■ 2021年10月 ブログ

10月も終わりました

9月下旬から徐々に来店客が増えてきており、その後の緊急事態宣言解除の影響もあってあってか、グループでの来店が目だってきました。特に10月は、コロナ禍前の201910月に比べても少し増えており、これまで毎月大きな変動もなくきていた時と比べると、何だか「大丈夫か?」と思えてしまいます。9月までのように来店客数も落ち着いて、売り上げも大きく上下しない落ち着いた状況の中で店を続ける方が安心できるのですが。

グラフを見て分かるとおり、これまで経験したことのないコロナ禍の中でさえ、継続して「まめ蔵」に来店され、コーヒー豆を購入して下さる方が存在するという事実が有難いのです。セカンドライフに自分の好きなことをやって、その店を利用していただける方があるから続けられるのですから。僅かな税金しか納めていないのに、行政からの援助を受けることも憚れると思っていましたが、幸いにも何とか自力で営業が続けられています。

昨年は一時的な巣篭り需要もあって、コーヒー豆の売上が前年を大きく上回る月もありましたが、今年は来店客数の動きと同様に比較的落ち着いた数字になっています。ある意味、本当のリピーター様になっていただいている方々が見えてきたように感じています。これからも徐々にリピーターが増えていくように、魅力的な店づくりを心掛けていかねばなりません。

嗜好品を扱う店だからこそ、繰り返し利用していただいて初めて存在意義が生まれます。「コーヒーがなければ生きていけない。」という人は、ほんの一握りの方だけですから、気軽にコーヒーを楽しめる場所となるようにしたいものです。そして、自分自身がまめ蔵を通じて楽しむことを最優先に。

ホームページの「まめ蔵への想い」にも書いていますが、「来店してくださるお客様はもちろん、提供する自分自身も幸せであるべき」とは、“類は友を呼ぶ”をこれまでの人生で何度か経験してきており、店主である自分自身が幸せであることが必要だと考えたからです。だからこそ、「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」を実践し、この店にそこそこ人が立ち寄る場所になればと思っています。多くは望みません。 

とりあえず、10月まで無事に続けてこれました。感謝1感謝!

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秋を楽しむ

店の入口ドアの先には八剣神社の木々がみえますが、秋になるとその中のイチョウの木が徐々に黄色く色付きだします。そんなことから、時々、各務原市の「学びの森」にある、「冬ソナストリート」と呼ばれているイチョウ並木を度々訪問しているのです。

 2019年の12月3日は既に落葉となっており、2020年の1123日には見頃を少し過ぎたといった感じでした。今回は1025日と更に早い時期の訪問となることから、黄色いイチョウ並木とはなっていないと思われましたが、まだ落葉していないイチョウ並木を歩くのも悪くないと出かけてみました。

 通りには散策する人も少なく、散歩には好都合ではあるものの、落ちたギンナンの実が特有の匂いを放っています。木々の下には可愛らしい実が並んで落ちて、まるで美味しそうな果実のようですが、このイチョウの実であるギンナンは種が果実に包まれているように見えますが、あの黄色い実に見える部分は果実ではなく、種の外側の皮が液状に肥大したものだといいます。だから、実というよりも全てが種ということになります。

 そして、独特な匂いの成分は、おもに「酪酸(らくさん)」と「エナント酸」の2つだといいます。酪酸は蒸れた足の臭いのような、人間から出る排泄物系の臭い、そしてエナント酸は腐った油の臭いのような、腐敗臭を発っするんだとか。こんな悪臭を放つイチョウの実を食べようとした最初の人間は度胸があったもんだ。排泄物に腐敗物がブレンドされた中に入っている実を食べるんだから。 

 そんなギンナンの匂いから避けて、美味しいコーヒーの匂いを求め、近くにある珈琲工房ひぐち桜町本店に行きます。本日のコーヒー「コロンビア ウィラ」の香りを楽しいんで、帰路に着くのでありました。あっという間に過ぎ去る秋を楽しみます。

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虎・虎・虎

「来年の事を言うと鬼が笑う」と言いますが、今年も残すところ2か月余りとなりました。2年続いたコロナ禍での生活にもウンザリし、来年こそはマスクが不要な日々を過ごせると良いのですが、将来のことはわからないのだから、あれこれ言っても意味がないのかも知れません。だから、予測できない未来のことを言うと、がバカにして笑うのでしょう。

 まあ、鬼に笑われても構わないので、来年の干支である「寅」に纏わる場所にでも行ってみようと出かけたのが犬山市です。「寅」じゃなくて「犬」か?共に十二支の一つではありますが、犬山市にはサル、キジ、イヌが登場する桃太郎神社をはじめ、いろいろとユニークな所があるのです。

 先ずは、犬山市の南端にある尾張信貴山の山頂付近にある泉浄院です。ここは、昭和7年に名古屋の資産家と楽田(小牧・長久手の戦いで秀吉本陣の楽田城があったところ・犬山市)の有力者が協議して、商いと戦いに関係が深い毘沙門天を大和の信貴山から勧請し創建されたようです。

泉浄院を目指してナビを設定すると、行き止まりの道を案内してくれます。困って近くの喫茶店「桃源郷」へ立ち寄り、コーヒーを飲みながら年配のオーナー夫婦に尋ねますが、残念ながらご存知ありません。店内でモーニングを楽しむ地元の方にも尋ねても誰も知らないとこのと、俗界を離れた店では聞き込み不可能と感じ、スマホのルート検索で再び向かうことにします。

今度は違う道を案内してくれますが、薄暗く細い山道を進むことになり、まるでポツンと一軒家を探す場面に出てくる道のようです。しばらく走ると参道が見えて、やっと一安心。その参道を登り始めると、途中に狛犬ならぬ「狛虎」が鎮座しています。毘沙門天王が寅に縁のある神として信仰されているため、犬ではなくて虎になったようです。良く見ると、ちゃんと縦縞が見てとれます。

参道を登った右側には、鮮やかな朱色の多宝塔が立っています。戦いには縁がないですが、商いは大いに御利益をいただきたいので、本殿でしっかり拝んでこうと左側の本殿に行きますが、鉄の扉が閉まっており入れません。扉越しに本殿などを覗くと全て閉まって誰もいないように見えました。そんな訳で、今回は山の中を登ったにも関わらず、何もご利益はなさそうです。

 続いて訪れたのが、地名に「虎熊」と付く場所です。愛知県犬山市今井虎熊という住所で、今井が大字で小字が虎熊という虎と熊がくっ付いた面白い地名です。そもそも、熊は日本に住む獣ですが、虎は日本にいないはずですから不思議でなりません。虎熊という名字の方が大分や兵庫にあるそうなので、昔に移住してきたのかもしれませんが、何か見つかるかもと探してみると、「虎熊集会所」と書かれた建物が見つかります。近くには、組当番で灯りを付ける石灯籠が2基あるくらいで、虎熊の謎は分からないままでした。 

犬山市内には、前原にある㈱ワイジェーエスの社長が造った「トラ・虎・寅のコレクション博物館」なんてのもあったり、東古券に店を構える、明治4年創業の仕出し料理店「寅屋」もあります。そんな虎に纏わる場所のある犬山市でした。

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耳で焙煎する珈琲

今年512日に、日本サスティナブルコーヒー協会主催の「Challenge Coffee Barista」という、障がいのある方たちのバリスタコンペティションが行われました。参加チームの中には焙煎も行っているところもありましたが、埼玉県上尾市には視覚障がい者がコーヒー豆の焙煎を行う、その名も「耳で焙煎する珈琲」がキャッチフレーズのところがあることを知りました。

 そこは、NPO法人みのりが202041日に開設した、視覚障害特化型多機能事業所(就労継続支援B型)である「領家グリーンゲイブルズ」です。点字名刺(名刺に点字をつけます)や音声をテキスト化する文字起こし、農福連携事業やマッサージなどを中心に視覚障害・盲重複障害のある方の活動拠点となっています。

 様々な活動の一つとして、今年に入ってから、車で30分程離れた「アウトドアカフェ山小屋」店長の松本さんに指導してもらい、小型焙煎機を使用してコーヒー豆の焙煎にも挑戦し、81日にはネットショップGGメイドもオープンしました。私のような者でも温度計や排気調整の付いた焙煎機を使い、焙煎時間やコーヒー豆の色、香り、ハゼ音(豆が弾ける音)を目安に焙煎しており、聴覚を研ぎ澄まして豆の合図だけを感じながら判断するのはちょっと自信がないと思ってしまいます。

 NPO法人みのりの代表理事が作った「僕らは耳で焙煎する」というキャッチフレーズに刺激を受け、誇りを持って仕事に向き合うようになり、技術を高めていったといいます。何度も試飲して納得できるものを商品にしているとのことですが、一度、どのように行っているのか見てみたいものです。

しかし、実際に見ることができませんので、耳で焙煎する珈琲を取り寄せてみました。注文したのはドリップバッグの飲み比べセット1000円(送料込)です。ブラジルのブルボン・アマレロ、グアテマラ、タイ、ペルー4種類で、ドリップバッグの包装紙には「僕らは耳で焙煎する」と大きく表示され、袋の両面に点字が付いており、賞味期限が短く設定され中々良心的だという印象です。ハゼ音で判断することから、2ハゼ以降の深煎りを予想していた通り、試飲したグアテマラは濃い目のコーヒーに仕上がっていました。

 実際に取り寄せて感じたことは、通販サイトに代金徴収方法が明記されておらず、クレジット決済もできませんでした。先ずは注文内容をメールで送信すると、翌日に代金先払いのための口座番号が案内されます。翌日に銀行から送金してメールで連絡すると、その翌日に入金確認が出来たことと、商品を発送する旨の案内メールがありました。ただ、送付方法が普通郵便扱いのため、土日に配達されず月曜になってしまうため、結局、最初に注文してから商品が届くまで一週間以上経過しました。Amazonでの利用が慣れている私にとっては、非常に遅いというのが正直な感想です。 

 そんなことを思いながらコーヒーを飲んでいると、耳で焙煎するではないですが、生豆をかじって焙煎度を決め、煎り止めまで豆を見ない人が居ることを思い出しました。

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花壇の植え替え

 今朝は日本各地でこの秋の最低気温を記録したようで、土岐市でも8℃となり、急に冷え込んできました。そんな季節の変わり目に、まめ蔵の花壇の植え替え作業を行いました。もちろん、妻が休みであることを条件に行っているのですが。

 前日に購入したビオラの苗とチューリップの球根、培養土などを運びだし、私は花壇の周りの芝刈りと枯れかけた日々草を取り除きます。その後は店の買い物に出かけ、その間に妻が新しく植え替えをしてくれるという、毎回、妻を頼りに作業を行います。まあ、これも適所適材というもので、私が特に怠けている訳ではないのです。 

 こうして綺麗になった花壇を見ると、「さあ気分も一新だ!」となれるから不思議なものです。毎日同じことの繰り返しのような生活ですが、こうした花壇の植え替えや芝刈りだけで、ちょっと新鮮な気分になるように、日々の仕事にも何か一つぐらい新しいものを取り入れようと思うのでした。

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秋の日に

姉から庭の木に実った渋柿をもらったので、妻が3時間かけて70個の柿を干し柿にしてくれました。いつもの20個程度とは違い、干された柿がベランダいっぱいに並んでいます。例年に比べ干し始めるのが数週間ばかり早いため、カビが付かないか妻は心配しておりました。さて、上手く干し柿になってくれるでしょうか?

 そんな作業をしてきた妻が、「今日はいっぱい仕事をしたから。」といって店にやってきたので、いつものようにコーヒーを淹れ始めると、長野県の山奥で暮らし始めた友人が奥さんとともに来店してくれました。コロナ禍で互いに訪問出来なくなったため、約2年ぶりの再会となります。

 店に飾ってあるマリオネットや木製モビールなどの木製品を作り、各地のクラフト展で販売していた友人でしたが、新型コロナウイルス感染拡大を受けてイベントがなくなり、どのように暮らしているか気になっていたので、久しぶりに元気な顔を見ることが出来て安心しました。

 近況放報告の中、今年の 710日・11日に長野市のエムウェーブで開催された「信州ハンドクラフトフェスタ2021」にも出店し、その中の「信州ハンドクラフト大賞コンテスト2021 summerで、友人が造った独創マリオネット「人魚」(南信州・売木村のヒノキ材使用)が長野県知事賞を受賞したことを知ります。「あとりえ あるます」として活動する中で、こうした表舞台に出たことにより、新たな依頼も舞い込んできており、創作活動に夢中になっている様子が伺い知れました。互いに好きなことをしてセカンドライフを過ごしている仲間としては、本当に嬉しい限りです。 

 まめ蔵という店があるため、こうやって気軽に足を運んでくれる訳で、出会いの場を作れた事に、改めて、店を作って良かったと思えた秋の日でした。

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届いた招待状

朝、コンビニへ立ち寄ってみると、コーヒー豆由来クロロゲン酸類を機能性関与成分とした健康茶が目につき、その隣には、プラズマ乳酸菌で免疫アシストをする生茶やミルクティーが並びます。「高めの血圧を下げるのを助ける」、「内臓脂肪を減らす」、「免疫機能をサポート」なんて言葉が続くと、「ここは薬局か?」と言いたくなりますが、同時に、「コーヒーの病気予防効果が認められました。」なんて言いたくなる気持ちも分からなくもないですね。でも、やっぱりコーヒーは嗜好品なので、そんなものを求めたくはありません。

 そんなことを考えながら開店準備をしていると、先日、取引業者へ依頼していたSCAJ2021の招待状が届きました。SCAJ2021とは、「SCAJ ワールドスペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2021」の略称で、日本スペシャルティコーヒー協会 (SCAJ)が主催する年に一度のイベントです。今年で16回目を数えますが。昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となり、2年ぶりの開催となります。

当初は、前回の2019年に開催された時よりも、来場者数 (33,9782019) および参加国数 (来場47カ国 2019) も上回る予想の報道もありました。けれど、案内状を見ると会場の規模は縮小され、参加企業も少ないことが伺われます。開業前の2014年から毎年出かけている私ですが、今年も感染拡大状況を見ながら、会場となる東京ビッグサイトへ行こうと計画しております。

もっとも、この私は日本スペシャルティコーヒー協会に加入しておらず、他の団体、グループ、日本コモディティコーヒー協会にも所属していません。興味のあるイベントやセミナーにフリーでも参加できる場所を探しては、出かけているだけなのです。2019年には参加企業も多く、会場をくまなく見て回る余裕はありませんでしたが、今年はじっくり見る時間が取れそうです。生産国セミナーのスケジュールを見ながら、日程を考えようと思っています。もちろん、その日は臨時休業とさせていただきます。 

そんな訳で、来店される場合はホームページで営業中かどうかお確かめください。

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嗜好品だもの

嗜好品を広辞苑で調べてみると、『栄養摂取を目的とせず、香味や刺激を得るための飲食物。酒・茶・コーヒー・タバコの類。』とあります。当店で扱っているコーヒーは嗜好品であり、たとえ薬効があったとしても、それをウリにして販売することはありません。

でも、時々、「コーヒーって〇〇に良いって、テレビで言ってましたよね。」なんてことを話される方があります。そんな時は、「この本に詳しく書いてありますから読んでみてはどうですか?」と答えるのですが、誰一人といってよいほど読もうとされません。自分で確かめることを放棄し、テレビタレントや〇〇先生といった方の話を鵜吞みにする方が楽なようです。

私の妻は医療機関で働いていることもあり、「薬は毒だから。」といって、少々の風邪では薬を飲みませんし、子供達が熱を出した時も「今、体が戦っているんだから。」といって、傍らで心配する私を無視しておりました。確かに、体に異物が入る訳ですから、それを摂取することによる良い面と悪い面があるのは理解できます。

 酒もタバコもやらない私にとって、愛飲家や愛煙家の気持ちは理解できませんが、それぞれ楽しむための正当化する理由はあるのでしょう。コーヒーにも私のように美味しく感じる人もあれば、まったく受け付けない人もいることも承知しています。だからといって、「コーヒーの病気予防効果が認められました。」なんて、まるでテレビショッピングのような口上を述べたくはないのです。

 酒の飲み過ぎでアルコール中毒になった方や、タバコの吸い過ぎにより肺ガンで苦しんだ人も知っています。コーヒーだってカフェインの過剰摂取が問題になることもあり、何であっても、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」なのだと思います。それが嗜好品であっても。だからといって、適量を意識する人ばかりではないことも知っています。だって、嗜好品は『栄養摂取を目的とせず、香味や刺激を得るための飲食物。』であり、「体に悪くっても摂取するんだぞ!」といった種類のものですから。むしろ、それで体を悪くしていることを自慢する人もいるくらいです。 

 嗜好品のコーヒーにある程度の薬効が認められていることも知っていますし、その知識に耳を塞ぐつもりもありません。だから、関係する本も知識の一つとして読んだりしますが、その知識を商品価値を高める材料にはしたくないと思っている珈琲屋でもあります。相田みつを的に言えば「嗜好品だもの」といったところです。

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妻籠・馬籠散策

 運動不足解消のため、妻籠・馬籠間をハイキングしたのが2017年8月でした。それから4年が過ぎた今日、年休消化で休みを取った妻と共に二つの宿場町を散策してきました。

 先ずは、国道19号線の坂下町を過ぎた長野県境から右に入り、中山道42番目の宿場である妻籠へ向かいます。町営駐車場には5台程の車しか停まっておらず、以前、訪れた時と違って淋しい感じがします。そして、宿場町の通りに出ると観光客は歩いているものの、チラホラと言った程度で、何よりも驚いたのが茶屋や観光土産の店がほとんど閉まっており、まるでゴーストタウンのようです。高札場から脇本陣、寺下の町並みを歩きますが、多くが木戸を閉めており、色鮮やかな郷土玩具や茶屋が並ぶ通りも物静かな状態です。

 丁度、昼時とあって、寺下の町並みに新しく出来た「好日珈琲」さんで、「そばのガレット」を食べることにしました。店内では一組の観光客と地元のお年寄りが休憩しています。観光地にしては珍しく、地元のお年寄りの方が「そばのガレット」を食べているので違和感がありましたが、どうやら、南木曽町の経済対策として行っている地域応援券を使用しているようです。

 お店を出てから地元の方に話を伺うと、「私も土産物店をやっているけれど、土日以外は観光客も少なく気が滅入るから閉めてるの。」とのこと。緊急事態宣言が解除され、徐々に観光客も増えてきているようですが、お年寄りが運営している地方の観光地では、続けていくこと自体が厳しいように感じます。

 続いて、中山道43番目の宿場である馬籠宿です。馬籠宿に入ると妻籠宿と違って観光客の多さが目立ちます。そのためか、宿場町の左右にある土産店や茶屋のほとんどが営業しており、五平餅、お焼き、手焼きせんべい、といった食べ物の臭いが漂っています。そんな光景を見ながら石畳の上り坂に疲れ、休憩に入ったのが茶屋の「四方木屋(よもぎや)」です。抹茶と羊羹のセットをいただき、ホッと一息入れました。

 お店の方に伺うと、「緊急事態宣言中(馬籠は岐阜県)は店を閉めていましたが、9月中旬から観光客の数が急に増えてきました。けれど、感染者がまだまだ多い時期だったので、この店は開けられませんでした。だって、病院が近くにないから、もし感染したら大変なことになるでしょ。」とのこと。なるほど、痛し痒しといった観光地の現実も知ります。 

 そんな妻籠・馬籠の散策を楽しんだ秋の一日でした。

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ミュージアム巡り

多治見市東町のセラミックパークMINOで開催されている、「国際陶磁器フェスティバル美濃」の「セラミックバレーぐるっとパス」を2冊お客様からいただきました。東濃3市の工業組合、商業組合、行政機関などに販売された入場券を、「僕ら行かないから。」といって手渡していただいたのです。

 この陶磁器フェスティバルは1986年に始まり、今回が12回目となります。昨年開催予定でしたが、コロナ禍で今年に延期となり、さらに、感染拡大による緊急事態宣言会期が短縮されました。そして、地元の窯業関係者は観に行く方も少なく、こうして私の手元に入場券が廻ってくるのですから、フェスティバル開催の意義は限りなく少なくなってきています。

 そんな訳で、昨日はお店を臨時休業にし、「セラミックバレーぐるっとパス」(7館共通入場券)を利用し、まるっと一日ミュージアム巡りを行いました。ちなみに、7館とは、第12回国際陶磁器展美濃、岐阜県現代陶芸美術館、多治見市美濃焼ミュージアム、多治見市モザイクタイルミュージアム、瑞浪市陶磁資料館、土岐市美濃陶磁歴史館、可児市荒川豊蔵資料館です。  

 ちなみに、ぐるっとパスはスタンプラリーになっており、5施設以上のスタンプを押してもらうと、美濃焼ストロー、Re食器、マスクチャームなどが貰えるそうで、妻の目的はもっぱらそちらのようです。

 戦国時代の織部・志野から明治に栄えた西浦焼、戦後復興後の地場産業、そして現代美術の陶磁器作品を見ながら、改めて東濃地域での陶磁器産業を見直すことができます。私のように地場産業へ関わっていない者にとっても、そんな歴史を感じながら、この地で暮らすことの意味を考えさせられるから不思議なものです。もっと、地元の人が興味を持って貰えれば良いのですが、目先の事しか見えていないようで淋しく思ったりもします。 

 ちなみに、スタンプラリーの記念品は美濃焼ストローをもらいました。

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オギソ画廊へ

 先日、久しぶりに来店された瑞浪市在住の作家さんから、まめ蔵の店内に展示しているイラストレーターの中山尚子さんの作品が、瑞浪市土岐町のオギソ画廊で展示されていると聞き、画廊の定休日であることを承知で覗いてきました。

 定休日であっても入口の引き戸を開け、奥から店主の小木曽さんが出てくると思っていたので声をかけると、以前と変わらぬように現れます。以前と変わらぬようにと表現したのは、今年の春に闘病生活を送っていると聞いており、その様子を知りたいと思っていたので、以前と変わらないことへの驚きも含まれています。

 お話によると、掛り付け医による定期検査で発病が分かり、約5ヶ月の入院生活を送られたそうです。現在は寛解という状態らしく、すこぶる元気で顔色も良く、81歳という年齢ながら、意欲的に絵画教室を再開したり、今回のようなシェアギャラリー「6人の異星展」(1031日まで)を行っておられます。この「6人の異星展」は、今後もメンバーを入れ替えながら、出来る限り続けていくとのことでした。

 中山尚子さんの作品は、今回のメンバーの一人としてジクレー版画などを展示されています。これまでに見た作品が多くありましたが、作品は随時入れ替えがあるため何度来ても新しい発見があるとこことですので、他の作家さんの作品ともども再び見に来ようと思います。 

ちょっとだけ、芸術の秋を楽しんだ午後でした。

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西尾市までドライブ

緊急事態宣言解除を受け、定休日の今日はちょっと遠出をし、愛知県西尾市にあるフレーバーコーヒーまでドライブです。目的は抽出器具を買うためで、少しばかり加工時間が必要なこともあって、開店時間の30分前に店に着くと、案の定「準備中」の札がかかっておりました。

準備中であっても、店主の中川さんが店にいることは分かっていたので、意に介せず「おはようございます!」と引き戸を開けます。すると、案の定、黒のズボンとワイシャツ姿という定番のスタイルで、何事かといった様子で現れました。

「〇〇〇が欲しいんです。」(私)、「表向きは販売してないんです」(中川さん)、何か違法な取引をしていそうですが、欲しいのはコーヒーを淹れるための器具です。どうやら、メーカーが生産していないために在庫商品のみとなり、数が少なくなったのでホームページの商品欄からも外したそうなのです。そうとは知らず、ホームページも見ずに直接来店してしまった私に、電動工具を使って、「ギュイ~ン」、「ギーコ・ギーコ」、「キュッキュッ」と抽出器具を完成させ、手渡していただきました。

一見して珈琲屋とは思えない作業場のある光景は、中川さんのフレーバーコーヒーならではです。コーヒーに関する道具を自作したり、理論的な知識を確かめるための器具を作成し、検証する場でもあるフレーバーコーヒーという存在は、全国探しても他にはないかもしれません。また、そうした器具や検証過程をホームページや動画で紹介しているため、私自身も大変参考にさせていただきました。

ただ、参考にするならともかく、中川さんが考案した器具や検証過程をまるで自分が考えたように披露する珈琲屋さんもいます。いわゆるパクリなんですが、メディアに取り挙げられやすい都市部の珈琲屋さんの中には、「私が考えました。」といった感じで利用する方もいますし、実際、私自身も目の前で「〇〇式です」と言って、自分の名前を付けていることろを見たことがあります。さすがに、「それって松屋式じゃん!」とは言えませんでしたが、やり得的な矛盾も感じました。

そうした稀有な存在でもある珈琲屋の中川さんを、世の中にもっと認知してもらいたいという人もいるようですが、どうやら本人はそんなことはお構いなしといった感じです。30年以上続く店舗についても、「リニューアルしないんですか?」と尋ねると、「いっぱい棚に詰め込んだ物を移動させられないでしょ。」と話す姿を見ると、ハイセンスで小奇麗な店舗の中で、工作機械で遊ぶ中川さんを想像できないし、中川さんらしくないと思えてきます。 

年に一度くらいしか訪問できないフレーバーコーヒーですが、必ず行きたい珈琲屋さんですね。

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〇〇感

 「コーヒーの日」の割引イベントの周知方法は、ホームページのイベント欄やブログに書いたのみ、コーヒー豆の商品棚には見づらくイベント案内の文字を入れただけという、全く積極的でない案内に終始しました。昨年は、リピーターの方々へ案内葉書を出したことと比べれば、随分手抜きのような気がしないでもありませんが、実は、ちょっと試した部分もあったのです。

 それは、イベントを行う際の案内葉書への費用対効果を確かめることと、ホームページやブログ、お客様のクチコミ効果を見てみたいと思ったからです。結果は、昨年と比べて約3割減となりましたが、買いだめによる一時的な売り上げアップもあるため、一か月間でのコーヒー豆の売上を確かめる必要があります。

 より多くのお客様へPRしなかったこともあって、ホームページを見た方にとっては「見つけた感」という満足を提供できました。また、偶然この日に来店された方にとってはラッキーという、「得した感」が提供できました。ホームページを見た方や来店された方からの連絡をもらい、急遽来店された方にとっては、友人との「連帯感」も感じられたでしょう。ちょっとしたイベントでしたが、そんな喜びの顔を見ることが出来、私自身も「満足感」を味わえます。

 月初めという、コーヒー豆の購入が増える時期と重なり、一日中焙煎ばかりしてクタクタになって自宅に帰ると、庭先に咲いた金木犀の香りに驚き、例年よりも一週間程早く咲いた金木犀の花に、秋の深まる予感させる「季節感」を楽しむのでした。

 

 

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