■2023年12月 ブログ

門松を設置

今朝は、店舗入り口ドアの前に門松を設置し、店内の清掃と焙煎機の手入れを行いました。これで今年の仕事がすべて終了です。門松は娘婿が自宅用とまめ蔵用の二基を作ってくれ、形だけでもお正月を迎える準備が出来ました。昨年から充電式電動ノコギリを使用しているので、竹を切る作業が楽になったようです。 

たった四日間の休みですが、一年の区切りとなることを思うと、とても長い期間のように感じるから不思議なものです。さて、ゆっくりとお正月を過ごすとしましょうか。

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今年最後の営業日

『生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす』。今年も、この目標に向かって珈琲屋をしてきましたが、毎日焙煎をしながら楽しく暮らした一年になりました。本当に感謝するばかりです。

特に、12月は焙煎をする機会が増えるため、焙煎とハンドピックを繰り返しながら、いつもより多くのお客様と触れ合うことが出来ます。年末だということで、数か月に一度くらいコーヒー豆を買いに来る方や、何年かぶりに大きくなった子供さんと一緒に来店される方など、思いがけない出会いもあり楽しい日々です。そんな喜びに浸りながら、今年も、この一年をデータで振り返ってみようと思います。

先ずは、開業から今年までの「年間の売上と来店客の推移」を見てみます。有難いことに、開業から前年の売上を上回る状態が続いています。理想としている大きな上下の変動がない、持続可能な低空飛行がベストだと思っている私にとっては、上出来な状態となっています。ただ、この間には来店客数の変動が大きくあり、必ずしも理想の状態ではないのですが。

どんな店であれ、必要なところは利用され、必要でないところは利用されなくなります。たとえ新型コロナウイルス感染が流行したからといっても、人は必要なところへは行くので、これも例外ではありません。必要でないと感じた方があったからこそ、コロナ禍は来店客数が減少したのでしょう。

今年はコロナ禍が終わったかかのように、マスコミや政治が喧伝したこともあり、春先には過去最高の来店客数を記録しましたが、夏以降は徐々に例年並みに戻り始めました。結果的にコロナ禍前を上回る来店客数となりましたが、その上昇率と比べて売上額は伸びていません。理由は、巣篭り需要によるコーヒー豆の販売額が減少したためであり、「コーヒー豆の販売額推移」をみても明らかです。

そんな売上の減少を少しだけ下支えしたのが、ロールケーキといったスイーツの販売です。「スイーツの販売額推移」をみれば、過去最高の販売額となっています。スイーツを食べる方は当然コーヒーも飲まれる訳で、結果的に客単価を上昇させることに繋がる効果があるのです。スイーツは原価率が高い商品のために利益は低くなるものの、集客効果もあり、その中でコーヒー豆の販売に結び付くお客様を生み出すこともあります。品数を増やすことは難しいのですが、必ず一定数は準備したい商品です。 

来年は10年目を迎える年となります。コーヒーを取り巻く環境や、国内外の政治経済は相変わらず混乱しています。だからこそ、まめ蔵で美味しいコーヒーを提供できるようになりたいと思いながら2023年を閉じるとします。多くの方々に感謝!感謝!

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ねこのまなざし

本当は大好きなお母さんと離れたくなかった。

最初に思ったのは、ミルクをくれるだけの大きな生きもの。

遊んでもらう?と言うより、相手をしてあげただけです。

寒かったという理由で、あなたとふたりで寝たわけ。

でも、知らないうちにあなたをけっこう好きになっていたかも。

実はずっと一緒にいてあげてもいいかな、なんて思っていた・・・。

ね、お願いだから、泣かないで、とっても幸せな毎日だったから。

ほら、だって、ここにいるから。

 

こんなメッセージとともに、保護猫「リッキー」の絵が次々と映し出されるモニターが設置された、「武藤 茉りか 絵画展 ねこのまなざし」(1228日まで)を多治見市のガレリア織部で観てきました。

作者の武藤茉りかさんは、中日新聞の取材によれば、働き過ぎで心身を消耗し、仕事を休んでは復帰するという生活を繰り返したそうです。そんな時、知人に誘われた保護猫の譲渡会で「リッキー」と出会い、愛猫のかわいい姿を残そうと、約30年前に断念した絵を描きたい気持ちが膨らみ、猫の絵をかき始めたとか。しかし、リッキーが亡くなりペットロスで再び心が折れましたが、周囲の励ましや再び引き取った保護猫の「くらら」「そら」をモデルに絵を描き始めると、体調も快方に向かったそうです。

 実は、私は犬猫といった愛玩動物が苦手です。一緒に居れば可愛いですし、ツンデレだって嫌いではないのですが、生き物と付き合うのが苦手というか、責任が持てないからなのです。人間よりも寿命の短い生き物で、人間の為に品種改良された愛玩動物に対し、愛らしいから、癒されるからといって飼うことに、何かモヤモヤしたものを感じてしまうのです。 

 冒頭の保護猫「リッキー」からのメッセージは、リッキーの本当の声なのか?ドラえもんの「ほんやくコンニャク」で尋ねてみたい。そんな気持ちで様々な猫たちを観ながら、癒された時間をカレリア織部で過ごしました。猫好きにはたまらない空間ですが、保護猫がモデルだという現実に、一人の人間として、複雑な思いで帰る事になりました。

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クリスマスブック

 昨日、店から自宅へ帰ると、イラストレーターの中山尚子さんから郵便物が届いていました。中身を見ると、「モロゾフ」のチョコレートの入ったクリスマスブックです。そして、メッセージカードにはガレリア織部で行われた『中山尚子展 九月の庭』へのお礼文がありました。「なるほど、作品を購入したお礼なんだ!」と思いながら、中山さがデザインした可愛いパッケージを開けました。

ちょうど、個展「中山尚子クリスマス原画展」が、瑞浪市のaocafe(アオカフェ)で、11月28日から12月23日まで行われており、1998年から洋菓子メーカー「モロゾフ株式会社」のクリスマスパッケージデザインが原画と共に展示されています。今回の展示は会場の定休日や営業時間の関係で見ることは出来ませんが、以前、美濃加茂市のミュージアムで見たことがあります。

東濃ニュースの取材に対して中山さんは、「モロゾフさんのデザインを手掛けて、今年で26年目を迎えた。パソコンで描く時代だが、手描きを続けている。修正は大変だが、やはり筆ならではの良さが、絵にあたたかみや味を生み、ロングセラーにつながっていると思う。『中身のお菓子は食べてしまっても、かわいらしいので、箱は残している』とか、『アドベントカレンダーのデザインを、毎年、楽しみにしている』などと言われると、うれしい」と話されています。 

私には収集する趣味はありませんが、26年分を集めると、自宅がちょっとしたギャラリーになりそうです。食べるのがもったいなくなりますが、朝のコーヒーと一緒にいただくことにしましょうか。ごちそうさまです。

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ろう者の俳優

今年の5月に読んだ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(著:丸山正樹)が、草彅剛主演ドラマとして、1216日(土)にNHK総合・BS4Kテレビドラマとして放送されました。私は、まめ蔵で仕事の合間を縫ってNHKプラスで観たのですが、中々見応えのある仕上がりになっており、民放のタレントを使ったドラマと異なり見入ってしまいました。

ファミリーレストランで手話をしていた尚人たちを見て、「手話って笑えるっていうかさ、大丈夫だって、どうせ聞こえないんだよ。」と悪口を言った若者たちの光景は、まめ蔵でも、カウンター越しにろう者と手話で会話をする姿を見たお客様の反応が様々であることを思い出させます。私は尚人のように悪口を手話で見せて、「どうせわからないから。」という下品なことはしませんが。それに、下品な手話も知りませんし。

 また、手話通訳士技能認定試験の会場外で受験者から話しかけられた際、尚人は手話で「(合格率1割の試験は)難しくて当然ですよ。手話は流行のおもちゃじゃありませんから。正確な通訳ができなければ、かえってろう者の負担になります。」と断じています。だからこそ、手話サークルでは毎週学習会を行っており、ろう者の負担にならないような手話レベルの向上に努めているのです。

 先日、手話通訳士試験の前レベルとなる、全国統一手話通訳者試験が行われました。手話通訳士レベルまではいかないものの、手話奉仕員として県や市での手話通訳派遣が行えるくらいのレベルの通訳者認定を行うものですが、合格率20%程度と試験内容は難しいものとなっています。学習会の中で過去問題を取り上げたことがありますが、年々審査が厳しくなっていると感じました。それも、生活や命に係わるコミュニケーション手段である手話ですから、当然と言えば当然ですが。

 そんなこともあって手話通訳者の数は中々増えていきません。特に地方においては高齢化もあって手話通訳者が減少傾向にあります。いくらAI技術が進もうと、対面で人と人がコミュニケーションを行う必要な無くならず、手話通訳者は必要な存在ではあるものの、先進諸国のように手話通訳で生計を立てる事は一部の人を除いて困難であり、ボランティアによって支えられているのが現状です。

 今回のドラマには、エキストラも含めると30名以上のろう者、難聴者、コーダの役を当事者が演じています。ドラマを観て気付いたのですが、手話通訳学科講師として幼いころからコーダの尚人を見守ってきた冴島素子役が、なんと、岐阜ろう劇団「いぶき」の河合依子さんだったことです。劇団創立の40数年前から知っている方だけにTVドラマの出演を嬉しく思ったと同時に、舞台とまったく違った演技で驚いてしまいました。

 原作では、ろう者社会でのキーマンとして描かれており、後編「もうひとつの家族」でも重要な役回りをするはずです、どんな演技をされるのか注目したいと思います。知っている人が登場するだけでワクワクするもんです。 

 原作者である丸山正樹さんは、ある対談の中で、タイトルとしての「デフ・ヴォイス」には3つの意味があると言っています。一つは、そのまま「ろう者の声」、もう一つは、ろう者にとっての言語である「手話」、そして最後の一つは、ろう者に限らず、言いたいことがあっても圧倒的な多数の前にはあっては声が社会に届きにくい「社会的少数派の声」だそうです。 前編・後編を含め、テレビと言う映像でどのように表現されるのか観てみます。

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重なるもんだ

日曜日、自宅に居る妻から電話があり、「おばあちゃんの部屋のエアコンが壊れた!」とのこと。購入から5年数か月が経過しており、長期保証の5年が利用できませんが、修理を依頼したところ火曜日の朝に来てくれることになりました。とりあえず、私が店を開ける時間を遅らせて修理の立会をしたのですが、室外機の電子基盤を後日交換してみるとのことでした。さて、どうなりますやら。

今年は、まめ蔵のエアコンが故障して修理をしたと思ったら、製氷機の部品が破損して水漏れで氷が作れなくなり、その修理も終わってこれで安堵した途端、今度は自宅の家電が壊れ始めました。夏には書斎の15年経過したエアコンが使えなくなって買い換え、先日は16年経過した冷蔵庫が壊れて買い換えることに。そして、今回の母親の部屋のエアコンが故障しました。まあ、今年は色々と電気製品が壊れるものです。

先日は、「幸福の木」と呼ばれるドラセナ・ジェレの花が咲いて、「幸福の知らせ」だなどと喜んでいましたが、現実をよく見ると災難続きだったことになります。けれど、電気製品は何時か壊れるものです。見方を変えれば、年内に全て改善されて新年を迎える事ができると思えば良いのです。 

ただ、まめ蔵の修理や買い替えについては費用をあらかじめ少しずつ準備しているのですが、自宅の買い替えは費用の準備がしてありません。妻がポツリと、「ボーナスがもらえていた時はよかったけど。」と言ったことが頭の隅に残ります。今でも二人は働いてはいるものの、ボーナスの無い生活をしているため、突然の大きな出費は堪えることを実感しました。そこで、「家電買換え積立でもするか?」と妻に提案したしだいです。

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話につられて山岡へ

日曜日に来店されたお客様が、「恵那市から多治見市へ帰る途中に寄ったんだけど、向こうは雪が降っていた。」という話から、実家近くの山岡町の話題になり、冬場に行われる寒天作りについて話が及びました。「子供の頃は、天草(テングサ)を匂いが嫌いでしかたなかった。」、「町にある田んぼが、全て白い細寒天で埋め尽くされた。」といった話を聞きました。そこで、急遽、山岡町へ車を走らせたのでありました。

ところが、山岡町へ入って寒天作りが行われているはずの場所に、白い干し棚が見当たりません。「まだ早かったか?」と思いながらさらに進むと、下手向簡易郵便局の川を挟んだ田んぼには山一寒天産業の干し棚が並べられ、天草の煮汁を冷やして固めた「ところてん」を細い麺状にして天日干しにされています。

山岡町の昼暖かく、夜が寒いという気候を利用し、夜の寒さでところ天が凍り、昼の暖かさで水分が溶けて落ちる。その凍結と解凍を繰り返しながら乾燥させる作業は2月まで続きます。寒天の名の由来はこの「寒ざらしのところ天」から来ているそうです。

 お客様が「町にある田んぼが、全て白い細寒天で埋め尽くされた。」と言われていましたが、そんな光景は今では見ることが出来ません。それもそのはず、1961年(昭和36年)には工業設備も導入されるようになり、生産工場が120を超え最盛期を迎ましたが、需要の低迷で現在は岐阜県寒天水産工業組合のホームページを見ると、細寒天の生産者は7社しかないようです。それでも、ここから生み出される細寒天は、非常に質の良いことで知られ、全国シェア80%を超える特産品となっています。

 ちなみに、「山岡細寒天」という商標は、「地域名と商品・サービス名」が結びついた商品の商標権の登録要件を緩和し、地域の活性化などに役立てようという新しい制度が200641日の商標法改正によりスタートした、その第一号となった全国52件のうちの一つでもあります。 

 お客様との何気ない会話から、山岡町へ出かけた定休日でした。

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幸福の花

店内でコーヒーを飲んでいたお客様から、「この木、花が咲いているんじゃない?」って言われて見てみると、開店祝いに頂いたドラセナ・ジェレに花が咲いていました。このドラセナ・ジェレは「幸福の木」と呼ばれ、お祝いの際に贈られることが多く、その花言葉は「幸福」です。ハワイでドラセナに似た植物を玄関の前や家の前に置くと福を招くとされていたことが由来だとか。

成熟した木でしか開花しないためとても珍しく、最低気温が7度以下の日が数週間続くことが条件のひとつとされ、秋から冬にかけての1012月上旬ごろが開花時期だそうです。また、5年に1度、10年に1度しか咲かないともいわれていますが、条件さえ整えば毎年咲くこともあるようで、いずれにしても開花は珍しいことなのです。

ところが、2020510日にも咲いており、その時のブログを読んでみると、『開店5年の記念となるタイミングや、新型コロナウイルスで異常な状態が続いている中で咲いた花を見ると、「なんでやねん?」と花が咲いた真意を尋ねたくなります。』と書いており、1012月上旬ごろの開花時期と大きくズレています。 

いずれにしても、花言葉は「幸福」ですから、きっと何か良い事があるんじゃないかと調べてみると、本日の売上で昨年一年間の売上と同額になり、確実に昨年よりも売り上げが増えることが判明。大きくアップした訳ではありませんが、「幸福」の知らせでありました。

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コーヒー豆の増産?

ミャンマー軍事政権が、向こう5年間でコーヒー豆を増産するというニュースを見ました。アジア経済ニュースによれば、『国軍の最高意思決定機関「国家統治評議会(SAC)」の議長を務めるミンアウンフライン総司令官が明らかにした。24年にコーヒー栽培地を2万7,900エーカー(約1万1,290ヘクタール)拡大し、5年後の生産量増加を目指す計画だという。国内の総栽培面積は30万エーカーに達する見込みだ。同氏は投資家に向け、コーヒー産業への資金投下を呼びかけた。』というものです。

これを見て、国連に「アヘン大国」と指摘されたミャンマー軍事政権が、薬物大量焼却で健全化アピールした7月頃を思い出しました。国際薬物乱用・不正取引防止デーに合わせて、国内で押収された違法薬物の廃棄イベントをヤンゴン郊外で大々的に行われたのですが、そのイベントの発端となったのは、その年の1月に国連薬物犯罪事務所(UNODC)が公表した報告書にありました。

「ミャンマーにおけるアヘン調査2022年、耕作・生産とその影響」と題する報告書の中で、ミャンマーでは2021年から2022年にかけてケシを栽培する耕地面積が約410ヘクタールとそれ以前に比べて33%拡大したと指摘するものでした。また、潜在的な生産高も前年比90%増の790トンとなるなど、ミャンマーのアヘン経済は「大幅な拡大」を示していると断じたからです。

 今回も、国連薬物犯罪事務所UNODCがミャンマーの国内情勢の不安定化と、アヘンの原料となるケシのアフガニスタンでの栽培減少が影響し、ミャンマーは世界最大のアヘン供給国となったと報告書を出したタイミングとあって、ケシ畑からコーヒー栽培へ移行しようとするパフォーマンスに見えてしまうのです。

ミャンマーは1948年にビルマ連邦として英国からの独立をはたします。しかし、1962年には軍事クーデターによる社会主義政権が成立し、1988年の全国的な民主化デモにより社会主義政権が崩壊、デモを鎮圧した国軍がクーデターにより政権を掌握しました。その後、民主化運動の弾圧やその指導者アウン・サン・スー・チー氏の拘束・自宅軟禁、そして自宅軟禁解除を経て、民主化へ向かってめまぐるしく変わっている国です。 

そんな混乱期の1989年に、ミャンマー政府は反政府少数派グループとの停戦・和平合意交渉を行い、同時に麻薬撲滅に対する同意を取り付け、1999年から「麻薬撲滅15ヵ年計画」(1999年〜2014年)を開始しました。ミャンマー政府や国連薬物犯罪事務所(UNODC)、独立行政法人国際協力機構(JICA)などが協力し、ケシ栽培撲滅と代替作物導入に取り組んできた経緯がありました。

 コーヒーの栽培を勧めているのは、主に国連薬物犯罪事務所(UNODC)でした。アヘンの原料となるケシは、標高13001800メートルの高地で育ことから、高級コーヒーの産地と同じという立地だからです。また、アジアではお茶からコーヒーへとニーズが変わっていることから、将来性が見込める産業になりうると考えています。ケシは山の斜面で焼畑農業により育てており、雨期になると雨が土中の養分をすべて洗い流すため、23回収穫をすると同じ畑で栽培は難しく、また別の畑を求めて移動しなければなりませんでした。コーヒーならその場にとどまり、畑を子や孫へと引き継いでいくことができ持続可能な産業になるのという利点もあります。 

 そんなケシ栽培撲滅と代替作物導入も、20212月のクーデターで誕生した軍事政権によって、国際社会からの制裁もあり経済活動が低迷し、農民の中には手っ取り早い換金作物であるケシの栽培に“転作”する者が増えていきます。そもそも、軍事政権がアヘン栽培を事実上奨励し、隣国タイや中国などへ密輸して外貨を獲得しているのです。また、軍の配下である民兵組織が、戦闘員の食糧や給与を賄うためにアヘン製造に関与していたり、民族武装組織もまた、活動のための資金源として違法薬物を生産している実態もある、ミャンマーのアヘンへの依存はとても根が深いのです。 

 だからこそ、ミャンマー軍事政権が、向こう5年間でコーヒー豆を増産するというニュースを見ても、何も響かないという訳です。一時しのぎで、アヘン大国と言う汚名を隠すような行動に呆れてしまいます。もっとも、軍事政権ではない日本でも、似たようなことをやってますがね。

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ケーキの注文

 今年も、年に一度だけケーキのテイクアウトをしている、土岐市内のNPO法人地域活動支援センター「土岐やまびこ作業所」から、ケーキの依頼がありました。作業所の最終日に合わせ、代表の方からクリスマスも近いことからケーキを頼まれ、10人分を箱に入れ、当日の朝に店頭で手渡す予定です。

 このケーキのご予算は、9年前から500円です。準備するケーキを店内で食べて頂くと倍くらいの価格になるのですが、作業所で支給される賃金のことを考えれば、それ以上の重い意味合いになることが分っているだけに、心を込めて作らさせていただいています。まあ、ケーキ屋さんのパティシエが作るケーキと違って、珈琲屋のオヤジが作るんですから上品で映えるケーキではないので、ある意味妥当かも知れませんが。

 ケーキの注文を受けながら、早くも2023年も終わりを告げようとしていることを実感し、「また一つ年を取るんだ~!」と少しばかり落ち込んでしまいます。限りある自分の人生が、徐々に短くなっていく現実を感じながら。

「もっと人生を楽しむぞー!」

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竹の子のクリスマス会

 昨日は、まめ蔵を臨時休業にして、土岐手話サークル竹の子のクリスマス会へ参加。昨年は諸般の事情で開催できなかったので、2年ぶりのクリスマス会となります。例年はウフェルフェア土岐の大会議室を使用してきましたが、都合が悪くセラトピア土岐の和室で行ったため、会場が狭くなったものの、参加者がろう者3名、難聴者1名、車椅子1名の合計25名ということもあって、和室で家族的な雰囲気の中で行うことができました。

 主要な役員が数か月前からコツコツと準備をし、みんな楽しみながらこの日を迎えました。私といえば、例年のごとくケーキとコーヒーを提供することになっており、和室で行うということでケーキではなく蒸しパンを数種類準備したしだいです。

 それと、当日の模様を録画した動画を編集し、字幕を付けてYouTubeへアップするのが重要な任務です。毎回、会員のみんなが楽しみにしているので、急いで編集作業を行いますが、手話劇は台本どおりに台詞を言う人はいなくてアドリブばかり。何度もセリフや手話を見返しながら字幕を付けることになりました。「みんな自由でいいけど、こっちは大変なんだから!」と、ボヤキながら何とか夜には動画アップできました。 

 改めて動画を見ると、素人が素人らしく楽しんでやっている光景が見て取れます。そこが何よりも素敵で、手話サークル竹の子らしいのです。これで、手話サークルの今年一年の締めくくりが出来た気分となり、ホッとしている私です。

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コーヒーの抽出

カウンターに座られるお客様の中には、時々、私の抽出する様子を見ながら質問をされる方があります。お湯の温度や器具について、コーヒー豆の挽き具合や使用している水についてなど。そんな時に備えて、軟水の水道水と比べるために硬水のエビアンを常備したり、コーヒープレスで淹れたコーヒーをペーパーフィルターで濾過したり、色々な飲み比べをしています。

 そして、もっとも多い質問は、松屋式で行う抽出後のお湯での希釈です。中には、お湯で薄めるアメリカンを軽視するお客様から、「あの店はお湯で薄めているから」と、理由を尋ねることもなく拒否反応を示す人もいたりするから面白いものです。しかし、何か他と違う淹れ方をしていると気付いてもらうことは、決して悪い事ではないのです。

 そもそも、コーヒーに関する質問をされる方の多くが、専門家とされる人の意見を聞きたいだけで、「何故?」という疑問を解決したいわけではなく、「答え」を聞き出したいだけの方が多いのです。私が、「簡単な実験ですから、自宅に戻られてから試してください。」と言い続けているものの、実際に試す人はほとんどいないのが実情です。ただ、一つの答えを聞き出し、また別の「答え」をメディアや専門家と言われる人の意見を聞いて、知名度のある方を「正解」としているだけなのです。

 『現代化学202312月号』(株式会社東京化学同人)の旦部幸博氏による「カフェ・シミック」では、「コーヒーの抽出」が取り上げられ、化学の実験操作とコーヒーの抽出には似ている点を取り上げていました。ただし、『コーヒーは「もの取り」とは違って、成分を高濃度・高収率で、たくさん抽出すればおいしいというものではない。最終的な抽出液が濃すぎても薄すぎてもおいしくなくなるし、総濃度が同じでも、少ない粉から高収率で、成分を余さず抽出しようとすると、「過抽出」といって、苦渋味などの嫌な味の割合が増えてまずくなる。「おいしい成分はより多く、まずい成分はより少なく」するのが重要だ。』と書かれています。

 そのために、浸漬式や透過式の抽出の際には、『「おいしい成分」が出尽くす手前で抽出を止め、なおかつ適切な濃度になるよう、コーヒーのプロたちがそれぞれ試行錯誤の末に編み出したものが、コーヒー本などに書かれている「おいしい淹れ方」だといえるだろう。』としています。けれど、理論的・経験的に「松屋式」や「高木まろやか式」が理にかなった抽出方法だと思うのだけど、コーヒー本とやらに登場する機会がほとんどないのは何故なんだろうか?

 「カフェ・シミック」の最後には、『抽出結果を客観的に数値化することは、個々の条件の影響を正しく理解する土台として重要である。ただし、大まかな傾向をつかむには十分でも、TDSPEも結局「おいしい成分」「まずい成分」を全部まとめて測った値にすぎない点には要注意だ。まだ当分は、プロによる主観的な官能評価に頼らざるをえないが、よりコーヒーに特化した、味覚・臭覚センサーの開発にも期待したい。』と締めくくられているものの、人の好みはプロの官能評価や機械的な数値では理解できない事が多々あることを幾度となく経験してきました。「こんなのが?そうなの?」と驚くような嗜好の違いを目の当たりにすると、おいしいコーヒーの抽出の沼に入り込んでしまうので、自分が提供できる今の抽出方法を続けているのです。 

 今回のように、コーヒーの抽出や、おいしい淹れ方等についての本を読んでいる方の内、実際に試してみる人はどのくらいいるのかな?そんな事を考えながら読み終えました。(「やりたい研究」と「やらなければならない研究」も面白い)

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花壇の植え替えをしてくれました

何もしない私に代わって、妻が花壇の植え替えをしてくれました。今年もビオラと来年の春に咲くチュリップの球根を植えたようです。植えたようですって言い方は大変失礼な訳ですが、植え替えをしてくれていた時間は母親を連れて掛かり付け医に行き、診察とインフルエンザワクチンの接種を行ったのです。さらに、母親をデイサービスへ送り届けて処方箋の薬をもらい、まめ蔵の買い物を済ませていたので、今回は後片付けくらいしか仕事が残っていませんでした。

 そんな何もしない私に構わず、妻は店の前に植えてあるハナミズキの選定を始めました。特に知識も無いはずなのに、YouTubeの動画を参考に思い切った枝切りをしています。普段、洋服を買う際には随分迷っているというのに、こうした時はスパッと決断する様子に驚いてしまいます。

 何事も「た~が、た~が」(適当)な性格の私と違って、感心するくらい細かな仕事をする性格の妻とは正反対なのに、35年以上恙なく暮らせているのは不思議です。まあ、それぞれ異なる分野のテリトリーを持っているからで、同じことをしていたら必ず大きな衝突もあったことでしょう。だからそ、まめ蔵は一人で営むのが良いのだと思います。 

 まあ、妻には感謝ばかりですが。

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師走です

今週は、私より4歳年上の松山千春のコンサートへ行きました。前半は恋愛の話を交えた歌を歌うのですが、若い頃の様なハイトーンが出ない歌声に年齢を感じてしまいます。後半は友人知人の亡くなった話を交えた人生の歌で、心臓病のためステントを何本も入れ、糖尿病の治療も行う松山千春の歌う姿に、みんな老いていくんだと不思議な気分になります。今の所、まずます健康で珈琲屋を続けてこられましたが、今後は年齢に見合った仕事の仕方に変えていく日が来るんだと考えさせられました。

そんな週末には、妻が例年よりも遅く干柿づくりを行いました。寝室のベランダに吊るされた干し柿は、いつもより若干少なめのようです。しばらくは、干し柿の縮みなが色付く様子を見ながら、厳しくなる冬を感じる生活が始まります。

 その柿について、土岐市の隣、瑞浪市の第三紀層(約170万年以前)から柿の化石が発見されているそうです。また、縄文時代や弥生時代の遺跡からも柿の種が見つかっており、古代人が柿を食べていたそうです。ただし、この頃の柿は渋柿しかなかったようですから、古代人もこのように干柿にして食べていたんでしょうか? 

 我が家では、冬になるとコタツの上にはミカン、甘栗と並んで干柿が定番の食べ物として並びます。いよいよ師走です。

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