■ 2019年2月 ブログ

コーヒー生豆商社のセミナーへ

 今日はお店を臨時休業にし、朝六時半に自宅を出て東京へ向かいました。コーヒー生豆の仕入れ先である商社主催のコーヒーセミナーがあるためで、品川区の大森駅近くに有あるプレゼンテーションルームに、慣れない都会を迷いながら会場へ到着です。
 セミナーの概要は
・インドネシア産地報告
・ブラジル産地情報
・CQI公認「Qプロセシングコース(レベル1:ジェネラリスト)」受講報告
・カッピング (プレミアム品20種類)
こんな内容です。
 この商社主催のコーヒーセミナーは数年ぶりの開催らしく、私が開業してからは初めてのことです。社長交代もあって、新しいことへ取り組んでいることが以前から伺い知れていたので、こうした企画もどんどんやってもらいたいものです。
 産地情報やコーヒー生豆の紹介はネットでも知ることができますが、直接現地で見たり体験した担当者の話は活字だけでは得られないリアリティーがあり、説得力が増すからです。
 今回も、インドネシアでの指定されたエリアの中で、コーヒー豆の品質を担保できる小農家、それを見極め集める仲買人、さらには精製を行う指定業者との一連の工程を持続できる体制について説明を受け、手元に届いた生豆の品質に納得したものです。
 このセミナーに参加した人数は20名程で、年齢や店舗の規模も様々であり、それぞれの目的を持って参加されています。ただ、コーヒー豆や産地、焙煎の知識には多少の開きがあり、色々な人がいるもんだと改めて思いました。
 カッピングは当然ながら商社が販売するものに限定されるため、精製方法の違いによる対比や産地による違いを確かめることはできるものの、やはり売りたいコーヒー豆を紹介する魂胆が見え隠れしてしまいます。いっそ、複数の商社が共同で行えば面白いと思うのですが、現実的には無理なんでしょうね。
 セミナー終了後に懇親会がありましたが、翌日の準備もあって早々に引き上げてきました。普段店舗内にいるので花粉症の症状が軽かったのですが、今日ばかりは帰りの電車の中でクシャミと鼻水が止まらず、苦しい思いをしながら帰ってきたのでした。

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アリータのまえにアニタ

 木城ゆきとによる日本のSF漫画「銃夢(ガンム)」を、同作の映画化を長年にわたり熱望していたジェームズ・キャメロンの脚本・製作で実写映画化した、アクション大作の「アリータ バトルエンジェル」が先週から上映されています。
 ジェームズ・キャメロンの脚本・製作ってのは関心が薄く、漫画「銃夢(ガンム)」がどのように映像化されているのか楽しみだったものの、定休日の月曜日は病院へ母親を送っていったり、車の定期点検などで上映時間と噛み合わず見ることできず、早く土岐市にイオンが来て欲しいと思っています。
 それならばと、「アニータ」は先送りして、先ずは「アニタ」を飲もうというわけで、所要で出かけた各務原で、珈琲工房ひぐち桜町本店のコスタリカのサンタアニタ農園ホワイハニーを飲んできました。Costa Rica(コスタリカ共和国)のAlajuela(アラフエラ州)Naranjo(ナランホ地区)のサンタアニタ農園のコーヒーを美味しく飲みながら、一息入れて和んだものの、「アニータ」の内容が気になります。
 予告映像やメイキング映像を何度も見ていることもあり、アニメのようなでっかい目が印象的で、早く見たいと思いながらも、「アバター」みたいに数年後にはパート2が作られるだろうから、いっそのことアリータもパート1とパート2を同時に見ることになるのかも。みんなが盛り上がっている時には、少し距離を置いてみたくなるのでした。

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聴覚障害について

 昨晩は手話サークルの例会がありました。サークルの例会では手話通訳の練習の他、聴覚障害について理解するような学習も行っています。それは、聴覚障害になった時期によって、聴覚組織の奇形や、妊娠中のウイルス感染(特に風疹)などで聴覚系統がおかされた先天的なものと、突発性疾患、薬の副作用、頭部外傷、騒音、高齢化などによって聴覚組織に損傷を受けた後天的なものとによって、聴覚障害の状態が様々に異なるからです。

 よく、聞こえの不自由な人を聴覚障害者と言いますが、聴覚障害の原因や種類、聞こえの程度が様々なため、一般的に聴覚障害者を、「中途失聴者」、「難聴者」、「ろう(あ)者」に分かれているものの、その人がどれに当たるかは、その人自身がどう思っているかというアイデンティティの問題も含め、正確に分けることができず、そのため、「中途失聴者」と「難聴者」の両方を含む広い意味で「難聴者」という場合が多くあります。

 また、難聴といっても、音が伝わりにくくなっただけなので、補聴器などで音を大きくすれば比較的よく聞こえるようになる、外耳、中耳の障害による伝音性難聴。音が歪んだり響いたりしていて、言葉の明瞭度が悪いため、補聴器などで音を大きくして伝えるだけでは上手く聞こえない感音性難聴。さらには、伝音性難聴と感音性難聴の両方の原因をもつ混合性難聴と聞こえの状態には個人差があります。

 そうした聴覚障害者に対してのコミュニケーションには、手話に限らず相手に合った選択肢で行う事が大切であり、相手のことをある程度理解しなければいけません。ただ、これが結構やっかいでもあります。

 聴覚障害が先天的か後天的か、仮に後天的なものであっても、何歳で失聴したかによって日本語の理解度が違うため、手話表現も相手に合わせる必要があります。特に高齢者と若者では違いが明らかで、若者はボキャブラリーが豊富で助詞を多用するなど、日本語に合わせた表現をする人が多く、高齢者は独自にコミュニケーション手段として広まった日本手話が使われるなど、毎週のように例会で学習会を行っているものの、自分が年齢を重ねるにつれ手話技術はなかなか向上しません。

 こんなことを書いたのも、昨日の夕方放送されたローカルニュース、『70代の5割が難聴に?頼りになる「要約筆記」とは?』のタイトルで、高齢者が聴覚障害になった場合の支援策として、要約筆記やスマホを利用した音声変換システムを紹介していたこともあり、聴覚障害について触れてみることにしました。聴覚障害に限らず、障害には様々なケースがあり、その障害について正しく理解することが先ず第一歩だと改めて思ったのでした。

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お金の面から振り返る

 確定申告書を郵送で提出し、期日までにしなければいけないノルマが終わりました。サラリーマン時代は実質的なノルマ(自主目標とか課題という)が数多くあり、やっと終わったと思った瞬間、年度が替われば前年度のことは忘れ去れたように、再び数字と期日に追われていました。それに比べれば確定申告は提出締切日はあるものの、ある意味で、年に一度、お金の面から経営を振り返る作業でもあり、私にとっては良い時間です。

 事務作業は専用ソフトがあるので苦労なく準備ができ、出力された帳票の数字を見ながら、仕入れた豆の金額が昨年と比べてどの程度の伸びになったのか、その他の経費として昨年と何が異なっているのかを確認し、経営者としての目線で内容を精査する貴重な時間となります。意識的に取り組んだ様々なコーヒーに関するセミナー参加や、リピーターへの広告宣伝など、本当に意味のあるお金の使い方だったのか?実質的な効果があったのか?などなど、考えさせられました。

 とりあえず期日までに提出しホッとするのでした。

 

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微粉で遊ぶ

 初めてお店の豆を利用される方には、出来るだけお客様の趣向に合った豆をお勧めするようにしており、時間があれば試飲をしてもらいながらコーヒーの話をします。昨日もそんな方が来店され、カウンターに座ってもらいながら話を進めると、お客様から色々な質問が出されました。

 その中の一つがドリッパーの構造で、台形や円錐型のドリッパーによるコーヒー層の違いや、抽出速度(透過速度)の違いが生まれることを説明したのです。その際に行ったのが、コーヒープレスで淹れたコーヒー液に含まれる微粉を使って、ドリッパーからどのように抽出液が落ちるかを微粉の形跡で確認してもらいます。

 同じドリッパーでも、ドリッパーの内側にあるリブ(溝)の形状が異なります。一般的には「このリブの役割は、お湯の流れを調節することです。」と説明されることが多いものの、具体的には示されないことが多いのです。ホームページに添付した動画ではリブの長さによって抽出速度が違うことを実験していましたが、今回は、微粉を使って違いを示します。

 用意したのはコーノとハリオをドリッパーです。コーノはリブが下部に短く配置され、ハリオは上部まで螺旋状に伸びています。これにコーヒープレスで淹れたコーヒー液を注ぐと、明らかに微粉の形跡が違うことが分ります。コーノはリブのある下部を中心に微粉が全体に広がりますが、ハリオは上部まで伸びる螺旋状のリブの形状が見えるように微粉が側面に付着しています。

 ハリオの説明では、リブの役割として「ペーパーとドリッパーの間に少し空間をつくることで、蒸らしの際に空気がほどよく抜け、珈琲の粉がしっかりと膨らむ」とか、「お湯が中心に集まる秘密、もうひとつは内側に刻まれたこの螺旋状のリブ」なんて言ってますが、これを見る限り中心ではなく、側面のコーヒー層を通過しているのでは?などと雑談しながら、お客様がコーヒーの抽出に興味を持ってもらえたらと遊んでいました。

 抽出理論や化学的な根拠は専門家に任せ、楽しくコーヒーを淹れてもらえるような工夫をするのが自分の役目だと思い、今回は微粉で遊んでみました。

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麩饅頭で一杯

 朝の焙煎が終わって一休み。コーヒーのお供を探して冷蔵庫を開けると、先日お客様からいただいた麩饅頭が一つ残っています。賞味期限が切れているものの、好物の麩饅頭ですから食べないわけにはいきません。サルトリイバラの葉の香りを楽しみながら、コーヒーとともに美味しく食べました。

 この麩饅頭は、愛知県江南市に本店を構える大口屋さんのものです。大口屋は文政元年(1818年)の創業で、今日まで伝統の技を頑なに守り続け、素材を活かした和菓子作り続け、尾張の麩饅頭といえば、「餡麩三喜羅(あんぶさんきら)」の名で知られる名店です。もちもちとした独特の食感を持つ生麩と、上品な味わいのこし餡の絶妙の組合せが何とも言えません。(ちなみに妻は粒餡好き)

 麩饅頭を包むサルトリイバラの葉を、全国で最初に使用したのも大口屋さんのようです。子供の頃には、麩饅頭ではなく、小麦粉で餡子を包んで蒸した饅頭を母親が作っていたこともあって、何度か山を駆け回ってはサルトリイバラの葉を集めていた記憶があります。

 なつかしく思いながら午後の焙煎の準備をします。

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プロセシングプログラム

 以前、昨年設けられた「コーヒーインストラクター3級検定」について触れましたが、最近になって、2017年に新設されたQプロセシングプログラム」というものの存在も知りました。何せ資格とは全く無縁なこともあって、そうした情報には甚だ疎いのです。しかし、このプログラムについては少し興味が湧きました。

 “PROCESSING(プロセシング”とは、プロセス、精製、生産処理ともよばれるコーヒーチェリーの中の種を取り出してから、乾燥処理までの様々な方法のことを指します。このプロセシングは生産地や品種と並んで、コーヒーの味覚に大きな影響を与えることもあって、中南米では色々な取り組みがなされています。

 このQプロセシングプログラム」は、米国のCQICoffee Quality Institute)が、コーヒーのプロセシングに関する理解を深め、コーヒー品質の向上や、精製の手順の標準化、生産者の競争力の強化などを目的に始まり、その中の初級編にあたる、「Qプロセシングコース(レベル1:ジェネラリスト)」の講習会が昨年神戸で開催されていました。

 初級編があるってことは当然、中級編や上級編がある訳で、中級(レベル2:プロフェッショナル)と上級(レベル3:エキスパート)は、実際に精製に関わる人や精製を学術的に研究する人のための内容で、産地での実地研修が含まれており、この動画で研修の様子を見ることができます。

 初級編のジェネラリストとは、ビジネスにおける広範囲の知識や技術、経験を有する人を指すことから、とりあえず業界の多くの人に「ジェネラリスト」という箔を付ける効果があるんでしょうか。でも、実際に中級・上級レベルに行く人は少なのでは?何せ日本語が通じないから。

 そんなことは抜きにして、コーヒーの味覚が大きく変わることを体験しているプロセシングの効果について、実際に産地で行われている工程を自分の目で確かめてみたいものです。日本語も十分使いこなせていないことを反省しつつ、動画を見ながら産地のことを想像しているのでした。今更、「若かったら、今頃・・・。」などといった事など思いませんが、この年になって興味が湧く事柄が増えていくことに、自分ながらも驚いています。

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早めの春

 朝、家を出る際、庭の梅が咲いていることに気づきました。梅の花を見ながら「そろそろウグイスも鳴き始めるかな?」と思いながら店に向かいます。店に着いて開店準備を行った後、なにげなく花壇を見てみると、既に昨年秋に妻が植えたチューリップが芽を出しています。

 何だかいつもより早く芽を出したと思い、過去のブログ内容を見てみると、2016年は28日、2017年は27日、2018年は25日と、随分早く芽を出したことになります。春が少し早くやってくる喜びがある反面、花粉症の季節でもあり、早めの春は悩ましいばかりです。

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瑞浪芸術館へ

 瑞浪市稲津町にあるNPO瑞浪芸術館で開催されている、「おひなの会」(2月9日~17日:12時~16時)を見に行きました。瑞浪芸術館の活動は芸術館会員費により運営されており、公開講座及びワークショップ、ギャラリーの企画、コンサート・イベント等が開催されています。お店に来店される方がボランティアスタッフをされていたこともあって、以前から気になっていたのでした。
 建物は江戸時代の茅ぶき民家を現代のセンスで小さなギャラリーに創り変えられ、入口は鉄の板で囲われた、古きものと新しきものが融合した雰囲気を感じます。確かに、「昔の本物と今の本物が融合した瑞浪芸術館」というだけあって、稲津町から山の中へ走った人里離れた場所に相応しい、本物の大切さを静かに語りかけてくれそうです。
 今回の「おひなの会」には瑞浪土人形、創作雛、染紡織といった作品が三名の作家によって展示されており、昔懐かしい土人形を見ると子供の頃の記憶が蘇ります。作品の横に書かれた説明文によると、「昭和20年代までの東濃地方の雛祭りは、今と大きく異なったものでした。雛といえば、土人形をを意味し、新暦の4月3日の節句日には男・女を問わず、たくさんの土人形を並べお祝いをしました。」とあります。
 瑞浪では、明治中期頃から土人形の制作が始まったと言われ、国内でも有数の産地でしたが、戦後布製の雛が広まり、多くの業者が廃業していったそうです。展示作品は瑞浪市陶磁器資料館に保存されている土人形の型を復元、新たに使用型を制作し、昔と変わらぬ技法で作られ彩色された物でした。
 作品の中には見慣れない「犬筥(いぬばこ)」もあります。犬筥は犬箱とも書き、犬に模した張り子で作られた箱だったようですが、最近では、展示作品のように焼き物で作られたものも多くなっているようです。古くから犬筥はお嫁入り道具やひな祭りの丁度品として用いられ、女性に幸せを呼ぶお守りとされていたとか。幼子の顔を模した雌雄一対の犬の形の小箱で、犬は安産・多産の象徴であり子犬は丈夫に良く育つことから安産と幼児の無病息災を祈るお守りとして飾られたんだとか。
 先日は、瀬戸市で現代風の雛人形を多く見ましたが、趣向が変わって、昔懐かしい土人形や犬筥を見ながら、寒さに震えて春を待ち望むのでした。

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フルーツパークへ

 名古屋市の東北端、東谷山(標高 198.3m)山麓に位置する、東谷山フルーツパークへ行ってきました。ここには、東谷山周辺に多数存在する古墳群の一つ、前方後円墳をモデルに作られた世界の熱帯果樹温室があり、コーヒーノキが栽培されていることから、度々訪れている場所です。

 今回、フルーツパークマルシェ(売店)&フルーツパークテラス(レストハウス)が、新装オープンしたこともあって、売店でフルーツプレゼントとしてバナナをもらい、気分良くなってレストハウスも覗いてみます。金城学院大学の教員はじめ学生有志がデザインは明るい雰囲気ではあるものの、どこか安っぽいところが公共の施設らしくもあります。

 園内を散策し、昨年完成したレモン園(意外と小さい)や、一部咲いている紅白の梅を見て温室へ向かいます。この施設の案内資料によれば、温室に植えられている熱帯果樹の中には、アカネ科に属するものとして、「アカミコーヒー」「キノミコーヒー」「コーヒーノキ(リベリカ)」「フイリコーヒー ナナ」があります。今回は、改めて具体的な種類を確かめながら見ていくことにします。

 入口から南国フルーツを見ながら、バナナの先にコーヒー展示のブロックがあります。 キミノコーヒーの説明札には、「学名:Coffea arabica cv. Yellow Caturra」とあり、カトゥーラの突然変異で黄色い実のなったものだと分かりますが、アカミコーヒーの説明札には、「学名:Coffea arabica cv」としかなく、具体的な品種が分かりません。「フイリコーヒー ナナ」とは「斑入りコーヒー」のことで、植物の葉等の一部が葉緑素を失い白等の模様になる現象で、主に観葉植物として園芸愛好家の間で高価取引されているコーヒーの木です。ナナは丈が短いことを意味するので、鑑賞用であってコーヒーの収穫には向かないようです。

 今回は、これまで気づかなかった「コーヒーノキ(リベリカ)」を確かめたいと思い探してみますが、一本一本の札を確かめてもリベリカの木は見つかりませんでした。探し方が悪かったのか、展示場所が異なるのか不明ですが、久しぶりに実のついたコーヒーの木を見ながら、花が咲くころに再び訪れたいと思ったのです。 

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営業部長?

 レジカウンターに置いているショップカードが残り少なくなったため、新たに200枚の印刷を発注しました。調べてみると、201711月に300枚を印刷していたので、13ヵ月で300枚を配布したことになります。この数字が多いのか少ないのか判断できませんが、アナログな広告媒体としての役割を担っていることは間違いありません。

 そもそも、ショップカードの役割とは、

来店客にお店の情報を視覚的に認知させる

・見込み客を顧客化させる

・顧客による口コミ宣伝を誘発する

・手頃な選択肢として、連絡先を確保させる

 といった効果を期待して作成されています。そのために、少しでも印象に残るような物にしたいとデザインや内容を工夫したものの、所詮素人が作った物ですから自己満足に留まる程度になっています。それでも、開業から1,000枚を超えるショップカードを配布できたことに正直驚いているのです。

 また、ショップカードの効果的な配布方法も、

・レジカウンターだけではなく、テーブルにも置く

・精算時にレシートと一緒に渡す

・テーブルに配りに行く、名刺交換のように渡す

 といったことは理解しているものの、怠け者の店主はレジカウンターに置いたままです。そんな状況でも活躍してくれるショップカードは、さしずめ当店の営業部長といったところでしょうか。

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メロンのこと

 スーパーでホンジュラス産のメロン「カリビアンスウィート」見つけ、思わず購入してしまいました。ホンジュラスといえば、日本の3分の1ほどの国土を持ち、人口は910万人。国民の約6割が貧困状態にある、中南米の最貧国の一つです。人口の7割が農業で生計を立てており、主にバナナやコーヒーで生計を立てています。

 そのコーヒー生産量は475,042トンで世界第5位(2017FAO)でもあります。ですが、全日本コーヒー協会の資料によると、日本に輸入されるコーヒー豆は4,643トン(2017年)の10位と意外に流通量は多くなく、知名度もいまひとつと言ったところでしょうか。ただ、オンンジュラスの国内消費が全体の半数程あるため、輸出量としては他のコーヒー生産国より少ないためで、日本への輸出量はアメリカに次ぐ量となっているそうです。

 そんなコーヒー生産国の印象しかなかった私には、「ホンジュラスのメロン?」という疑問が湧き、さっそく調べてみると、正式名称ホンジュラス共和国は熱帯気候で年間を通じ日照時間が長く、高い標高で寒暖差が大きいメロン栽培に向いた土地柄のようです。2016524日には、ホンジュラス産メロンの輸入が解禁となる関連規則の改正が官報に公示・発効され、526日にはホンジュラス産メロンを積んだコンテナ第1号が日本に陸揚げされました。

 今回購入したメロンは「カンタロープ種」という果肉がオレンジ色のものですが、他に「ガリア種」という青肉メロンもあり、ともに皮が少し黄色みがかっていて細かい網目があります。現在はこの2品種がホンジュラスから輸入されており、収穫時期はカンタロープ種が12月から5月頃、ガリア種は12月から4月頃だそうです。ちょうど日本で収穫できない時期となるため、多く輸入されているため目に留まったようです。

 東京都中央卸売市場の市場統計情報(平成30年)によれば、ホンジュラス産の果物のうち最も取扱量が多いのはその他のメロン(約57.9トン)で、次に多いのはバナナ(約23トン)、3番目に多いのはハニーデューメロン(約3.8トン)となっており、今後もスーパーに立ち寄る際は注意して産地表示を見ていきたいと思います。

 ちなみに、ホンジュラスのメロン生産量は世界14位(2017FAO)で、日本は22位のようです。最近では、ジェイアール東日本フードビジネス株式会社が運営する、首都圏エキナカを中心に展開するジューススタンド「ハニーズバー」で、このホンジュラス産メロンのカリビアンスウィートを使った、新特選ドリンク「カリビアンスウィート」を販売しています。

 コーヒーと全く関連のないメロンの話でしたが、コーヒーを通じて知ったホンジュラスという国が随分身近に思えるようになります。昨日のエチオピアの「ダボコロ」ではないですが、コーヒーカップに先に見える産地の文化や産業を知ることも、コーヒーに関わる一人として是非知っておきたい事だと思っています。

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再びダボコロ

 本日のコーヒーをエチオピアの豆にしたこともあって、久しぶりにコーヒーセレモニーの茶菓子でもあるダボコロを作ってみました。小麦粉、砂糖、塩、サラダ油、水という簡単な材料を練って、細く伸ばして穀物の種に見立ててカットします。本来は素揚げするようですが、オーブンで焼いてみました。

 このダボコロ、JETRO(日本貿易振興機構)が行った2015年のエチオピアでの売れ筋商品調査レポートによれば、「ペピースナック」という「かっぱえびせん」のようなスナックや、セイントと呼ばれるクッキーが人気のお菓子の中にあって、伝統的スナックであるダボコロもいまだに人気は高いようです。しかし、パッケージングは非常に簡易で製造年月日や材料等の記載がないものが多いとか。ちなみに、ダボコロの価格は12ブル(約70円、当時の1エチオピア.ブル≒5.8円)で、容量は200gとなっていました。

 以前、エチオピアで活動するNGO団体から購入したダボコロも素揚げしてあり、自宅で作る際には油で揚げてみようかと思います。でも、家では誰も喜んで食べてくれないでしょうから、いつになることか。

 ちなみに、現地では、門出に贈る餞(はなむけ)の菓子とも言われ、長期間保存がきくこの菓子は、見知らぬ土地で、やせ細らないように願い、家族や友人が、遠くへ旅立つときに作って持たせる習慣があるそうです。

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お雛めぐり

 節分が過ぎると次は雛祭りとなりますが、我が家は旧暦で飾っているため、毎年3月中旬頃から慌てて飾っています。片付けるのもズルズルと先延ばしとなるため、雛人形を後ろ向きにして「娘が嫁に行けなくなる」という迷信を避けてきました。幸いにも娘二人は無事嫁に行ったこともあって、今年はどうするのでしょうか?
 ちなみに、この東濃地方でも以前訪れた岩村町を含め、各地でひなまつりのイベントが行われるようです。
■あぎの里のひなまつり・つるしかざり
開催日:2月27日(水)~3月3日(日)
場所:阿木川湖畔 中の島公園ふれあいの里
■いわむら城下町のひなまつり
開催日:3月1日(金)~4月3日(水)
場所:岩村町本通り
■中津川のつるしひなまつり
2月27日(水)~3月3日(日)
東美濃ふれあいセンター
■大正村 おひなまつり
開催日:2月3日(日)~4月15日(月)
場所:日本大正村
 そこで、少し早めの雛祭りを見ようと向かった先は、東濃地区ではなく瀬戸市です。「焼き物」、そして「せともの」の街としても知られている愛知県瀬戸市では、「陶のまち瀬戸のお雛めぐり」が、2月2日(土)から3月3日(日)まで開催されているからです。
 このイベントでは、大小、そして形もさまざまな手作りの「お雛さま」が瀬戸のあちらこちらで飾られます。メイン会場となる瀬戸蔵へ訪れると、高さ約4mにもおよぶ巨大なピラミッド型のひな壇、その名も「ひなミッド」が目を引きます。1つ1つ手作りで作られた雛人形は、瀬戸らしく陶磁器やガラスで作られた繊細な作品の他、学生や一般の方々が絵付けをした作品が並びます。そして、頂上に並ぶお雛様は、様々なポケモンのデザインを担当したデザイナー「にしだ あつこ」さんの作品が飾られていました。
 瀬戸蔵で変わり雛や地元作家の作品を見た後、記念橋を渡って銀座通り商店街を歩きます。狭いアーケード街を歩いていると、昭和のノスタルジックを感じさせる映画の世界に入り込んだようで、あちらこちらい飾られている雛人形を見ながら、タイムスリップした気分になります。
 そんな商店街を抜けると近代的な商業施設「パルティせと」が見えます。この施設では、古布の”長~い”吊るし雛が天井から展示され、その下では、不要となった雛人形を再利用して、古き良き瀬戸の街の風景を再現したエコな作品である「福よせ雛」が飾られています。瀬戸市出身の藤井聡太七段の応援福よせ雛や、瀬戸の焼き物にまつわる光景を再現した作品等をを楽しむことができました。
 まだ多くの場所で展示や体験ができるようになっていましたが、午後の予定もあって帰路に着いたのでした。

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柊イワシ

 今日は節分ということで、自宅の玄関と裏口に柊イワシを飾り、あとは豆まきをするだけに準備しました。それならばお店にもと、入り口ドアの上部に柊イワシを飾ってみました。コーヒーを飲んでくれるのなら鬼であっても大歓迎なので、「福は内!鬼も内!」ということになります。

 節分というのは「季節の分かれ目」という意味があり、季節が変わる前日のことを指すため、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」も節分を意識すべきところ、私も含めて多くの方が、“豆まき”や“恵方巻き”を食べる今日くらいしか節分の日と思っていないでしょうね。

 豆まきも本来なら煎った大豆を使いますが、珈琲屋としては同じく煎ったコーヒー豆で行いましょう。もちろん、ハンドピックした欠点豆を使用し、コーヒーを飲まない鬼が対象ですよ。

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山岡にアフリカンベッド?

 「岐阜県恵那市山岡町で特産の細寒天の生産が最盛期を迎えている。市街地で最低気温が氷点下4・2度を記録し、厳しい冷え込みとなった23日、老舗の丸平寒天産業(西尾憲之社長)では、従業員が白い息を吐きながら天日干しの作業をした。」(岐阜新聞1月24日) 

 こんなローカルニュースが話題になる季節になりました。私も何度か寒天作りの様子を見に行ったことがありますが、この、細寒天生産量日本一を誇る山岡町で寒天の生産が始まったのは昭和初期と言われます。しかし、寒天作りの歴史は江戸時代初期にまで遡るようです。 

「寒天・ところてん読本」(著:松橋 鐵治郎)によれば、貞享2(1685)寒い冬の時期に、島津氏率いる薩摩藩の一行が参勤交代の道すがら、京都の伏見に陣をとった際、旅館『美濃屋』の主人・美濃太郎左衛門はその頃京都で作られていたトコロテンで島津氏をもてなしたそうです。その際の食べ残しのトコロテンを戸外に出しておいたところ、寒さのせいで凍結した後に乾燥した、乾いたトコロテンを発見しました。この「フリーズドライ」のトコロテンをもう一度水で戻し、再びトコロテンを作ったところ、元のものよりも見た目美しく、海藻臭さが無い美味しいものが出来たのです。 

美濃屋の主人は、フリーズドライのトコロテンを、黄檗山萬福寺を開創した「隠元禅師」に試食してもらったところ、質素な精進料理の食材として活用できると奨励されたそうです。その際に、名前を尋ねられましたが、まだ決めていなかったため、作られた旨を伝えると、隠元禅師は「寒天」と命名しました。「寒」空に放置して作るところ「てん」から、命名したといいます。

 そして、時代は進み、江戸時代末期の天保年間(1830年〜1843)。全国を旅する信州の行商人、小林粂左衛門は京都の寒天を見て、故郷信州の寒さに、寒天作りが適しているのではないか、と考え、さっそく諏訪地方に広めました。寒天作りは、諏訪地方の農家の農閑期の副業として広まったそうです。なお、原料となるテングサは伊豆から大量に買い付けていたそうです。そして、寒天製造は次第に諏訪地方の名産品として定着するようになります。

 そうした気候風土が似ている岐阜県でも寒天作りが行われた訳ですが、実は、最初に細寒天作りを始めたのは山岡町ではなく、隣の岩村町だったそうです。稲刈りが終わったあとの冬場の農家の副業として生産が始まったようで、その岩村町に倣って山岡町でも寒天栽培を始めたところ、より気候に合っていたことから、やがて山岡町での生産量が拡大していきます。最盛期には寒天製造業者が100社以上存在していたと言われていますが、現在では、安い外国産などに押されてしまい20社程度にまで減少しているそうです。

 そんな東濃地域での風物詩となった細寒天作りの風景を見ると、私は全く場所も品物も異なる、コーヒーを天日乾燥する「アフリカンベッド」を連想してしまいます。コーヒーノキから摘み取られたコーヒー豆は、集められて乾燥させますが、その乾燥方法としては、天日乾燥、機械乾燥、天日乾燥と機械乾燥の併用などが知られています。その天日乾燥の中の1つの乾燥方法として、アフリカンベッドを使ってコーヒー豆を乾燥させるという方法が存在しています。

 アフリカンベッドとは、アフリカ大陸のコーヒー生産地(特に東アフリカ)で採用されているコーヒー豆乾燥方法で、乾燥させるために木や金属製の枠を作って棚を作り、そこに網のネットを張った構造をしています。水洗処理したコーヒー豆を乾燥させる光景が、寒天を凍結乾燥させる白い棚と似ているのです。

 ちなみに、一般的な天日乾燥は、パティオと呼ばれるコンクリート製の広場にコーヒー豆を広げて乾燥させています。コーヒー豆のハンドピックをしていると、時々パティオのコンクリート片が見つかるので、産地でどのような乾燥方法が採用されているのか知ることができます。

 コーヒー栽培が出来ない地域で、コーヒーとは無縁の地場産業のニュースを目にし、遠く離れたコーヒー産地の様子に思いを馳せるのでした。 

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