熱海から直虎へ

 高尾山を下山後は一路熱海へ車を走らせます。初めて通る道のためにどこを走っているのか分からず、ただカーナビの指示するままに進むのです。複雑に曲がるジャンクションはまるで迷路のように入り組み、田舎者を惑わすばかりでした。

 そんな状態でもカーナビのおかげで熱海へ着き、来宮神社へ向かって国内屈指のパワースポットで御神徳にあやかります。来宮神社は江戸時代には「木宮」の字で書かれており、「木」に宿る神々をお祀りする神社として崇敬を集めていました。その中でも、本州1位の巨樹といわれる大楠が御神木といわれ、樹齢2000年を超え、周囲23.9m高さ約26mの木の幹を一周廻ると寿命が1年延命するという健康長寿と、心に願いを秘めながら一周すると願いが叶う心願成就の御神徳があるというので、二人でしっかり廻ってきました。

 願いをした後には、隣の五色の杜で抹茶と麦こがしのセットを頂き、「来宮の佳味」と題した「麦こがし」のうんちくのように、「食べて幸せ!福きたる」とご利益倍増の参拝となるはずでしたが、腰痛の早期回復には至りません。境内の社務所にはカフェが併設されており、ハートの形の落ち葉と一緒に写メを取る若者受けするスペースになっています。

 その日の夜は熱海の温泉に浸かり、翌日は帰路へのコース上にある観光スポットに幾つか立ち寄りました。「三保の松原」、「清水港での海鮮丼」、そして、大河ドラマで一躍有名になった浜松で、「大河ドラマ館」と「龍潭寺」を巡ります。「大河ドラマ館」は平日にも関わらず多くの団体観光客で賑わい、数分で見られる館内を20分程じくり見学することになりました。一方、急ごしらえの箱物ドラマ館とは違い、「龍潭寺」の方は歴史を感じされるお寺です。ドラマで使用した衣装や道具などの展示物では感じられない、時代をタイムスリップしたような空間に入り込んだ気分になりました。

 そんな道のりを経て自宅に戻ると、走行距離は753kmと表示されています。久しぶりに長く走ったものだと感じながら、色々なご利益の場所へ行ったわりには腰痛への効果はなかったことを実証する結果になったようです。やっぱり安静が一番か!