昨年5月に、「WORLD COFFEE RESEARCH」の年次報告書2017日本語版を読んでいたことから、6月以降、時々2018日本語版が出ていないかチェックしていました。ところが、9月になっても見当たらなくて忘れかけていたところ、例のごとく例の方が教えてくださり、こうして読んでいる次第です。
ついでに、2017版も出して読み比べたのですが、目次を見ても2017版と2018版とでは、
・WCRとその活動について
・WCRのパートナーシップ・アプローチ
・財務状況
・運営チーム・メンバー・パートナー
と共通の文言があるものの、中心となる内容についての目次では、
【2017】
コーヒーのサイエンス・ギャップ
世界的品種改良プログラム
健康な苗木を生産者の手に
中央アメリカにおけるコーヒー葉さび病
ビッグデータとビッグコラボレーション
【2018】
先端研究
応用研究
多地域実証試験
農場試験
技術継承
と、まるで表現が異なっています。その違和感は直ぐに本文を読めば分かり、翻訳を人間が行ったものと、自動翻訳機が行ったくらいの差があったのです。だから読むのがしんどい!
2017年版は、2050年問題を掲げて進めていきますが、2018版では、干ばつやサビ病、低価格によって、コーヒー生産者がコーヒー栽培を止めてしまうというところから進めています。
冒頭の図の「技術のパイプライン」で示されているように、アラビカ種のDNA解析によって、アラビカ種ゲノムを世界中の研究者が利用できるように公表し、品種改良による品質特性を比較的早い段階で判断できるような応用研究を行っています。さらに、世界の育成拠点での試験栽培を経て、実際に農園試験を行い、生産者への技術継承を行い、農家がこれからもコーヒー栽培が続けられるようにというストーリーです。
確かに、そうした技術のパイプラインが全てのコーヒー農家に届けば良いのですが、世の中がそうであるように、そのパイプは途中で途切れてしまうのでは?と思います。誰かが良いとこ取りや、独り占めなんてことが起きるのではと危惧しているのですが、考え過ぎでしょうか。
また、今回の年次報告書ではロブスタにも触れており、最初の国際的共同および基礎的ロブスタ研究会が行われたことも記されています。将来的にはアラビカの生産量をロブスタが抜く日が近いのかな?いろいろ考えさせられる年次報告書です。
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