やってはいけない

 調理台の整理をしていると、奥の方からコーヒー・リキュールが出てきました。「確か、5年前にお菓子作りに利用しようと作ったな。」と思い出し、その際の残り物であることが判明します。「さて、どうしたものか?」と考えた末、「以前、発酵食品のヨーグルト、甘酒、味噌でコーヒー生豆を漬け込んで焙煎したっけ。」と、5年物のコーヒー・リキュールを使ってコーヒー生豆を漬け込んでみることにしました。 

 製菓用に使用したブランデーのボトルに三日間漬け込みましたが、これが良くない!コーヒー生豆が膨張して取り出せなくなり、とんでもなく苦労しました。漬け込むビンを誤るという、やってはいけないことをしてしまいました。 

 苦労して取り出した生豆を焙煎しますが、雨の日が続いているので天日乾燥が出来ません。止むを得ず湿った状態から焙煎を始めることにし、10分程弱火で乾燥に費やして、その後火力を上げて焙煎をしました。リキュールに含まれる糖分のせいか、通常の焙煎時の色と比べ黒くなっています。そして、コーヒー豆から香るリキュールの風味が心地よく、大成功の予感がします。 

 ミルで挽くとさらに香りが飛び散ります。期待しながら抽出し、カウンターに座っていたお馴染みさんにも提供し、2人で仲良く試飲してみました。二人とも???さらに、???美味しくない!何んだこれは?記憶にある味だけど何だろう?スパイシーは漬物のようで、でも魚の干物のようで、なんだろう?なんだろう?結局、2人が出した答えが「しめ鯖」でした。 

 しめ鯖の味がするコーヒーは飲みたくない!5年物のコーヒー・リキュールを使ってコーヒー生豆を漬け込むのは、やっぱり、やってはいけないのです。くれぐれも真似をしないように!