オイシクナイ!

 お店を始めてから、これほどハッキリと「オイシクナイ!」と言われたことがありませんでした。内心、自分の求めているコーヒーの味と違うと思ったり、不味いと思う方はあったのでしょうが、声に出して「オイシクナイ!」と言われてしまうと、さすがに落ち込みます。

 実は、時々コーヒー豆を購入される方が、会社の研修生であるベトナム人を連れてこられました。日本の生活に馴染むように色々な場所に連れ出しているようで、今日は珈琲屋で日本のコーヒーを飲ませようという目的でした。そして、「本日のコーヒー」にしているコロンビアのコーヒーを出したのですが、あまり気乗りしない雰囲気です。

 そこで、故郷ベトナムのコーヒーを出して喜んでもらおうと、ベトナム産のロブスタでベトナムコーヒーの抽出器具を使用し、現地のカフェのようにコップに氷を入れてアイスで楽しんでもらうつもりでした。「この器具知ってる?」「知ってる、知ってる!」少し喜んでもらえたと思ったのも束の間、例の「オイシクナイ!」との言葉が出てガックリです。

 連れてこられた方が詳しく聞いてみると、どうやら甘さが足らなかったようです。練乳を缶コーヒーくらいの甘さになるよう入れましたが、まったく不足していたようです。どんだけ甘くするんだ!って思うのですが、食文化の違いというものでしょうね。お帰りになる際には「次回はもっと甘くするから!」と声を掛けましたが、果たしてどんな結果になるのでしょうか?

 ちなみに、コーヒーと一緒に出した食パンを食べ、「これ美味しい!」とたいそう喜んでいます。「ここは珈琲屋やて!」(笑)