明智光秀博覧会?

 『来年1月から放送の大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」に合わせ、主人公の戦国武将・明智光秀にゆかりのある岐阜県可児市は、花フェスタ記念公園(同市瀬田)内に整備するドラマ館の前売り入場券販売を10月1日から始める。』(9月30日 岐阜新聞) 

 この記事を読んだ妻が「前売り券を買わなきゃ!」と言うので、花フェスタ記念公園に出かけて前売り券(400円)を購入してきました。既に公園内には西口入ると直ぐに工事が行われており、工事用フェンスに「(仮)麒麟がくる 岐阜 可児 大河ドラマ館」開催予定の文字とともに、明智光秀ゆかりの地のポスターと明智光秀博覧会開催決定のポスターが貼ってあります。

 明智光秀博覧会?なんじゃそれ?そう思って園内にあったチラシを見てみると、ドラマ館が作られる花フェスタ記念公園内に、「明智光秀博覧会」として無料スペースが整備されるようです。そこでは、逆臣のイメージが強い光秀について、近年の研究に基づき「実は優れた政治能力や、部下を思いやる優しさを兼ね備えていた人物だった」として特集する企画展や、飲食スペースなどを設けるようで、早い話、来館する人からイベントやグルメでお金を落とさせようという魂胆です。 

 大河ドラマ館で戦国武将である明智光秀を、光秀ゾーンで明智光秀が生きた時代を、戦国イベントゾーンで戦国時代を楽しみ、戦マルシェゾーンで戦国時代を食べる、買うというのが、チラシに書いてあった全体像にないます。でも、戦国時代を食べるって、本当に再現するんだろうか? 

 『図解 戦国武将』(池上良太 ) によれば、戦国武将たちの食事内容は一汁一菜が基本で、ご飯の量が最も多く、1回の食事で25(今の茶碗5杯分)も食べていたそうです。ご飯といっても白米ではなく、玄米や雑穀が中心で、これを蒸籠(せいろ)で蒸したものを強飯(こわいい)、現代のように炊いたものを姫飯(ひめいい)と呼び、貧しい中級以下の武士などは雑炊にして食べることも多かったようです。こんなもので客が喜ぶんだろうか? 

 それとも、織田信長が徳川家康をもてなした際に出されたとされる、本膳に鯛の焼き物、なます、鮒鮨、二膳はうるか(塩辛)や鰻、三膳は焼き鳥や渡り蟹、四膳は巻するめや椎茸、五膳はまながつおの刺身にしょうが酢など。この他、各膳にホヤ冷汁、鶴汁、鴨汁といった趣向を凝らした汁物などが添えられたそうです。さらに、御菓子として羊皮餅、美濃柿、豆飴なども提供されたようですから。こんな豪華な料理でしょうか? 

 または、合戦の際に大名から配下の武将や武士に対して配られた、握り飯・乾飯(米などの穀物を炊いた後で乾燥させたもの)、兵糧丸(米や蕎麦粉、豆類、魚粉などを混ぜてよくこね、球状にまとめたもの)、味噌玉(焼き味噌を1食分ずつ球状に丸めるなどしたもの)、芋茎縄(ズイキと呼ばれるサトイモの茎を味噌汁で煮しめて乾燥させ、縄状にしたもの)なんか出るんだろうか? 

 そんな期待を抱きながら、妻とともに前売り券を購入し、ついでに年間入園パスポート(2100円)も申し込んでしまいました。