自己責任ってか?

先週、母親から頼まれてコンビニで振込を行いました。所謂、機能性表示食品のキャッチコピーに踊らされて購入した商品の代金です。母親は「薬の代金」だといって袋に入れた振込用紙とお金を手渡すのですが、毎回、「これは薬でなくて食品だから!」といっても聞く耳を持ちません。95歳という高齢者に、加齢を遅らせる食品は存在しないのだけれど。

 今、話題になっている小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」も機能性表示食品です。この機能性表示食品制度は、安倍政権の成長戦略で「健康食品の機能性を表示できる新方策」について記載され、2015年4月から導入が決まったいきさつの制度です。それまであった特定保健用食品は、健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。

しかし、機能性表示食品はというと、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品であり、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありませんし、国は文献の内容は審査しないのです。

そんな「事業者の責任において」という問題のありそうな制度であったためか、20037月に内閣府に設置された食品安全委員会でも問題になっていたようで、201512月8日の第587回食品安全委員会において、「委員長、座長から国民の皆様へ」メッセージが出されています。

メッセージの中で、『「健康食品」については、多くの人での何年にも及ぶ長期間の科学的研究が少なく、安全性や有効性が確立しているとはいえません。「健康食品」を利用するかどうかはあなたの判断次第です。信頼のできる情報を基に、あなた自身の健康に役立つ選択をしてください。』と自己責任を強調しています。

また、『ここでいう「健康食品」とは、「健康への効果やダイエット効果をうたって販売されている食品」を言います。これには、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品も含まれます。』とも言い、健康食品について次のような問題提起をしています。 

・「食品」であっても安全とは限りません。

・大量に摂ると健康を害するリスクが高まります。

・ビタミン・ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります。

・「健康食品」は医薬品ではありません。品質の管理は製造者任せです。

・誰かにとって良い「健康食品」があなたにとっても良いとは限りません。

 これって「健康食品」を「コーヒー」に替えても言える話で、コーヒーを大量に飲むと健康を害する場合もあり、コーヒーは医薬品ではないので○○のリスクが軽減するとかの話を真に受けないとか、誰かにとって美味しいコーヒーがあなたにとっても美味しいコーヒーとは限らない。ってことになります。全て自己責任で判断せよってことだな。まめ蔵をご利用のお客様も自己責任でご利用願います。 

 ただ、高齢者には通用しない面もあり、正直、能性表示食品制度はこのままで良いのかって思います。