーヒー豆はネットで買えるみたいだけど。

 パッケージには「Indonesia Toba Mist C4000」とあります。ホームページを調べてみると、「スマトラ島のトバ湖のほとり、標高約1,200メートルの高地で小規模農家よって栽培されています。セミウォッシュド精製法によって作られた、花のようなアロマとほのかな柑橘類、ダークチョコレート、優しいスパイスの香りを持つフルボディのコーヒーです。カップの中での航海をお楽しみください。」とありました。

 海外のお土産のコーヒーって深煎りが多いんですが、このコーヒー豆は浅煎りよりの中煎りといった感じで、ちょっと期待して淹れてみます。袋を開けるといい香り!蒸らしをしても膨らまないのは当然ですが、少し酸味のある飲みやすいコーヒーでした。

 ごちそうさまでした。店に居ながら様々な場所のコーヒーが飲めてしまいます。感謝!感謝! 

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サイボーグになる

先月、カウンターに座られたお客様から、「今、読んでいるけど面白いよ!」といって一冊の本を紹介されました。それが、『サイボーグになる』(岩波書店)で、副題が「テクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて」という、韓国の作家二人が書いた本です。

著者である、SF作家のキム・チョヨプさんは後天性難聴のため補聴器を、弁護士・作家・パフォーマーとして活動するキム・ウォニョンさんは骨形成不全症という難病のため車椅子を使っています。一日の眠っている時間以外のほとんどを機械と接合した有機体という点だけ見れば、二人は「サイボーグ的な」存在かもしれないと言っています。

 しかし、現実世界ではアイアンマンスーツを着て空を飛びまわることもできず、電動車椅子や補聴器のバッテリー切れにヒヤヒヤし、人工透析のスケジュール管理に苦労しており、いつの日か登場するであろう最先端技術や治療方法を待ってはいません。そして、「わたしは車椅子に乗っていて、その点ではあなたと同じではないけれど、わたしたちは同等だ」と言うことは、どうすれば可能なのか事例を交えながら二人が交互に語っていきます。

社会の中には、障害のある人がより良く生きるためには「損傷」を除去しなければならない、という考え方が深く浸透しており、治療だけが唯一の解決策であるという考え方は、現実で障害者がより良く生きる多様な可能性を消し去っており、「歩くこと」が一番良いという正常性の規範を押し付けや、「聞く」ことの正常性の規範として人工内耳への誤解がまかり通っています。

例として、韓国の食堂やカフェで続々と導入されているタッチパネル式のキオスク端末について触れています。コロナ時代に非対面で注文や会計ができるのは利点ですが、手の震えや視覚障害で操作が難しい障害者や高齢者は利用できません。便利なテクノロジーも、それを利用できない人を排除してしまっているというケースです。

 また、「エコロジー」という耳触りの良い言葉で広がったストロー付き飲料に対する認識も、そもそも飲み口が蛇腹になったプラスチック製のストローが、ミルクシェイクが飲みやすくした患者用のためであり、プラスチック製のストローの廃止が障害者の権利と相反する結果になっています。

「車椅子で暮らす人は2本足で立って歩くことを本当に望んでいるのか」、「テクノロジーの進歩は障害者を置いてけぼりにしていないか」という問いに、まっとうな答えを出せない私がいる。ただ、将来のテクノロジーによって障害者がサイボーグになれるとしても、それは魔法の解決手段ではないことは分かった。そして、各々の不完全さに目を向け、想像力を働かせて社会を繋いでいけば、みんなが生きやすい世界に少しずつ近づいていくだろという期待は持ち続けたい。

 読み終えて、30数年前に脳性まひの方の詩集作りの携わった、一つの詩を思い出しました。

 

『障害と共に』  宮川和生

ぼくは障害と共に生きていく

ぼくが生きているかぎり

障害がぱっと

消えてなくなるわけではありません

障害を持ったことを

くよくよしていたら

自分がみじめになります

だから

ぼくは障害を友として

たのしく

共に生きていこうと思います

 

 

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花粉症の薬

定休日の月曜日は、母親と共に掛かりつけのクリニックへ受診してきました。受診の際、花粉症の薬を処方してもらうために医師にお願いすると、「実は漢方薬が不足しているので、在庫がないかもしれませんよ。」と言われてしまいました。以前は市販薬を服用していましたが、今のクリニックを受診してからは医師に勧められた漢方薬(小青龍湯)を服用しています。これが体に負担なく自分には合っているのです。

医師の話では、原因は色々あるようですが、コロナ感染症に漢方薬が有効(急性期、後遺症ともに)という話もあって、原料の生薬の主産地である中国からの輸入が難しくなったというのです。また、コロナの影響で物流が制限されて供給が間に合わないことなどもあるんだとか。

 とりあえず処方箋を書いてもらって調剤薬局へ行くと、案の定、薬剤師さんから「在庫が少なくなっているため、半数しか出せませんがどうしましょう?」と言われます。どうしましょうかと言われても、半数でももらえれば助かるのでお願いすると、クリニックへ連絡の電話を入れているようでした。

漢方薬の原料となる生薬は約8割が中国産で、中国産生薬の価格上昇により安定確保が難しく、原料生薬の安定確保のために国産ニーズが高まっています。しかし、一方で赤字により撤退する国内産地が相次いでおり、支援政策として、国内で使用量が多い薬用作物を絞り込み、国内栽培を後押しする政策に転換するようですが、急に国内転換は難しいでしょうね。

そもそも、医薬品の供給をめぐっては、製造上の不正が発覚したジェネリック=後発医薬品のメーカーへの行政処分が相次ぎ供給不足が続いている一方で、新型コロナの感染拡大で解熱鎮痛薬やせき止めなどの需要が高まり、一部の医療機関や薬局では入手が難しくなっているそうです。

そのため、主体のジェネリック医薬品が不足した影響を受けて、先発医薬品で補おうとして、こちらも足りなくなり、代替品として漢方薬を処方した結果、今度は新たに漢方薬が手に入りにくい状況が生まれているということでした。 

とりあえず次回受診までの間は、以前処方してもらった薬が残っているのでなんとかなりそうですが、その後どうなることか心配されます。そもそも、花粉症が治癒する治療法があればいいんですけどね。

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