沖縄コーヒーへの疑問?

 6月30日(土)から7月2日(月)までの間、甥っこの結婚式に出席するため、夫婦で沖縄へ行くことになりました。そのため連続して臨時休業となり、お正月以来の休みとなります。
 三日間の内、結婚式当日を挟む前後は移動日となるため、沖縄観光の時間は短くなるものの、初めての沖縄が待ち遠しいものです。そんな訳で、沖縄に関するサイトを見ながら色々と妄想を膨らませていると、「沖縄コーヒー」という言葉に出会い、今まで「観光農園くらいのものじゃないか?」と思ってはいたものの、改めて調べてみることにしたのです。 

 しかし、調べれば調べるほど「沖縄コーヒー」に関する疑問が湧いてきましす。多くの疑問の中から、特に分からなかったものが

■沖縄で収穫されるコーヒーの生産量が分からない。

■沖縄のコーヒーに関する団体がいくつもあるのが分からない。

■そもそも沖縄で産業となるようなコーヒー栽培が可能なのか分からない。

■沖縄コーヒーの偽物って何?

 といった疑問があります。

沖縄で収穫されるコーヒーの生産量が分からない。

 日本で唯一といってよい国産コーヒーの産地である沖縄ですが、沖縄県の統計資料など行政のホームページを検索しても、コーヒー農家の数やコーヒー豆の生産量を記録したものが見つかりませんでした。沖縄県の農家の7割以上が栽培する「さとうきび」、「ゴーヤ」や「パイナップル」、「マンゴー」といった主要産業と比べても、相当規模が小さいことが想像されます。

 沖縄県全体のコーヒー生産量は分からないままでしたが、沖縄珈琲生産者組合が今年に行なったクラウドファンディングの説明文によれば、「私たち沖縄珈琲生産組合の今年度生産量は約250㎏(生豆)を予定していますが、来年度は750㎏、再来年度には3トンが見込めるようになりました」とあるのですが、全ての生産者が組合に加入している筈もなく、数字自体も来年、再来年の予想数字を見ただけでも信憑性が感じられません。いったいどの程度の規模なのでしょうか?

沖縄のコーヒーに関する団体がいくつもあるのが分からない。

 どうやら、コーヒー生産量は思っていた以上に少ないようですが、コーヒー生産量の規模にも関わらず、国産プレミアムコーヒー協会(2013年設立)、沖縄珈琲生産組合(2014年設立)、沖縄コーヒー協会(2017年設立)と乱立しているように思えてなりません。それぞれの団体の活動内容にも大きな差はないようにも感じ、なんだかよくわからないのです。

 もともと同じグループだった人たちが分裂したというコーヒー農家のブログを見たりすると、小さなエリアでどうなっているの?って思えてきます。規模が小さいからこそ纏まらなければならないと思うのですが。

そもそも沖縄で産業となるようなコーヒー栽培が可能なのか分からない。

 行政の統計資料にも出てこないコーヒー栽培が、はたして産業と言えるように成長できるのか疑問が湧いてきますが、沖縄珈琲生産者組合の次のようなブログを読んでいると夢物語に思えてきます。

 『沖縄で比較的多い栽培方法から平均的な生産者1人当たりのコーヒー生産量を下記から算出したいと思います。栽培条件(品種・栽培方法・栽培場所等)で計算数値は変わりますが、あくまで一例としてご参考頂けたらと思います。品種:ブラジル産アラビカ種ムンドノーボ(沖縄名:NewWorld1号)樹齢:6年木 樹高:1.8m 栽培方法:露地 栽培場所:一般農地(山間地を除く) コーヒー栽培単位面積:1本/坪 労働生産面積:200坪/人 コーヒーチェリーの収量:3kg/本 台風対策:低(被害率75% ※想定:沖縄本島台風上陸(風速50m/s))とすると、200坪・200本の栽培で 600㎏ のコーヒーチリーが収穫できる計算になります。コーヒーチェリー収穫後、比重選別で使えないチェリー(浮豆)が出てきます。栽培・管理方法によりその割合は10~30%あり平均の20wt%を差し引くと80kg になります。この 480kg を果肉除去・乾燥・脱穀するとおよそ 15% 程度(含水率12%前後)残るので、生豆は約 72kg になります(台風被害がないと仮定した場合)ここに台風被害を加えると 50~100% はダメになりますが 75% の被害想定とすると生産者1人当たりのコーヒー生産量は 18kg/人 (生豆)となります(台風被害がないと仮定した場合)』と、こんな具合です。

 この説明が正しいかどうか判断ができないものの、とりあえず生産者側から発信されたもので鵜呑みにすれば、コーヒーの木200本で18kgとなり、知名度のある「又吉コーヒー園」が1200本とホームページに掲載されていたのを参考にすれば、108kgってことになります。UCCハワイコナコーヒー直営農園ですら、総面積約14ヘクタールの中に約15000本のコーヒーの木があることを考えると、コーヒー農園を事業としていくには「又吉コーヒー園」のように観光事業と一体化しなければ不可能のように思えてなりません。

 沖縄県国頭村安田でコーヒー農家を営んでいる徳田泰二郎さん夫婦のコーヒー豆が、2016年11月に「スペシャルティコーヒー」に日本で初めて認定された新聞記事を読みましたが、そこでさえも、3千坪の畑に約900本を育ているとあり、コーヒー豆だけで生計を賄うのは難しいと感じます。

沖縄コーヒーの偽物って何?

 これだけ規模の小さいコーヒー栽培の沖縄で、沖縄コーヒーの偽物が販売されていることを知り、ただただ驚くばかりです。明らかな偽装表示であれば今のご時世では行政指導があるはずなのに、現実には罷り通っていることを考えれば、何か裏がありそうな感じがします。本当のところはどうなっているの?と真実が知りたくなります。

 それ以外にも不思議に感じることも多く、謎だらけの「沖縄コーヒー」です。月末に沖縄へ行くのですが、とりあえず偽物のコーヒーだけは買わないようにしようと思いました。