■ 2022年3月 ブログ

のんびり行こうぜ

小学館『BEPAL』編集部のホームページに、カヌーイストの野田知佑氏の訃報が掲載されました。野田氏の事務所のコメントとして、「野田知佑が2022年3月27日、永眠いたしました。84歳でした。なお、葬儀は、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、親族のみで執り行いました。これまでご愛読、応援いただいた読者の皆様、お世話になりました関係者の皆様に深く感謝申し上げます。」とあります。

BE-PAL』(ビーパル)は1981年に小学館より創刊されたアウトドア雑誌です。当時22歳だった私は、特に趣味があったわけではなく、なにげなく手に取って読んだ『BE-PAL』に刺激を受け、キャンプやスキーへとアウトドア生活にハマっていきます。創刊直後より雑誌の看板となる紀行エッセイ『のんびり行こうぜ』を連載していた、日本のカヌーイストの第一人者としての野田氏に憧れ、Pyranha製のカヤックを買ってしまい、長良川、木曽川、天竜川など、素人なのに川下りに挑戦したものでした。

結婚後は、冬には子供と共にスキーへ行き、夏には車のキャリアにカヤックを積んで川や人造湖近くへオートキャンプに出掛けました。子供の成長と共にアウトドア生活も少なくなり、同時に腰痛も発症するようになって、カヤックは知人に譲り渡してしまいます。今では考えられないくらい、室内でジッとしていられない生活だったのです。

ところが、今では店内で一日の大半を過ごし、後は自宅の中でおとなしくしている老人のような暮らしぶりです。まあ、確かに年齢的には還暦を過ぎている訳ですから、それなりの老人なのですが。それにしてもアウトドアとは無縁の生活に、自分でも驚いてしまいます。あの頃には、珈琲屋の爺さんになるとは想像もしていなかったからです。(この体型も)

憧れだった野田知佑氏のようには生きられませんでしたが、紀行エッセイ『のんびり行こうぜ』のように、ゆったりとした時間の使い方だけはしているかもしれません。カヌーのように川の流れに身を任せ、力まず、カヌーから見える景色のように、低い目線から眺められる生活をしていることだけが、『BEPAL』の読者だった頃から活かされているのかも。 

 これからも、「のんびり行こうぜ」

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100円コーヒーを飲みながら花見

自宅から一番近い道の駅「どんぶり会館」の前を通ると、いくつかの綺麗な花が目にとまります。東京では桜が満開らしいのですが、土岐市ではやっと開花を始めたくらいで、花見どころの状態ではなく、今週には寒の戻りがあるそうですから、まだ一・二週間先になりそうな感じです。

 桜の花見は出来ないものの、綺麗な花を見つけたので、近くのコンビニでコーヒーを買い求め、道の駅周辺をコーヒー片手に花見気分で散策することにしました。ここ数日の気温上昇で4月中旬以降に咲くはずのツツジも咲き、梅の花やモクレン、レンギョといった色とりどりの花を見て回ることができました。

 歩きながら飲んでいたコンビニ・コーヒーは、冷めてしまうと苦いだけの黒い飲み物になってしまうところが残念ですが、なにせ100円(税込)という格安価格なのですからし方がありません。

  セブンイレブンのセブンカフェがコンビニ業界で一番最初に100円コーヒーのサービスを開始したのが2013年の1月ですから、それから9年間値上げしていないことになります。その間、原材料や包装材等の値上げがあっても価格を据え置いており、最近のコモディティ市場の高騰もあって、ただでさえ原価率の高いコンビニ・コーヒーは大変なんじゃないかと他人事ながら思ってしまいます。

  テイクアウト提供するコンビニでは、セルフでコーヒーを作ってもらい回転率をあげることができます。また、コーヒーと合わせて他の商品もついで買いしてもらう抱き合わせ商品も豊富です。当然、コーヒーカップを手洗いする必要もなければ、接客はレジ入力のみです。だから100円という価格も維持できるのかもしれませんが、今後、原材料費の全てが高騰すれば、いったい何時まで100円が続けられるのでしょうか?

 まあ、質を落として味を落とすか、高級志向へ路線変更するかなんですが、コンビニ・コーヒーを飲む機会のほとんどない私には、正直どうでもよいのですけど。 

 それにしても、桜が咲くのが楽しみですが、毎晩、花粉症のクシャミと鼻水で起きるのだけは終わりにしてもらいたい。

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阿部農園でイチゴ狩り

今日は、恵那市の道の駅「三郷」の近くにある、「すまいるふぁーむ阿部農園」へイチゴ狩りに行ってきました。北には笠置山、遠く東には中央アルプスという見晴らしの良い土地にある農園には、農業用ハウスが立ち並び、夏はトマト、冬はイチゴ、ネブカネギを栽培しているそうです。

 ちょっと昔はイチゴ狩りのできる農園は近くになく、知多半島などの遠方へ行っていたものですが、最近は近場でイチゴ狩りの出来る所が多くなりました。農林水産省の令和元年度新規就農者調査によれば、部門別新規参入者割合では露地野菜作30.0%に次いで多いのが施設野菜作の20.0%だそうです。今回のような農業用ハウスは施設野菜と言われ、施設野菜の10aの農業所得はミニトマト、イチゴ、なす、の順となっており、この農園でも夏はトマト、冬はイチゴというように、収益性の高い種類を栽培しているようです。

 ここでイチゴ狩りのできる品種は章姫のみですが、ハウス内では「紅ほっぺ」、希少な「白イチゴ」、「よつぼし」といったイチゴも栽培されているようです。お土産用の「白イチゴ」を買ったお客様が教えてくれた農園なのですが、今日は「白イチゴ」は無いとのことで、母親の土産用に章姫を購入してきました。

清潔なハウスで美味しいイチゴと甘い香りを楽しめましたこともあり、私は56個、妻は53個も食べてしまって、昼食は抜くことにしました。イチゴを食べ過ぎたこともあり、帰り道にはトイレばかり立ち寄ってしまうことになりましたが、この農園の一つだけ残念なところが簡易トイレだということですね。

 ところで、阿部農園では福祉事業所通じて障害者雇用を行う、農福連携を実践されているそうです。農福連携とは、障害者や高齢者などが農業に携われるよう、国や自治体、法人などがそれを支援する取り組みのことです。農福連携の取り組みが進むことで、障害者や高齢者、生活困窮者の働き口を創出できるとともに、農業分野では高齢化による後継者・働き手不足の問題を解消できると期待されているものです。

この考え方は、安倍さんが言っていた「ニッポン一億総活躍プラン」の一環として「農福連携の推進」が盛り込まれたそうです。なんだか怪しいフレーズに聞こえてましたが、こんなところにも関係していて驚きました。確かに、日本における障害者の総数は約900万人(2018年)超えており、全体人口の7.4%にあたる訳ですから大きな課題です。

さらに、障害者の内訳は身体障害者が約半数、精神障害者は4割、知的障害者は残りの1割というのがおおまか概況です。気になるのは、精神障害者の数が1999年では170万人だったものが、2014年には倍以上に増えており、現代社会を反映している点です。

ただ、農福連携によって全て解決できる訳ではないようです。障害者の働き口が増えて、少しずつですが弱者が生きやすい社会にはなってはいるものの、まだまだ賃金水準は決して高いとはいえません。障害者の報酬である平均工賃月額は15000円ほどで、補助金や助成金に頼っている部分も大きく、一般的な給与と開いたままの状態は改善されていません。例えば、お米の生産に携わる障害者の工賃は28500円で、きのこ類では6600円程度といわれており、農産物を生産して出荷しているだけでは限度があります。そこに、食品の加工や飲食の提供が加わればより高い工賃が得られることになりますが、同時に複雑な作業となり難しい面も出てきますが。 

大手企業の人事担当者だった同級生が、「身体障害者は積極的に雇用するけど、精神障害者の雇用はあまりしない。」と言っていたことを思い出します。雇用の一つの分野として農福連携が上手く機能すれば良いけれど、などと思いながら帰ってきたしだいです。

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最終号

 まめ蔵を開業するまでの間、様々な場所へ行き、様々な本や雑誌を読んできました。そんな中で、「珈琲」というキーワードで検索した際に必ず出てきた雑誌が「珈琲時間」(大誠社)です。時々気になる記事を見つけては購入してきましたが、編集者の「季刊雑誌『珈琲時間』は2022年春号をもって最終号となります。長らくのご愛読ありがとうございました。」というメッセージを見つけ、最終号も最近購入しました。

  2011年に創刊した「珈琲時間」ですが、2022年の春号(5月号)で最終号となり、11年間の季刊発行の幕を閉じるというのです。編集者によれば、紙媒体としての一定の役割を終えたということのようですが、商業的に継続不可能ということなんでしょう。それにしても、実質、廃刊を休刊という言い回しにしている出版界の慣習に違和感を覚えてしまいます。

 ともあれ、コーヒーとケーキを楽しみながら頁をめくっていきます。「瀬戸内しまなみ珈琲海道」では、立ち寄りたくなるお店を見つけて旅する光景を想像し、「もう一度行きたい、素敵な珈琲店」では、一度は行ってみたいと夢膨らめせます。雑誌の良さは、手に取った時の感触が伝わることで、視覚だけでは得られないイメージが湧いてくることです。雑誌片手に旅をしたい気分になります。

 ところで、コーヒーにまつわる話題のなかで、ORIGAMIドリッパーにAS樹脂製のものが発売されると知り、陶磁器産地の土岐市発ORIGAMIドリッパーだったのに、何だかちょっと残念です。約半分の軽さと、多少手荒に扱っても平気な耐衝撃性なんて言われたら陶磁器売れないじゃん。

 また、川島良彰さんが初心者向けの「人生を豊かにしたい人のためのコーヒー」(マイナビ新書)って本を出すそうな。コーヒー飲んで人生が豊かになる訳じゃなく、どう生きるかってことが大切なんだれど、注文しちゃうんだろうな。 

 そんな記事を読みながら、私の珈琲時間を過ごすのでありました。それにしても、老眼が進んで活字が読みにくくなったものです。

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カタクリの花と河津桜

春分の日の月曜日、妻の要望で可児市にある可児下流域自然公園のカタクリ群生地を見に行きました。鳩吹山の遊歩道がある橋を渡るとカタクリ群生地の立札が見え、その先100m程の斜面には可愛いカタクリの花が見えてきます。近くにいたボランティアガイドさんの話によれば、次の週末が見頃だということでしたが、「カタクリ祭り」のイベントと重なり混みそうなので、今日くらいがちょうど良いのかもしれません。

この公園内には10万本のカタクリが咲くようですが、昨年には無かった電気柵が設置されています。標識によれば、イノシシが土を掘り返すための対策のようです。確かに、今年は自宅の庭もノシシが土を掘った形跡がありましたから、各地で被害が多くなったのでしょう。

車を駐車した近くには、湯の華アイランドと湯の華市場があるのですが、その駐車場を取り囲むように河津桜が30本程植えられています。ちょうど満開に咲いており、一足早く桜の花見を楽しむことが出来ました。もっとも妻の方は、花見よりも湯の華市場でのショッピングが楽しいようで、私は荷物係として活躍させていただきました。

 ちはみに、カタクリの花言葉は「初恋」、「寂しさに耐える」だそうです。カタクリの花が下向きに咲く姿が、恥ずかしくて気持ちを伝えられない初恋の乙女をイメージさせることからつけられたようです。初恋なんて随分昔のことでイメージできないな~。

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フランスの人

 「フランスの人、読んでますか~?」と、サバンナ八木のギャグ「ブラジルの人、聞こえますか~?」のように冒頭書いてみました。というのも、今朝、来店されたご夫婦から「フランスに嫁いだ娘が、まめ蔵のブログを読んでいます。」という話を聞き、遠い国からしょうもないブログを読んでいる方へのお礼のメッセージという訳です。

 長女の幼なじみとうこともあり、暇つぶしに読んでいただいていると思うのですが、私としては特定の方を想定してブログを書いている訳でもなく、日々の出来事や感じたことなどを取り留めもなく記録しているだけなのです。まあ、一部の身内が見ているであろうことは承知しているものの、だからといって意識して書いていることもありません。

 テレビドラマで登場するカンフルニュースの編集長、瀬古凛々子が「PVが伸びるということは、それだけ読んだ人の心が動いたということ。あなたの声が多くの人に伝わることだから。」と言っていますが、そもそも多くの人が読むとは思っていません。ましてや、自分の声自体が大して内容のあるものでもなく、認知されたい訳でもないのです。

 ちなみに、PVPage View(ページビュー)の頭文字をとった略称で、サイトがどれだけ閲覧されているのかを測るための指標だということも最近知りました。ですから、何人の方が読んでいるとかの人数も知りたいと思ったこともなく、いいね!ボタンの設定もしてありません。そもそも、なんで「いいね!」が欲しいのか意味がわからないのです。承認欲求なら、毎日コーヒー豆を購入していただけるお客様が存在するだけで満たされていますから。 

 今日も、何人もの方がコーヒー豆を購入していただきました。ブログを読んで心が動いた人よりも、コーヒーを飲んで心が癒される人がいることを願っています。

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いよいよ値上げか

昨年からコーヒー生豆の価格が上昇しており、1割から2割ほど仕入れ価格が高くなっています。当然、当店で販売しているコーヒー豆も価格修正して反映させるべきですが、今の所は大きな修正を行っていません。

 ここで珈琲屋を始めたのが、「この町で品質の良いコーヒーを手頃な価格で提供したい。」という思いがあったからで、コーヒーで儲けようという目的ではなかったのです。しかし、この店を長く続けるためには一程の収益は必要ですから、コーヒー豆と店内飲食との収益バランスを考えながら価格設定をしてきました。

 幸いにも年々コーヒー豆を購入するお客様が増え、全体の売上に占めるコーヒー豆の割合が高くなり、カップのコーヒーよりもコーヒー豆の方が多くなっています。そうなると、販売価格を据え置いていることが足枷になってきます。コーヒー豆が売れて嬉しいのですが、売れば売るほど儲けが少ないといった痛し痒し状態になりそうです。

 生豆商社によれば、春以降入荷するコーヒー生豆の価格が3割程上昇する模様です。さすがにそうなれば価格を見直す必要が出てきます。今のところは、新しく入荷するコーヒー豆を仕入れる度に価格改定をするのも面倒なので、一定期間をおいて一斉に変更する事を考えていますが、とりあえずホームページ上のコーヒー豆価格を非表示にし、「時価」とでもしておきましょうか。

 既に多くの食品や食材が値上がりしています。今後は嗜好品の価格もさらに上昇し、消費の冷え込みが起きる事でしょう。そうなれば、必要な品物しか売れなくなる時代がきます。しかし、そうなった時に、「まめ蔵のコーヒー豆は買いに行こう!」と言ってもらえるか、内心、通信簿をもらうような気分になっています。ちょとドキドキします。 

 必要な物は残り、必要でない物は無くなる。当たり前のことが起きるだけなのです。

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最近の事

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、各国による経済制裁が行われています。その影響で原油やLNG(液化天然ガス)が高騰し、ガソリン価格の値上がりをはじめ、ガス代や電気代など光熱費にも影響が出てきそうです。また、小麦や蕎麦といった穀物価格への影響も懸念されているほか、海産物に至るまで値上がると言われています。まさに値上げラッシュです。

 そうかと思えば、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、コーヒー豆や天然ゴムといった先物価格が値下がりしているとも聞かれます。ちょっと違和感を覚えますが、世界の企業がロシアからの撤退や事業の縮小に動き、飲食業や自動車産業などの用途で需要が減速しており、景気不安が市況を下押しする傾向があるようです。コーヒー豆のアラビカ種を指標とするニューヨーク先物市場を見ても、昨年から続く高騰の状況から少し変化が見られています。

 確かに、米国のファストフード大手マクドナルドやコーヒーチェーン大手スターバックスは、8日にロシア国内の全店舗を一時的に閉鎖すると発表しました。これにより、マクドナルドはロシアの847店舗を、スターバックスはロシアでの全事業を停止することによって、コーヒーの需要は減少するでしょうが、世界全体から見れば一時的な反応ではないかと思います。

 今後も軍事支援を行わないでしょうから、経済制裁がさらに進むのでしょうが、経済制裁で戦争は終わらないのではないでしょうか。「経済制裁をしてやったぞ!」と相手に伝えることは、単に憂さ晴らしをしているようにも思え、相手の行動を変えるというよりも、制裁を与えること自体が目的になってしまうのではないでしょうか。

これは北朝鮮などを見れば明らかで、年中行事のように弾道ミサイルを発射し、その度に国際社会は批判をし、日本や米国は経済制裁に乗り出しています。ですが、それによって貧しくなるのは北朝鮮の庶民だけで、中国やロシアが裏で援助をしている政治体制や軍事開発には何ら影響がないように見えます。むしろ、日本や米国への怒りが増して今後もミサイルを発射し続けるでしょう。

経済制裁は実際に効果の度合いを測ることが難しいし、制裁をかける側も被害を受けるし、始めたのはいいものの、止めどきがわからなくなるというジレンマが生まれます。ロシア国内では情報統制が行われ、反体制派には厳罰がくだされる状況になっています。一部には国外に退避する人もいますが、現体制を受け入れることで自分を守る人も多いようです。なんだか80年前の日本のように思えてなりません。 

毎日、何度もウクライナの戦況が映像で流され、戦争に対する感覚が麻痺してしまうようで恐ろしくなります。店内で交わされる会話も他人事のような解説ばかりで悲しくなりますが、そんな中、高齢のお客様が「テレビで戦争の映像を観ていると胸が苦しくなるので、コーヒーを飲みに来ました。癒されます。」とポツリと言われた言葉に、戦争経験のない自分も、他人事のように話す人と同類なのかな?と感じてしまいました。

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犬山ぶらり

 雨上がりの快晴となった月曜日、妻も休みを取ったこともあって犬山市までぶらりと向かいました。

■大縣神社

 先ずは、前日にお客様から梅の開花状況を聞いていた大縣神社です。大縣神社は梅の名所として知られており、全国の著名な梅園・神社よりご奉納された梅をはじめ、地域の方や企業などから寄贈された320本の紅白のしだれ梅があります。白梅の一部は8分咲きでしたが、見事な紅白のしだれ梅を多くの人が見に訪れていました。

■松野屋

 お昼前の11時過ぎに早めの昼食へと向かった先は、明治時代からでんがく専門店として伝統を守り続けている松野屋です。でんがくは豆腐、里芋、豚肉、タニシの四種類あるものの、タニシは入荷待ちとのことで定番のでんがく定食をいただきます。刻んだ季節の青菜をご注文後にご飯とあわせ込んだ菜めしと、ちょっと辛めの味噌でんがくの相性は抜群です。

■大野屋のういろ

 昭和6年創業の犬山御菓子処大野屋でういろを購入します。以前、お客様から差し入れしてもらい、その美味しさが忘れられず、「春の串ういろ」、草もちをイメージした「草ういろ」を買いました。

■小松屋商店

 大野屋さんの斜め右向かい店を構える、老舗のこんにゃく屋さんへ立ち寄ります。慶応年間、兵衛治郎が犬山にこんにゃく屋小松屋商店を創業し、現在は六代目なんだとか。こんにゃく芋を剃りおろし、オホーツク海産の貝殻カルシウムを使った手練こんにゃくを夕食にいただきました。美味い! 

 今日は最高気温が22度と4月中旬並みの気温だとか。気温の上昇とともに花粉症に悩まされ、くしゃみで何度も夜中に目が覚めるイヤな季節になりました。しかし、多くの花々が咲く春はいいものです。

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忘れないように

 庭の梅が満開になる中、店の中で「花より団子」とばかりに、三色団子を食べながらコーヒーを飲んでおります。先週からロシアによるウクライナ侵攻、11年経過した東日本大震災と暗い話題ばかりが続いており、こうしてブログに書きとめることを止めていました。

 その間、様々な媒体のニュースを見ていると、ウクライナに起きている出来事に対して関心が高くなっていると同時に、震災で苦しむ人々が未だ多く存在していることに無関心になっていると感じます。「人はかならず慣れる。そして飽きる。さらに忘れる。」という悲しい性を思い出してしまいました。 

 そんな訳で、自分が生きている間は忘れまいと、記憶とブログに残しながら、再び東北の地を訪れる計画を立てています。ウクライナまでは行けないけれどネ。

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安心できない

高齢世代に響く非常にキャッチーなタイトルの実用健康雑誌、『安心 20224月号』 (マキノ出版に気になる内容があいました。それが、『おいしい淹れ方をコーヒー博士が伝授 「コーヒー」で脳も血管も若返る!抜け毛に効いた!』です。

出版社のホームページに試し読みのコーナーがあるので覗いてみると、
1:最新研究で判明! コーヒーは糖尿病や肝臓病を防ぎ寿命を延ばすまさに飲む薬だ!

2:「高血圧に悪い」は大きな誤解! コーヒーの常飲で高血圧や不整脈のリスクが低下!

3:脳卒中やパーキンソン病を予防! 筋肉も骨も強化! まだまだあるコーヒーの効果

といった具合で、〇〇病院の〇〇医師が解説といって、「1日3~4杯のコーヒーが全死亡リスクを減らす!」といってPRしておりました。 

まあ、信じてコーヒーをガブガブ飲むのは勝手だけれど、実際に飲んでいる私には抜け毛に効果は全く無かったし、高血圧の薬を常用している状態からして、信ずるに値しないことは確かです。だから『安心できない本』として参考にするのが良いかと思います。先ずは、この頭をボーボーにしてから「効果あり」としてもらいたいものです。

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雛人形

妻が日曜日に雛人形を飾ってくれました。ここ東濃地域では旧暦で雛祭りを行うところが多く、4月3日に合わせて3月上旬に雛人形を飾っています。この雛人形は長女が生まれた際に、妻の実家から贈られたものであり、それ以降30数年間毎年飾っているのです。

 最近では卓上型の人形が多いようですが、7段飾りの雛人形を飾るのは結構大変で、「どうせ手伝えないでしょ?」などとイヤミを言いながら、最近では妻一人で飾ることが多くなりました。30数年前、一番最初に撮影した写真を見ながら並べていきますが、写真が随分と色褪せてきており、時の経過を感じてしまいます。 

 今では、二人の娘たちはそれぞれ所帯を持って遠方で暮らしていますが、娘たちが家にいた時の同じように、雛人形を飾り、4月3日には散らし寿司食べるのだと思います。我が家の変わらぬ伝統行事といったところです。

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褒め言葉

自宅の庭に植えてある梅の花が咲き始めました。昨年は2月中旬に開花したので、随分遅い開花になっており、例年になく厳しい寒気が押し寄せていることが分かります。昨年のブログを読んでみると、2月22日に岐阜市の梅林公園、3月2日には犬山市にある大縣神社の境内の梅園を散策していますが、梅を楽しむ時期を少し遅らせねばなりません。

春が待ち遠しいものの、相変わらずコロナ、コロナで気が滅入ってしまいますが、そんな中でもコーヒー豆を購入されるお客様が毎日あり、楽しい日々を過ごすことが出来ています。つい先日も、コーヒー袋を手に取ったリピーターの方が、「奥さんがこの豆を気に入っててね。優しい味がするっていうんですよ。マスターの人柄なのかな~。」、なんて話してくれました。「美味しい。」とか「飲みやすい。」といった言葉を頂けることはありましたが、「優しい味」という言葉は初めてで、大変うれしくなってしまいました。本当に最上級の褒め言葉です。

美味しさという感覚は個人差があり、同じものでも異なる感想を持つことがあります。時には、店側やコーヒー豆の付加情報によって過大に評価したり、「〇〇と比べて美味しい」といった比較することで、本来の味を見失うこともあります。けれど、単純に「優しい味」と表現されると、そんなことはどうだっていいと思えてくるのです。 

焙煎してる本人は「優しい味」を意識したことがないので申し訳ないのですが、春を前に一人ウキウキしておりました。

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そばの蕎麦屋

ここ数年、コロナ禍とあって外食の回数もめっきり減りました。そんな中にあって、夫婦で時々出かけるお店が蕎麦屋さんで、自宅のそばの蕎麦屋さんを探しては食べに行っています。ここ1年くらいに出掛けた店はこんな所です。

 ①『手打ちそば 秋新』(土岐市下石町1937-3

古民家を改装した風情のあるお店です。せいろと田舎そばの2種類があり、両方楽しめる二色そばがあるものの、やはり、せいろがよろしいようです。

 ②『そば茶屋 土岐店』(土岐口中町6丁目44

長野県茅野市に本社を置く、株式会社 渡辺製麺の姉妹店として安定の速さ、安さです。小腹が空いた時に直ぐに食べたい蕎麦です。

 ③『sobaya天』(土岐市泉郷町2-47

コの字居酒屋のようなカウンターで食べる手打ちそばです。女性店主が一人で切り盛りする姿を眺めながら、蕎麦をすするのも悪くない。

④ 『そばきり邦や』(多治見市幸町)

多治見市本町オリベストリートにある蕎麦の「井ざわ」で修業を積んだ店主が独立したお店です。自宅からそばという訳ではないですが、同級生の鍛冶屋さんが看板を作ったと言うのでやってきました。

 昼間に飲食店を覗くと、外回りをしている会社員や作業服を着た方々が目立つものの、家族連れの光景がめっきり減ったように感じます。仲間内でも、集まった帰りに「ちょっと食べに行こう!」といった機会も無くなり、雑談を通してのコミュニケーションも希薄になっています。 

 「食べながら会話する」ことが悪のように言われ続けられ、本来、人が傍(そば)によって話すことから親交を深めていくことが、今更ながら出来なくなっていく世の中に不安を覚えてしまうこの頃です。

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パン屋に行って考える

ワクチン接種の日曜日、接種会場から自宅へ帰る前に、瑞浪市月吉にあるパン屋さん「ベーカリー・ツキヨシ」に寄り道です。以前から気になっていたパン屋さんで、妻に買って帰ろうと遠回りしてみました。というのも、営業日が木・金・土・日の4日のみのため、まめ蔵の定休日である月曜日には営業していないからです。

それにしても、この数年の間に多くのパン屋さんがオープンしています。そして、最近の高級食パンブームも相まって、お客様の会話に「〇〇のパンは美味しい。」、「〇〇のパンはそれほどでもない。」といった声を聞く回数が増えました。お米を食べないと食べた気がしないと思っている私には、パンにそれほど執着心はないものの、世間はパンブームらしいのです。

珈琲屋である私も同様なのですが。脱サラからのパン屋開業は、昔からイメージされる憧れのビジネスモデルです。日本人の食文化は大きく変化しており、パン食の人気も上昇したため「個人でパン屋を開業したい」という人も年々増えてきているのでしょう。

ところが、同時に個人店のパン屋さんや高級食パン専門店の廃業が話題になります。その要因には様々なものがあるようで、高齢化による後継ぎ問題コンビニなど競合他社の増加、採算の悪化、薄利多売のビジネスシステム、といったものが挙げられています。

金融機関主催の開業セミナーに参加した際にも、独立起業者全般として事業を開始した場合の5年後廃業・撤退率は80%以上ともいわれました。個人事業で5年以上存続することは意外と簡単ではないのです。ただし、フランチャイズ加盟の場合、この廃業・撤退率は35%。五年後の存続率は65%まで上がることが分かっており、フランチャイズ加盟が安全だと言われたものです。

パン屋さんの魅力は、100円台から取り揃えるコストパフォーマンスの高さがです。しかし、コンビニの台頭や原材料価格の高騰が経営を圧迫し、国産小麦や天然酵母使用といった謳い文句から、自家製石釜で焼いたパンまで、特徴を持たせた高級指向に向かうところもあります。

 とりとめもなくパン屋さんについて書いてきましたが、この内容というのは珈琲屋につても共通する内容です。まめ蔵は5年後廃業・撤退率80%以上から逃れることはできてはいますが、いつ窮地に陥るかも知れません。その時にどのように振る舞うのか、パン屋さんに行って足元を見つめてみながら色々と考えてみるのでした。

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