八百万せんべいを食べながら

先週の土曜日は妻の実家で法事があり、店を臨時休業にして家族で出席してきました。お寺での法要のあと宴席となりましたが、その席での会話の中に、「ハヤブサ消防団」という言葉が出てきます。「確か、テレビドラマがやってるんじゃないかな?」くらいにしか認識していませんでしたが、どうやら、地元である加茂郡八百津町の出身、池井戸潤氏原作のドラマで、その作品の舞台が八百津町らしいというのです。

 「池井戸潤の出身は八百津町久田見の出身やで!」、「八百津町が舞台なのに八百万(ヤオロズ)町になってるし、ロケ地が群馬原高岡市だって!納得いかん!」等々、話題が尽きません。八百津町に住む方や、八百津町役場で働く人、地元の消防団で活躍する人など、宴席の出席者は「ハヤブサ消防団」に関心のある方々の中、私は原作本も読んでおらず、ましてテレビドラマも見ていませんから、話題に入ることが出来ませんでした。

 そんな訳で、後日、原作本の「ハヤブサ消防団」を購入したしだいです。せっかくなら、「八百津町といえば八百津せんべい」ということで、八百津せんべいを食べながら本を読もう思い、八百津郵便局の近くにある八百津せんべい組合直売所「せんべい会館」(会館と呼ぶには小さな店)へ向かいます。

 ずらっと並んだ商品の中で、妻の好きな「栗せん」を選んで他を物色していると、店員さんから「ハヤブサ消防団に因んだ八百万せんべいの詰め合わせがありますよ。」と勧められます。「ハヤブサプロジェクトのロゴが入ったせんべいや、振るとハヤブサの羽音に聞こえるものまで。」さらには、「今朝、4箱入荷したんですが、もう残り1箱になりました。」と畳み掛けられます。それならばと、その1箱を購入しました。

 「ハヤブサプロジェクト」というのは、「ハヤブサ消防団」に因んだ、八百津町の町おこし事業だそうです。これから様々なイベントを行って集客強化を図るそうですが、当面は、プロジェクトのロゴマークを活用した商品開発など、行政と町民が一体となった町おこしに取り組んでいくそうです。ちなみに、ロゴマークのデザインは、池井戸潤氏の小説の装丁を数多く手掛ける、岩瀬聡氏に依頼したようです。

 せっかく「ハヤブサ消防団」に因んだせんべいを購入したので、店員さんに「他に関連商品はないですか?たとえばハヤブサ饅頭とか?」と尋ねると、「聞いたことないですね。」とつれない返事。返って便乗商売っ気の無さが好感を持てます。 

 八百津せんべいを食べながら本を読む計画でしたが、幸いにもというか、焙煎やケーキ作りに時間を使ってしまい、中々読み進めない状況が続いています。なんとか、テレビドラマの最終回までには読み終えたいと思っております。