消滅可能性自治体ってか?

最近のニュースで、民間の有識者らで作る人口戦略会議が、全自治体の4割に当たる744自治体で、人口減少が深刻化し、将来的に消滅の可能性が高い、「消滅可能性自治体」に該当するとの試算を公表したことが取り上げられていました。202050年の30年で、子どもを産む中心世代となる2030代の女性の人口が50%以上減少する推計を根拠としているようですが、なにを今さらという感じがします。

 土岐市は9つの分類設定の中でD-③に該当し、「その他の自治体」として括られており、そのほとんどで若年女性人口が減少する見込みであり、減少状況によって必要な対策が異なることに留意する必要がある、とされています。近隣の瑞浪市や恵那市が消滅可能性自治体となっており、「まだマシか?」と思いがちですが、2020年の人口55,348人から移動想定の2050年人口37,104人に減少する訳ですから、約2万人減少するイメージを持って自治体運営されるべきですが、いまのところ、そのような気配は感じられません。

 そんな土岐市で商売をする場合、将来的にお客様の数がかなり減少する事を念頭に置かねばならず、商圏としては魅力のないエリアという事になります。大手企業なら儲かる時期に出店し、資金を回収したら即時撤退ということも可能ですが、地元の者が新規に開業する場合は、引くに引けない状況になって閉店の憂き目にあうことになります。私のように永続的に商売を続けることを考えていない場合は良いのですが、事業承継を想定していたり、長いスパンで続けることを考えている場合はリスクが多くなります。

 ましてや、珈琲屋や喫茶店をしている者にとっては、さらにコーヒー価格の上昇という問題が迫ってきています。生豆の倉庫保管料を削減する為、トヨタ看板方式ように従来の様な在庫を持たなくなっているため、コーヒー豆の不作や生豆価格の急激な上昇に対応できないうえ、今後も続くであろう円安によって仕入価格が高くなっています。さらに、コンテナ輸送コストは燃料価格の高騰とともに、紛争地域や気候変動によって運河の利用が制限されており、遠回りを余儀なくされる、一度に運べる量が減るといった輸送費の課題も生まれています。 

 今後は、今と同等の品質のものを倍以上の価格にして提供するか、品質を落として価格上昇を少しでも抑えるかの選択を迫られる状況が来ることになりそうです。まあ、「消滅可能性自治体」になるような地域では、そもそもお客様がいなくなってしまうのですから、薄利多売のビジネスモデルは成立しないように思うのですが。それとも、コーヒーの提供を止めてしまうのもありかもしれません。某外資系チェーン店では、乳飲料がバカ売れみたいですから。