遠い昔の想い出

朝、車に乗って店へ向かう際、カーナビがいつものように「今日は○○の日です。」と教えてくれるので、「さすがに、今日はコーヒーの日だろう。」と思っていたら、「今日は法の日です。」と言ってズッコケた珈琲屋の店主です。

1928(昭和3)年のこの日、陪審法が施行されたことを経緯に、最高裁判所、検察庁、日本弁護士連合会(日弁連)の進言により法務省が1960(昭和35)年に制定したそうです。さすがに、法の前にはコーヒーの力は弱かったのです。

そんなマイナーな「コーヒーの日」に合わせたイベントで、まめ蔵では毎年この日に絡めて、10月1日・2日の二日間はコーヒー豆を20%OFFにしています。そのイベント周知のため、毎回、リピーターの方々へ絵手紙付の案内葉書を出していたのですが、今回は忙しくて全く準備が出来ませんでした。しかし、忙しいのはコーヒー豆が沢山売れるからではなく、個人的な作業のためパソコンに向かっていたからです。

先月上旬、終活の手始めとして書斎の本棚を整理し始めた際、普段触らない箱を空けると、中から8mmビデオをテープが数本出てきました。もちろん、8mmビデオを見るためのビデオ本体やデッキも無いため、「これでじゃあゴミになっちゃうな。」と思いながらも、DVDにデータを入れてくれるサービスはないかと探すと、多治見市のカメラ店では11,500円程で加工してくれることを知りました。

そんなこともあって、その8mmビデオの中から1992年と1992年に家族で北海道へ旅行に出かけた記録、合計1時間40分を30分に編集加工のため、暇さえあればパソコン向かっていたのです。30年前の遠い昔の想い出を振り返りながら、観光で訪れた場所等を字幕に入れたり、タイトルやBGMを加えるなどして飽きないよう30分に編集した動画をDVDにしました。

そんなDVDを遠方に住む娘たちにも送ったのですが、添えた手紙には「お父さんの髪がフサフサな貴重映像があります。」と付け加えておきました。確かに私の場合、髪は長い友となってくれず、父親のDNAに引き込まれて現在の姿となっています。ですから、若かりし頃の貴重映像なのです。 

そんな記憶も無い、遠い昔の映像を子供たちは喜んでくれるのか心配な面もあったのですが、意外にも喜んでくれたので満足しております。突然、父親から送られたDVDにきっと困惑したであろうに、僅かな記憶を辿って想い出を共有できたようで、無駄にはならなかったと安心しました。