店名

「まめ蔵」という店名は、意外にも早く決めることが出来ました。それは、「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」というフレーズが先に出てきたため、「まめ」を入れた人の名前っぽくしてみたのです。ですから、時には「マスター」ではなく、「まめぞうさん」と呼ばれたりして、何だか別人になったみたいな良い気分です。

 新たに店を始める際、できれば繁盛するような店名にしたいものですが、そんな店名のアドバイスの中に、次のようなポイントが紹介されていました。

■2~7文字である

お客様に覚えてもらいやすさ、ネット検索しやすさなどを考慮すると、長すぎないことも必要なのだかと。
■ショルダーネームがある

珈琲専門店○○○、ベーカリー○○○といったように、名前で何のお店か明確になります。
■客層を意識した字面である

だれでも読める、平仮名やカタカナにしてみたり、逆に、漢字を多用して重厚感を持たせるとか、狙った客層に合わせてみる。
■お店を連想するキーワードが入っている

魚屋さんの〇〇食堂とか、森の中の○○カフェ、○○好きが初めた○○屋、山男の○○珈琲など、料理や立地、ストーリーを感じさせるキーワードが入っている。
■ゆかりのある人の名前を使っている

 山田屋、居酒屋幸子といった、オーナーやゆかりの名前を使って親しみを感じてもらう。

 こんな感じで、いくつか店名を付けるポイントが紹介されていますが、正直、名前だけで商売が続けられるほど甘くはないですし、意表を突く店名であっても繁盛している所は沢山存在しています。ですが、店名に込められた店主の思いをついつい想像してしまう私は、毎回、新しい店に行くと勝手に想像してみるのです。

 先日、妻と訪れた「yama5ya(ヤマゴヤ)」は、ログハウスの建物が改装されており、見た目にも「山小屋」だと想像できたため、店名の「yama5ya」は「ご」を数字の「5」にアレンジしただけだと思っておりました。

 20184月のブログにも書いていますが、観光施設に置いてあったフリーマガジンに掲載されていた、「恵那市美郷町佐々木にある、畑の中の食堂」という記事を見て訪問しました。お店の前には畑が広がり、手作りした野菜や地場の野菜を使用して、身体に優しい野菜料理を提供されており、とてもホッコリした気分になったものです。

 今回、6年ぶりに予約なしで訪れたこともあり、食材準備のためにしばらく待つことになりましたが、その時間を利用して菜の花畑や枝垂桜の下を散策し、スマホでyama5ya」を検索しみます。すると、地元のお店を紹介するサイトで、ここを営んでいる山下俊治さんと知穂さんのご夫婦のコメントがあり、店名の理由が書かれています。『実は、シンプルな名づけ方なんです。主人の山下から「yama」、私の旧姓が五辺なので「5」をとって「yama5ya」です。』とありました。「山小屋」ではなく、「山五屋」なんだと分かり、「5」の意味に納得したのでした。ちなみに、「五辺(ごべ)」という名字は、奥さんの出身地である栃木県や群馬県の一部におみえになります。 

 店名に込められた意味を知り、お二人の息の合った厨房での動きに納得した私です。