■2021年7月 ブログ

霜害(そうがい)

 妻の実家は加茂郡白川町です。白川茶の産地として有名で、妻の実家の周りの斜面にも茶畑は多く存在します。茶畑の所々には、霜害(そうがい)を防ぐために背の高い扇風機が設置されているのが見えます。霜害とは、茶葉の表面が0℃以下になったとき、空気中の水蒸気が直接凍る昇華現象によって発生した霜により、葉が-2℃以下に冷やされて葉の生育が遅れたり、枯れてしまったりすることです。

 植物の80%以上が水でできているといわれ、特に茶葉の新芽には水分量が多いため、収穫前に霜害にあうと収穫できなくなってしまうのです。そのため、地面から離れた上部の暖かい空気を地表に送風し、温度の低下を防ぐために扇風機を回して防いでいるのです。

 そんな霜害が、世界一のコーヒー産地であるブラジルで発生したというWebニュースを見ました。それによれば、ブラジル産アラビカ種の7割を生産するミナスジェライス(Minas Gerais)州の主要農園が、720日の早朝に発生した降霜により、落葉を招いたり若木を枯らしたといいます。南半球のブラジルは冬のピークに向かうタイミングですが、霜害が起きるのは、通常6月から7月初めで、今回はかなり遅いようです。また、雪が降らないブラジルのはずが、南部では降雪があったそうですから、やはり気候変動が大きく影響しているのかもしれません。

 生豆商社からのメールでも、『霜による被害は、コーヒーの木の葉や茎が焼けたようになってしまい、2021/22クロップのコーヒーチェリーの収量に影響するだけでなく、2022/23クロップ以降へも影響を及ぼす可能性がある点が問題となります。新型コロナウイルスに対するワクチン接種が行きわたることで、世界的なコーヒーの需要回復が見込まれる中、この霜害による供給減により更に大きく需給バランスが崩れることが見込まれています。このリスクを受け、コーヒーの相場が例年になく、非常に大きく反応しております。当社からの販売価格へ今すぐに影響を及ぼす状況にはございませんが、今後の状況次第で価格改定が必要となる可能性がある点、予めご承知おきくださるようお願いいたします。』とありました。

 コーヒー生豆の価格については、ブラジルの減産期と新型コロナウイルスによる弊害が重なり、既に、アラビカの先物取引市場であるニューヨーク市場では高騰が続いています。さらには、ロブスタにおいてもロンドン市場の先物取引価格が上昇しており、生豆商社の「当社からの販売価格へ今すぐに影響を及ぼす状況にはございませんが」という話も、直ぐに翻されることになるかもしれません。

 コーヒー好きの方は、多少価格が高くなっても飲んでください。コーヒーがあまり好きではない方は、他の飲料に鞍替えしてください。そうすれば、コーヒー好きの方に安定してご提供できるかもしれません。コーヒーは嗜好品ですから。

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ダイヨーコーヒー・ブレンド

 アベマキという木があります。西日本を中心に見られるブナ科コナラ属の広葉樹で、岐阜県内では南部に多く自生し、美濃加茂市の至る所に分布しています。昔はマキとして切り出され、人々の生活を支えました。しかし、化石燃料の広がりとともに昭和30年代以降は山に人が寄り付かなくなり、アベマキも取り残され、やがて山は荒れ、獣のすみかとなり、人々の生活をおびやかすようになります。

美濃加茂市では、平成27年に「里山千年構想」を打ち出して山の整備に乗り出し、その事業の目玉の一つが切り出したアベマキの活用でした。学校の勉強机の天板(朝ドラみたい)やペン、置き時計などに生まれ変わらせて、淡いピンクと赤褐色のコントラストが評判をえてきました。

そんな折、ひょんな所で「abemaki coffee」なるものをもらいました。ドリップバッグ・コーヒーで、パッケージには「アベマキの木片チップを焙煎しレギュラーコーヒーと合せたら、爽やかな香りと優しいコクのある美味しいコーヒーが誕生しました。」とあります。

裏面の説明を見ると、商品名はアベマキ入りレギュラーコーヒー(粉)、原材料名にはコーヒー豆(生豆生産国コロンビア)、アベマキ(美濃加茂市産)とあります。美濃加茂市の里山千年構想から生まれた商品なので、美濃加茂市内の業者が作ったのかと思いきや、販売者は岐阜市の「合同会社ツバキラボ」で、製造者は養老町の「焙煎屋 克之佑」でした。

そのへんの理由は、中日新聞Web版(202115日)を見ると分かります。そこには、『岐阜市椿洞の木工家和田賢治さんと、コーヒー豆などの焙煎を手掛ける同市養老町の川井克之佑(かつのすけ)さんが、県南部に多く自生する広葉樹「アベマキ」の木片チップを焙煎してレギュラーコーヒーに混ぜた「アベマキコーヒー」を開発した。未知の味への挑戦だったというが、意外にもコーヒーが苦手な人でも飲めるすっきりとした風味に仕上がった。アベマキコーヒーは、和田さんがアベマキから家具などを製作する過程で大量に出る数ミリの木片チップを活用。川井さんが焙煎し、ひいたコーヒー豆に混ぜた。アベマキの香りが加わったことでコーヒーの苦みが抑えられ、爽やかな香りと優しいコクが生まれた。川井さんは「サクラやナラ、クリ、ブナも試したが、アベマキだけは明らかに風味が変わり、飲みやすかった」と話す。』アベマキありきじゃなかったんだ。

でもな、なぜアベマキをコーヒーに利用するのかよくわかりません。アベマキを代用コーヒーの材料として考えているのか、木片チップの再利用として考えるのか、使用するアベマキの量がある程度あるものとして考えるなら、何か別の用途がありそうな気がするのです。代用コーヒーとしてとらえるのなら、ブレンドの割合を極限まで増やすべきであろうし、このままでは「abemaki coffee」ではなく、ダイヨーコーヒー・ブレンドってな感じになっているんです。だから、コーヒーとしてそこそこ飲めたりします。 

美濃加茂市へ行ってみたら、なんか面白いコーヒーに出会いました。

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田んぼdeアート2021

 定休日の午後、恵那市山岡町までドライブして、平成27年から始まる山岡町の「田んぼdeアート」を見にいきます。田んぼを大きなキャンパスに見立て、うるち米や古代米、食べられないアート米など7種類の苗を25アール程の田んぼに植え、巨大な絵を作り上げていました。

今年のデザインは、昨年に引き続き明智光秀です。昨年は明智光秀がコロナウイルスを退治するデザインでしたが、同じ光秀でも手裏剣なのか星なのか?よくわからない構図になっています。そんな事を思いながら、展望台のあるイワクラ公園を後にしました。 

今日は最高気温が36度と猛暑日を記録しました。ここ恵那市山岡町は少し山あいになるため風は涼しく感じますが、それでも30度を越えています。これから数ヶ月は暑い日々が続くと思うと、冷房の効いた部屋から出られないな~!

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目立たないスポーツイベント

 今日、723日はオリンピックの開会式のようです。そして、824日~95日にかけてパラリンピックが行われる予定です。障害者スポーツの国際大会としては、パラリンピックの他にデフリンピック、スペシャルオリンピックスがありますが、IOCと協定を結んで開催しているパラリンピックと違い、デフリンピックやスペシャルオリンピックスは存在すら認知されていないのが現状です。

 パラリンピックは、第2次世界大戦後に戦争で脊髄を損傷する兵士が増えることを見越し、英国ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院内に脊髄損傷科が開設され、戦後の1948年のロンドン五輪に合わせ、病院内で車いす患者によるアーチェリー大会が開かれたのが始まりです。1960年第1回パラリンピック競技大会ローマ大会(第9回国際ストークマンデビル競技大会)の頃に使用されていたエンブレムには、車椅子の車輪が描かれています。

 現在のパラリンピックでは、国際パラリンピック委員会(IPC)が主催し、肢体不自由・脳性麻痺・視覚障害・知的障害による、身体障害者を対象とした障害者スポーツの総合競技大会となっています。

一方、デフリンピックは、パリで開かれた国際サイレント大会にあるとされています。この大会は、自身も幼児期に聴覚障がい者となったユジェーヌ・リュバン=アルケの主導のもとに行われました。フランスでは、1918年フランスろう者スポーツ連合(FSSF)が創設され、もともと健聴者とろう者が一緒に、レスリング、ボクシング、体操競技、自転車競技が行われており、そうした活動に一層の弾みをつけるために国際大会が開催された経緯があります。

そして、スペシャルオリンピックスは、1962年に故ケネディ大統領の妹ユニス・ケネディ・シュライバー夫人が、自宅の庭を開放して開いたデイ・キャンプが始まりと言われています。知的障害があるために、まだ一度もプールで泳いだり、トラックを走ったり、バスケットボールをしたことがない人たちにスポーツを提供することを願って始められました。

パラリンピックやデフリンピックが世界中からのアスリートが集まり、それぞれの分野で金、銀、銅を競う世界的な競争である一方、スペシャルオリンピックスは、毎日、世界中で開催されます。ここでの目標は、パラリンピックのような競技ではなく、あくまでも参加です。知的障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を、ボランティアによる運営と善意の寄付によって非営利で行われるのです。そんな日常的な活動から「スペシャルオリンピックス」と複数形で表されています。 

ちなみに、デフリンピックは今年125日~21日にブラジルのカシアス・ド・スルにて開催予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、202251日~15日に延期されることが決まっています。コロナ禍の日本で開催されるオリンピックにちなみ、目立たないスポーツイベントにも目を向ける良い機会になればと、コーヒー豆を焙煎しながら思うのでした。

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今日はWebセミナー

 今日の14:0015:30は、コーヒー生豆商社のWebセミナーでした。石光商事()の花岡風香さんと、元 石光商事()コロンビアエリア担当でもあった、ユーエスフーズ()代表取締役 杉本幸広さんによる、コロンビア産コーヒーの基礎情報や商品特性についての話です。

 石光商事の花岡さんが若い女性で、正直「こんな若い人が買い付け担当なんだ!」と驚きました。事前に準備されたプレゼンも丁寧に作りこんであったものの、さすがに質疑応答になると、先輩格となるユーエスフーズの杉本さんが助け舟を出すといった感じです。

コロンビアの北部と南部の地域特性や、栽培されるコーヒーについての違いについて分かりやすく説明されましたが、知らなかったのが、「さび病」対策による栽培品種の割合が変貌していることでした。2009年には、カトゥーラ54%、カスティージョ31%、ティピカ16%だったものが、直近の数字では、カトゥーラ25%、カスティージョ71%、ティピカ4%と、高い病害耐性を備えているカスティージョが多くを占めていたのです。

カスティージョはコロンビアのコーヒー研究所 (Cenicafé) で開発された比較的新しい品種です。同研究所において病害に強い品種の開発を目標として1960年代後半から研究・改良が行われてきました。カトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配を繰り返してコロンビアという病害耐性を持つ品種が開発されましたが、さらに風味特性の良いものを目指して選別と改良が繰り返されて誕生したものがカスティージョだということです。

ちょっと残念だったのは、コロンビアを説明する冒頭で、フアン・マヌエル・サントス前大統領が左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)と停戦合意し、ノーベル平和賞を受賞したことを評価したような話があったことです。けれど、この停戦合意にはFARCメンバーが人質の拉致や殺人への責任を問われず、さらには議会に議席を与えることになりました。そして、FARCに譲歩し過ぎだと多くの批判をあびており、停戦合意をめぐる国民投票では反対票が50.24%と多数を占めていたのです。 

毎回ながら、接客しながらのWebセミナーではストレス溜まります。

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朝のブルーベリー狩り

 妻が出勤前に店へ立ち寄り、花壇に植えてあるブルーベリーを摘み取っています。朝採れの果実は甘いとかで、摘み取ったものを私に託し、自宅に帰る際に持ち帰ってくることになっています。朝の短時間なブルーベリー狩りです。このブルーベリーも明日のヨーグルトに添えられます。

 このブルーベリーは、まめ蔵をオープンした2015年6月に、西陵中学3年B組の恩師が記念に植樹してくれたものです。毎年、数多くの実を付けるのですが、酸っぱくて食用にはしておりませんでした。ところが、7年目となるとブルーべリーの木は太くたくましくなり、実も明らかに大きくなってきました。食べてみると、熟したブルーベリーの実は酸味も少なく甘くなっています。そんな訳で、最近は妻がせっせと朝に収穫しているのです。

 花壇の花の手入れと同じく、生き物の世話が苦手な私は、花の植え替えやブルーベリーの世話をしたことがなく、全て妻に任せっきりにしています。花壇の植え替えの際には、苗や肥料を購入するのはもちろん、草刈や掃除は手伝うものの、小まめに雑草を取ったり肥料を与えることはしません。ですから、甘い実をつけたブルーベリーの実質的なオーナーは、妻だということになるのでしょうか。

 そんな7年目を迎えるブルーベリーのように、まめ蔵も7年目に入り、少しは美味しいコーヒーを焙煎できるようになったのでしょうか?相変わらずの成長しない店主であります。 

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古民家カフェ橘

先月、クラウドファンディングを活用し、中山道47番目の宿場になる「大湫宿」の新森川邸を活用し、古民家カフェ開業を目指すお客さまがいました。そのクラウドファンディングの目標も達成し、先日オープンしたての「古民家カフェ橘」を訪問したのでした。

「大湫宿」は標高510mの場所にあり、瑞浪市の中心部の標高が160m程と比べて高いことと、周りが山に囲まれ緑が多く、古民家カフェの中を通る風が心地よく感じます。なによりも、ソファから見える窓の外には、田植えを終えた稲の緑と山の緑が風に揺れる光景に癒されます。

オープン直後でまだまだ慣れないこともあり、メニューはドリンクのみのために、期待していたランチをいただくことは出来ませんでした。7月中はドリンクだけで店を廻しながら、8月から2種類のランチを加えていくということでした。古民家をそのまま利用するため、キッチンが狭くてどのように効率よく段取りをしていくか思案中とのこと。電話による問い合わせの多くも、「ランチありますか?」ということなので、次回の訪問はもうしばらく先にします。 

正直、瑞浪市の山の奥にある宿場町ということもあり、訪れる人は少ないだろうと思っていましたが、週末には意外に多くの方が訪れるということでした。コロナ禍前には、インバウンドによる海外の観光客が想像以上に多かったそうです。今後、どのように宿場町の古民家カフェとして、地域に浸透していくか楽しみです。

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今日は時短営業

 今日は午後2時半にお店を閉め、地域の「津島様(つしまさま)」をお祀りする行事のために出かけました。今年度は区の会計を担当していることもあり、御供えや玉串料などを用意し、副区長さんに竹笹や設置をお願いて準備してもらったのです。

「津島様」とは津島信仰ともいわれ、愛知県津島市にある津島神社を中心とした東海地方に、「津島代参講」と呼ばれる講として各地に広がった神道の信仰です。毎年この季節になると、講の代表者が津島神社に代参して神札を受け、町内に津島神社を勧請して作られた祠(ほこら)に祀る行事が行われるのです。

近くの八剣神社の神主さんが店の常連なので、町内にある15ヶ所程ある祠を土日に半月かけて全て祈祷することや、「津島様」が疫病や厄除けの神様として親しまれていることを聞き、新型コロナウイルスにも効果を期待したいところです。あくまでも、「信ずる者は救われる」世界なので期待できませんが。

 区にある三ヶ所の祠を祈祷してもらうため、炎天下の中で立っているのは結構しんどいものです。毎日、店内でエアコンの効いた環境の中にいると、屋外は灼熱地獄といった気分ですが、水道工事をしている副区長さんから「全然平気ですよ!」なんて言われてしまうと、返す言葉が見つかりません。 

 こうやって私用で臨時休業や短縮営業をすると、「店、閉まってたじゃない!」と言われてしまい、いつも心苦しくなるのです。今日も帰り支度をしている間に、3台の車がユーターンして行くのを見ました。「申し訳ありません。」

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一回目の接種

 今日は、新型コロナワクチン接種のために午後1時30分に店を閉め、接種会場となるセラトピア土岐へ向かいました。既に駐車場には多くの車があり、案内係りの指示で空いていた場所へ車を停めます。会場に入ると先ずは検温と消毒をし、指定されたイスに座ると直ぐに受付に回されます。必要書類が揃っていることが確認され、予診待合スペースで30分程待つ間に、問診票の記載漏れがないか、検温はしているかを専門スタッフが全員をチェックしていきます。そうしてやっと医師による予診と接種になるのです。

 医師による予診は2箇所設けられており、私が入った場所には普段母親と行っている掛り付け医師が当番で担当されていました。「お、今日は二人目だ。」そういって気安く話しかけてもらいながら副反応の説明を受けます。「初めての事なのでよくわからないことが多いですが、体調が悪くなったウチに来てください。」、そういわれて、看護師さんにワクチンを接種してもらいました。(痛くもなんともない) 

 その後、隣の待機場所で15分間イスに座って待ち、次回接種の受付場所へ行って、3週間後の8月4日(水)午後1時45分と指定されました。待機開始から自宅に戻ってくるまでの間も痛みやダルさもなく、普段と変わらない体の状態です。お客様の中には痛くて腕があがらないとか、熱が出たとか、色々な副反応の話を聞きましたが、概ね何も問題のない人が多いので心配していませんでした。ただ、予診の際に医師から「3回打つようなことになるかもしれませんね。」と冗談混じりの会話から、今後の状況によっては現実になるのかもしれないと思ってみるのでした。

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デカフェ

カフェインは覚醒作用や利尿作用などがあると同時に、人によっては摂取量や体質により頭痛や胃痛、不眠などの症状を引き起こすことがあります。また、体内で鉄分やミネラルの吸収を妨げる作用を持つことも知られているため、高濃度のカフェインを摂取することで胎児の成長が阻害される可能性が示唆されており、WHO(世界保健機関)では妊婦のコーヒー飲用は一日に34カップにとどめるべきと勧告しています。

 とはいっても、個人的には、嗜好品の中ではタバコやアルコールに比べて弊害の少ない飲み物だと思うし、タバコとアルコールを常用しない私にとっては大切な癒しの飲み物なのです。だから、カフェインを取り除いたデカフェを好んで飲むことはありません。ただ、商品としてはデカフェの豆は提供しており、昨年のコーヒー豆販売額全体の1.6%程度になっています。全日本コーヒー協会の統計資料を参考に計算すると、2019年データではデカフェの割合は0.5%程度ですから、まめ蔵での販売割合は比較的多いことになります。

 そんなデカフェを飲まれる方の中には、正しい知識でカフェインの摂取を抑えていない方もあります。いわゆる口コミとか、テレビや雑誌で見たような、といった曖昧な根拠です。先日も、「緑内障にカフェインが良くないらしいから。」という理由でデカフェを注文されました。「そうですか。私も緑内障ですが。」とお話しし、「心配ならば眼科医に相談されてはいかがですか?」とお答えしました。

 Googleで「カフェイン コーヒー」で検索すると、いくつもの検索結果があらわれます。その一つ、「医療法人 王子総合病院」のホームページには、『日常生活の留意点でよくお茶について聞かれますが、コーヒー、お茶などのカフェインは度を越した過剰摂取でなければ問題ありません。未だに緑内障ではコーヒーは禁忌と思っている方もいるようですが、日常コーヒーやお茶を飲む程度で体内に入るカフェインでは眼圧を上げないことがわかっています。』となっています。

 そんな誤解があるのは、かつては緑内障の治療の一環として、水分摂取の制限や、お茶やコーヒーに含まれるカフェインが緑内障に良くないと考え、これらの摂取を控えるように指導する時期があったようです。現在では、度を越した過剰摂取でなければ水分もカフェインも何ら問題がないと考えられています。

 緑内障とコーヒーに関するものでは、米国眼科学会の関連雑誌であるOphthalmology glaucomaに掲載された京都大学の論文が時々引用されています。『京都大学は2007年から、滋賀県長浜市にお住いの約1万人を対象に、生活習慣や身体データ等の情報を追跡調査する「長浜スタディ」を行っています。今回の研究では、長浜スタディの参加者のうち、緑内障患者ではない9418人を対象に、コーヒーを飲む頻度と健康診断で測った眼圧の関係を調べました。その結果、コーヒーを1日3回以上飲む人は、1回未満の人と比べて眼圧が平均で約0.4mmHg低く、飲む回数が1回、2回と増えるにつれて、眼圧が低下する傾向が認められました。』というものです。

 私も眼圧が高いと病状が進行するといわれ、眼圧を下げる目薬の点眼を毎日行っています。(眼圧だけが原因ではないと思う)一般に、1剤の緑内障点眼薬で眼圧が2〜3mmHg下降すると、薬剤がよく効いていると判定されるそうですから、コーヒーを一杯飲んで0.4mmHgの眼圧下降効果があったとしても、緑内障の予防や治療にはあまり意味が無いので、きちんと点眼を行い、癒しにコーヒーを飲むことをお勧めします。まあ、あくまでも個人が判断する事ですが。

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ワクチン接種

 土岐市における60歳から64歳のワクチン接種予約受付が、今日、8日から始まりました。接種券は既に送付されていましたが、全国的なワクチン不足の影響で予約受付が延期されていたのです。そこで、9時からのWeb受付を待って、714日に一回目の予約を行いました。ちなみ、2回目は1回目の接種後しか予約ができないようです。これでワクチン接種が夏の間に終了するかなと思っていたら、どうやら、3度目の接種も必要になるかもしれません。

 ニュースによれば、「新型コロナのワクチンを2回接種した人にもう一度ワクチンを打つ“3度打ち”の動きが海外で広がっている。英国政府は70歳以上の高齢者や医療従事者などを対象に9月から実施することを発表した。」とあります。このように、規定の回数より多くワクチンを接種する行為は「ブースターショット」と呼ばれ、免疫効果を強化したり効力を延ばすために行われているそうです。

 妻に「ブースターなんちゃらでワクチン接種回数が増えるらしいね。」と言うと、「ブースター効果のことじゃないの?」と答えてくれました。「人間の体には、自分とは違う物が体に入ると、それを一生涯記憶する力があり、同時に、この物体を排除する反応が起こるのが免疫反応。そして、この物質が2回目に体に入ると、最初に比べより早く、より強く反応が起こるのをブースター効果。」と言うのだそうです。

 てことは、最初から2回に分けて接種しただけでは効果が薄いってこと?2度あることは3度ある?なら、4度目もあるんじゃね?ブースター【booster】を辞書で引くと、「後押し、機械のはたらき・速度・圧力を増すための装置。例、ロケットの補助推進装置、電気の昇圧器、無線機の増幅器など。」とありました。補助エンジンを何度点火すればいいんでしょうか? 

 そんな訳で、714日(水)は午後130分に閉店することにしました。副反応がなければ翌日朝9時には開店できるでしょう。

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レギュラー

 時々、お客様に注文内容を伺った際、「レギュラーで。」とお答えになる方があります。そんな時にも、「お店のコーヒーは全てレギュラーです。」などどツッコまず、「ブレンドでよろしいですか?」と答えています。

 そもそも、この「レギュラーコーヒー」という和製英語、regular coffeeがあるなら、irregular coffeeがあってもよさそうなものの、レギュラーコーヒーの対になるのがインスタントコーヒーな訳で、いったいどのような経緯で作られた言葉なのでしょうか?

 一応、「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」の22項には、この規約において「レギュラーコーヒー」とは、コーヒーノキの種実を精製したコーヒー生豆(以下「コーヒー生豆」という。)を焙煎したもの(以下「煎り豆」という。)及び煎り豆にコーヒー生豆を加えたもの並びにこれらを挽いたものをいう。とあります。

続いて3項には、この規約において「インスタントコーヒー」とは、煎り豆又は煎り豆にコーヒー生豆を加えたものから得られる抽出液を乾燥した水溶性の粉状、顆粒状その他の固形状のものをいう。とあり、さらに4項で、この規約において、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーを混合したもの及びインスタントコーヒーの製造工程における抽出液にレギュラーコーヒー粉末を混合して乾燥させたものは、最終製品の重量百分比率で、レギュラーコーヒーの割合が多いものは「レギュラーコーヒー」、インスタントコーヒーの割合が多いものは「インスタントコーヒー」とみなすものとする。とあります。

ですから、レギュラーコーヒーの中にもインスタントコーヒーが含まれている場合もあり、「レギュラーで。」とお客様から注文があった場合は、少しだけインスタントコーヒーを混ぜても良いことになります。もっとも、そんなことはしませんが、世の中にはロブスタを一定量ブレンドしたレギュラーコーヒーは多いので、「レギュラー」はどこがレギュラーなのか分からないものなのです。

ちなみに、regular coffee という表現は英語にもありますが、その意味するところは英語圏でもまちまちのようです。場所によっては、「砂糖やミルクを適量加えたコーヒー」、「砂糖もミルクも加えないブラックコーヒー」、「カフェインレス加工(decaf)していないコーヒー」と複数の意味を持つことがあり、安易にregular coffee という表現は使用しない方がいいみたい。 

一応、まめ蔵のメニューにはレギュラーコーヒーってのは無いんです。

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瑞浪市へぶらぶら

 定休日の午前中は忙しい。8時30分に土岐市役所へ「結核・肺がん検診」を受け、その足で保健センターへ「大腸がん検診」の検便を提出、その後、少しばかり買い物をして、車のディーラーに向かって定期点検。(点検時、前輪にクギが刺さっていることが判明!)さらに、自宅へ戻って母親を郵便局まで送迎します。

 そんな分刻みの行動から解放され、午後から瑞浪市地域交流センター「ときわ」で開催中の、第2回アートキューブ展覧会「あなたに贈る青空文庫(あおぞらぶんこ)~南吉と賢治の世界~」(7月2日~30日)を見に行きます。

 まめ蔵の店内に飾ってある絵の作者で、アートキューブのメンバーでもある中山尚子さんから案内状が届いており、今回は、インターネットの電子図書館「青空文庫」から、新美南吉・宮沢賢治の作品を中心に、アクリル画やコンピューターグラフィックス(CG)、切り絵などで表現されています。出品者は40歳代から60歳代までの6人で、中には20代の頃から知っている方もあり、今回はいったいどんな作品なのかと毎回楽しみにしています。

 ゆっくり絵画を楽しんだ後は、瑞浪市内にある大湫宿へ車を走らせます。先月、クラウドファンディングで大湫宿の新森川邸を活用して古民家カフェを始めると話してくれた、その現地を見てみたいと思ったからです。クラウドファンディングは目標達成できましたが、有名な観光地とは言えそうもない大湫宿での様子が気になったのでした。

大湫宿は、「大久手宿」とも書かれ、中山道47番目の宿場になります。大湫公民館に車を置いて、旅屋や尾州藩の許可を得て塩の専売も行っていた丸森邸でMAPをもらい、高札場と呼ばれる、幕府や領主が決めた法度や掟書などを木の板札に書き、人目のひくように高く掲げておく場所まで往復します。本来なら、大湫宿と細久手宿の間に位置する峠で、石畳の琵琶峠まで歩きたいのですが、雨の中では滑って危ないため、短い距離を歩くことにしました。

目的の新森川邸は神明神社の向かいにありました。神明神社には樹齢670年の大杉がありましたが、昨年7月の豪雨で倒れてしまいます。長く大湫宿のシンボルとして人々を見守っていたものの、今では複数に切り分けられて境内に横たわっていました。そんな大湫宿の中心となる場所にある新森川邸は、オープン前とあって静かに雨の中に佇んでおり、また、梅雨明け頃に再び訪れてみようと大湫を後にしたのでした。 

半日、瑞浪市でぶらびらしながら過ごすのも悪くない。

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今年も七夕飾り

 昨日は、自宅に帰ってから七夕飾りをしました。年老いた母親と妻の三人暮らしで、こうやって毎年七夕飾りをしている家は我が家ぐらいなのかもしれません。いつものように隣の竹藪に入って枝を切り、折り紙で短冊を作って思い思いの願い事を書き込みます。

母親が時間をかけて書いているので覗いていると、3行にわたって作文のような願い事を書いておりました。こんなんで願い事が伝わるんだろうかと思いつつ、私と妻も短冊に書きますが、お互いに願うことは、平常時の生活に戻り当たり前のことが出来るようにといったことです。

七夕と言えば、1年に1回、天の川を渡って織姫と彦星が出会える日といわれています。秋の豊作を願う際、神様が着る着物を織る織姫に一生懸命にはた織りをしているので、天の神様が牛の世話をよくする牛飼いの彦星と結婚させてくれたそうです。しかし、2人は楽しくて仕事もせずに遊ぶようになってしまい、神様が怒って2人を天の川を挟んで引き離してしまったという物語です。哀れにおもった神様が年に一度、七夕の日だけ2人を合わせてあげることにした日が77日なのです。

はた織りの機械を昔は「棚機(たなばた)」と呼んでいたのが七夕の名前の由来になっているらしく、願い事をするのは、中国の乞巧奠(きこうでん)が由来のようです。乞巧とは、技巧を授かるよう願うとか、上達を願うという意味で、織姫にあやかって、はた織りや裁縫の上達を願う儀式だったそう。 

つまり、私ならば、焙煎や抽出が上達するように願い事を書くべきで、「髪が生えますように(昔は書いてた)」といった技巧の上達と関係のないものは効果が無いということでしょうか?だからか!髪が生えてこなかったんだ。

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リニューアル

 土岐市には、マスコットキャラクターが複数存在します。2007年の第11回どえらぁええ陶器祭りに、窯元めぐりのマスコットキャラクターとして登場したのが「とっくりとっくん」です。下石町入口付近の信号脇に、様々なポーズをとった「とっくりとっくん」が、40体ほどが設置されました。

2014年には、土岐市泉北山町の道の駅「志野・織部」が、美濃焼の魅力を発信する駅のマスコットキャラクターとして、「志野田茶太郎(しのだちゃたろう)」を制作します。さらには、2019年に、土岐市教育委員会のマスコットキャラクター「とき丸」(ときまる)の制作発表会が行われました。

多治見市が20078月に、当時、日本国内で最高気温(40.9℃)を記録したのをきっかけとして、市が企画した「うながっぱ」と異なり、マスコットキャラクター制作の経緯や制作した団体もバラバラです。その中でも、「とっくりとっくん」は、NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」で取り上げられた以降、マスコミニに数多く取り上げられており、マスコットキャラクターとしての認知度は高くなりました。

もともと、とっくり生産日本一といわれた土岐市下石町の裏山地区の有志が作成し、その有志の代表が私の同級生ということもあって、開業時に「とっくりとっくん」の制作を依頼したのです。駐車場入り口の看板下に設置していた「とっくりとっくん」は、温度計付のドリップポットで抽出しているポーズのものでしたが、いつの頃か子供が触って一部が破損していたのです。

陶器製の「とっくりとっくん」を屋外に設置しており、いずれは破損するだろうと思っていましたので、再び同級生に制作を依頼していたところ、今朝、「完成したから。」といって持ってきてくれました。店主と同じような丸い眼鏡をかけた「とっくりとっくん」が、丈夫そうなポットでハンド・ドリップをしております。店主の方がイイ男だと自負しておりますが、真偽は個人の判断にお任せします。 

リニューアルした「とっくりとっくん」ですが、意外に気付く人が少ないんだな~。

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