うそ替え神事

 125日(月)は、山田天満宮(名古屋市北区)の「うそ替え神事(うそかえしんじ)」が行われる日です。ちょうど定休日と同じ日に行われるため、初めて「うそ替え神事」に行ってきました。

 「うそ」というのは、古くから天神様ゆかりの鳥として親しまれている「鷽」(うそ)のことで、首からほおにかけて美しい紅色で頭と尾が黒く、背や腹はネズミ色の小鳥です。スズメ目アトリ科ウソ属に分類され、和名の由来は口笛を意味する古語「うそ」から来ており、ヒーホーと口笛のような鳴き声を発することから名付けられたようです。

 学問の神様と呼ばれる天神様・菅原道真公の命日である225日と、生まれた日である625日にちなんで、毎月25日は「天神様の日」とされています。そして、毎年125日は、その年初めての天神様の日「初天神(天神講)」として、山田天満宮では天神様ゆかりの鳥りである木彫りの「鷽」を新しい「鷽」と取り替える「うそ替え神事」が行われているのです。「鷽」と取り替えることにより、1年の災いを幸せに替え幸運を招くといわれていたり、凶事をうそにして幸運に替える開運、除災招福のお守りとして木彫りの「鷽」を受けるため多くの人が訪れます。

 もともとは、神棚に供えておいた「鷽」を「替えましょう」「替えましょう」と呼びかけて、手から手へ、取り替えてゆき、凶事をうそにして、幸運に替えることを念願して行われたもので、江戸時代はじめから始まったといわれています。多くの天満宮では木彫りの「鷽」の入った紙袋を、境内に集まった人同士が「替えましょう」「替えましょう」と呼びながら、手から手へ取り替えていく光景がYouTubeでも見られました。しかし、コロナ禍ということもあって、参拝者同士の取り替えは中止となり、「鷽」を受けた際に巫女さんと取り替える形になっていました。

 また、山田天満宮に咲く梅の実で造られた御神梅酒を頂くと、1年災いなく幸せに過ごせるといわれ参拝者に振舞われてきましたが、これも中止となって、一人一本限定で販売されていました。ちなみに、鷽(うそ)は1体1,000円、御神梅酒は1本500円です。 

 ご利益の有無については何ともいえませんが、面白い神事に出会えた一日でした