スタティックボックス

 6月初め、ブラジルのウオッシュドのコーヒー豆を、お店で初めて紹介しました。ブラジルでは精製方法のほとんどがナチュラル(非水洗式)で、一般的に80%がナチュラルコーヒーと言われ、残り20%がパルプドナチュラルや水洗式になるため、ブラジルでは珍しいウオッシュドのコーヒー豆を、自分自身が実際に飲んでみたいと思ったのです。

 そして、今回はナチュラルのコーヒーなのですが、乾燥工程に「スタティックボックス」を使用したコーヒー豆です。英語表記だとStatic Boxとなり、直訳すると静かな箱という意味になるのでしょうが、これだと魔法の箱のようでチンプンカンプンです。もう少し分かりやすく言えば、「スタティックボックス」は箱型の非撹拌型乾燥機となります。実際に見たことはないのですが、(検索してもよくわからなかった)箱型の乾燥機に生豆を入れ、攪拌しないで、静かに乾燥させる工程のようです。

 具体的な工程は

■収穫後に、「スタティックボックス」という箱型乾燥機にチェリーを入れます。

■乾燥機のスイッチ入れる前に、少しコーヒーチェリーを発酵させます。

乾燥機のスイッチをオン。
■コーヒーチェリー自体の温度管理をしながら、低温でゆっくり乾燥させます。この間、攪拌はせず、ゆっくり、じっくり時間をかけます。

 このような手間のかかる工程を経ることで、収穫期の天候に左右されずに風味作りができ、ナチュラル感は少ないですが、フルーティーでクリーンなカップのコーヒーになります。

 今回取り寄せたコーヒー豆は、ブラジルのミナスジェライス州トレスポンタス、標高1,180m付近にあるザロカ農園のコーヒー豆です。栽培品種はブルボンアマレロ(黄色いブルボン種)で、ブラジルを連想させるナッツ系の香りは控えめで、色々なフルーツの入り混じった甘い香りのコーヒーでした。

 コーヒー豆に個性を持たせるため、色々な工夫が施されるようになってきました。それにより付加価値を付け、魅力的なコーヒー豆を作ろうと産地で努力しています。けれど、売る側や飲む側が、そうした産地の農家が取り組む背景を知らないままでは、とても勿体無いように思います。

 とりあえず、今日から店頭に置いてお客様へ紹介していきます。

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コメント: 2
  • #1

    ゆこ (土曜日, 23 11月 2019 08:29)

    毎日コーヒーを飲んでいます。スタティックボックスナチュラルのブラジルを買ってきましたが、コメントを記録し忘れてきてしまいました。

    こちらで、詳しく説明を拝見でき、とっても嬉しいです。どのように作られているかに思いを馳せながら飲めるのがありがたいです!!

  • #2

    まめ蔵 (月曜日, 25 11月 2019 08:51)

    どこの国の、どんな環境で、どのように作られているのか、さらに、その人たちの暮らしはどうなのか?カップの向こうまで考えて欲しいと思い、パッケージには産地の国旗を使用しています。コメントありがとうございました。