■ 2020年1月 ブログ

苦手な言葉

 昨日は、元同僚と三十数年ぶりに再会することができ、出会う場所を持ったことに改めて喜びを感じます。そんな突然の再開も偶然ではなく、彼は以前から「まめ蔵」の存在を知っていたようです。都合を合わせ、土岐へ出張に来た際に立ち寄ってくれました。長い時の経過を忘れるように会話が弾み、楽しい時間を過ごせました。 

 そうした会話に出たのが、「コーヒーに拘ってるらしいね。」という言葉。時々知人からも言われますが、実のところ拘っているのは、生まれ育ったこの町で、そこそこの値段で、そこそこのコーヒーを長く提供したいということでしょうか。「生まめを まめに焙煎して まめに暮らす」が目標ですから、「コーヒーに拘っている。」と言われてしまうことに違和感を持ってしまうのです。 

 同じような言葉に「お勧めは?」という質問があります。リピーターとなって好みが分かっている方なら何種類か試飲してもらい、気に入ったコーヒーを選択してもらえるものの、初めて来店された方に質問されても的確な回答ができません。一般的に、様々なお店で「お勧めです!」といったPOPなどで強調される商品は、おおむね店側が「売りたい!」との思いが入ったものであることが多く、「あなたにお勧め!」という訳ではないのです。そうしたセールストークみたいなのは、正直、苦手!(だから商売っ気ないと言われる) 

 さらには、「美味しいコーヒーください!」という言葉。正確には「私にとって美味しいと感じるコーヒーをください!」であって、全ての人が美味しいと感じるコーヒーではないことです。100人いれば、100人の趣味趣向があるのですから、より相手を理解しないと美味しいと感じてもらえるコーヒーが提供できません。だから、これも苦手!(適当に相手すればいいじゃんとも言われる)

 巷には「美味しいコーヒー」に関する本が氾濫しており、誰でも美味しいコーヒーが淹れられる筈ですが、それでも次から次へと新しい本が出版されています。そんなの当たり前で、一人ひとり好みが違うのだから、一つの方法で答えが導き出されることはないのです。まあ、「コーヒー おいしさの方程式」(著:田口護 旦部幸博)を読んでもらって、自分が一番美味しいと感じるコーヒーを探してもらうのが良いのですが。 

 ところで、先日申し込んだコーヒーセミナーの事前質問に、「貴方の美味しいコーヒーの定義を教えてください。」というものがありました。直ぐに書いたのが「売れるコーヒー」です。 

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コーラを飲みながら

 「期間限定!」、「新商品!」、そんな販売手法は分かっちゃいるけど、ついつい手が伸びてしまいます。というわけで、今回はコカ・コーラシステムが1月20日から期間限定で販売を開始した、世界初の「コカ・コーラ ストロベリー」を近くのコンビニで買い求めました。 

 「コカ・コーラ ストロベリー」は、「コカ・コーラ」ならではのおいしさに、旬のフルーツフレーバーを持ち合わせた世界初の新製品で、ご褒美のようなぜいたくな味わいを楽しんでいただけるというのがキャッチコピー。早速飲んでみると、イチゴ味のファンタみたい! 

 「あれれ?」なんてことを相変わらず繰り返してしまうのも、宣伝効果に見事にハマった証拠なんでしょうが、商売をするうえでは見習うべき点もあります。こうした期間限定の商品を販売する際のターゲットを明確にし、そのターゲットに合ったパッケージデザインを作成しるなど、参考にしたいものです。 

今回の「コカ・コーラ ストロベリー」は、ティーンや2030代の女性や普段「コカ・コーラ」を飲まれない炭酸飲用者をターゲットにしています。そして、視認性の高いフルシュリンクラベルを採用し、ベビーピンクのベースの上にみずみずしいイチゴのイラストを全面にあしらい、女性が思わず手に取りたくなるような心躍るデザインとなっています。 

「まめ蔵」でも、年間通じて提供するコーヒー豆の他に、期間や数量限定の商品を定期的に入れ替えており、色々なコーヒー豆を体験してもらいたいという気持ちと同時に、自分自身が飲んでみたいことを前提に選び、パッケージも定番商品と区別できるように色分けしています。 

ただ、奇をてらうようなことはしたくないという思いもあって、「期間限定!」、「新商品!」などと、まるで付加価値があるかのような表現が出来ません。価値があるかはお客様が判断することだと理解はしているものの、一歩踏み出せない状態なのです。今回も、コーラを飲みながら、「どうしたものかと?」考えてしまいます。 

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よく分からない純喫茶

 先日、「特殊喫茶」と「純喫茶」を話題にしましたが、季刊雑誌『珈琲時間』でも、20202月号に「2020年、いまこそ行きたい純喫茶」という特集記事を出していました。 

 個人的には「純喫茶」という店のイメージが湧かず、高校の帰りに寄り道した寂れたアーケード街の喫茶店、社会人にとなって先輩に連れて行かれたゲーム機のある喫茶店、珈琲専門店とは名ばかりのブレンド以外の豆が少しある喫茶店、昭和の時代に記憶された喫茶店とは『珈琲時間』に登場するような、路地裏にあるレンガ造りで、レトロな看板のある、心躍らせるような要素の無い店ばかりです。 

 酒類を扱わないコーヒーを楽しむ喫茶店本来の姿を持つ店を「純喫茶」と呼ぶならば、コーヒーに特化したメニュー構成の店だと思ったものの、『珈琲時間』が紹介している店の多くはそうでもなさそうです。ここのコーヒーにはこんな特徴があるといった内容よりも、コーヒーに添えられるサイドメニューにばかりが目に入ります。 

・高級喫茶 古城・・ミックスサンド 

・珈琲専門店 パリ・・生クリームを花弁のように絞ったアレンジコーヒー 

・名曲・珈琲 新宿らんぶる・・琥珀セットという厚切りトースト 

・珈琲専門店エース・・醤油とバターと海苔を挟んだ のりトースト 

・珈琲 伴茶夢・・パンカレー 

・珈琲専門館伯爵 池袋店・・海老ドリア 

・ミロンガヌオーバ・・チョコレート味のパンプディング 

 これら、田舎者の私には行ったことのない東京の店ばかり、ビルの谷間の薄暗い照明の隠れ家のような店内で、「自分だけが知っている」と一人悦に入って食べる姿が浮かびます。 

 ところが、私も知っている名古屋の店が紹介されていると少しイメージが異なります。 

・洋菓子喫茶ボンボン・・いわずと知れた洋菓子 

・コンパル大須本店・・エビフライサンド 

 急に明るい店内で、名古屋弁が飛び交う賑やかな様子が思い浮かばれ、東京の薄暗い感じとだいぶ違ってきました。でも、ケーキや軽食が店の看板になっているってのは「純喫茶」と呼べるんでしょうか?そもそも、酒類を扱わないコーヒーを楽しむ喫茶店本来の姿ではないような。 

 ますます分からなくなった「純喫茶」です。でも、雑誌やテレビドラマで「純喫茶」の言葉が多用されるという事は、ひょっとすると「純喫茶」が流行るのかも?なんなら「純喫茶 まめ蔵」にでもしてみますか。でも、看板メニューになるものがないから無理だな!まあ、そこそこの値段で、そこそこのコーヒーを出す珈琲屋のままでいいや。

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気になる存在

 多治見市にある現代陶芸美術館へ訪れた際には、出口付近に置いてある各地の美術館のフライヤー(チラシ)を手に取っては、「何か面白い企画はないものか?」と眺めています。そんな中に、岡山市内にあるアートスペース油亀の企画展「珈琲のための器展 ~お酒はなくても、生きていける~」を毎年見つけては、ずっと気になっていました。 

 この企画展「珈琲のための器展 ~お酒はなくても、生きていける~」(今年は21日~322日)のサブタイトルは、「お酒はなくても、生きていける」という言葉です。下戸のような私には、「本当にそうだ!」と合いの手を入れたくなるようなメッセージではないですか。そのうえ、珈琲のための器展に展示される特徴的なカップを持ってポーズをとっているおじいちゃんが、何とも言えず可愛らしい! 

 そう思っていたら、フライヤーの写真のモデルが、今年から若い(年齢不詳)の男性に替わっています。「あのおじいちゃんはどうしたの?」と気になってしかたがありません。調べてみると、おじいちゃんの名前は野崎薫さん。大正元年10月のお生まれで、2010年の第1回目からずっとモデルになっている近所に住んでいる方だそうです。コーヒーが大好きな野崎さんは毎日歩いて喫茶店に通っていたそうです。 

 そんな野崎さんも2019年のフライヤーの表紙を最後に、716日に逝去されたようです。満106歳の夏でした。高齢にも関わらず愛煙家でもあり、20189月には日本最高齢の喫煙者としてTVに出演されたこともあるそうです。 

ちなみに、今年のモデルは「インド料理SPICE 成瀬さん」と紹介されています。どうやら、昨年に行われた企画展「カレーのためのうつわ展 ~絶品なうつわ、襲来。~」(105日~1110日)で、特別イベントとして出店された、島根県のインド料理SPICEの店主のようです。年齢が若いせいか「お酒はなくても、生きていける」という言葉には説得力を感じませんね。 

なお、アートスペース油亀は、岡山市北区出石町にある築140年の古民家をリノベ―ションしたギャラリーで、様々な作品を展示販売されています。油亀という名前の由来は、亀さんという人が営んでいた油問屋からだそうです。北海道から沖縄まで、全国各地の珈琲をこよなく愛する陶磁器・木工・ガラスの作り手たち60名以上の作品が、その数5000点超も集められます。珈琲好きの作家が作った珈琲のための器が集まる訳ですから、こちらも気になるところです。

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訃報

 お店の郵便ポストに一通の封筒が届きました。差出人は名古屋市守山区にある、洋菓子教室ポットベリーです。ポットベリー(potbelly)の意味は太鼓腹の人という意味で、本当にそのままの姿をした鈴木宏和氏が一人で教えている洋菓子教室であり、私が「まめ蔵」を開業するにあたって、ケーキとクッキー作りを学んだ場所でもあります。 

 しかし、差出人欄には代理:鈴木〇〇とあります。封を開けて中身を見ると、何と鈴木先生が亡くなったためにポットベリーを廃業するとの知らせでした。驚いて電話をすると、奥様が電話に出られ、昨年末に突然倒れられた後、一週間後に亡くなられたそうです。確かに体型からして高血圧などの持病があることは知っていましたが、あまりの突然のことで驚きました。 

 開業準備をするために、最低限の洋菓子類は必要だと考えて学ぶ場所を幾つも探していました。そんな中で出会ったポットベリーは、技術だけでなくプロとしての心構えも学ぶことが出来た場所であり、現在の「まめ蔵」のスタイルを決めたきっかけになった出会いでもありあました。 

 鈴木先生は私と1歳年下ということもあって、色々と話が合うことが多くて雑談をしながらも、一方では洋菓子作りには厳しく、一度の講習時間で2、3回は叱られたものです。そのため、私のような開業コース以外の一般向けのご婦人にも厳しかったこともあって、何人もやめられた方があったと聞きます。それだけ本気で生徒さんに接していただいたのです。 

 自分の人生には多くの方々との出会いがありました。幸いにも良い方々と出会うことができ、刺激を受けながら成長することができました。そんな出会いの中で、自分よりも若くして亡くなる方が現れると複雑な気持ちになります。ありきたりな言葉になりますが、「一期一会」を肝に銘じて接客したいものです。

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大河ドラマ館へ

 日曜日に2週遅れで放送されたのが、NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」です。ネットニュースでは、「こんなに色鮮やかな大河ドラマは見たことがない」「衣装がカラフルで見とれる」などと評価する意見が出る一方、「目がチカチカする」との声も上がったとか、急遽代役となり撮り直しが行われたにもかかわらず、「もう代役じゃない」「違和感ない」などといった意見など、国民総評論家のような声には興味はないのです。 

 それよりも、主人公である明智光秀の出生地がはっきりしないものの、岐阜県内では岐阜市・可児市・恵那市に、大河ドラマに登場する衣装や小道具を展示する大河ドラマ館が設されています。様々な関連グッズやイベントで一儲けしようとしていることもあって、この地域の関心度が気になっているところです。今日も、来店されるお客様の会話には大河ドラマがありました。 

ビデオリサーチが20日に発表したものによれば、初回の平均視聴率は、関東地区で19.1%、関西地区で19.33%、北部九州地区で18.9%、名古屋地区で20.6%と、やはり東海地区は他地域とくらべて関心が高かったようです。 

そこで、放送翌日の月曜日、「可児市の花フェスタ記念公園内にオープンした大河ドラマ館には、さぞかし大勢の人が来ているだろうと。」と思い、開館時間9時頃に駐車場へ車を停めると、広い駐車場は私の車のみでした。「何か変?開館時間を間違えた?」などと疑心暗鬼で公園ゲートをくぐります。 

 大河ドラマ館があるのは、公園西ゲートを入ってすぐの「花のミュージアム」一帯です。ミュージアム内の一階ホール部分が有料のドラマ館になっており、一階から二階までなだらかなスロープが続いている「ステップギャラリー」部分が、市独自の光秀紹介コーナーに改修されています。ドラマ館では出演者の等身大のパネルが展示されているほか、光秀役の長谷川博己さんが着用したカラフルな衣装のレプリカの展示、ドラマの初回放送分を中心に映像が流れる案内ビデオがあります。 

 有料のドラマ館にしては、出演者の説明パネルやサインパネルが目につくわりに、光秀の住居セットの陳腐な模型や、セットに拘った説明ばかりで、「もう終わりなの?」と思ってしまう内容でした。等身大のパネルを見て、「石川さゆりってちっちゃ!」と思ったり、合成写真の「なれルンです」で遊んでみたものの、見応えの無いドラマ館でありました。 

 ちなみに、ドラマ館のある「花のミュージアム」に30分程いましたが、誰も入場されることもなく、「本当に関心のある人いるの?」と感じたしだいです。 

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純喫茶

 「まめ蔵」では、ランチや酒類の提供はしておりません。焙煎、接客、菓子類製造の全ての工程を一人で行うことを前提としているため、事前準備の段階でランチメニューも考えてはいたものの、現実的ではないと判断したわけです。さらに、酒類の提供などにいたっては、夜は苦手だし、酒は飲めない体質ですから考えてもいませんでした。 

 でも、保健所への申請では喫茶店営業許可ではなく、ランチや酒類の提供もできる飲食店営業許可を得ています。将来的に余裕が持てたら提供できるかも知れないという考えもあり、ガス栓の設置もしてあるのですが、先週末のようにコーヒー豆の在庫が減ってしまうと、ランチの提供どころか、早く閉店して焙煎を行って横になりたいと思ってしまいます。 

 そいした飲食店営業許可ではなく、喫茶店営業許可でコーヒーを提供する店を「純喫茶」と呼んだりします。明治の末期頃、社交場として日本でも広まっていったカフェは、本来の喫茶店の業態に加え、夜になると女性がウエイトレスとなり酒類を提供するスタイル(クラブやバーのように)の喫茶店が現れ、昭和初期頃にはそういったカフェが多く点在し「特殊喫茶店」と呼ばれ繁盛していました。 

 その一方で、酒類を扱わないコーヒーを楽しむ喫茶店本来の姿を持つ店も残り、前者と分けて、「純喫茶」と呼ぶようになったそうです。「純喫茶」という、なんとも昭和レトロな響きと雰囲気に、懐かしさや温もりを感じる方もあるのかもしれませんが、東海地方で育った私には、「喫茶店」という言葉で一括りになってしまいます。 

 そんな「純喫茶」を題材にしたドラマが、「孤独のグルメ」のスタッフによって、ドラマ的ガイド番組「純喫茶に恋をして」と題し、2月から放送されるようです。「売れない漫画家・妄想家のアラサー男子、烏山純平(戸塚純貴)が迷い込む、日本各地の純喫茶。そこで起こる様々なドラマとは?」といった展開で、「さぼうる」(神保町)、「トゥジュールデビュテ」(五反田)、「gion(ギオン)」(阿佐ヶ谷)、「丘」(御徒町)、「カド」(向島)、「金魚坂」(本郷)など、全8話制作予定です。 

 「孤独のグルメ」のように、毒にも薬にもならないけれど、無性に「腹が減った!」気分になる番組のファンでしたが、同じスタッフの作る「純喫茶に恋をして」も、毒にも薬にもならないコーヒーを飲む姿を見て、無性に「飲みたい!」との気分にさせる内容になるのだろうか?と思ってみるのでした。 

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なばなの里へ

 昨日は祝日の定休日ということもあって、妻からのリクエストで「なばなの里イルミネーション」へ行ってきました。秋になるとテレビでコマーシャルが流れるため、いつか行ってみようと思っていたのですが、夜の遠出と寒さも気になり足が遠のいていたのでした。しかし、一度は行ってみたい場所であることは実際に見て感じます。 

なばなの里イルミネーションは、毎年変わるメイン会場イルミネーションが見どころになります。今回のテーマは「さくら」、桜が魅せる四季折々の里山の絶景と、絢爛と咲き誇る藤棚を風雅な心でめぐる驚きと感動のイルミネーションです。国内最大級のスケールと、世界最高峰のプログラミング技術により色鮮やかに、表現力豊かに演出され、自然が魅せる豊かな表情に趣を見出し、日々の移ろいの中の一瞬のきらめきや、心に響く繊細で、感動的な情景をモチーフしています。ほぼ、ホームページのPR文のままですが、確かにそうなのです。 

 東海地区では連続観客動員数ナンバーワンで、(一社)夜景観光コンベンション・ビューロー、ぴあ株式会社が行う、「第七回イルミネーションアワード」のプロフェッショナルパフォーマンス部門で連続一位というのも、あながちまちがってはいません。でも、全国の夜景鑑賞士(夜景検定、イルミネーション検定の有資格者)が投票するって、いったい審査基準はどうなの?って思います。 

ちなみに、各部門の上位は 

☆総合エンタテインメント部門☆ 

第1位 ハウステンボス 光の王国 

第2位 東京ドイツ村 ウィンターイルミネーション 

第3位 伊豆ぐらんぱる公園 グランイルミ 

☆イルミネーション部門☆ 

第1位 あしかがフラワーパーク 光の花の庭 Flower Fantasy 

第2位 江の島「湘南の宝石」 

第3位 神戸ルミナリエ 

☆プロフェッショナルパフォーマンス部門☆ 

第1位 なばなの里イルミネーション 

第2位 さがみ湖イルミリオン 

第3位 よみうりランド ジュエルミネーション 

 あしかがフラワーパークは次女夫婦が行ったようで、かなり良かったそうですから、他の場所も行きたくなります。 

なばなの里イルミネーションは10月19日~5月6日と201日間も行われます。冬場の来場者を誘致するするためのイベントとしては、随分と長い期間のようで、2016年にあまりにも人気で期間延長した後、2017年から5月上旬までに延びた経緯があるようです。 

どの業界にもお客様の減少する時期があり、二八(にっぱち)と言われる、2月と8月に売り上げが減るというものです。確かに寒さが厳しい日には、お客様の動きが悪いことは確かですから、何かしてみるかな?などと思いながら、美しいイルミネーションを後にしたのでした。 

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「きょういく」「きょうよう」「ちょきん」

 「きょういく」と「きょうよう」はあるけど、「ちょきん」は無い!こんな事を言うと、「貯金がないことは知ってるけど、教育と教養があるかは疑問だな!」などとツッコまれそうです。ですが、「きょういく」と「きょうよう」、そして「ちょきん」は、「教育」、「教養」、「貯金」のことではなく、「今日行く」=「今日、行くところ」、「今日用」=「今日、する用事」そして、「貯筋」=「筋力を貯める」なのです。 

実は、この話のネタ元はお客様からで、以前から高齢者の講演会なので話される掴みネタなんだとか。私のように会社を退職後にセカンドライフを迎える人たちとって、毎日「忙しい!忙しい!」といっていた会社に行くこともなく、家に居ても居場所が無く、「さて、今日は何しようか?」とスケジュールを何かしらで埋める事ばかり考えるようになります。 

実際、諸先輩方々の退職後の様子を見ても、フィットネスジムへ通うことを日課にしたり、OBを誘ってカラオケに行っている話を聞くと、確かに一理あり、「今日、行くところ」と「今日、する用事」があること、そして「 健康な心身を保つこと、筋力を維持すること」は重要な老後の課題です。 

 幸いにも、私は「まめ蔵」という居場所を作ったおかげで、毎日、目的をもって行動することができます。ただ、運動不足だけは解消されず、体重と腰痛を気にしながら食生活を注意しながらも、筋力の維持だけは難しいといったところです。ですから、「今日行く」と「今日用」はあるけど、「貯筋」は無い!のです。 

 ところが、これからの時代は、「きょういく」と「きょうよう」の心配はなくなりそうです。それは、企業に70歳までの就業機会確保への努力義務を課す「高年齢雇用安定法」の改正案が、20日に召集予定の通常国会に提出される予定だからです。既に、「高年齢雇用安定法」によって60代前半について、企業は「定年廃止」「定年延長」「継続雇用用制度導入」のうちどれかで処遇する義務がありました。今回の改正案では、それに加えて70歳まで、「他企業への再就職実現」「フリーランス選択者への業務委託」「起業した人への業務委託」「社会貢献活動への参加」を義務付けようというものです。 

まだまだ元気な60代が働くことにで、医療、年金、介護など社会保障費の支え手側に回れば、膨らみ続ける社会保障費にとってプラスに働く。年金受給開始時期を75歳まで繰り下げて受給額を増やせる制度改革も実施される予定で、60代後半の就労促進は国全体の課題となっています。そんな理由で、絞った雑巾をさらに絞りだす時代がやってきそうです。最後に、絞りカスのようになった70代に残されたものは、余命の短くなった人生だけかもしれません。かえって、社会保障制度にとっては支出が減って好都合かもしれませんが。 

ということは、私と同じく、「きょういく」と「きょうよう」はあるけど、「ちょきん」は無い!人で溢れるのかな?

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みとりし

 お店のカウンターには様々な方が座られます。時には、自分の知らなかった分野で活躍された方も居て、これまでの狭い視野が少しだけ広がります。そんな人たちの中で、昨年、「みとりし」になろうとしている方に出会いました。「みとりし?」という言葉を聞いて、最初は吉本芸人の「見取り図」の文字が浮かびましたが、直ぐに「看とる」に関連した仕事だと気づきます。けれど、これまでに聞いたことのない「看取り士」です。 

 妻の仕事柄、「緩和ケア」とか「ホスピス」という言葉は知っていました。財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団によれば、「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者と其の家族に対して、痛みや其の他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメント対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。」そうです。 

 そして、「ホスピスは1967年、シシリー・ソンダース博士によって開設されたロンドン郊外の聖クリストファー・ホスピスに始る。主にがんの末期患者の全人的苦痛を、チームを組んでケアしていこうというもので、日本では1981年に浜松の聖隷ホスピス、1984年に淀川キリスト病院ホスピスが開設されました。」とあるように、緩和ケアを実践する施設となります。 

 しかし、「看取り士」とはいかなる仕事なのか?2008年の映画『おくりびと』に登場する「納棺師」を連想しますが、これは人が亡くなった後、火葬するまでの間を担当する仕事です。お会いした方は一般社団法人日本看取り士会の講習を受けておられ、「看取り士は、余命宣告を受けた人とその家族に対して、相談から始まり、息を引き取る瞬間と、その後の時間に寄り添うためのケアを務めとする。」ことだといいます。 

 よく分からないので、同会会長の柴田さん説明を見てみると、「私たち看取り士は余命告知を受けてから長い場合で3カ月、短いと2週間で、ご本人の状態を見ながら定期的に自宅などを訪問します。時給4千円です。ご本人が死を受け入れて幸せに逝くために、ご家族が幸せに看取るために、作法や考え方をお伝えしていきます」とのこと。 

 説明を読んでも増々理解できなのですが、この「看取り士」に興味をもったのは、91歳の母親と暮らしていることと、また、いずれ夫婦二人だけの生活となることから、人生最後となる時間の過ごし方について、他人事ではいられないからでしょうか。 

団塊の世代すべてが70歳代になるこれから、高齢化社会から多死社会へと移行していくのは時間の問題だといわれています。誰にも訪れる死が、これまで以上に身近になる時代になると分かっていながら、自分たちはどこまで死と向き合っているだろうか。そんなことを「看取り士」という言葉から、改めて考えさせてくれました。 

あるデータによれば、75歳以上の高齢者が今のペースで増え続けると、10年後の2030年の年間死亡者数は161万人になり、病院でも老人施設でも死ねない「看取り難民」は47万人に達するという推計があります。約3.43人に1人が自宅以外の死に場所を失う社会になります。以前なら、「そんなことは、長男の嫁がやっていた。」で済まされましたが、核家族があたりまえで、独居老人世帯増えている現実を見ると、不安を感じずにはいられません。 

これまで、「限りのある人生だからこそ、今を生きている自分は、この瞬間を悔いのないように生きなければ。」などと言ってきました。けれど、単に死を受け入れることに対して目を向けず、避けて通ろうとしていたのではないかとも思えてきます。80代後半のお客様が、「この年になっても死にたくないし、まだ生きたい。」と話されたことを思い出しながら、人の死について考えてみるのでした。 

答えの出せない日々を繰り返しながら、年を重ねていくのかな? 

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よく分からない勝者

 先日、ペルーで生産されるコーヒーのCOE(Cup of Excellence)をカッピングしてきましたが、1999年にブラジルのコーヒーから始まったこのCOEは、ACE(Alliance for Coffee Excellence Inc.)というNPO団体がオークションを主催しています。

 オークションは生産国ごとに年1回行われ、生産者たちは一生懸命に育てたコーヒー豆のサンプルを主催者側に送ります。集められたサンプルは、まずは国内でカッピングされ、ACEによって定められた基準を満たしていると認められたロットのみが、国際審査へと進むことが出来ます。 

国際審査では世界中から優秀なカッパー(カッピングする審査員)が集まり、最終選考を行います。審査は全てACEのカッピングフォームが使用され、評価点が87点以上という厳しい基準を超えたロットのみ”Cup of Excellence”の称号を得て、オークションに出品されます。オークションはインターネット上で行われ、世界中のコーヒーバイヤーによって落札されるのです。 

 ちなみに、COE(Cup of Excellence)のオークションは、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、ニカラグア、メキシコ、ブルンジ、ルワンダ、コロンビア、ボリビア、ペルーの12の生産国で行われており、2020年からはエチオピアとインドネシアでも開催されるとの話です。(2019年にインドネシアが中止されたので、あくまでも話です) 

オークションで落札された価格は、諸経費を引いて、そのまま生産農家が手にすることができます。1999年の1位落札価格の2.6ドル/ポンドから、2018年には300ドル/ポンド(丸山さんやり過ぎだわ)まで跳ね上がりました。COEで入賞した生産者は、自身と農園の名前を世界に轟かせ、大金を得ることができるのです。 

それと同時に、国内審査を経て国際審査に出品されても、87点に届かなかった多くのコーヒー豆が存在します。中には87点以上に評価されているコーヒー豆よりも価値のあるものもあり、オークション価格よりも格安で仕入れることができることから、直接取引が行われていました。 

 そんなコーヒー豆をACEは、2016年にNational Winnerプログラムとして、85点から87点未満を「National Winner」の称号を与えて入札を行っています。ACEのホームページから2019年のコスタリカを見てみると、85.97点のコーヒー豆が8.60ドル/ポンドで、COE21位で87.75点のコーヒー豆が8.30ドル/ポンドと逆転していることが分ります。 

国内勝者(Winnerが国際勝者を破ってしまう?そもそも何をもって勝者となるのか?結局のところ、ほんの一握りの農園主と資金力のある珈琲屋が勝者ではないかと思えてしまうのです。それとも、そうした勝者がいるおかげで、「COEはコーヒー業界のアカデミー賞」、「COEは特別なコーヒー」、「生産国で品質上位のナショナルウイナー・コーヒー」などと、訳も分からず金も使わないで、便乗販売する珈琲屋が一番の勝者でしょうか?よく分からない勝者(Winnerです。 

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ペルーCOE2019のカッピング

 昨日は、急遽3時半にお店を閉め、慌てて電車に飛び乗り一路神戸へ向かいました。2年前の1月下旬に参加したペルーCOEのカッピングセミナーが、1月7日の夜に行われることに気付いて前日に申し込み、会場となるUCC神戸本社のUCCコーヒーアカデミー神戸校へ行ったのです。 

 カッピングセミナーのタイトルは『ペルーCOE2019のコーヒーを楽しもう!』、講師はいつものUCCコーヒーアカデミー非常勤講師の中平尚己氏です。昨年から夜の開催となっ理由は、中平氏が東京から神戸本社へ異動となったためで、月曜日以外でこうしたイベントに参加できる条件ができたのには好都合でした。 

 ペルーのコーヒーの生産量は約34万トン(2017FOA調査)で世界第7位です。最新の数字がわからないので何とも言えませんが、前回2016FOA調査では、約27万トンで世界第8位でしたから、確実にコーヒーの生産量は増えているようです。 

 今回、久しぶりにペルーCOEのカッピングを行いますが、COEの対象となったものは92.28点~87.33点までの21です。(昨年からCOEの入賞基準が87点以上に引き上げられた)これまで数カ国のCOEカッピングで経験し、ナチュラルやハニーの精製方法が多くを占めた印象でしたが、ハニーが1つで残り全てウオッシュドとなり、品種も必ず上位に入っていたゲイシャに代わって、Costa Rica95SL-09、カトゥーラが並び新鮮味を感じます。ゲイシャは影を潜めたように、カトゥーラやブルボンといった馴染みの品種が多いのも印象的でした。 

 Costa Rica95は、カトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配種であるカティモールの一種で、コスタリカ国立コーヒー協会研究所 (CICAFE) により選別を繰り返して開発されました。ティモール・ハイブリッドを親として持つことで、本来さび病に強いという特性が最大のメリットであったはずですが、実はカティモールの一種でありながらCosta Rica95はさび病への耐性が低いことが報告されています。コーヒー生産者にとってあまり人気のある品種とは言えないようですが、コーヒーの味は個性派なのは確かなようです。 

 SL-09SL」という記号は、かつてケニアのナイロビにあった「スコット農業研究所 (Scott Agricultural Laboratories)」によって選別された品種に付けられたもので、SLの後に数字がつきます。最近ではSL-〇〇といった品種が中南米で栽培されるようになってきましたが、このSL-09は今回が初めてカッピングしました。講師の話ではブルボン系の交配種のようです。 

 ペルーでCOEが導入されたのが3年前です。現在では比較的規模の大きくて資金力のある農園が目立ち始め、小さな農園が残りづらくなったと聞きます。様々な条件下で仕上げたコーヒー豆で、一発当てれば大儲けできるチャンスさえも、規模が小さな農園には与えられなくなるのではないかと思えてなりません。何でもありの様相になってきたCOEは、10年(1999年からなので20年が正当)を経て岐路にあるのでしょうか? 

 ちなみに、1aの落札者には、しっかり丸山珈琲が名を連ねておりました。 

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新春放談?

 今日までの焙煎で、大半の販売用コーヒー豆が1月焙煎のものに入れ替わりました。今朝はガトーショコラとブラウニーを焼き、残るは数種類のクッキーとケーキを作るのみとなり、これでやっと通常の形になります。たった4日間の年末年始の休業にも関わらず、お店を普段道理に戻すのは結構大変なのです。 

 そんな新年最初の営業日となる昨日、珈琲狂が現代陶芸美術館へ観に行かれた帰りに立ち寄ってくれました。焙煎も一区切りついた頃だったので、ゆっくりおしゃべりタイムです。 

いつものように珈琲談義から始まり、だんだん珈琲屋談義に話題が移り、気付けば裏話というか暴露話に近い話題まで、何だか言いたい放題の新春放談?っぽい雰囲気となります。 

 自称「珈琲狂」(でもプロじゃない)の人と、田舎の町のちっぽけな珈琲屋が、自分より規模の大きい商いをされている方々に好き勝手に話すことには少々憚れますが、意外と的を得た内容だったりするから面白いものです。そのためか、人に話せない内容だったりするのですが。 

 そうした珈琲屋の話題は参考になるものの、比べてみて一喜一憂することもなく、自分の進むべき道の軌道修正をする材料にしています。比べるべきものは、「昨日の自分と今日の自分と明日の自分」であり、目指すものはそれぞれ異なるのですから。そして、常に自分へ問いかけることを繰り替えさなければ答えは見つからないのです。一番やっていけないことは、他の人を使って言い訳をしないことです。 

 そんなことを改めて気付かせてくれる、いわゆるひとつの新春放談?になった一時でした。 

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コーヒーカップ片手に

 箱根駅伝がスタートしました。我が家も例年のように新年がスタートし、元旦には毎年参加している下石公民館主催の「新春歩け歩け大会」へ、次女夫婦とともに四人で参加です。 

 その途中、若宮神社への向かう田んぼの脇で、前を歩く子供たちが騒いでいます。よく見ると体調40cm程のヌートリアが草を食べていました。さすが、ネズミ年ということもあってか、新年早々からネズミの仲間である巨大なヌートリアに出会うとは驚きです。夜行性の動物なので近所の河原に生息していることは知ってはいたものの、実際に見たのは初めてでした。 

 そして、新春歩け歩け大会の参加者に配られるクジで、四人中私一人が地元スーパーの500円商品券が当たりました。ネートリアとの遭遇に続いてのプチ当選に、何だか今年は良いことが起こりそうで、少しばかり上機嫌になりました。 

 今朝は、この地方では恒例となっている「とろろいも」です。とろろを食べると、長生きするとか、一年風邪をひかないとか、一年を無病息災で過ごせるとか、謂われはいろいろ有りますが、山芋には整腸作用や滋養強壮作用があるとされることから、おせち料理のごちそうに疲れた胃をいたわり、仕事始めに備えた体力作りに功を奏してくれそうな風習のようです。

  そんな例年と変わらぬお正月を迎えつつ、お昼に次女夫婦が帰った後には、今年最初の焙煎を行う予定です。4日からの営業開始に備えて3日に行えば良いのですが、明日の3日は妻の実家へ出かけることもあり、一日前倒しとなります。 

 とりあえず、コーヒーカップ片手に、「今年も よろチュー お願いします」 

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