喜べない

 新型コロナウィルスの影響を確かめるため、1月から3月まで来店客数の変化を見てきましたが、多少上下はあるものの大きな変化がありませんでした。さすがに、岐阜県での感染者数が20人を超え、東京都が週末の自粛要請を出した下旬には変化があるだろうと集計してみると、意外にも昨年を上回る数字になっています。本来なら来店客数の減少が無い訳ですから喜ばしい筈なのに、「こんな時ぐらい自粛ムードが高まって然るべきでは?」と考えている私には喜べない現象です。 

 また、コーヒー豆の販売にも影響があろうかと、心配しながら日々の状況を把握しており、上旬までは順調に販売していたものの、中旬以降には徐々に鈍化し始め、最終的には2月実績を上回っても、昨年3月実績を超えることは無いと予想していました。ところが、最終日の31日には普段の平日の倍以上の販売となり、結果的に昨年3月実績を超えることになりました。でも、素直に喜べない。 

 午前中からコーヒー豆を買い求める方が何人も来店され、昨日の内に焙煎して準備した在庫が無くなってしまい、追加で何種類も焙煎する事態となり、一日中慌ただしい時間を過ごしたのです。リピーターの方に「再購入のサイクルが短いのでは?」と尋ねたところ、「週末を自粛して自宅にいたので飲む回数が増えた。」という回答でした。お店に飲みに来る(お喋り目的)方と違って、真面目に自粛しているので安心したものの、リピーターの人数が増えた訳ではないので、やっぱり喜べない。 

 政府広報によれば、・「密閉」空間に、・人が「密集」して、・人が「密接」交わる、この3つが揃った時に新型コロナウィルスに感染しやすいということで、「三密」というネーミングがつけられています。人の活動においては、この「三密」は常に行われており、一つでも減らせばリスクが減少するものの、三つとも無くせば「孤独」になってしんどくなります。 

お店おいては「密閉」空間は変えられないし、会話に夢中の「密接」状態は止められません。しいて行えるのは、現在の座席間の間隔は意識して広く配置しているのですが、テーブルの配置を変更し、さらに全体の席数を減らすことぐらいでしょうか?これも喜べない手段かな?