■2023年11月 ブログ

竜吟の滝へ

『昔々、不動川の一の滝には雄竜が、二の滝には雌竜が住んでいました。2つの竜は互いに鳴き声を交し合い、のどかに暮らしていました。ある年のこと、この村に大干ばつが襲いました。夏の陽射しがギラギラと照りつけ、田畑は干からび、稲も作物もすべてが枯れ果てようとしていました。村人たちは困り果て、最後の手段として不動川の竜に雨ごいをしょうと決心しました。8月の満月の夜。村人たちは必死に祈り続け、月が丁度真上に差し掛かったときです。突如、滝つぼの水が大きく盛上り、天を裂くような大きな鳴き声が轟き、雄の竜が天に向かって昇り出しました。すると、それに呼応するかのように雌竜が甲高い鳴き声を上げ、共に空に舞い上がりました。2匹の竜は絡み合いゴロゴロと天を走ったそのとき、大粒の雨が降り出しました。それ以来、干ばつもなく、水の豊かな土地となり、滝は「竜吟の滝」と呼ばれ村人たちを守っています。』

 こんな伝説が残っているのが、瑞浪市釜戸町にある「竜吟の滝」です。国道19号線を恵那方面へ走っていると、国道わきに「ドラゴン21」という高さ5.6メートル、今まさに卵から飛び出そうとしている竜をデザインしたモニュメントが見えます。その奥にあるのが竜吟峡で、落差が16mある竜吟の滝を代表する「一の滝」、滝上に赤い橋が架かる「二の滝」をはじめ、「三の滝」、「えびす滝」、「あんま滝」、「昇竜の滝」、「梵天の滝」の七つの滝が連続する景勝地です。

 画像は「一の滝」で、不動明王が祀られており古くから「不動滝」の名で呼ばれていました。高さ16mで、かつては御嶽教の行場であったとも伝えられております。二の滝」は女滝で、昔は滝つぼが現在よりも広く深く、遊泳場となっており、子供の頃に隣保班の旅行で訪れた記憶があります。今は紅葉が綺麗で、数名の方が散策されておりました。 

それにしても、竜(龍)は現実には存在しないし、存在しないことをだれもが知っています。けれど、竜は太古の昔より生活の様々なところに存在しており、神社の手水の水の注ぎ口、法堂や仏殿の天井や襖絵の中に、十二支の中にも唯一の架空の動物として登場します。現在でもラーメンどんぶりやゲームやアニメのキャラクターとして広く様々な表情で浸透している不思議な存在です。

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忙しい

妻が庭の松の選定を終え、「あ~疲れた。今度は年末にやってくる娘たちの為に大掃除をしなきゃ。忙しい!忙しい!」と言っております。「忙しい!」と言って私に向けられる目を遮るように。「今日も忙しかった!」と切り返すこの頃です。

 今月中旬から定休日を除き、延べ5日間臨時休業となったことから、コーヒー豆を買い求めるお客様が多数来店されます。また、最近になくケーキ類が多く売れる事もあって、今週は、ロールケーキとリンゴのケーキ、ガトーショコラとパウンドケーキ、そして今日は、ロールケーキとリンゴのケーキといった具合にケーキを焼きながらコーヒー豆の焙煎を繰り返しております。

 前回、病み上がりでリハビリ中などと書いておりましたが、現実にはリハビリどころか一人ではやりきれない程の仕事量をこなしており、減少した体重は一向に元に戻らないのです。あるお客様からは「私もそうなってけど、直ぐに戻ったから大丈夫!」、なんて励まされたものの、早く普段のペースになって欲しいと贅沢なことを言っております。

 さて、今朝、焼き始めたリンゴのケーキがもう少しの時間で焼けます。今度は不足したコーヒー豆の焙煎を始めますか。

 

 

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京都へ

秋に入り、ホテルの宿泊割引券5,000円が二枚手に入ったため、急遽、「そうだ京都へ行こう。」ということになり、日・月の二日間を利用して新幹線で京都へ行って来ました。

バスやタクシーは道路が渋滞することが予想されるので、JRと地下鉄が利用できる範囲に絞り、嵯峨野トロッコ列車、天龍寺、宝厳院、竹林の小径、伏見稲荷、南禅寺、天授庵、水路閣と効率的に移動して京都の紅葉を楽しんだのでした。そんな京都の想い出を少しだけ記録します。

■京都のインバウンド

日本政府観光局が1115日、202310月の訪日外客数推計値を発表した数字を見てみると、10月の訪日外客数は2516,500人で、2019年同月比100.8%を記録し、新型コロナウイルスの拡大後初めて、2019年の水準を上回ったそうです。そんな数字は土岐市に住んでいてはピンときませんが、京都では目の前で確認することが出来ます。主だった観光地を歩いている人の半数以上が海外の人ですから。(東アジア、東南アジアの人が多いから実際は7割以上かも)観光地にはお金が落ちる筈です。しかし、人が多すぎて日本人は観光を楽しめない現実もあります。

■京おでん

ホテルの夕食はキャンセルし、近くの居酒屋で京都の雰囲気を楽しみます。昆布と淡口しょうゆの汁(つゆ)が特徴の京おでんでは、豆腐、ひろうず、聖護院大根、海老芋などの京都らしい具を楽しみ、関西でしか見ない梅焼きも最高です。ついでに、万願寺とうがらし、九条ネギの炭火焼き、大きく切り分けられた刺身の三種盛りもいただきながら、京都の夜を楽しみます。ただ、居酒屋の大将が怖そうなのが難点。

■ブルーボトルコーヒー 京都カフェ

南禅寺へ行った際に、南禅寺前交差点から南禅寺中門までの間に位置する、ブルーボトルコーヒー 京都カフェへ立ち寄ってみました。外観は町屋をリノベーションした風情漂う佇まいで、店内は古い梁が木の温もりを感じる創りになっています。ブルーボトルコーヒーの豆は飲んだことがあるのですが、いったいどんな店なのか入ったものの、注文レジに並ぶ人の多くが外国人(アジア系)です。そして、注文してから30分経過してやっとドリップコーヒーとワッフルが手元に。(注文時には15分くらいかかりますって言われた)結局、何が良くって利用する人が多いのか分からずじまい。謎の多い店だが、二度と利用しない店だ。

 

夫婦で秋の京都を楽しんだ旅でしたが、しばらくは京都へ行くことは無いだろうというのが、共通した感想でした。

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リハビリ中

金曜日の夜に37度を超える発熱があり、「まいったな!インフルエンザかよ。」とボヤキながら、その日から家族と家庭内別居状態となりました。翌日、掛かりつけのクリニックへ電話をすると、「午前の診察後に診るので電話しますから。」とのことで午後1時半ごろに出掛け、駐車場にて問診と検査が始まります。「検査はインフルエンザだけにしますか?コロナも一緒にします?」と聞かれるので、「念のため両方の検査をしてください。」と頼みました。そして検査結果は、「インフルは両方とも陰性で、コロナが陽性になりました。」と告げられます。

 そうして我が家での隔離療養生活が始まりましたが、38度前後の発熱は月曜日には平熱に戻ったものの、食欲が出ないので体重は減り続けます。結果的に3kg体重が減ることになりました。夏に3kg程体重が減ったので、合せて6kg近く痩せたことになり、さすがに短期間での体重減少は「ダイエット」といった肯定的な感覚は無くなり、危機感を持つことになります。 

 体重が減って動きが軽やかになるかといえば、フラフラしてバランスが悪くなるわ、頭がボーっとしてケーキの注文を出すのを忘れるわ、レジに入力忘れをするなど、散々な状態でした。それに一番は根気がなくなることです。つくづく体力のない自分を嘆きながら、いつもより来店客の少ない店内でリハビリに努めているしだいです。

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庭の花

朝食後、いつものように私が淹れたコーヒーを夫婦で飲みながら、テレビの天気予報を眺めて他愛のない会話をしていると、妻が立ち上がってレースのカーテンを開け「綺麗に咲いた。分かる?」と自慢げに声を上げます。「はいはい。」と力なく返事をしたものの、店に向かうため玄関を出た際、咲いている花を一つずつ見ると12種類の花が確認できます。

 下手に「12種類あった。」と答えようものなら、「まだ有りますよ!」と言われそうなので、そのまま車に乗り込み店へ向かいました。そんな花の手入れに余念のない妻は、11月に入ってからの休日は、庭に植えられた一本の松の選定に一生懸命です。今年も「我が家の庭師」が健在であり、相変わらず「園芸日誌」と書かれたノートに何やら記録しております。

 店に着いて、開店準備が整った手隙時間に咲いた花を改めて見てみると、抗白菊、パンジー、ローズガーデン、ハイビスカス、ストロベリーフィールド、ペチュニア、白菊、ヒャクニチソウ、小菊、黄菊、ダリア、茄子の花、あっと、パンジーと一緒にシクラメンもあります。やはり12種類あったなどと言わなくて良かった。それにしても、日常生活の中で当然のように咲いている花々を日々手入れしているのだから、まったくもって感心するばかりです。

松下幸之助は『道をひらく』(PHP研究所)の中でこんなふうに言っています。「仕事には知恵も大事、才能も大事。しかし、もっと大事なことは、些細と思われること、平凡と思われることも、おろそかにしない心がけである。むつかしいことはできても、平凡なことはできないというのは、本当の仕事をする姿ではない。」と。 

特別なケーキやクッキーは作れません。特別なコーヒーは淹れられません。ですが、平凡ではあるけれど、丁寧に作ったケーキやコーヒーを提供したいとは思っています。妻のように生きている植物を扱うのはとても苦手ですから、せめてこれぐらいは心掛けています。

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Coffee Proへ

まめ蔵を開業するにあたって一番影響を受けたのは、西尾市にある「フレーバーコーヒー」という珈琲屋さんです。UCCやカリタ、コーノ等といったコーヒーに関する会社へ直接行き、コーヒーについての話や経験をさせてもらいましたが、一度も行ったことがなかった「フレーバーコーヒー」に強く刺激されたのです。

 「フレーバーコーヒー」では、店主の中川さんがコーヒーに関する様々な事柄を自ら検証・実践し、今のようにユーチューバーと呼ばれる前から多くの動画をアップされていました。その動画を初期のころから全て見ながら、自分にも出来ることは再検証し、「松屋式」という抽出方法に辿り着いたのです。ですから、中川さんに直接指導を受けたこともなく、弟子という存在でもありませんが、学ぶことの大変多い存在でした。

「フレーバーコーヒー」の印象については、食べログに投稿された、ある口コミが的を得ています。「外国からわざわざ客が来る店」、「コーヒー界の神的存在」、「飲食店ではなくコーヒー研究家」、「ホームセンター的存在」、「もはや変態」と書き込みがされており、行ったことがない人には全く分からいけれど、一度行けば分かる口コミです。個人的には「もはや変態」がピッタリかと思いますが、叱られますね。

その「フレーバーコーヒー」が馴染みのある店舗を建て替え、「Coffee Pro」として11月25日(土)に新店舗をオープンすることになりました。建て替えプランから新店舗の建設進行具合など、色々お客様から聞いてはいたものの、なかなか様子を見に行くことが出来ませんでしたが、定休日の午後に伺うことにしました。すると、完成した店舗は想像していたものよりお洒落でビックリです。

ありがたいことに新店舗の焙煎室を見せていただき、搬入されたばかりの10kg焙煎機や生豆の保管室、ハンドピック室と、これまでと比べて広く綺麗で機能的な空間に入ることが出来ました。201411月に「DFR環」が設立された際、「最高級の生豆を一流の焙煎士が焙煎したら、どんなに美味しい珈琲になるか?」を原点に始めたと言っておられましたが、その思いが具体的な形になったように感じます。 

店舗の外観が、「フレーバーコーヒー」から「Coffee Pro」に変わりましたが、お客様やファンの方々にどのように受け入れられるのか、さらに多くのファンが増えるのか、少し離れた土岐の地でワクワクしながらオープンを待っています。ちょっとだけ、古ぼけたフレーバーコーヒーの看板が無くなったのが寂しいですが。

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今朝の四季桜

三連休となった昨日の5日、土岐市の最高気温は26℃でした。熊本では最高気温30.0℃の真夏日、大阪では27.9℃の夏日になるなど、100地点以上のアメダスで11月の観測史上1位の最高気温を更新していたといいます。

そんな異常気象に桜が狂い咲きしたという訳ではなく、ここ豊田市小原町では地区内に植えられた約10,000本の四季桜が咲き始めました。「川見四季桜の里」では、四季桜は咲き始め、紅葉は色づき始めといったところで、「小原四季桜まつり」が行われる11月11日から30日には、もう少し桜が咲いているかもしれません。ただ、紅葉の方は暖かな日が続いていることから、桜と紅葉を同時に楽しむことは難しいかも。

四季桜とは、公益財団法人日本花の会「桜図解」によれば、「エドヒガンとマメザクラの雑種と推定されるコヒガン系の桜です。秋は10月頃から咲き始め、暖かいところでは冬の間も少しずつ咲きつづけます。個体により花色や花の大きさなどに変異があり、各地で独特の名が付けられていることが多い桜です。」だそうです。

 小原の四季桜は、豊田市小原北町の藤本玄碩という医師が文政年間内の始めに名古屋方面から苗を求めて、植えたのが親木となって、広まったものと言われています。 

 明後日からは立冬に入るというのに、今年は記録的な暑さが続いています。しかし、山の木々は着々と冬の準備をしているようです。

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穴弘法へ

昨日はコーヒー豆の販売のみ行って、不足したケーキ類やクッキーの補充をしながら焙煎を繰り返しておりました。そんな時でも何人ものお客様がコーヒー豆を買い求めて来店され、充実した時間を過ごすことができたのです。

そんなお客様の中には、初めてまめ蔵でコーヒー豆を買われる方が三名あり、コーヒーの好みや、どのような方法で抽出されるかなどを尋ねながら、楽しい会話ができました。こんな日ばかりなら、豆売りだけでもいいや!と思ってしまいますが、現実は甘くなく、まだまだ店内での飲食に依存しなければなりません。

店を閉めてから、夕食後に一人、土岐津町高山で、11月4日から12日まで行われる「穴弘法のライトアップ」へ出かけました。ここ穴弘法は、戦国時代にこの地で命を落とした人々の霊を弔うため、元禄元年に開創された「慈光院梵燈寺」の跡です。廃寺となった後は荒れていましたが、明治時代に地元の人々の力で「古城山遍照閣」として再興され、弘法様として信仰を集め今日に至っている場所です。

穴弘法の途中には池があり、ライトアップされた木々の紅葉はまだまだといったところですが、池に映る光景は美しいものです。穴弘法と呼ばれる104体の石仏群には、訪れた人々が二本ずつロウソクをもらって灯していき、柔らかな光にぼんやりと照らし出される石仏が幻想的現れてきます。

会場の特設ステージでは、ギニアの太鼓ジャンベの演奏会が始まり、アフリカの音色が夜の空に鳴り響きます。どこか違う国に来たみたいな気分になると同時に、戦国時代の武将の霊が驚いて時空を跨いで現れるんじゃないかとも思ってしまいました。

秋を満喫しております。

 

 

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貼り紙

世間は三連休で、各地の行楽地は賑わっているそうです。そんな影響なのか、昨日は多くのお客様が来店されました。けれど、よく見ると見慣れない方々が多く、なにやら紙をもっておられます。そうなのです、昨日から二日間、地元では「下石どえりゃええ陶器祭り」が行われているのでした。しかし、例年は協賛広告も出していないのでほとんど普段と変わりがないのに、今回は様子がおかしいのです。

 結果的に、普段の休日の倍以上の来店があるものの、コーヒー豆はいつもどうりです。したがって、売上も伸びず、ただただ疲れただけです。それに、満足感が得られない一日でした。なんだか変だと思ってイベントのマップを見てみると、地図には「coffee 豆蔵」と掲載されていたのでした。正直、困った!というのが感想で、こうしたイベントごとには影響されたくないと思っている私は困惑してしまいました。

 店主一人で行う店ですから、多数のお客様が来店されても満足できる接客ができません。また、提供するケーキ類にも限りがあります。せっかく来店されてもガッカリされて帰られるくらいなら、いっそ店を開けない方がマシだろう思い、今日は「本日はコーヒー豆の販売のみ行います。」と貼り紙をして対応しました。

 店内では、朝から不足したケーキやプリン、クッキー等を作りながら焙煎をしています。お客様を気にしなくても良いので、落ち着いて段取りよく進める事ができ、順調に補充ができました。明日からのお客様に提供出来そうです。何よりも、疲れた顔して、元気なく接客することがなくなります。 

 一時的な売り上げアップは望みません。知名度なんかいらないです。ただただ、近くにある珈琲屋でいいんです。ついでに、「豆蔵」じゃなくって「まめ蔵」です。

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