煙突の無い景色

♪空につらなる煙突や もえてつきない火の色は みんなわれらのよろこびよ つよく伸ばそうこのからだ♪この歌は、土岐市立下石小学校の校歌二番です。今朝、晴れた空を見ながら自宅のベランダに立ち、下石町の町並みに無くなった窯業用のトンネルを思い出して母校の校歌を歌ってみました。

 私が小学生の頃には、窯業用の燃料に石炭や重油が使われており、レンガ造りや土管の煙突が数多くそびえ立っていました。校歌のように空につらなる煙突といった光景が目の前に広がり、その周りには民家や田畑があったのです。

ところが、時代の流れと共にガス窯が主流になると、そうした煙突は使われなくなり、老朽化のため災害時に倒れる危険があることなどから、取り壊されてほとんど残っていません。今では田畑にはソーラーパネルが並び、陶磁器業界の低迷もあって250社以上あった下石陶磁器工業組合員数が、現在75社に減っているといった状況だそうです。 

故郷の景色は変わりましたが、陶磁器生産量が日本一というのは変わらないようで、市内には多くの製陶業を営む会社があります。先日記した、本社工場の二階ショールームにカフェを併設するという会社も、泉町の高台から見える町の景色を多くの方々に見てもらいたいと言う地域振興の狙いもあると聞きます。さて、どんな景色が見えるのでしょうか?