■ 2019年1月 ブログ

早くも1月が終わる

 早くも明日から2月となり、テレビやラジオでは、「もう1ヵ月が過ぎ、時の経つのが早い!」などと冒頭の挨拶に使われています。チコちゃんが「人生にトキメキがなくなったから。」と、大人になるとあっという間に1年が過ぎるのだと言っていましたが、今年の1月は刺激的な事柄が多くあり、1ヵ月の間に葬儀が2回と、その間に娘の結婚式があり、悲しみと喜び、別れと出会いが交互にやってきて忘れられない月となりました。それでも、過ぎてしまえばアッという間であることには変わません。

 そんな出来事があったことも関係なく、コーヒー豆を購入される数多くの方が来店されました。いつもなら年末にまとめ買いされることもあって、1月の販売は減少することを予想して焙煎していましたが、中旬から一日に何度も焙煎を繰り返し、なんだか様子が少し変だと思い始めます。そこで、月末になったこともあってデータを集計してみると、予想以上に購入いただいたことが分ります。

 日々お客様の家庭で飲まれるコーヒーは、様々な状況の中で生活の一部として楽しまれ、私のように笑顔や悲しみの時でも飲まれていること想像し、特別なものではなく、日常のコーヒーとして飲まれるコーヒーを提供しようと思うのでした。でも、たまには特別な一杯もあっていいか。

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悪魔?

 コンビニへ立ち寄ると、おにぎりのコーナーで「悪魔のおにぎり」という商品が目に留まりました。普段、コンビニでおにぎりを買うことがなく、注意して見ていたわけではないので気づきませんでしたが、ローソンで昨年の10月から発売された商品のようです。キャッチフレーズの“やみつき注意、悪魔のような誘惑よろしく、その誘惑に惹かれて買ってしまいました。

 その「悪魔のおにぎり」の正体はというと、白だしで炊いたご飯に、「天かす」「青のり」「天つゆ」を混ぜ込んで握ったおにぎりで、「おいしすぎてついつい食べ過ぎてしまう」ことから「悪魔のおにぎり」と名付けられたようです。でも、確かに美味しいものの、悪魔のささやきは一度きりに終わりそうです。悪魔という美味しさとは逆のイメージを感じさせるキャッチフレーズに、まんまとやられたと同時に、ネーミングが購買層に与える影響力が大きいことに納得させられます。

 コーヒーも「悪魔の飲み物」と言われた時代がありました。アラビア半島で広く飲まれるようになったコーヒーが、ヨーロッパへと伝わったのは1600年ごろのことです。しかし、イスラムの国からやってきたこの黒い飲み物のことを、「悪魔の飲み物」、「コーヒーを飲むと悪魔にとり憑かれてしまう」と恐がる人たちもいました。イスラム教徒の飲み物はキリスト教徒にとっては異端の飲み物だったのでしょう。

 そんな中、コーヒーを一口飲んだ当時のローマ教皇クレメンス8世は「こんなおいしいものをキリスト教徒が飲まないのはもったいない」と、コーヒーに洗礼を施し、キリスト教徒の飲み物として認めたのでした。その後コーヒーがヨーロッパ全土に広まり、さらには世界へと広まった訳ですから、ある意味、悪魔の力が働いたのかもしれません。 

 悪魔と言えば、日本では一般に「タレーラン」と略される、フランスの政治家シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴールは、「よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い。」と言ったと、いろいろな場面で引用されることがあります。

 また、トルコの諺には「コーヒーは地獄のように黒く、死のように濃く、恋のように甘くなければならない。」 なんていうのもあったりと、悪魔や地獄を連想させるものの、いずれも、愛や恋のように甘いって言っているのも分かる気がします。

 さらに、オレンジの皮をりんごのように剥き、エスプレッソ・コーヒーの上に長く垂らし、オレンジリキュールを剥いた皮の上から注いで、コーヒーカップに落ちる際に火をつけ炎があがる、別名「悪魔のコーヒー」という飲み物もあります。

 おにぎりやコーヒーに悪魔と言った刺激的な形容がつくと、ついつい誘惑に駆られてしまいますが、出来れば悪魔より天使の方がいいですね。

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コーヒーのコーヒーカップでコーヒーを飲む

 お客様から、「こんなコーヒーカップがあるみたいだけど知ってます?」そう言われて知ったのが、コーヒー抽出後の粉を使って作られたコーヒーカップでした。このカップは、ドイツの若手インダストリアルデザイナーが手がけたもので、商品名が「Kaffeeform CAPPUCCINO CUP&SAUCER カフェフォルム カプチーノ カップ&ソーサー」という長い名称になっています。

 説明文によれば、カフェなどで毎日大量にコーヒー抽出後の粉が捨てられているのを見て、そのリユースを考えついたのだといいます。原料は使用済みのコーヒーの粉、生分解性ポリマー、粉砕された木材など。それを混ぜ合わせペレット状にしたものを、プレッシャーでカップの形に成形して作られている。1個につき6070g(エスプレッソ約10杯分)の粉が使われている計算になるようです。ちなみに粉はすべてベルリンのカフェから提供されたものだとか。
 コーヒー感を前面にだすため、パッケージにはコーヒー豆の袋を採用し、袋を開けた時にコーヒーの香りが広がる仕掛けになっています。そして、模様は一つとして同じものはなく、個性を持った製品になっているうえ、保温性が高いのでコーヒーが冷めにくく、食洗機でも使用が可能で、落としたりしても陶器などよりも割れにくいというものです。

 ただ、耐熱温度が80℃と低く、電子レンジは利用できないこともあり、熱々のコーヒーを提供することは出来ないようですが、コーヒーのコーヒーカップでコーヒーを飲む楽しさは味わえるのではないでしょうか。ちなみに、お客様に使用してもらったところ、軽いコーヒーカップが新鮮に感じたり、カップの口当たりが柔らかくて何だか「美味しいんじゃなの?」っていう感覚になるということでした。

 この感覚を確かめたい方は、是非、カウンターでお気軽にお声掛けください。

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同級生の商品

 製陶業を営む同級生の商品が、1月24日・25日のNHKおはよう日本の「まちかど情報室」で紹介されました。「おいしさにこだわります。」というテーマで3商品が取り上げられ、その中の一つとして串を立てて焼く「串匠」という商品です。地元や県内のイベントでも展示販売していたので、商品自体は知ってはいたものの、たった数分の紹介時間であっても、さすが全国放送で扱うだけあって、さっそく各地から問い合わせがあったようです。 

 彼の場合は、陶器商と呼ばれる商社(商店)から発注を受けて販売する形態ではなく、クラフト展等での販売や、直接に小売りの量販店へ卸したり、テレビショッピングなどで販売することが多く、定番商品というよりも企画商品が中心になるようです。度々、「こんなの作った。」といってスマホの画面を見せてくれますが、次々とアイデアを形にする行動力には驚かされます。 

 珈琲屋さんにも様々なスタイルで取り組みをしているところがあり、定番商品以外に希少な豆を次々に取り上げて販売したり、ことある毎に〇〇ブレンドと称して顧客の関心を引く豆を提供するものや、同じ豆を数段階の焙煎度で提供したりと、それぞれ工夫を凝らしています。 

 私の場合は、お客様の好みに合うような豆を中心に考え品揃えし、時々、遊び心で数量限定の豆を紹介しています。この遊び心というのがミソで、売れることを狙った商品にしてしまうと、どうしても欲が出てしまうからです。定期的に購入される豆を常に新鮮な状態で提供し、時々、「試に飲んでみようかな。」とチャレンジしてもらうくらいが丁度良いのです。 

 そもそも、販売する商品特性や販売エリアが店ごとに異なる訳ですから、同級生のように繰り返し同じ商品を購入することのない陶磁器と違います。同じ豆を購入してもらうリピーターになってもらえるような品揃えに気を配り、全国に知ってもらうような有名店になる必要ないので、地域の珈琲屋として長くお付き合いしていただけるような店づくりを心掛けたいと思っています。 

 さて、同級は日曜日から東京ドームで行われる展示会に出展するそうですから、NHKで放送された反応がどの程度あるのか土産話を聞くのが楽しみです。 

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横浜の夜景

 桜木町のホテルから見た横浜の夜景です。「よこはま・たそがれ」(五木ひろし)ばりに、黄昏ている訳でもなく、「追いかけてヨコハマ」(桜田淳子)のように追いかける人の名が、「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)のヨーコでもありません。次女の結婚披露宴のため日曜日に横浜へ行き、無事にお開きとなった後、桜木町のホテルで一息入れたところです。 

 二人の娘に恵まれ、親として成長させてもらい、二人とも親元を離れて独立することが出来、大きな役目を勤め上げることとなりました。淋しさよりも、正直、安堵したといったところです。ですから、盛りを過ぎて生気のない人を表す「たそがれ」の気分でもなければ、昔を思い出して過去へ追いかける気分でもなく、「明日から焙煎するぞ!」ってな気持ちで夜景を眺めていました。 

 親として、一人の人として恥じぬよう、一生懸命に生きることが所謂「背中を見せる」ということだと思ってみるのでした。 

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コーヒーインストラクター3級

 以前のブログで、「コーヒーに関する資格」について触れましたが、その中の全日本コーヒー商工組合連合会は、2003年に日本で初めてのコーヒーに関する資格認定制度を立ち上げました。そして、2006年には業界・所属企業等を問わず、一般消費者の方も含め受講・受験の対象としたのです。以前の紹介では、2級、1級、鑑定士という資格のみでしたが、新たに今回、「コーヒーインストラクター3級」を設けることになったようです。
 ホームページによると、『この度、全日本コーヒー検定委員会では、コーヒーに興味のある多くの方を対象とした入門的な検定として、講習会の受講のみで資格取得できる「コーヒーインストラクター3級検定」を制定させていただくこととなりました。今後、2級以上の資格を目指される方にとっても、手軽にコーヒーの勉強を始めたいという方にとっても、大切な基礎をしっかりと学べる検定となっております。』とあります。
 では、いったいどんな検定内容なのかと見てみると、検定基準は、入門編的なコーヒーの知識と鑑定技術とあり、コーヒーに興味がある方を対象にした資格で、入門編的なコーヒーの正しい知識を習得した方を認定するとなっています。簡単に言えば、3級学科講習会を受講し修了したものを「コーヒーインストラクター3級」として認定し、認定試験は行わないんです。

 さらに、当日検定会終了後は、試験会場でコーヒー教室を受講し、ハンドドリップの美味しい淹れ方実習や工場見学などを予定されているそうです。そして、この受験料が破格の1,500円ですから、コーヒーの事を学んで、工場見学ができ、認定証までいただけるのですからコーヒー好きにはもってこいの内容。これはコーヒー好きは行くべき!?

 てなことを、一昨日お店に来た人から伺いました。第一回の試験日は今日の19日だそうで、その方も受験(受講?)されるそうです。さて、どんな感想を持たれたのか楽しみです。

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改名

 これまで、ナチュラルモカ風味が広がる、エチオピアのイルガチャフィー・チェレレクトとして扱っていた豆を、名前を「セラムG1」と変更して販売します。別に私個人が名前を変えた訳ではなく、生豆商社が新しく入荷した分から変更したので、手元の在庫が切り替わるタイミングで変えました。

 イルガチャフィーはエチオピアの中で有名な産地の一つですが、生豆の調達を行う流通経路や手順など複雑なようです。今回は、そうした手順の変更に伴う改名ということでしょうか。従来通り現地のモプラコ社に依頼し、オークションで高品質原料を調達し、その後脱殻、選別をおこない作り上げているそうです。

 ちなみに、セラムとは、アムハラ語で「平和」という意味なんだとか。政情不安のあるエチオピア国内も含めて、世界が平和でありますようにという願いが込められており、いかにもエチオピアらしさを感じると同時に、そうした場所でコーヒーが生産されている事実を噛みしめたいものです。

 とりあえず、こんな感じでお知らせまで。

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ググる

  おやじ世代には馴染みの少ない言葉に、「ググる」ってものがあります。検索エンジンのGoogleで検索することですが、お店をネットで検索してもらう際、これまで「土岐 まめ蔵」でお願いしていましたが、最近になって「まめ蔵」だけでも表示されることに気づきました。以前は、豆腐屋さんや豆蔵という店舗が上位に表示されるため、地域を指定する必要があったものの、どうやら状況が変わってきたようです。理由はホームページへの閲覧回数や滞在時間など、ブラックボックスの部分があるため不明です。でも、お店の場所や雰囲気だけでもが伝われば、ご紹介していただいた方々へのサポートになると思っています。

 自分でも利用しているソーシャルメディアには様々な形態があり、主要なソーシャルメディアを大きく分類すると次のようになるそうです。

 

ブログ:アメーバブログ、ココログ、Seesaaブログ、ライブドアブログ 

SNSFacebookTwittermixiInstagram 

動画共有サイト:Youtube、ニコニコ動画、ツイキャス、Vine 

メッセージアプリ:LINEWhatsAppViberWeChat 

情報共有サイト:価格コム、食べログ、クックパッド 

ソーシャルブックマーク:はてなブックマーク 

 

ただ、広い意味では多くがコメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているので、ほとんどがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)として括られることが多いのです。 

 ちなみに、ICT総研が20168月に実施したアンケート調査によると、最もSNSの利用率が高かったのはLINE(ライン)で72.1%、Twitter(ツイッター)が40.8%、Facebook(フェイスブック)が36.1%、Instagram(インスタグラム)が22.1%、Google+(グーグルプラス)が11.4%、Skype(スカイプ)が10.9%、mixi(ミクシィ)が7.6%、となっているそうです。また、前年比では、LINEInstagramの利用率が向上しているのに対してその他のSNSの利用率は伸び悩んでおり、Instagramの利用率は11.4%から急増です。 

 お店ではTwitterで本日のコーヒーをお知らせし、Jimdoのホームページのブログ機能を使用し日記を書いていますが、ほぼ一方的に伝えているのみです。「いいね」や「リツイート」も望まないですし、「ダイレクトメッセージ」なんて届いたこともありません。ブログにだってコメントが忘れた頃にあるくらいですから、コミュニケーション・ツールとして活用しているかは甚だ疑問です。ですから、今後もLINEFacebookInstagramなど流行のSNSは利用しないつもりです。だいたい店主が映える画ではないですからね。 

 また、SNSでは定番の口コミや★マークにも興味がなく、来店されたお客様と直接お話をすることを大切に考えています。いつも思っていることに「この店やコーヒー好きな人が100人居れば、100人嫌いだと思っている人が居る」があり、いかに好きな人を満足させるかを考えることに傾注することだけ考えています。嫌いな人には、どんどん色々な店を紹介し、相性の合う機会を増やしてもらうよう努力するだけです。自分の好きな店が見つかれば、その人にとって素敵な時間が過ごせるはずですから。日本一、いや世界一の珈琲屋になりたい訳ではなく、この場所で、今の条件で、自分の提供できる渾身の一杯を提供したいと思っています。

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フィンランド陶芸

 今週、祝日の定休日を利用し、岐阜県現代陶芸美術館で行われている「フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア」へ妻と共に出かけました。この展示は日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念するもので、茨城、東京、そして岐阜と巡回展示されており、最終日となる2月24日までには行こうと思っていたものです。
 この展示では、
・フィンランド陶芸の萌芽:創業当初のアイリス工房やアラビア製陶所で製作された壺や花器
・近隣諸国の影響を受けて:近隣諸国の影響を受けて陶磁器のデザイン性を高めようという動きが生じた1920年代から30年代後半の作品
・フィンランド陶芸の確立:第二次世界大戦後のオーガニック・モダニズムと称された作品
・フィンランド陶芸の展開:伝統的な陶板画とは一線を画す絵画的表現の陶板や皿
・プロダクト・デザイン:日本の美術や工芸にも影響を受けた日用品
 フィンランド陶芸の体系的な流れが分かる5章で構成されており、当時の時代背景をイメージしながら鑑賞することができます。
 こうした陶磁器の展示を鑑賞するようになったのは、コーヒーに深く関わるようになってからであり、日本一の生産量を誇る陶磁器の産地で育ち、両親がその地場産業に関わっていながら、鑑賞する物ではなく、お金になる物としての感覚しかありませんでした。土地柄多くの焼き物に出会うことがあることから、多少なりとも知識やロクロを回した経験はあるものの、正直、芸術と縁のない生活です。そんな私がコーヒーカップに端を発して、色々な作品を見るために各地の美術館へ出向くことになるとは、サラリーマン時代には夢にも思わなかったのですから不思議なものです。
 帰宅して気になったのが、アラビア製陶所という名前です。なぜ、フィンランドにアラビアなの?フィンランドの国民的製陶所として親しまれる名前が、遠く離れたアラビアの地と関係があるのか調べてみました。何のことはありません、工場がヘルシンキのアラビア地区にあり、港町ヘルシンキ港湾エリアには、世界各国地の地名を拝借して名前を付けた地区がいろいろあったというのが真相だそうです。

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大洞の穴弘法

 昨年の秋、土岐市土岐津町高山の穴弘法ライトアップを見に行き、お客様との会話の中で話題にした際に、「土岐津町の大洞地区にも穴弘法がありますよ。」と言われたことがあり、一度行ってみたいと思っていました。そこで、今回、その大洞の穴弘法へ行ってきたのです。

 大洞地区とは、土岐市から多治見市へ向かう国道19号を神明峠を過ぎたあたり、ちょうど道路の右側のイオンのショッピングセンター建設予定地の反対側となります。パチンコ店の見える信号を左に曲がり、幾つかある倉庫を過ぎると民家がちらほら、さらに細くなった道を登ると灌漑用の大洞池が見えてきます。 

この池の傍にお地蔵さんや石碑があり、「佛窟山弘法大師」の文字が読み取れます。左の岩山を見ると朱色に塗られた手すりが岩壁に続き、奥には目立つように赤い五輪の塔が立ち、その手前にプレハブ造りのような祠がありました。祠の右の岩肌には、石仏が頂上まで続いているかのように立ち並びます。 

岩肌に無理やり括り付けたようなプレハブ造りの祠の扉を開けると、奥には岩を掘った洞穴のようになっています。いったいどうやって固い岩を掘ったのか不思議なのと、神秘的な冷たい空気のためか、タイムスリップしたような気分になってしまいます。少し奥に目をやると、何体かの石仏と木彫りの仏様が並んでいました。まだ1月中旬ということもあり、お参りできるよう綺麗に飾り付けがされています。

 この穴弘法は戦前からあったらしく、いつ造られたものかは分かりませんが、随分古い歴史があるように思え、その穴弘法を地元の方々によって守り続けられている光景を見ると、昨年見た高山の穴弘法や、地域で行われる「弘法様」と呼ばれる子供にお菓子を配る風習など、弘法大師の存在が未だに大きいことに気づかされます。

 弘法大師は、仏教界に多大な影響を与えた高野山金剛峯寺、真言宗の開祖である空海のことです。弘法大師という名は、空海の死から83年後に、後醍醐天皇から贈られた諡号(しごう)です。諡号とは、貴人などの死後、生前の功績を評価して贈られる名のことをいいます。つまり、空海が生きていた時には、お大師様と呼ばれることはなかったことになります。

 そんな弘法大師には、全国各地に数多くの伝説が伝えられており、その数は5千以上とも言われ、杖をつくと水が湧き出たり、術を使って人々を助けたりと、まるでスーパーマンのような逸話がほとんどです。空海が体系化した教義である真言密教の教えと、私たちが知っている弘法大師への信仰は全く別のものとなり、人々が求めていたものは救世主の理想像である弘法大師だったのかもしれません。 

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ぽい

 富士山?ではなく、快晴の日に見えるのは御嶽山です。でも、この場所からだと何となく山梨県側の富士山っぽく見えなくもありません。この地域でも富士見台という場所が何箇所か有り、実際に条件が良ければ見えるようですが、こんなに綺麗に見えるわけではないので、このアウトレット付近の道を通ると、ついつい車を止めて御嶽山を眺めてしまいます。
 この「〇〇っぽい」という言葉で感じたことに、一杯のコーヒーの価格があります。先日、お客様から「コピ・ルアックを1,500円で飲んできた。」という話を聞いた際、その特別なコーヒーの感想を伺いながら、一生に一度は飲んでみたいコーヒーとして有名なコピ・ルアックだからこそ、たとえ1,500円であっても高級っぽいコーヒーを飲んだという満足感を味わうことが出来たそうです。逆に、自家焙煎店で350円といったコーヒーの価格だと安っぽい感じがして、「本当にちゃんとしたコーヒーなの?」といった気分になるというのです。
 コーヒー1杯の価格はコーヒー豆の原価、人件費、家賃、光熱費といったコストの総和によって決まるという価値の考え方を、コスト・アプローチ(原価法)といいます。ただ、商品の価値はコストの積み上げだけでは、説明がつかない場合も多々あり、すでに存在している近隣の店の価格によっても、その商品の価値が決まることもあり、このような考え方をマーケット・アプローチ(取引事例比較法)といいます。適正価格という決まったものはなく、飲んでも良いと思える価格なら適正、高い!と思うなら不適正となるだけです。
 だからこそ、そのコーヒー1杯にも「〇〇っぽい」という要素が加わると、お客様の満足度を変えることになり、「何か味のわりには高いコーヒーだな」と思われたり、「けっこうお得なコーヒーだった」と印象が異なる結果になります。店側としては良いイメージの「〇〇っぽい」を出せれば良いのですが、そこが一番の難題でもあります。
 開業当時から生豆の仕入れ値が大きく上がったものもり、出来るだけ飲みやすい価格帯に抑えてきた商品の価格も、ぼちぼち変更の時期に来ています。だからこそ、「〇〇っぽい」要素をこれまでに積みかせねて提供してきたか、そこが決め手になるのかもしれません。

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コーヒーカノン

 『アウシュヴィッツのコーヒー コーヒーが映す総力戦の世界』(臼井隆一郎著)を読み始めたら、以前にも気になった作品中に登場する「コーヒーカノン」という歌の内容が知りたくなります。ドイツ人なら誰でも知っている輪唱のメロディーで、日本でもそれなりに有名らしいといっても記憶になく、モヤモヤした気持ちを整理するため調べることにしました。
 何とか作曲者がヘリングという人物で、動画サイトから曲の感じや歌っている様子が分かったものの、ドイツ語のために歌詞も内容もさっぱり分かりません。さらに調べていくと、歌詞が見つかります。


C-a-f-f-e-e,
trink nicht so viel Caffee!
Nicht für Kinder ist der Türkentrank,
schwächt die Nerven, macht dich blass und krank.
Sei doch kein Muselmann,
der ihn nicht lassen kann!

 

 ※Google翻訳を使ってみると、


C-A-F-F-E-E
それほど多くのコーヒーを飲まないでください!
トルコの薬は子供向けではない、
神経を衰えさせ、あなたを青白くそして病気にします。
Muselmannにならないで
誰が彼を離れることはできません!


 「Muselmannにならないで」と肝心のMuselmannが翻訳されないので、さらに調べると、「回教徒」のことでした。ただ、この曲が作曲された当時はトルコの回教徒を表していたものが、ナチ強制収容所においては、「回教徒」(Muselmann)とは抑留者を意味していたのです。さらに、ここで言う「回教徒」とは、「死にかけの抑留者」を指して用いられた「隠語」であり、その名付けの理由は、「毛布にくるまった死にかけの抑留者の姿が、祈りの際に地面にひれ伏すムスリムの姿に似ているから」とされています。「毛布にくるまれた骸骨」。これが「回教徒」の一つの表象なのでした。
 これまで喉につかえたものが取り除かれたものの、何ともいえない気分になります。アウシュヴィッツの現実を「コーヒーカノン」という歌からも突きつけられます。
 よく「二度とアウシュヴィッツを起こしてはならない」と言われていますが、しかし同時に、「脳死」や「出生前診断」をめぐる論議や、人間を「有用な者」と「無用な者」に分け、後者を排除するナチズムのような思考が繰り返されている現代社会を見ると、著者が言う、「過去はあたかも無かったかのように、無理やりねじ伏せて克服するものでもない。過去は正確に記憶され、再発をさせない努力をしてこそ、確かに克服されるのではないかと思うのである。」の言葉が胸に刺さります。
 ところで、検索中にコーヒーカノンという名の店が何軒かありましたが、こうした背景を知っているのかな?

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〇〇の日

 1月9日は「ジャマイカ ブルーマウンテンの日」だったそうです。制定理由についてはココを見てもらえれば分かりますが、この日が制定されたのは昨年の事です。随分前の出来事に由来するにも関わらず、制定されたのが意外にも最近ですね。まあ、それなりの急遽制定された訳があるのでしょうが、その辺の事情はトンチを効かせて謎解きしてください。だって、1月9日は「とんちの日」でもあるのです。(19でいっきゅう、一休さんといえば「とんち」)

  お店ではブルーマウンテンのような高級(高い!)豆は販売していないので、「ブルーマウンテンの日」だとか、「数年おきにハリケーンが発生し生産がなかなか安定しないブルーマウンテン。そこで、勝ち残った縁起の良い豆ということで勝ち豆として受験シーズンにピッタリ!」などと、ジャマイカコーヒー輸入協議会(アタカ通商、MCアグリアライアンス、兼松、UCC上島珈琲、豊産業、ワタルの6社)みたいに売り込む気はありません。

 記念日と言えば、もう少し先になりますが、1月27日は「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」です。ユダヤ人強制収容所のアウシュヴィッツが解放された127日を忘れないため、2005111日に国連総会において、ユダヤ人の3分の1、そして無数のマイノリティーの人々が殺害されたホロコーストを再確認し、憎悪、敵対感情、人種差別、偏見がもつ危険性を永遠に人々に警告することを目的に採択されました。

 ならばと、以前読んだ『アウシュヴィッツのコーヒー コーヒーが映す総力戦の世界』(臼井隆一郎著)を再び読みはじめました。前回同様に、「はじめに」から少し苦味の効いた言葉が続きます。『戦争が総力戦の段階に入った歴史的時点で、戦時と平時が明快な区別線をもたなくなった。コーヒーを飲みたいという個人的な欲求が国民的欲求となり、それが国民的欲動となって植民地獲得の動きと化し、ついには世界総力戦に入り込む。そうなれば、一杯のコーヒーさえ飲めれば世界などどうなっても構わぬと考えていた人間が、どのような世界に入り込んで苦しむことになるかの典型例をドイツ史が示していると思われるのである。そして、そのドイツを見続けていると、その回りにアラビアやアフリカの国々が蝟集し、ついにはユーラシア大陸を貫いて極東アジアや日本をコーヒー色に染め上げる筈である。』 

さて、いつまでかかって読み終えることができるのかと思いながらも、ブルーマウンテンよりもリーズナブルで、そこそこ美味しいコーヒーを飲みながらページを捲るのでした。 

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ウンコタタシ

 前回「911日がエチオピア歴での正月となります」と記載しましたが、911日は、エチオピアカレンダーでは91日となってしまう訳のわからないエチオピア歴です。説明を読んでも理解不能で、そもそも西暦についても正しく理解していない私には、単に異国の文化として把握するしかありません。

 そして、エチオピアの新年はウンコタタシ(アムハラ語: እንቁጣጣሽ)と呼ばれます。少年たちが「〇〇〇!」「〇〇〇!」と訳もなく連呼し、女子から「馬鹿じゃないの?」って言われる光景が浮かんでしまうウンコタタシではありますが、ウンコは指輪、タタシはあなたの指という意味があり、古代イスラエルのソロモン王がシバの女王に指輪を贈ったという伝説に由来しているので、幼稚に茶化す言葉ではないのでした。

 お正月の時期は自宅で家族と過ごすことが一般的で、この時期は一週間ほど官公庁など会社や商店がお休みとなります。エチオピアでは国民の80%以上の人が農業および牧畜に携わっていることもあり、五穀豊穣、緑豊かな一年になってほしいという願いをこめて、家の前や食堂、雑貨屋さんと、いたるところで雑な感じに草がばらまかれ地域もあるようです。

 日本では正月はお節料理と決まっていますが、シャクラティブスという炭火焼肉を食べたり、ドロワットと呼ばれるカレーに似た料理が有名なんだとか。「ドロ」とは鶏肉の意味し、「ワット」はカレー状の料理のことだそうです。トロミがある濃い赤茶色のソースをターメリックライスにかけて食べるようですが、とにかく辛い料理で、日本の激辛カレーの30倍~50倍のレベルはあるそうですが、カレーとは異なる味わいがあり、辛さの裏側に旨味と多少の苦味も感じられる、クセになる味だとか。お正月には、家族や友人、恋人などに、ドロワットを手で食べさせてあげることをグルシャと言いい、とても大切な意味があるといいます。

 結局、食べることばかりが気になってしまったエチオピアのお正月でしたが、一度はエチオピ料理店で食べてみたいものです。でも、近くには無いからな~。

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コーヒー産地のお正月

 元旦には「お節料理」、二日には「とろろ」、そして昨日は「七草粥」、さらには鏡開きとお正月らしい行事が続きます。いかにも日本的な雰囲気が心地よく、日本に生まれてよかったと思える瞬間です。じゃあ、コーヒーの産地ではどんなお正月を過ごしているんだろうか?と疑問が湧き、少しばかり調べてみました。
■ブラジル
 新年にレンズ豆を食べる習慣があり、富や繁栄の象徴とされるレンズ豆を食べると、新しい年も幸運に恵まれると信じられているそうです。ちなみに、ブラジルでは大晦日に白い服を着て過ごす習慣があるのだとか。白はブラジルの民間信仰の水の女神様を称える色で、新年への願いを込めて身につけるのだそう。また、年越しをビーチで迎える人も多い真夏のブラジルでは、新年を迎える瞬間、海に入って7つの波を乗り越えながら願い事をし、そのまま後ろ向きにビーチに戻ってくると願いが叶うという言い伝えがあるそうです。
■コロンビア
 若い世代は迷信だとバカにしたり、習慣自体あまり知らなかったりするそうですが、面白い習慣があるようです。・台所などに麦の穂で作った飾りを飾る。(来年の豊穣と幸運を祈る)・大晦日の数日前から「アニョ・ビエホ(古い年)」という等身大の男の人形を廃品などで作り、大晦日の年明けと同時に燃やす。(古い年の厄を落とす?)ただしこれは主に田舎や貧困地域で行われ、都市部のお金持ちの人はしないそうです。また、年明け前に12粒のブドウを食べ、12ヶ月の幸運を祈り、一つ食べるごとに心の中で願い事をします。そして、12時と同時に新しい黄色いパンツ(下着)にはきかえるんだとか。さらに、空の旅行かばん(スーツケース等)を持って家の周りを一周し、新しい年にいっぱい旅行ができるように、という願いをこめるようです。
■グアテマラ
 お正月といってクリスマス休暇の続きという感じのようです。お正月明けの1月6日ごろまで、クリスマスの飾りが飾られたままのようですし、お正月の食べ物も、タマル(とうもろこしの粉を練って、鶏肉や野菜をトマトソースで煮込んだものをくるみ、バナナの葉に包んで蒸したもの)やポンチェ(カットしたパイン、バナナ、リンゴ、パパイヤ、レーズン等の果物に、水と砂糖、シナモン、生姜を加えて作る温かい飲み物)などでクリスマスと同じようなものを食べます。また、2日から仕事が始まる場合が多いので、元旦はクリスマス休暇の最後の日でもあるのです。
■エチオピア
 独自の文化を持っており、9月11日がエチオピア歴での正月となります。また、国際時間の0時ではなく、朝の6時が新年の始まりになるうえ、エチオピアでは13月まで存在するそうだから非常に複雑です。では、西暦の1月1日はというと、ごく普通の日となっているため、学校もあれば会社も休みではないので正月な雰囲気は全く無いのです。
エチオピアでの新年1月1日(西暦9月11日)は、日本のお節料理のような定番料理があり、こちらではドロワットという料理のようです。タマネギを何キロもきざんで香辛料と一緒にじっくり炒め、鶏肉と一緒に煮込んだドロワットは、辛さもおいしさもエチオピア料理一と言われています。
 たぶん、こうした国々へ行くことは無いと思うのですが、だからこそ、その国の暮らしぶりを知ることで、そこで生産されたコーヒーの香りとともに、その国の文化の一端を同時に楽しむことが出来ると思うのです。

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コンビニコーヒー

 定休日の朝、妻から渡されたメモには7つのミッションが記載されていました。普段の土日は当然家にいないため、定休日を待ってましたとばかりに宿題が出されます。でも、家のことを妻に任せっきりになっている部分もあり、これくらいのミッションは容易いものです。
 ミッションは昼過ぎには何とか片づけることができ、コンビニへ立ち寄ってジュースでも飲もうと思い店内に入ると、丁度お客さんがコーヒーを注文しているところでした。考えてみると、セブンイレブンがアラビカ100%のコーヒーを発売した当初に飲んだっきり、コンビニコーヒーを飲んだことがありません。あの頃からコーヒーマシンやコーヒー豆も随分改良されており、美味しくなったと言われているのに、これまで無関心でいた自分に気がついたのです。
 そこで、近くのコンビニへ急遽巡って集め、コンビニコーヒーの飲み比べをすることにしました。用意したのは次の4社です。
■セブンイレブン
ホットコーヒー R 100円
アラビカ100%の豆を3つの焙煎度に分けてブレンドし、専用に設計された全自動のマシンでドリップ抽出
■ミニストップ
ホットコーヒー(S)100円
キリマンジャロブレンドを全自動マシンでドリップ抽出。使用する豆は、各生産国の輸出格付けにおける最高等級アラビカ豆を100%使用。
■ローソン
コーヒー(S)100円
ブラジル・ナチュラル、ブラジル・パルプドナチュラル、コロンビア・スプレモ、タンザニア・キリマンジャロAA、ニカラグアSHGの5種類のアラビカ豆をブレンドコーヒーに使用。
■ファミリーマート
コーヒー(S)100円
10月上旬から順次新型コーヒーマシンの導入を開始していますが、こちらの店舗では従来のエスプレッソマシンでした。2月末までには全店でペーパードリップ式を採用したマシンになるようです。
 多くコンビニでは、以前のようなエスプレッソマシンからドリップ抽出の全自動マシンへ切り替わっているようですが、セブンイレブンは3つの焙煎度の豆を使用しているというのに、マシン上部の豆をみても黒くテカテカした豆ばかりです。ミニストップは最高等級の豆だと言いつつも、注意書きには生産国の格付(輸出規格等)における、一部のプレミアム品を除く一般流通の最高等級となっているとあり、何をもって最高なのかが分からない。ローソンは使用している豆をみると一見良さげで、店頭では同価格でイエローブルボンを40%使用したものもあったが、できれば中煎りで提供して欲しい。ファミリーマートはマシンが新しくなったら再び飲んでみよう。(味については個人により差があるためコメントしません)
 分かったことは、昔のようなロブスタ入りのコーヒーではないということと、喫茶店やコーヒーチェーンで飲むより美味しくて安い!ってこと。そして、コーヒーは紙コップじゃなくてコーヒーカップで飲みたいと思ったことです。仕事の合間にコンビニへ立ち寄ったり、弁当と一緒に車の中でコーヒーを飲んでいる光景を見ると、どこか切なくなったのが感想です。

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徐々に平常モード

 正月早々から腰痛になり、正直困ったものだと思っていましたが、猪石神明社のお守りのご利益なのか、なんとか徐々に平常の状態に戻りつつあります。

 営業開始の4日は年末のようにお客様も多く、コーヒー豆も平日に比べて多く方がお買い求めになりました。けれど、5日の今日は、昨年のデータと同じく静かな一日となっています。どんな理由があるのかは分かりませんが、調子のよくなった腰の具合もあって、イチゴのロールケーキと桜のロールケーキを作り、不足したガトーショコラを焼きながら、数種類のコーヒー豆の焙煎作業も進みます。これで、ほとんど今年焙煎のコーヒー豆に切り替わりました。

 そうして徐々に平常モードになってきたこともあり、忙しくなる前に片づけておこうと、娘から依頼されていた、披露宴の際に配るブチプレゼント作りを行います。長女の時はクッキーの詰め合わせを準備しましたが、今回は珈琲屋らしくドリップバッグとブラウニーを組み合わせてみました。娘からプチプレゼント作りを頼まれる父親ってのも悪くないもので、何かしら特別な行事に関わることが出来、嬉しいかぎりです。

 さて、明日は日曜日とあって平日よりも多くの方が来店されます。腰に負担を与えないように注意し、体も気持ちも上向きにモードを切り替えたいものです。とりあえず、明日の朝は不足したクッキーを焼かねば!

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仕事始めに備える

 2日の朝は例年のどおり、この地方の男の役目となっている「とろろいも」を準備し食べました。とろろを食べると、長生きするとか、一年風邪をひかないとか、一年を無病息災で過ごせるとか、謂われはいろいろ有ります。さらに山芋には整腸作用や滋養強壮作用があるとされることから、おせち料理のごちそうに疲れた胃をいたわり、仕事始めに備えた体力作りに功を奏してくれるそうです。
 4日の営業開始を前に胃袋から準備をしたら、今度は気持ちを盛り上げねばと、ミッドランドシネマ名古屋空港へ向かって「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」を見て、テンションをアップしようとしました。チケットを購入して上映までの時間を、併設のモール型ショッピングセンター「エアポートウォーク名古屋」で妻とショッピング。(ほぼ付き添いとして同伴)
 ところが、途中でグキッ!と腰に違和感を思えます。やっちゃったか?と思った瞬間、真っ直ぐに歩けなくなり、フードコートで休憩することになりました。なんとか映画を見たものの、自宅に帰ってからは身動きできない状態になります。
 翌日、コーヒー豆の商品棚がスカスカになっているため、腰の痛みを堪えながら焙煎を開始します。本来の予定では、クッキーやケーキを焼いて万全の状態で営業開始の準備をすることでしたが、焙煎後のハンドピックで椅子に座ると、腰が元に戻らなくなるので程々にします。そんな時に限って「やってる?」というお客さんが二人ほど声をかけてきました。背中を丸めながら「明日からです!」と応対したものの、明日もこんな状態だとマズイな!と考えてしまいます。
 焙煎作業をしている間、猪子石神明社で受けたお守りを身につけていたおかげか、多少痛みが和らいだ気がしました。明日も身につけて何とか乗り切れることを祈って、仕事始めに備えるのでした。

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お正月恒例

 我が家の元旦は、毎年いつもと変わらぬ朝から始まります。先ずは9時前に下石町の公民館へ行き、新春歩け歩け大会に参加しすることです。でも、今年の朝は妻と二人で歩くのではなく、嫁にいった娘二人と次女の旦那の5人で歩きます。
 公民館に着くと丁度準備運動が始まる頃です。毎回インストラクターの指導でストレッチを行うのですが、今回は懐かしいラジオ体操でした。寝不足の体をほぐしながら体操し、廃線となった東濃鉄道の線路道を歩き始めます。
 青く晴れ渡った空の下で歩くのは気持ちの良いもので、折り返し地点である若宮神社で配られる抽選番号の紙をもらい、ゴール地点の八剣神社までの40分間が意外に短く感じます。ちなみに、今年の抽選は5人中2人が当たり、妻が地元のスーパーの商品券1,000円、次女が500円とまずまずの結果でした。
 歩け歩け大会の後には、市内にあるプレミアム・アウトレットへ妻と娘ふたりを送迎します。人混みの中で目的もなく歩くのが苦手な私と娘婿は自宅待機で、女性陣の帰りを待つことになりました。
 こんな感じで、いつもと変わらぬ我が家の元旦でしたが、正月だけ家族の人数が増える光景が、これからの我が家の定番となるのでしょうか。

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