ゲイシャを飲みに

 毎年、東京や神戸に出かけてはCOEのカッピングセミナーに参加し、各国の個性あるコーヒーをカッピングしてきました。ブームが去ったと言われながらも未だにゲイシャが上位に入ったり、順位付けの不思議さを感じながらも、ハニー、ナチュラルをはじめ、アナエロビックといった独特なコーヒーをたくさん味わうことができたものです。ところが、コロナ禍でそうしたセミナーも中止となり、普段では味わうことが出来ないコーヒーを飲むことができなくなりました。

 「あ~、ゲイシャってどんなんだっけ?」。あれだけ各国のゲイシャを飲んでいたのに、1年以上も間隔が空くと忘れそうになります。好きでもないけど「ゲイシャが飲みたい!」。そう思って、ゲイシャの種類が多い「カフェ・アダチ」(関市小瀬)へ行きました。ただ、それだけのために。

 午後2時過ぎに到着すると駐車場には車がいっぱいです。驚きながら店内に入ってテーブルに着き、メニューを眺めて「パナマ・ゲイシャ」を注文します。ハリオでハンドドリップする様子を見ながら待っていると、カップに注がれたコーヒーがテーブルに運ばれてきました。「これこれ、この香り。」、久しぶりのゲイシャを飲みながら様々な国のゲイシャを思い出します。

 テーブルの上に置かれたPOPを見ると、イベントで「エチオピア・ゲイシャ」が1,000円のところ800円で飲めると書かれています。「では、もう一杯!」という訳で、「エチオピア・ゲイシャ」を注文しました。「パナマ・ゲイシャ」が1,200円なので、ゲイシャを2杯飲んでも2,000円ですから、都会で飲んだことを思えば結構お値打です。 

 口の中をゲイシャの香りに満たして帰路に着きます。たまには、こんな時間の過ごし方も悪くはありません。