グアテマラのナチュラル

 9月に行ったSCAJ2018の生豆商社のブースで、数多くのコーヒーを試飲したのですが、その中にグアテマラのナチュラルがありました。グアテマラの一般的な精選方法はウォッシュドで、通常収穫期の最後に水洗式に適さなかったあまりもののコーヒー果実がクロップの最後にナチュラルに仕上げられることがあるようですが、その商品はウォッシュドにも適する真っ赤な完熟果実のみを丁寧にセレクトし高級ナチュラル用に仕上げられた豆のようです。

 生豆の状態でも甘い香りがし、試飲用カップに注がれたコーヒーからは、ブルーベリーやストロベリーを思わせる甘い香りがします。かといって、強くナチュラルを押し出すわけでもなく、いやな気分にはなりませんでした。正直、「グアテマラのナチュラルもありかな?」って思い、サンプル用に取り寄せて馴染みの方へ試飲してもらったのです。

 ところが、反応がイマイチ。「私、ダメ!」とはっきり言われたり、「コーヒーじゃないみたい。」、「なんだかハーブティー。」など、フルーティーさがアダになったようで、評判はあまりよくありません。まだまだナチュラルのコーヒーに慣れていないせいもあるでしょうが、このコーヒーを楽しんでもらえそうにありません。

 けれど、そんな評価を受けながらも、11月には販売を開始しようと決めました。今までに体験したことのないコーヒーだからこそ、こんな小さな町でも特別な体験をしてもらいたいのです。ウォッシュドやナチュラルのことも理解していない人ばかりの店ですが、「なんか違うな?」って感じてもらえればアリだと思っています。

 このコーヒー豆の産地は、グアテマラ南東部に位置するサンタロッサ県の一部で、アナカフェ(ANACAFE、グアテマラ国立コーヒー協会)が定める8つの生産地区の中の「ニューオリエンテ」とは異なる、「オリエンテ」と言われるエリアで生産されています。近年では、このオリエンテエリアでのコーヒー生産も増えており、今後も注目していきたい産地の1つです。