■2022年4月 ブログ

史上最強資料

先日、あるツイッターに『昨晩はコーヒーアミーゴス中部のオンラインセミナーでエチオピアコーヒーの流通を学んだ。それに関連してエチオピアコーヒーについての史上最強資料を掲げる。知財高裁の平成21(行ケ)10229事件(原告:エチオピア連邦民主共和国vs.被告:全日本コーヒー協会)の審決全文である。』といって、知的財産高等裁判所のリンクが貼ってあります。覗いてみると長文だったため、とりあえずプリントアウトしておきました。

 雨の日の今日、改めて印刷した資料を見ると、これが結構面白いのでした。複数の書籍等から引用されたり、コーヒーの歴史あり、コーヒー生産者の理屈、コーヒー輸入業者の理屈と、下手なコーヒー本よりも読み応えがあります。中でも気になったものを、幾つか切り取っておきます。

『したがって、地理的な面からみて、シダモ地方とシダモコーヒーエリア、あるいは、イルガッチェフェ地方とイルガッチェフェコーヒーエリアとが一致しているわけではない。また、本件商標が付されるコーヒー豆が必ずしも行政区画としての「シダモ地方」あるいは「イルガッチェフェ村」と一対一で対応しているわけではなく、行政区画のシダモ地方にはコーヒー豆の産地として「シダモコーヒーエリア(シダモゾーン)」、「イルガッチェフェコーヒーエリア(イルガッチェフェゾーン)」が存在しているのである。』、名前に惑わされちゃいけないってことね。

『そのコーヒー豆に接するのは、もっぱらエチオピア国の首都アジスアベバに集積され、同所のオークションにかけられているコーヒー豆であり、シダモ地方ないしイルガッチェフェ地域で貿易が行われているわけではないから、地理的名称としての「イルガッチェフェ」(YIRGACHEFFE)の認識は希薄であると思われ、まして、我が国の国内のコーヒー豆取引業者は、輸入業者よりさらに希薄であるというべきである。』、トレサビリティーって意外にそんなもんだよな。

『本書が説明するようにアメリカにおいては、低品質・低価格コーヒーが主要商品であり、高品質・高価格のスペシャルティ・コーヒーは、それに対抗する差別化商品である。しかしながら日本においては、従来からプレミアム・コーヒーと呼ばれる、高品質・高価格コーヒーが主要商品になっている。そのためスペシャルティは,プレミアムを上回る超高品質・超高価格コーヒーとして位置付けられている。つまりスターバックスで提供されているコーヒー(アメリカかオランダで焙煎して輸入)の品質は、従来型喫茶店のそれと同等である。』(ニーナ・ラティンジャー=グレゴリー・ディカム著「コーヒー学のすすめ」の引用部分)、だから、スタバのコーヒーは美味しくないのね。

『UCCは、エチオピアの地名に由来する商標を数多く出願しており、昭和43年には、原告の承諾を得ることなく、「HARRAR」をコーヒーを含む指定商品について出願した(昭43-57658号、甲41の1の3)。UCCは、その後、「HARRAR」商標を平成19年4月25日の放棄による権利消滅まで長期間にわたり保有し続けた。原告は、平成18年ころより、UCCに対して「HARRAR」商標の譲渡交渉を再三申し入れたが、UCCは平成19年4月25日当該商標を一方的に抹消し、原告への譲渡を拒否した。一方、被告は、上記UCCによる「HARRAR」商標の登録については、登録当時から権利消滅時まで何ら異議を述べていない。以上の事実からすると、被告は単なるUCCの身代わり(ダミー)ともみなされる存在と考えられる。』、因果応報ってやつね。 

 資料はバインダーに閉じたから、店内の本棚に保管しておきます。閲覧希望の方はご自由に。

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ツツジと藤棚

今朝は豊田市へ車を走らせ、先日、中日新聞朝刊に掲載された「つどいの丘」へ向かいました。ここは、全トヨタ労働組合連合会研修センター「つどいの丘」で、4月末~5月初旬にかけて、南側駐車場にある高さ4~5メートルの斜面を埋め尽くすように、紫や赤、白、ピンクのキリシマツツジが咲き誇っています。その数なんと約1万株、まるでパッチワークの絨毯のようです。

 駐車場の前には立派な研修施設が有り、宿泊、食事、会議、親睦会の利用が可能です。このような施設を労働組合が所有しているのですから、やはりトヨタ自動車はすごい企業です。かつて保養所といえば、企業の福利厚生の充実を象徴するひとつであり、企業にとって保養所を保有することは一種のステータスでもありました。しかし、バブル崩壊以降は直接運営管理に携わる直営保養所を売却し、民間のホテル・旅館などの部屋を借り上げる借上保養所や、民間の宿泊施設等と法人契約を結ぶ契約保養所になりました。最近では、福利厚生代行サービスも増え、法人会員になっているところもあります。そんな中でも、労働組合が運営しているのは驚きです。

 そんなキリシマツツジと研修センターを覗いた後、そこから8km程離れた豊田市御町にある「ふじの回廊」まで脚を伸ばします。ここは、藤岡地区の花である“ふじ”をテーマにした散策路です。約370mにわたって設置された藤棚には、九尺藤、紫三尺、八重黒竜、シロバナ藤の4種のふじの花が植栽されていて、4月下旬から5月上旬にかけて色とりどりの花が咲き誇り、歩く人の目を楽しませてくれます。また、この回廊は、近くの御作小学校の生徒や関係者が中心となって手入れや管理がされています。ちょうど、運動場で児童が体育の授業をしているところでした。 

 毎年、ふじの花が満開を迎えるゴールデンウィーク時期には、周囲の施設とも連携して「ふじまつり」が開催されますが、混雑を避けるには都合の良い日となりました。8年前にも訪れた場所ですが、江南市の曼陀羅寺公園とは趣の異なる風景です。

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鉄の飛行機

お店に鉄の飛行機がやってきました。といっても飛ぶわけもなく、同級生がギャラリー葵丘(岡崎市)で「素材の魅力展」という、ガラス、陶器、鉄の異なる素材を使った個展を行うため、案内葉書と共に置いたものです。

子供の頃、今は無くなったプラモデルを置く店が近くに2軒あり、あんな物を買ったとか、長居して選んでいると「買わないなら帰りなさい!」なんて、同級生と叱られた思い出等を語っておりました。そんな鉄の作品が展示されるようです。

あいにく月曜日が休館日となるため、岡崎まで見に行くことはできませんが、葉書を眺めてアートな気分を少しだけ味わっております。

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価値連鎖

コーヒー豆の仕入れ価格が高騰し始めている中、先日、お客様から「仕入れ先を替えてみては?〇〇商事はどうよ。」なんてアドバイスをいただきました。確かに、現在の仕入れ先は確実に三割以上値上がりするようだし、新たな仕入れ先を考えるタイミングかもしれません。そこで、まめ蔵を開業から七年が経過したこともあり、この店を通じてお客様に提供している商品やサービス全体を改めて見つめ直し、顧客満足を生み出し一定の利益を創出するためには、どこに目を向けるべきか考えてみようと思います。

まめ蔵という店舗を経営していくためには、コーヒー豆を焙煎し、抽出したコーヒーをカップでお客様に提供することは欠くことができない基本的な活動です。こうした活動のことを「主活動」といいます。そして、主活動を細分化すると、「企画」「仕入れ」「店舗運営」「集客」「販売」「アフターサービス」といった流れになります。

 「企画」とは、まめ蔵を通じて何を提供するのかという基本的なことです。一定以上の品質である普通のコーヒー豆を普通の価格で提供することや、普通に美味しいと思えるコーヒーを店内で提供し、それに合ったスイーツも数種類用意します。同時に、年間を通じて安定的に提供できる商品と、スポット的に変化に富んだ商品を組み合わせることです。過去には、特定産地に絞った商品構成や精選方法の異なる商品に特化した品揃えも行いました。そうした企画を通じて、まめ蔵の価値を知っていただくことを考えました。

 そうした「企画」を実行するために、定番商品を安定して仕入れることや、スポット的に商品構成に加えることのできる個性的な商品の「仕入れ」が大切になってきます。現実的に安く仕入れることは重要なことですが、定番商品の内容がその都度変わるようでは、お客様としては毎回微妙に味が異なることになり、不安を招くことになりかねません。特に、定番商品に限って言えば「いつものコーヒー」という安心は、多少価格が高くなっても受け入れられる価値観を生みます。

 とはいうものの、まめ蔵の「店舗運営」は私一人で行っているため、能力も時間も限りがあります。店舗設計の段階から、カウンターから全ての客席の様子が確認でき、焙煎をしながらでも作業が可能なレイアウトにし、レジシステムも開業当時から導入してデータを蓄積し、客観的な数字を見ることが出来るようにしました。何よりも、松屋式という抽出方法を選択したのも、通常よりも長い蒸らしの時間が有効に利用できると判断したからです。結果的には、美味しいコーヒーを提供できる価値を生むことになったのですが。

 主活動の中で思い描いたものを形にするためには、お客様にご来店頂かないと意味がない訳で、一番難しいのが集客なのです。この集客に関しては全く行っていないといっても同然です。強いて言えば、ホームページの作成とブログの更新くらいでしょうか。タウン誌に広告を掲載するとか、何かの情報発信もしていないため、手抜きと言われてもしかたがありません。ただし、これには理由があり、お客様に「見つけた感」のある経験をしていただきたいという狙いがあるからです。ホームページを頻繁に更新していることから、珈琲屋を検索すると見つかることが多く、来店後の口コミで徐々にリピーターが増えていっている状態です。ただし、これには「見つけた感」を起こさせる、「感動」という価値の提供が必要なのですが。

 最終的にお客様へ商品を提供するのが「販売」です。注文しやすいメニュー表の作成や、購入しやすい価格設定はもちろんのこと、商品を選ぶ楽しさを提供する事も大切な価値を生み出す要素になります。自家焙煎珈琲店でよく見られる量り売りではなく、予め200gの袋に入れてものを棚に並べることで、自分で選んで取る楽しさを感じてもらえるよう常時十数種類の商品を準備しています。また、焙煎日を記入することで新鮮な豆を購入できた満足感を得られます。

 ただし、接客においては一人で行っている欠点も多く、一度に多数の方が来店された場合にお待たせすることもしばしばです。また、若い方と中高年の方々とは無意識のうちに接客態度が異なるようで、気分を害する方もあるかも知れません。

 「販売」した後は、そのお客様をリピーターとしてお迎えすることが大切です。そのために「アフターサービス」が必要になってきます。特に、コーヒー豆を購入されるお客様は、一定期間後には手元のコーヒー豆が無くなる訳ですから、定期的に再来店いただけるお客様になっていただけるかどうかはとても重要です。そのため、リピーターのお客様をデータとして登録し、過去の購入履歴をコーヒー豆の焙煎のタイミングに反映させたり、イベント案内の葉書を出したりしています。

 そのように、「主活動」の中で価値の創造をしていく訳ですが、継続的に行っていくためには個人の能力・意欲を高め維持していくことが求められます。長くダラダラ取り組んでも無駄が多く、効果的・効率的に行う事が必要であることは、サラリーマン時代から求められていたこともあって、自分一人で店舗運営をしていくうえで当初より一番の課題でした。組織であれば「支援活動」としての役割を誰かが担うことはあっても、一人親方のような体制では難しいのです。

 そこで、出来るだけ店から離れて同業他者に会うことを心がけたり、知識・スキルを上げるために各種セミナーに積極的に参加してきました。自分に無い物を持っている人に出会うことは貴重な体験になり、意欲を高めるキッカケとなります。

 まめ蔵を通して、自分の商品やサービスがどのような活動を経てお客さまに届いているのか、それらの活動はどのようなコストがかかり、どのようにお客さまに貢献する価値を生み出しているのか、そして、どの活動に対してコストに見合う資源を投入することが利益に繋がるか、そうした考え方を「価値連鎖」や「バリューチェーン」と言うのだそうです。 

 自分がこれまで行っている活動を俯瞰して見ることには意味があり、全体像を通じて価格改定や仕入れ先の変更を検討する材料になりました。ただし、これからは自分を見つめ直すことよりも、そもそも良いコーヒー生豆が手に入らないとか、物価高による消費行動の低下といった外的要因にさらされることになるかもしれません。まあ、悩んでも、なるようにしかならないのですがね。

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困ったものです

先月、ニューヨークのコーヒー豆先物取引価格について、ロシアの影響で一時的に少し下がったと書きました。そして、予想通り3月中旬から再び上昇し、現在は高止まりの傾向が続いています。チャート図を見て分かるように、昨年からコーヒー豆の先物取引価格が急激に上昇しているのは、いくつかの要因があります。

 一つには、ブラジルでのコーヒー生産量が激減したことです。「100年ぶり」と言われる水不足に見舞われたうえに、一部地域では寒波による霜害(そうがい)の影響でコーヒーの木や実がダメージを受けていることから、2021年のアラビカ種の収穫量は過去12年間で最も少なくなるだろうと言われています。

 また、世界的なコーヒー需要の高まりがあります。特に中国を中心としたアジアの国々で消費が増えているため、体力のある輸入業者は、今の価格で買えるものを、買えるうちに買っておこうといった傾向にあります。のんびり選んでいれば、他国にさっと横からコーヒー豆を取っていかれるような状況ですから、まるで青田買いのように買い付けしているところもあるとか。そうなると、中には品質の良くないものも出回ってくるわけで、最近では、ハンドピックをしながら「欠点豆がめっちゃ多いじゃん!」と嘆くことになります。

 コロナ禍からの経済の回復を見越す形で世界的にエネルギー価格が上がり、輸送コストなども上昇していたところ、さらにロシアへの経済制裁でエネルギー価格が跳ね上がり、輸送コストは増えるばかりです。昨年から続くコーヒー豆の価格上昇は、まだまだ止まらないことが予想されます。

 コーヒー生産国にも変化がみられ、コーヒー豆があれば何でも売れると勘違いする所も出てきます。長年かけて美味しいコーヒーを作れば高く売れ、自分たちはより良い生活ができると手間暇掛けて作っていたのに、ラテン気質ののんびりな性格が再び裏目に出てきそうな状況もあります。

 そうかといえば、コーヒーの価格高騰により、長年価格の低迷で厳しい暮らしを強いられてきた生産者や国にとって喜ばしいと思い、がんばって生産量を増やそうとしたものの、ラニーニャ現象による長雨の影響で生産量が思うように増えず、苦戦を強いられているところもあります。

同時に、コーヒー生産者たちはコーヒーの価格高騰で収入は増えたものの、肥料や人件費の上昇、コーヒー豆を売りに行くための運搬コストも増加してしまい、単純に価格高騰を喜べない状況にあります。そのうえ、日本国内でも起きている食糧品や日用品の値上げもある訳ですから、生活はいつまでたっても楽にはならないのです。 

今後、世界の生産量の多くを占めるブラジルの生産量が回復すれば、過去に何度も経験した価格の暴落もあるかもしれません。ただし、ロシアによる侵攻がウクライナ以外にも及ぶことになれば、そもそも、悠長にコーヒーを飲んでいられなく時代がくるのかもしれませんが。まったくもって困ったものです。

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竹の子総会

 昨晩は、土岐手話サークル竹の子の総会が行われました。行われましたと言うよりも、事務局を担当している私としては主催者側の訳でして、開催までの様々な準備をして当日を迎えた訳です。昨年度における手話サークルの活動内容が分かるよう、14ページに渡って詳しい総会資料を作成し、総会までに会員全員にお届けしたりもしました。

 そして、総会開始の時間を迎えましたが、残念ながら参加者が会員の半数程と寂しい総会になってしまいました。一昨年途中から夜の学習会会場を移動したため、土岐市の中心部から離れたことも理由に挙げられるかもしれませんが、やはり、コロナ禍が2年以上続いたことで、人が集まることへの警戒感があるのかもしれません。

 それとは別に、手話サークルのみならず、組織や団体に対する帰属意識の低下があると感じることです。膝を突き合わせながら話し合う機会が減り、そもそも、そんな人間臭い付き合いをしなくとも何とかなってしまう生活を経験してしまうと、人は面倒な人間関係を一から作らなくなるものです。

 良くも悪くもそんな生活をしているのですから、それを受け入れるしかありません。残るものは残り、存在しなくてもよいものは無くなるだけなのですから。ただ、手話サークルという受け皿だけは残しておきたいと願うだけです。 

 それにしても、47回目の総会ってのは歴史を感じるな~。

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高遠城址公園へ

 土岐市内の桜は散りはてて、今年はゆっくり花見をする時間が持てませんでした。そこで、妻が休みを取った月曜日、ちょっと離れてはいるものの、「日本三大桜名所」といわれる高遠城址公園さくら祭りへ出かけることにしました。ちなみに、桜の名所は数ほどあるものの、日本三大桜の名所といわれる所は、青森県の弘前公園、奈良県の吉野山、そして今回訪れた長野県伊那市の高遠城址公園です。(諸説あり)

 城址と呼ばれるように、高遠城は明治4年(1871年)の廃藩置県で城が取り壊されて、明治8年(1875年)に公園となります。高遠城址公園は、かつて馬の姿が桜の花に埋もれて隠れたという高遠藩の桜の馬場であったため、荒れたままになっていた高遠城址を何とかしようと、旧藩士達が馬場の桜を城址に移植したのが公園の桜の始まりのようです。

  本丸の老木はその際に植えられたもので、毎年4月には、130年生以上の古木20本、50年生以上のもの500本などに若木を加えた約1,500本の「タカトオコヒガンザクラ」が、淡紅色で小ぶりの花を枝いっぱいにつける全国でも有数の桜の名所となっています。

 「タカトオコヒガンザクラ」は高遠にしかない固有種だそうで、ソメイヨシノより少し小ぶりで薄紅色の花で公園全体を染めます。その可憐さと規模の大きさは「天下第一の桜」と呼ばれており、桜の樹林は県の天然記念物の指定を受け、平成2年には、日本さくらの会の「さくら名所百選」に選ばれているほどです。

 そんな桜の名所には多くの観光客で渋滞が予想されるため、途中の駒ケ岳サービスエリアのエリア・コンシェルジュに、開花情報と渋滞を避けるルートを教えてもらいました。そのおかげで、小黒川PAのスマートインターチェンジから高速道路を降り、迂回路を利用して比較的スムーズに目的地近くに到着します。ただし、公園近くの有料駐車場は満車表示となっていたため、シャトルバス乗降場近くの高遠中学校のグランドに車をとめました。意外とこの選択が最善でした。

 満開となった公園内を散策し、桜並木の間から見える中央アルプスを眺めた後は、小腹がすいたお腹を満たすべく、名物の「高遠まん頭」を買い求めます。皮が薄くて漉し餡たっぷりのうえ、あっさりとした甘味でお土産用にも追加で購入。ついでに、近くの屋台で売られているイワナの塩焼きの匂いに釣られ、こちらもパクリ。

 この美しい桜を見ることできるのも、高遠城址公園には「桜守(さくらもり)」がいるからだといいます。伊那市振興公社に所属する三人の桜守の方々が、桜の世代交代のために新しい苗木を植えたり、春に桜が美しく咲くように枝を剪定したり、害虫にやられている桜があれば駆除したり、一年中忙しく維持管理されているそうです。

 

 「日本三大桜名所」のうち、残すは「奈良県の吉野山」のみとなりました。いつか出かけてみようと考えています。

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カナワクちゃんが来た

西尾市の「フレーバーコーヒー」の店内で、松屋式ドリップの金枠のマスコット化の発案のもと生まれた「カナワクちゃん」は、松屋式ドリップの聖地である「松屋コーヒー本店」(名古屋市中区)と新潟県燕市の職人によって、「カナワクちゃん(松屋コーヒー本店仕様)」となって販売が開始されました。

もとより松屋式で抽出している私としては、必需品ともいえるアイテムですから、当然、松屋コーヒー本店へ出向いて購入する予定でした。そんな矢先、久しぶりに来店された珈琲狂が「カナワクちゃん」を持ってきてくれたのです。それも、松屋コーヒー本店のコーヒー豆、「マダガスカル・ミマ・ブルボンナチュラル」と共に。さっそく持参頂いたコーヒー豆を松屋式で淹れながら、「カナワクちゃん」をじっくり眺めさせてもらいました。 

もちろん通常の金枠の半分以下の大きさのため、実際に抽出するには適しませんが、デミタスカップくらいなら可能かもしれません。何はともあれ、松屋コーヒー本店へ行く際には必ず携帯していこうと思います。

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薬学視点で見るコーヒー

 「コーヒーの科学」の著者である旦部幸博氏が、MEDCHEM NEWS 31巻(20211号に寄稿された記事J-STAGEから見られるというので、該当ページをダウンロードして印刷してみました。ちなみに、J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)というのは、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォームのことで、オープンアクセスになった原稿を閲覧する事ができます。

 寄稿文のタイトルは「薬学視点で見るコーヒー」です。「コーヒーは昔、薬だった」といわれる言葉から始まる文章を見ながら、コーヒーについて調べ始めた頃に、コーヒー豆を煮だした液を飲んだことや、コーヒー豆の果肉を食べたことを思い出しました。

 イエメンのスーフィー(イスラーム神秘主義者)が眠気覚ましに飲んだ、エチピア原産の植物カートの葉からつくられたものの代用品として、コーヒー豆からつくる方法が考案されたことなどの経緯に触れながら、「薬理作用」としてのコーヒー豆の焙煎・抽出へと内容が進みます。

 面白いのは「修治」という言葉が登場した事です。漢方では、生薬原料を「蒸す」「煮る」「炒める」などのひと手間を加える加工工程のことで、このようなひと手間をかけることで、特定の効果を高めたり、生薬の副作用を弱めたりすることを目的としています。コーヒー豆も焙煎という高温に煎る工程が加わることで、生豆中の成分が化学変化して独特な香味を生み出します。また、コーヒー豆の成分を取り出すために煮出す行為も「修治」に通じるものがあるという話は、やはり薬学視点で見ると興味が湧いてきます。 

 最近は、老眼が進んでコーヒーに関する書籍を読むのが億劫になりがちでしたが、このくらいのコラムなら気楽に目を通せるので楽しめました。

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穏やかな春です

新聞配達員の単車の音で目覚め、しばらくすると炊飯器のブザーの音が聞こえる。もう少し、もう少しと布団に篭ると、こんとは鶯の囀りが「起きろ。朝だぞ。」と言っているように聞こえます。まったく、「春眠暁を覚えず」となりそうな陽気になりました。

 そんな心地よい朝に店舗に着くと、花壇のチューリップが咲き始めています。もっとも、チューリップの球根を植えたのは私ではなく妻なのですが、毎年春に咲く花々を見ながら、穏やかな気持ちになれることに感謝するばかりです。お客様からも「花壇が綺麗ね」と褒めていただき、ホッコリした気分でいられるのですから、何も言わない植物には敵わないと改めて思うのでした。

 ホッコリといえば、毎晩、録画して観ている朝ドラの「カムカムエヴリバディ」が数日で最終話を迎えます。このドラマの前編は戦前戦後が舞台となっており、悲しい場面が多かったのですが、今では毎回ホッコリした気分で視聴しています。そんなこともあって、ドラマで登場した回転焼き器を購入した経緯もあり、最終話を前にして回転焼き(大判焼き)をまとめて作ってみました。 

 のんびりとした春を迎え、こうしてブログを書く時間も出来ました。本来なら、繁盛してそんなことをしている暇もないくらいが良いのでしょうが、まあ、そんなにガツガツしないで、このゆったりとした時間を楽しんでもいいのではないかと思っています。

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ウクライナ&ロシアランチ

昨日、名古屋市緑区有松の旧東海道、江戸時代の街並み保存地区となっている場所にある、有松絞会館1Fの「ユーラシア食堂 さらび」へ行ってきました。このお店は20175月にオープンしており、ユーラシア大陸(中国・ロシア)の料理が楽しめるお店です。

 オーナーシェフの加藤雅春さんは、15歳で名古屋市内の中国料理店に入店して以来、大手ホテルや空港レストランで経験を積んみ、旧ソビエト連邦の国々に関心を抱いたのがきっかけで、30代でロシア料理の腕を磨いたそうです。当時の新聞記事によれば、「大国に常に影響されてきた国々は、持っているものがワイルドでたくましいんです。」と語っておられます。そんな訳で、幅広い料理が楽しめるお店です。

 毎日、マスコミがロシアによるウクライナ侵攻の映像を流している中、悲惨な状況に慣れてしまいそうな自分に不安を抱き、この記憶をキチンと腹に収めるべく、「ウクライナ&ロシアランチ」を注文しました。聞くところによると、在日ロシア人に対する誹謗中傷が耐えないといいます。「ロシアに帰れ」、「土下座しろ」、「収容所送りにする」、といったものから、東京都内のロシア食品店では看板が破壊されたり、ロシア料理店には「店の口コミを荒らすぞ」という脅しもあるそうです。

 新型コロナウィルスが世界で流行しはじめた頃には、身近な場所でもヘイトクライムが発生していましたが、感染に慣らされて無くなったと思ったら、今度はロシアに対するヘイトクライムが起きています。「恥を知れ!」といった気持ちになりますが、人間は愚かな生き物なので、こんなことをいつまでも繰り返すのでしょうね。

 ちょうど昼前のニュース時間帯ということもあって、店内のテレビで流れるウクライナの惨状を見ながら、「ウクライナ&ロシアランチ」(税込1500円)を複雑な思いで食べることになりました。「前菜」、「ウクライナ式水餃子」、「ピロシキ」、「シィー」、キャベツと豚肉、野菜、豆などの具沢山スープの「シィー」は、ロシア人にとって最も身近な伝統的なスープです。美味しいものを食べれば誰でも幸せな気分になるといいますが、戦争を止めて美味しい料理で幸せになってもらいたいと思うのでした。 

 早く平和になることを祈るばかりです。

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虎渓山で花見

多治見市へ買い物をした帰り、「虎渓公園」に立ち寄って桜の花見をしてきました。この公園には約400本もの桜が咲き、子供連れの花見客が何人も見られます。数十年前には今よりも多くの桜があり、国道からも桜に囲まれた公園が見られたものですが、今では少し寂しい光景となっています。それでも、「飛騨・美濃さくら33選」に選ばれているそうで、休日には多くの観光客が訪れるそうです。

 公園内には展望台が平成28 2 月に設置され、多治見市街地が一望できます。もともと虎渓山には、かつて展望台があり、「昔のように展望台から多治見の街を眺めたい」という声が多くあったことから、建設資金の寄付を集めて建設されたようです。 

 せっかくなので、何か食べようと数件並んだ屋台を見て回りますが、子供が喜びそうなものしかありません。そこで、園内の茶屋で「木の芽田楽」を注文して食べます。ここは常設されている「若松屋」さんとは場所が異なりますが、5本で1420円と同額です。リーズナブルな田楽を頬張りながら、一時の花見気分を味わいます。やっぱり「花より団子」なのです。

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