うだつの町並みを散策

 妻が有給消化の休みを取ったので、二人で美濃市中心部にある、国の伝統的建造物群保存地区に選定されたうだつの町並みを散策してきました。この「うだつ」とは、屋根の両端を一段高くして火災の類焼を防ぐために造られた防火壁のことで、裕福な家しか「うだつ」を造ることができなかったため、庶民の願望から「うだつを上げる・うだつが上がらない」の言葉にもなっています。そして、美濃市は福井県の越前和紙、高知県の土佐和紙と並ぶ「美濃和紙」の産地でもあり、「日本三大和紙」のひとつに数えられています。そんな本美濃紙の手漉き技術は2014年(平成26年)にユネスコ無形文化遺産にも登録されており、「うだつ」と「美濃和紙」に関わる場所を運動不足解消も兼ねて歩きました。

美濃和紙あかりアート館

 1階が無料休憩所と美濃和紙のあかりアート製品の販売を行うショップになっており、2階が毎年秋に美濃市で開催される「美濃和紙あかりアート展」の入賞作品を展示スペースになっています。昨年、「美濃和紙あかりアート展」に行きたいと思っていましたが、コロナ禍もあって行けなかったこともあり、雰囲気だけでも味わうことができました。

旧今井家住宅・美濃史料館

 ここは、美濃市で最も古いうだつが上がる、庄屋兼和紙問屋であった町家です。江戸時代中期に建てられ、明治初期に増築されたといわれており、市内最大級の間取りとなっているそうです。また、庭には環境庁が選んだ「日本の音風景100選」にも選ばれた水琴窟があり、心地よい響きを楽しませもらいました。水琴窟よりも心地よかったのが館長さんの説明です。「時間はありますか?」といわれ「たっぷりあります」と答えると、元校長先生らしく分かりやすくて楽しい説明をたっぷり聞かせてもありました。

そば切り まる伍

 うだつの町並みを散策すると時間は既に12時を回りました。そこで、石臼挽きしたそば粉で手打ちした十割・二八のそばを提供する「そば切り まる伍」の暖簾をくぐります。そこで、桜えびのかき揚げと野菜の天ぷら・せいろ十割を食べました。満腹!

小坂家住宅

 うだつが上がる町並みのなかで、最も優美なうだつを構えるのが「小坂家住宅」。この町屋の特徴は、緩やかに膨らんだカーブをもつ「むくり屋根」です。小坂家は江戸時代より造り酒屋を営む小坂酒造場で、市街地で唯一の国の重要文化財に指定されています。ここでは、生酒をお土産に妻が購入。

旧名鉄美濃駅

 大正1210月に開設された名鉄美濃駅は、平成114月に名鉄美濃町線新関~美濃間が廃止され役目を終えましたが、当時の駅舎・プラットホーム・路線はそのまま保存されています。ホームには美濃町線にゆかりのある「モ512号」「モ601号」「モ593号」の路面電車3両が展示されているほか、美濃市出身の野口五郎さんの若かりし頃の写真がいたるところに貼ってあります。そうそう、「私鉄沿線」の歌碑もありました。遊びに来ていた子連れの若い家族は野口五郎さんを知っているのかな?

小倉公園

 小倉山一帯を都市公園としたところで、公園内には遊具や小動物園、芝生広場があり、お城の形をした展望台があります。

上有知湊(川湊灯台)

 こうずちみなと(かわみなととうだい)と読みます。江戸時代に物資運送の玄関口として湊が築かれ、明治時代までこの地方の物流と交通の中心として栄えた場所です。高さ9メートルの灯台は今も夜に灯りが入るそうです。

 

 久しぶりに長く歩くとドッと疲れます。今夜は熟睡できそうなので、また明日からせっせと焙煎しましょうか。