■ 2019年6月 ブログ

6月最後の日

 6月も今日で最後となり、なんと早くも1年の半分が過ぎようとしています。今年前半は「平成最後」のキャッチフレーズで各分野が盛り上がり、5月には新しい元号「令和」が始まったことにより、「令和初の○○」という言葉が連呼されてきました。最近は、こんな元号フィーバー(古いか?)も少し落ち着きを取り戻してきたようです。今後は、国政選挙を控えて、政治の世界を中心にマスコミが騒ぎ立てるのでしょうね。それとも、不倫、覚醒剤、闇営業などの芸能人ネタで盛り上がるのでしょうか?

 そんな訳で、コーヒー豆の販売推移について、今年前半を振り返ってみるとします。ほぼ、毎年前年を上回る状態が続く傾向には、ただただ、お客様に感謝するしかありません。一時的に大きく増えることもなく、微増ながらも増加傾向になっていることに正直安堵しています。人生を楽しむために始めた珈琲屋ですから、この店を気に入っていただいている方と、コーヒーを通じての会話が増えることは、楽しみが増えることになる訳であり、何事にも替え難い喜びです。

 4月は大型連休の影響もあってか、買い控えによる多少の減少もあったものの、5月・6月には影響は見られず、微増となっていることから、こんな状態が続けば良いと思っています。店舗を増やすとか、全国的に有名になるとか、そんな野望なんて元々存在せず、自分の生まれた町で、「生まめを まめに焙煎し 楽しく まめに暮らす」を目標にしているため、一過性の販売増は望んではいないのですから。

 気になるのは7月です。これはコーヒー豆の売り上げを気にしているのではなく、自分自身の気持ちの問題です。明日から5日間臨時休業しますが、開業以来3連休はあるものの、5連休というケースは初めてのため、これまでどおりの精神状態で続けられるか少々気になっています。サラリーマン時代なら「やった!リフレッシュだ!」などと喜んだであろう連休も、今では毎日お店に出かけることが楽しみとなっていることから、逆の心理状態になるのです。まったく不思議な感覚です。

 そんな気分のまま、2019年後半となる7月を迎えます。

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公民館講座の準備

 71日(月)の午前中に行う、泉西公民館のコーヒー講座の資料作りとコーヒー豆が、今日になってやっと準備ができました。毎回のことながら、早めに取り組み始めても、お尻に火が付かないと準備が出来ないところは進歩がありません。

 今回は、昨年行った手網焙煎体験を取りやめ、代わりにコーヒー農園での収穫風景の動画を見てもらう計画です。主に中米の産地で、急勾配の中を手摘される様子を見てもらいながら、どのようにして目の前のコーヒー豆となって届いていくのか、少しでも理解してもらえれば良いと思っています。 

 コーヒー豆の説明の後に抽出を体験してもらうため、6種類のコーヒー豆を用意しました。過去には10種類以上も用意したことがありますが、短い講座の時間内では消化できないため、4つの産地に絞ってみました。 

 毎回のことですが、こうした講座を行う機会をいただいているので、準備をする時間を通して自分の知識や経験を整理し、言葉や文字にしながら理解を深めるようにしたいものです。 

 来週は、公民館講座、入院治療、さらに金曜日の夜には、肥田町の青少年育成会での手話通訳と、けっこう盛りだくさんの予定になっています。どうなることでしょう? 

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携帯式コーヒーメーカー

 お客様からデンマークのメーカーが作った、携帯式コーヒーメーカー「The Coffeebrewer」のGrower's Cupをいただきました。東京都に住む親戚の方がホームセンターで購入されたようですが、私は初めて見る商品です。

 学校や会社など外出先で「おいしい入れたてコーヒーを飲みたい」と思っても、ドリッパーなどがないため望みがかなわず、インスタントコーヒーで我慢することがあります。そこで、外出先やアウトドアなどでも淹れたてのコーヒーを簡単に飲めるようにしたのが「The Coffeebrewer」のようです。ペッタンコなので持ち運び可能、道具いらずでコーヒーが作れ、しかも何度も繰り返し使える便利アイテムになっているというので、早速使ってみることにします。 

バッグの裏面に淹れ方の説明が書かれており、先ずはキャップをひねって取り外します。これは、ひっくりかえしてフタとしても使用できます。そして、上部のチャックを開けてお湯を300mlゆっくりと注ぎます。裏面が半透明になっており、300mlの目印があって、少なめに入れると「strong」、大目に入れると「mild」の表示がされています。注湯後、26分待って抽出するとあり、短い時間だと軽め、長い時間だと重めのコーヒーになると説明がありました。

 今回、グアテマラのフェアトレード・コーヒーをいただいたのですが、アイデアは面白く、300mlのコーヒーを淹れる商品としても手頃な価格ではあるものの、やはり私は屋外でもハンドドリップで飲みたいと思ったのでした。

 お店に居ながら、色々なコーヒーの情報が入ってきます。新しいお店の話題や新商品の感想など、そうした会話の生まれる雰囲気であり続けたいものです。お客様に感謝!感謝!

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幸せなひとりぼっち

 『幸せなひとりぼっち』という、2015年のスウェーデンのコメディー映画を観ました。妻を亡くし、職も失って生きる希望をなくした59歳の偏屈で孤独な男が、近所に越してきたイラン人とその家族との交流を通じ、徐々に再生していく姿をユーモア交えて描いている映画です。

 妻の元へ行こうと自殺を試みますが、ささいな出来事に阻まれ実行することが出来ない哀れな主人公ですが、それ以上に、正直、不器用、理不尽な境遇というオーヴェという人間に興味がそそられます。

 墓前に供える花束のセット割引に対して、余分に買わせるとして怒鳴り声を上げて不満を訴える。自動車の通行禁止のルールには、どんな例外も認めない。その他、ゴミの分別、自転車の駐車、犬のおしっことどんな細かいことにも厳格で、違反している人には容赦無く怒鳴り声をあげる。いわゆる、おせっかいの偏屈親父です。

  正直、呆れてしまうようなクレイマー的な態度で、出来れば余り関わりたくない人物像になっていますが、どことなく、お店に来店される人の中にも居そうな人物です。そんな主人公に惹かれてしまうのは、自分自身が還暦を迎える年齢となったことと、最近なぜか、人の死に触れることが多くなったこともあってか、お客様と死に至るまでの介護や葬儀にまつわる会話が続いたせいでしょうか。

 それに、自分でも薄々気づいているのですが、結構な偏屈親父の素養があり、妻に先立たれてしまえば、情けないほどの人生を送るだろう事など、どことなく主人公のオーヴェに親近感が湧く存在だったのかもしれません。

 死を意識し始めると分かり始める今の生き方、周りの人によって気づかされる場合もあれば、ふとした出来事で気づくこともあり、限りがある人生だからこそ、日々の生活の大切さや有難さを感じます。今は、幸せなひとりぼっちではなく、多くの仲間や、お客様との触れ合いの中で過ごしており、この生活が長く続くことを願っています。

 「車は思ったより単純には動いていない」というセリフが劇中で何度か出てきますが、自分の生き方は出来るだけ単純でいたいものです。

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遅ればせながらSDGs

 名古屋市のJICA中部において、「コーヒー危機とSDGs」というテーマでコーヒーサロンが開催されます。当初は欠席するつもりでしたが、背中を押されて参加することにしました。その参加を躊躇していた理由は、2017年の世界経済フォーラム(ダボス会議)以降、大手企業が「我が社はSDGsに取り組んでいます。」という文章やロゴマークが急激に増えてきたからです。

 これは、ダボス会議の場で、「SDGsの推進により12兆ドルの価値、38千万人の雇用が創出される」との推計が出たことが一つの契機となり、経済界がSDGsにコミットするようになったのです。同時に、多岐にわたるアクターに対し、SDGsに積極的に取り組むメリット、取り組まないリスクを計算高く判断したからにほかなりません。

 外務省が作成したSDGsの資料には、20165月に内閣府に持続可能な開発目標(SDGs)の推進本部を立ち上げ、201612月にSDGs実施指針が決定されたばかりです。SDGsの趣旨や理念を学習する段階、社会への普及に一段と注力する段階あたりであるはずが、今年の1月からは「我が社のSDGsの取り組みは!」といったPRが目立ち、既にSDGsの実質的活動が行われているかのような錯覚を覚えます。 

ところが、経済産業省が201812月に行った中小企業のSDGs認知度調査によれば、84.2%が「全く知らない」と答えており、日本の90%を占める中小企業の実態をみると、表面上のSDGs活動と現実がとてもかけ離れているのです。また、朝日新聞の今年3月の調査においても、「SDGsという言葉を聞いたことがあるかという質問に『ある』と答えた人は19%」しかありません。8割以上の人が知らない中で、一部の企業側の論理でSDGsの理念とは異なるイメージ戦略に利用されてしまう危惧を持ちます。今の流れで行けば、従来の社会貢献活動や企業の社会的責任(CSR)の一環だと誤解されたままになりそうです。

 そもそも、SDGsは、2015年に期限を迎えた国連の「ミレニアム開発目標(MDGs)」を前身としており、開発途上国向けに設定された貧困、飢餓といった課題に寄り添った上に、さらに、気候変動、技術革新(イノベーション)、働きがい(成長・雇用)という先進国の課題も内含する広範囲な目標にして、経済界に開発途上国への投資を促す目的があったはずです。

 しかし、現実は「SDGsは知らないところで行われている事」になっているし、知らない場所では、従前の施策にSDGs17の目標をパズルのように組み合わせているだけで、何にも変わっていないのです。17の目標をイメージしたSDGsのカラーホイールバッジを付けている人を見かけたら、ぜひ聞いてみたいものです。「17のゴール・169のターゲットはなんですか?」って。まあ、こんな田舎にはバッジを付けている人はいないか?それに、コーヒーサロンが開催されるJICA中部のスタッフには声をかけられないか?ヤブヘビだもの。

 今は、「遅ればせながらSDGs」ってとこじゃないかな?

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SDGs(エス・ディー・ジーズ)

 最近、「SDGs」という言葉が少しずつ広まってきました。SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称です。どう発音するかというと、SDGs(エス・ディー・ジーズ)です。中にはエス・ディー・ジー・エスと読まれる方がいるようですが、最後はGoals(ゴールズ)の略なので、ジーズになります。

 少し前までは、SDGsの先頭にあるSustainable(サステナブル)という「持続可能な」意味の言葉が頻繁に使われてきました。石油資源に頼る社会は、石油が枯渇すると持続できないとか、海をどんどん汚染させる社会は、水産物資源(漁業など)が持続できません。地球環境を汚染・略奪することなく、永続的に繁栄できることを「持続可能」と言います。そのため、SDGsSustainable Development Goals)を直訳すると「持続可能な開発目標」を意味します。

 もう少し柔らかく言えば、全世界全ての人たち”が”持続的”に”人らしく生きる"ための開発目標となるようです。このSDGs20159月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。そして、SDGsを目指す対象として中心になっているのは5つのPで表されています。

Planet

・責任あるモノの消費と生産をすること。

・天然の資源の持続可能にしていくこと

・気候変動への緊急な対応から地球を守ること。

People

・すべての人の人権が大事にされること

・すべての人の人権が気高くあること

・すべての人の人権が平等で潜在能力を発揮できるようにすること

・貧困と飢餓を終わらせること

・ジェンダー(性の)平等を達成すること

・すべての人に教育、水と衛生、健康的な生活を保障すること 

Prosperity

・すべての人が豊かで充実した生活を送れるようすること

・自然と調和する経済、社会、技術の進展を確保すること 

Peace

・平和で、

・かたよりがなく正しく、

・恐怖と暴力のない、

・全ての人が受け入れられて参加できる世界をめざすこと 

Partnership

・政府や民間セクター、市民や社会、国連機関を含むさまざまな関係者が参加する、グローバルなパートナーシップにより実現をめざす

 要は、持続可能な社会をつくるためには人の権利だけではなく、環境や経済も大事にすることを目標にしていこうということです。

 さらに、これを達成するために17個の開発目標と169個の具体的なターゲットが決められています。詳しくは「外務省」のホームページをみていただくと、関連動画で理解しやすくなっています。

 そんなSDGs」に関連し、東京大学東洋文化研究所・池本研究室のコーヒーサロンが7月15日(祝)に名古屋で開催されます。テーマは「コーヒー危機とSDGs」です。定休日の月曜日なので行けるのですが、7月上旬に長く休みを取ることから今回はオトナシクしていようと思っていました。

 ところが、昨日ある方が来店され、「行かないの?」と背中をおされてしまったこともあり、ポチッと申込みをしたのでした。興味のある方はこちらでポチッとしてください。 

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紫陽花の見頃

 先日、娘から紫陽花の綺麗な公園の画像が送られてきました。少し前には桜並木の公園の景色が送られていたりと、新しい生活の場所を楽しんでいるようです。そんな影響もあって、昨日は美濃加茂市山之上町にある「みのかも健康の森」へ出かけ、紫陽花の見頃はどんなものかと覗いてきました。

 「みのかも健康の森」は、美濃加茂ICから山沿いへいった場所にあり、岐阜県と美濃加茂市が治山事業の一環として共同で整備した、生活環境保全称といわれる森林レクリエーションエリアとして平成7年に開園しました。128ヘクタールもの広大な広さを誇る健康の森には、ヤマザクラやヤマツツジ、カエデなど5047千本もの木々が、延長5,600メートルにも及ぶ園内に巡らされた歩道沿いに植栽され、四季を通じて開花や紅葉、森林浴が楽しめます。

 その中にあるのが「あじさいの池」で、6月23日に「第20回あじさいまつり」が行われることになっており、蓮の花が咲く池の周りに8種類6,000株の紫陽花が美しく彩ります。しかし、今回は一足早く訪れたこともあって、まだ六分咲きといったところでしょうか。

 でも、「六分咲き」ってのはおかしな表現でして、花びらのように見えるものは実は「ガク」で、花だと思われている部分は装飾花(そうしょくか)ですから、はたして咲いたといえるのでしょうか。ちなみに、実際の花「真花」の部分は中央にあるごく小さなところになります。

 岐阜県内には紫陽花の名所は何箇所もあるものの、この季節になると山沿いの道を車で走っていると、所々で紫陽花の花を見かけることができます。ジメジメした梅雨の時期ですが、一休みして雨に濡れた花を見る時間も作りたいものです。コーヒーを飲みながら。 

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今年も日々草

 62日から三日間臨時休業した影響を心配していましたが、週末の土日にまとまってコーヒー豆を購入する方が来店されたこともあって、一週間の帳尻合わせのようになりました。やはり、事前にリピーターへ臨時休業のお知らせ葉書を出したにもかかわらず、「休みだった!」という方もあって、定休日以外に休むことへの抵抗を感じてしまいます。

 そんな週末の午後、雨の止んだ短い時間を利用し、妻がお店の花壇の植え替えをしてくれました。植えた花は昨年同様に「日々草」です。名前のごとく、毎日のように花が咲くことから、和名ではニチニチソウと呼ばれている花なのです。

 意外にも、原産地がマダガスカルなどの熱帯で、「キョウチクトウ科ニチニチソウ属(カサランツス属)」に属し、そのため、熱帯ではない日本では冬越しをしない一年草とされています。生育温度が約1530度ということなので、温室などの条件が整えば冬越しをするのかもしれません。

 白やピンク、赤、青紫系と数種類を植えましたが(妻が)、日々草の全体の花言葉は「楽しい思い出」「友情」です。その他には「若い友情」、「生涯の友情」、「楽しい追憶」、「優しさ」、「揺るぎない献身」「美徳」といったものもあるそうです。どれも嬉しい言葉で、毎日のように新しい花を咲かせ、「次から次へと楽しい出来事があった頃の思い出」が作れるお店になりたいものです。

 先ずは妻へ感謝!感謝!(苗は一緒に買いに行きました。)

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ブラジルのウオッシュド

 ブラジルのコーヒーといえば、生産量が世界一位。そして、コーヒー豆の精製方法のほとんどがナチュラル(非水洗式)であり、中には、パルプドナチュラルのコーヒーもあるといったイメージを持っていました。実際、業界の人のコメントを読んでも、ブラジルコーヒーの80パーセントがナチュラルコーヒーと言われ、残り20パーセントがパルプドナチュラルや水洗式になるそうです。 収穫したコーヒーチェリーを粗選別後にそのまま乾燥工程に入り、脱殻して生豆を取り出す方法がナチュラル(非水洗式)であり、ブラジルの伝統的な製法で日本人にもなじみが深く、ブラジルコーヒーの原点ともいえます。これは、地形的な条件や気温や雨量といった気候風土にあったのもかもしれません。

 そんなブラジルのコーヒーも、高品質コーヒー作りをするためにパルプドナチュラルも増えてきました。収穫したコーヒーチェリーを粗選別後にパルパー(果肉除去機)にかけ、果肉を取り除き、乾燥工程に入り脱殻して生豆を取り出す方法が。パルプドナチュラルといわれる方法です。パルパーにかけることにより、未成熟なコーヒーを取り除くことが出来、ナチュラルコーヒーよりも精度が上がって、コーヒーのカップによるバラツキが少なくなります。

 そして今回、ブラジルコーヒーの中にあって、ウオッシュド(水洗式)で精製されたコーヒー豆を見つけ、ニュークロップから試験的に仕入れたのが、「ブラジル カルモデオーロ ウォッシュド イルマスペレイラ農園」です。長い名称なので店では「イルマスペレイラ農園ウオッシュド」としています。

  品種はブルボンアマレロ(黄色い実のブルボン)で、「カルモ」とはカルモデミナスという地域名、「オーロ」は金という意味で、「この地区の最高」ってことのようです。味覚については、商社のコメントの「柑橘やベリー感がある。ジューシーで甘い。ボディーもしっかりしていて、バランスが良く、何杯も飲める。」という感じですが、さて、お客様の反応はどうなんでしょうか?楽しみです。

 ブラジルのウオッシュドってだけで選んだこのコーヒー豆、個人的には好きなんですがね。 

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梅雨入り前にして

 今日は午前中から雨模様で、東海地方も梅雨入り宣言するのではないかと、天気予報で気象予報士が解説していました。それならば、雨の降らない間に店の庭の草取りをしておこうと、電動バリカンで芝からはみ出した草を取り除きます。先日、妻が昨年秋に植えた花を抜いてくれたので、週末にも夏の花に植え替えることが出来そうです。

 草刈りが終わるころには雨が降り出します。前線や湿った空気の影響で、一日中雨となり、夜遅くまで雷を伴った激しく降る所があるようです。こんな時には、今やらねばならない事柄に集中し、一つ一つ片付けておこうと、コーヒー生豆の注文から始めました。 

定番商品で在庫の少なくなった豆、昨年の暮れで商社の在庫がなくなり、最近ニュークロックが入荷した豆、以前から気になっていたブラジルの水洗式の豆など、自分が興味を持つような豆はないかと、一通り目を通します。 

焙煎と同時にブラウニーを焼きながら、7月に行う予定の公民館講座を思い出し、毎回試飲してもらっているロブスタの在庫が無いことに気づき、これも慌てて注文しておきます。今回は前回までよりもスムーズに説明ができるよう、あれこれ思いを巡らしていた内容を整理し、具体的な資料にすべく頭を悩ませます。 

梅雨入り前にして、色々とやるべきことが多い一日となりそうです。 

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高千穂あまてらす鉄道

 高千穂には海外からの観光客も多く訪れ、真名井の滝のある高千穂峡には、貸しボート屋のある駐車場が直ぐに満車になったり、長い待ち時間を我慢しなければなりません。ところが、私たちは幸いにも雨の後の僅かな晴れ間で、終了時間近くということもあってか、スムーズに貸しボートにも乗ることが出来ました。

 もう一つの人気スポットである「高千穂あまてらす鉄道」も、本来なら事前予約が取れないこともあって待ち時間があるのですが、こちらも待ち時間なく乗ることが出来、記憶に残る観光スポットの一つになっています。 

 その「高千穂あまてらす鉄道」は、国鉄時代の高千穂線が廃止対象路線となり、1989年に第三セクターとして運行を引き継ぎ、住民の足として活躍するも赤字続きで存続の危機を迎えます。そこへ、2005年の台風14号によって五ヶ瀬川氾濫し、高千穂鉄道は被害総額26億円という現実の前に廃線を余儀なくされました。旧国鉄時代から70年間続いた鉄道の幕が下りたのです。ところが、廃線後の2008年にある会社が借り受け立ち上がります。それが、「高千穂あまてらす鉄道」です。

 社長の高山文彦氏(本名:工藤雅康)は、高千穂町出身の作家でもあります。生い茂った草刈りからスタートし、手押しの木製トロッコを押す形で営業を開始。その後、エンジン付きで座席数を増やしたりし、現在では30人乗りのグランド・スーパーカートを導入しています。閑散としたホームは人で溢れ、平成27年度には黒字に転換し、平成29年度には来場者は4万人を超える人気鉄道になりました。

 なぜ、こんなにも人々を魅了する鉄道になったのかは、実際に乗車体験すれば分かります。旧高千穂鉄道の車両や、営業開始時の古いトロッコの見学ができたり、鉄道職員のユニホームを着ての記念撮影、乗務員の流暢なアナウンスガイド、トンネル内の暗がりを利用したイルミネーションの投影、鉄橋の上でのシャボン玉演出など、乗車時間30分を飽きさせることなく楽しませてくれます。

 なによりも、乗務員やスタッフが「高千穂あまてらす鉄道」を愛し、楽しみながら工夫している様子が垣間見えることです。「線路の上を歩いて見学してください!」、普通ならありえない言葉に、フレンドリーという表現では伝えきれない親近感を持ちました。笑顔がいっぱいの「高千穂あまてらす鉄道」には、枕木交換や鉄橋の塗装塗り替え費用など課題もありますが、機会があれば又訪れてみたい場所です。少しでも見習いたいと思ったしだいです。

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高千穂の夜神楽

 九州旅行での宿泊地は高千穂でした。高千穂峡、天岩戸神社、高千穂神社と多くの名所がある中、夕食後には宿泊先から歩いて数分の場所にある、高千穂神社へ夜神楽を見に行きます。

 高千穂に伝承される夜神楽は、「高千穂の夜神楽」として国の重要無形民俗文化財に指定されており、天照大神が天岩戸にお隠れになった際に、岩戸の前で、天鈿女命(あめのうずめのみこと)が舞ったのが始まりと伝えられるものです。

 古くからこの地方に伝承され、秋の実りへの感謝と翌年の豊穣を祈願し、11月中旬から2月上旬にかけて三十三番の神楽があちこちの神楽宿で奉納されていましたが、今では高千穂神社境内の神楽殿で、毎晩20時より1時間、三十三番の神楽の中から代表的な4「手力雄の舞」「鈿女の舞」「戸取の舞」「御神体の舞」を公開されているのです。

 受付開始の午後7時半ごろ出かけたので、会場にはまだ数組しか訪れる人の姿はなく、「こんなものか?」と思っていたら、開演前には会場に入りきれないほどの人が集まります。すると、斜め前に座る高級カメラを握る老人が、「神楽には、島根県西部の石見地方や広島県北西部の安芸地方で行われている石見神楽。岡山県の備中地方を中心で行われている備中神楽が有名だけど、ここの神楽もいいよ!」と隣の男性に話しかけいます。「へー。確かにテレビで石見神楽の映像を見たことあるな。」などと思い出しながら、安くて画像の粗いデジカメを準備します。

 神楽(かぐら)という名前の由来については諸説ありますが、古代においては「神座(かむくら)」、つまり神様が宿る場所という意味で使われていた言葉が、徐々に変化したものではないかという説が有力のようです。

 この神がいる場所というのは、踊り手の前にある神壇のことを指したり、踊り手そのものに乗り移って人々と交流するなど、神人一体の宴の場であり、そこでの歌舞が神楽と呼ばれるようになったようです。古事記・日本書紀の岩戸隠れの段で天鈿女命が舞った舞が神楽の起源とされるようなので、この高千穂の地で神楽を見るわけですから、その時代にタイムスリップしたようなものです。

 そんな神秘な世界観を楽しんでいたものの、「天岩戸神社」ってのは、西日本の多くに存在するではないですか。いったいどうなってるんだろうと戸惑いながら、「御神体の舞」で、女神に抱きつかれた時のことを思い出しながら、神秘な日本の歴史を垣間見たのでした。

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