くろもじちゃ?

 「マスター。くろもじちゃ作ったからアゲル!」、「くろもじちゃ?」一瞬なんのこっちゃと戸惑いながら、続けてお客様の話を聞いていると、お茶席の際に和菓子についてくる爪楊枝の黒文字を煮出して作るお茶でした。「あんな物を煮出して飲むのか?」と驚いていると、意外にも「クロモジ茶」として広く販売されていることを知りました。 

黒文字はクスノキ科の落葉低木で、和名である「黒文字」の名は、若枝の表面に黒い藻類が付着し、黄緑色の地色に黒いまだら模様の斑紋が入るため、これを文字に見立てたものといわれています。その枝を削って爪楊枝にするので、爪楊枝を黒文字ともいうのです。 

 早速、お客様に教えてもらったとおりに水洗いしてから、鍋で10分ほど煮立たせると、鼻に訴えかける強い香りがでます。それをティーポットに移して枝を濾して紙コップに注ぐと、薄ピンクのハーブっぽい色合いで、飲んでみるとフレッシュな香りが広がります。ちょうど、その場にいた女性のグループの方々にお裾分けしました。 

 このクロモジ茶、様々な効能があるとかで、クロモジ茶の販売サイトには・冷え性予防・便秘解消・高血圧改善・急性胃腸炎改善・下痢改善・肝機能改善・ガン予防・便秘解消・健胃作用・鎮咳作用・鎮静作用といった多くの効能が書かれていました。でも、さすがにガン予防なんて文字を目にすると眉唾っぽく感じます。 

 けれど、古くから利用されているところをみると、なにかしらの効用はあるのかもしれません。今日は珍しい飲み物を体験することができました。