■ 2017年8月 ブログ

頂いた雑誌のコピー

 コーヒー豆を購入されるお客様から、「親戚が豆を買っているお店だそうです。」といって、雑誌記事のコピーをいただきました。調べてみると、ku:nel(クウネル)2011年11月号(マガジンハウス出版)の「街とコーヒー。」という特集記事の中の一部で、『盛岡・クラムボンより   

 小さな手紙と光る豆』と題した記事でした。
 「城下町の風情が残る静かな通りを進むと、オレンジのあかりが灯る喫茶店、「クラムボン」があります。店主の高橋正明さんは、窓辺の焙煎機で毎日豆を煎り、配達の注文が入ると、それを袋に詰めて発送します。郵便振替用紙の間に、直筆の小さな手紙を挟んで。」というくだりで始まります。
 富士ローヤル5kg焙煎機の前でハンドピックしている姿、バネ秤と焙煎記録が書かれたノートなどの店内の様子、盛岡市内を流れる川の景色、そして、何よりも軍手をはめた店主の渋い顔が「クラムボン」という店の雰囲気を醸し出しています。
 記事の中で、理想のコーヒー屋を聞かれ、こう答えておられます。『「ひとりでも友だちと来ても居心地がいいところ」と、すんなり答えが返ってきた。一杯のコーヒーで空間を共有できるのが喫茶店だから、そえぞれが自由に過ごしてほしい。読書や書物をしたり、グループでおしゃべりに興じてもいい。主役は、店主でもコーヒーでもない。お客さんだ。そして、お客さんに喜んでもらうためには、いい空間をつくらなくてはいけない。いい空間にはゆるやかな時間が流れ、それが居心地のよさに繋がっていくと思うから。その手助けをするのがおいしいコーヒーなのだ、と。』
 なる程と思いながら頷いたのですが、一つの空間にそれぞれの思いを共有するのは難しいもので、おしゃべりの声の中で本を読むのは気が散ったり、コーヒーに癒された後にコックリ居眠りをすることも出来ないなど、空間をコントロールし、いい空間を作るのは至難の技だと感じたりします。でも、そうありたいとも。そして、それ以上に家庭で素敵な空間を作ってもらいたいと。
 ところで、この店に親近感を感じたのは店名の「クラムボン」でした。宮沢賢治の『やまなし』に出てくる正体不明の「クラムボン」であることは、岩手県盛岡市という宮沢賢治ゆかりの地であることから想像でき、「まめ蔵」の店内に飾っている『よだかの星』を題材にした絵も宮沢賢治であることから、不思議な偶然なのか必然なのか、お客様が引き合わせくれたような気がしてなりません。
 再び店主の写真を見ながら、「20年後には自分も珈琲屋らしい店主の顔になっているのかな~。」と思ってみるのでした。

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情熱の赤

 週に数回来店される80代のご夫婦から、真っ赤に熟したトマトをいただきました。恵那市の直売所で購入されたようで、見るからに熟して美味しそうなので、お裾分けといって渡されました。

 赤いと言えば、コスタリカのサンタアナ農園ブラックハニーも赤いパッケージを使用しており、二つ並べると情熱の赤って感じになって、全くの別物なのに、赤が多くなるとテンションが上がります。

 ちなみに、コスタリカのブラックハニーは昨年の12月に紹介して評判が良かったので、8月に入荷することを知って早速販売を始めました。昨年同様に生豆商社の在庫が早くなくなると思うので、目立つように赤色のパッケージを使っているのです。

 「情熱の赤」ってよく言ったもので、赤からは太陽や火の熱く活発なイメージが浮かびます。エネルギーを感じるアクティブな色です。血液が赤いことなど、人が生きるために必要なものと多く結びついている赤は、他のどの色よりも強い刺激があります。気分を高揚させ元気を与えてくれたり、スポーツで闘争心を駆り立ててくれます。

 パッケージだけでも赤色にしたので、このコーヒーを飲んで元気になってもらえれば、なんて思ったりしています。いただいたトマトの方は、今晩のサラダにしてみようかな。

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中山道ハイク 馬籠宿~妻籠宿

 先月の特定検診で予想通りBMI数値が高く、家族から批判を浴びる結果となりました。そんな経緯を踏まえて今日の受診で医師から、「奥さんが美味しい料理を作るから仕方ないですよね。」と慰めてもらいましたが、現実はそれほど甘くないので少しばかり運動しようと、店の本棚にある「日帰りらくらくハイキング」を見つけて、馬籠宿から馬籠宿までの中山道自然歩道を歩くことにしました。
 車でとりあえず妻籠宿まで向かい、駐車場に車を置いて路線バスでスタート地点の馬籠宿まで移動します。ガイドブックには「全長9Km、ゆっくり3時間かけて歩いてみましょう。」とありますが、宿場町の端から端までの距離を示しており、自然歩道の各所に表示れている矢印の距離は宿場町の入口までの距離となるため、7.7km先と短く表示されると意外と頑張れるものです。それに、馬籠~馬籠峠は急な短い坂で、妻籠~馬籠峠はゆるやかな長い坂のため、馬籠から妻籠へ歩けば途中から下り坂だけになるから楽だと考え、このコースにしてみました。実際は妻籠宿から馬籠宿へ歩く人のほうが多かったように思います。

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コーヒーで虫除け?

 コーヒー豆を焙煎した際の欠点豆を再利用すため、お店では「消臭・芳香袋」として加工し、来店される方お配りしていますが、使用したコーヒーカスを有効活用する方法は色々あるようです。

 一般的には土に混ぜて肥料にしたり、野良猫よけになるとして家の周りに撒く人もいます。野良猫よけに効果があるか分かりませんが、肥料としては市販されているものもあり、コーヒーともみ殻を合わせた物を土の再生剤という形で再利用されています。

 欠点豆のようなコーヒー豆の状態では、消臭芳香剤にするところもあれば、小豆の代用として「お手玉」の中身に活用する物も見ました。けれど、これは良いアイデアだと思えるものは中々みあたりません。そんな事を考えていると、「コーヒーで虫除けになる!」という情報を見つけたのです。乾燥したコーヒー粉を蚊取り線香のように燃やして煙を出すと、蚊が寄り付かなるというのです。本当か?!疑心暗鬼で実際に火をつけてみました。

 欠点豆を細挽きにして小皿に盛ります。てっぺんにライターで火をつけると、意外にも蚊取り線香のようにゆっくり煙を出して燃え進みます。でも煙の臭いはコーヒーの香りと言うより、ただの煙い臭いしかしません。しばらく店の裏口付近で燃焼させますが、虫除けになるかどうかの検証はできませんでした。もちろん、コーヒーの燃える小皿を持って、藪蚊のいっぱいいそうな竹林に入っていく勇気ありませんからね。

 だからといって、本当に効果があるのか確かめたいので、いろいろ試された人の文章を探したり、科学的な根拠を掲載したもの探したのですが、結局見つけることが出来ませんでした。焙煎豆の成分をみても、虫除けに効果のあるものはないように思うのですが、実際どうなんでしょうか?まずは、自分が竹藪に入るのが先かな?

 

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流し素麺&BBQ

 今夜は土岐手話サークル竹の子のデイキャンプです。まだ明るい午後6時に始まり、8時半に閉会するまで流し素麺やバーベキューで盛り上がりました。デイキャンプといってもバーベキューなんですが、昔は各地のキャンプ場へ出かけ、テントやバンガローで深夜まで酒を飲み交わしていたのですが、いつの頃かデイキャンプとういう日帰りの形になり、今では完全にバーベキューになりました。

 そんなマンネリ感のあるイベントですが、少しでも楽しもうと担当幹事が工夫をし、竹で作った本格的な流し素麺を準備してくれました。近くの竹林で手頃なサイズの竹を切り、メンバーの旦那さんが建具職人なので応援してもらい、竹の節を綺麗に取ったり怪我をしないように面とりをしてもらい、二つの流し素麺レーンを完成させてくれたのです。

 正直、素麺自体の味は自宅で食べる物の方が美味しいと思うのですが、外で食べる開放感と流れ落ちる素麺を上手く取れないゲーム性で、普段食べる素麺よりも何倍も食べることになって、もうお腹いっぱいになりました。

後から次々配られるホイル焼き、大あさり、エビ、焼肉と、シメの焼きおにぎりまで、BBQフルコースを満喫しました。

 も~お腹いっぱいで何も食べられない~!なんて言いながら、明日になれば普段どうり朝食を食べるんだろうな。

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西尾征一郎 遺作展

 瑞浪市のろうあ者であり、土岐手話サークル竹の子の設立者の一人でもある西尾さんは、私が22,23歳の時にサークルの学習会で出会ってから、多くの刺激を与えていただいた方です。手話やろうあ運動だけにとどまらず、それまで絵画について余り興味のなかった私が、毎年二科展を見に行くようなったうえに、近郊で開催される展覧会にも出かけるようになりました。そんな縁で店内に飾っている中山尚子さんとも出会うことになったのです。そして、自分自身も下手の横好きで絵手紙を始めることになった訳で、出会いと言うのは人を変える大きなキッカケになると実感しています。

 そんな西尾さんが昨年に亡くなり、ちょうど一年が経過しようとする時期に、「西尾征一郎 遺作展」開催の案内状が届きました。会場は毎年瑞浪市の画家グループ「萌穂会」が展覧会を行っている瑞浪市総合文化センターで、9月22日(金)~24日(日)の間に行われます。同時に西尾さんに関係のあった人達が集まって偲ぶ会が開催されますが、度々臨時休業にすることもできないため欠席する予定です。

 西尾さんの個展での手話通訳を担当したりして、30年以上の間に渡って作品を見てきましたが、抽象的な絵画に当初は「何がどうだか分からない」と思っていました。けれど、自宅で若い頃の精細なデッサンを多く見て、技術的なレベルの高さを知ったものです。そして、絵に対する西尾さんの想いを聞き、作品の意図するものを感じるようになりましたし、年齢とともに表現方法や色合いが変わっていく様子を、近くで見ることが出来る貴重な経験をさせてもらいました。

 西尾さんも闘病中に時々来店いただきましたので、偲ぶ会当日にはカウンターの中でコーヒーを淹れながら、案内状にある作品を見て想い出してみようと思います。

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松屋式で抽出を楽しむ

 久しぶりに今朝、絵手紙を描いてみました。絵手紙を描く気分になったのは、昨日、コーヒー豆を買いに来店され方の中の一人に、春の公民館講座を受講された女性がお見えになり、「教えてもらった松屋式で淹れているんですが、なかなか上手く淹れられなくって。」と言われたからです。

 公民館講座で説明したように細く注ぐことを意識し、出来るだけ細口のドリップポットを使っているそうですが、細く注ぐコントロールが難しいそうです。コーヒー豆選びに迷っていたようなので、カウンターに座ってもらい、試飲の準備をしながら色々と話を

し、「スキッター」を使ってみたらとアドバイスをしました。次回来店されたときに感想を聞くのが楽しみです。

 お客様とコーヒーの話をするのは楽しいことですが、それ以上に嬉しかったのが松屋式で抽出を楽しむ姿が想像できたことです。公民館講座で松屋式という一見風変わりな抽出法に興味を持たれ、実際にやってみて何とかして美味しく淹れてみたいという気持ちが嬉しいですね。

 朝のコーヒーを蒸らしている間に筆を執り、家を出る前に色付けして妻に見せると、いつもの通り「これ指?いいんじゃないの。」と、痛いところを突かれながらも、一応及第点をもらって画像をアップしました。そんな気持ちを込めた一枚です。

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セルフ・マネジメント

 先日、妻が新聞の切り抜きを娘に見せながら話をしていました。私もその切り抜きを見ると、妻が以前から切り抜きして集めていた、中日新聞の「くらし欄」に掲載されている、「クラッシャー上司」という上司の在り方をアドバイスする記事でした。

 「昔と違って。」と表現すると誤解を生みますが、確かに上司と部下の関係は以前より難しくなりました。だからこそ新聞に掲載されるのでしょうが、妻から、「あなたは部下がいないから関係なくなったね。」って言われてしまいました。確かに社員育成や指導に悩むことはなくなりましたが、全て一人でやっているからこそ「セルフ・マネジメント」が必要になってくるのです。

 「セルフ・マネジメント」という言葉のイメージは、「自己管理」といった言葉で訳されることが多く、「毎朝何時に起きる」とか、「ジョギング何キロ走る」といったように、「自分自身を厳しく律し管理する」というニュアンスで受け取られがちですが、「セルフ・マネジメント」の本質的な意味は、「自分自身という貴重な資源を最大限活かし、まず自身が成果を上げる」という意味です。
 経営学者であるドラッカーの言葉に、「一流の仕事をするには、まず自己の強みを知ること。そして、仕事の仕方を知り、学び方を知る。価値観を知る。自己を知ることで、得るべきところが分かり、なすべき貢献が明確になる。」というものがあります。自分自身が何者かを理解し、自分を活かすことこそが「セルフ・マネジメント」なのです。
 サラリーマン時代を考えてみると、組織のマネージャーの多くは「疲弊」しているように見えました。あまりにも細分化された業務やルール、煩雑な事務処理、人間関係、人事異動や配置転換により、本来の自分とは違う働き方を余儀なくされている場合も多いのです。とかく、「どの組織に所属している。」「どういう肩書き、役職を背負っている。」という言い方をしていましたが、肩書きや所属先に関心を持つのではなく、自分が何を目指していて、どんな強みを持っていて、どのような人になろうとしているのかが、本来大切だったはずです。

 現在は一人で部下もいませんが、直接お客様と接することや関連業者、同業者との関わりは、全て人間関係で成り立っています。だからこそ、「仕事の仕方を知り、学び方を知る。価値観を知る。自己を知ることで、得るべきところが分かり、なすべき貢献が明確になる」を理解し、自分らしく進まなければなりません。ある方は、「性根」という言葉を使われましたが、ブレることなく「セルフ・マネジメント」を続けることだと考えました。

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大須ブラ散歩

 今日は土岐市保健センターで胃がん検診でした。毎回不味いバリウムを飲み、レトゲン車の機械の上をクルクル回る検診に、相変わらず進歩がないことにがっかりしながら、「必ずしなさいよ!」と妻に言われて受診するのでした。

 毎回バリウムの排出には苦労するため、今回は店内しか歩かない体を動かすことと、バリウムを下へ揺らして落とすため、久しぶりに大須商店街をブラリ散歩することにしたのです。というか、松屋コーヒー本店へ行くついでに大須の商店街を歩いて運動しようというのが本当の理由です。

 大須の歴史は今から約400年前までさかのぼります。名古屋城が築城された1610年から2年後の1612年、岐阜羽島の大須観音が移転してきたことから、この界隈は「大須」と呼ばれるようになりました。以来、大須観音から通りが延びる大須商店街は門前町として大いに栄えます。大須近辺は「芸どころ尾張名古屋」の文化・芸能の中心地で、江戸時代から芝居小屋、見せ物小屋、遊郭などがひしめく盛り場だったそうで、今では大須演芸場が何とか残っている状態です。10年ほど前まで大須演芸場で行われた、ロック歌舞伎スーパー一座の上演する「大須オペラ」を毎年妻と一緒に見に来ていました。

 そんなことを考えながら、昔と比べて綺麗になった大須演芸場を見た後に、東仁王門通りを歩いていると、際立って陽気なお店があります。いかにもブラジルらしさを感じる元気な緑色の看板の「オッソ・ブラジル」です。道にはみ出るコカコーラの椅子、ロースターでは豪快に鶏の丸焼きが焼かれていて、この一画だけが南米の街角のようです。

 日本人スタッフがいないので店内の様子を見ていると、自動券売機で食券を買う仕組みだと分かり、平日限定のランチを注文しました。ここは鶏の丸焼きがメインなのですが、一人で食べるには多すぎるので、丸焼きの一部をカットしたプレートランチがちょうどいいのです。
食券を渡すと、スタッフが専用の焼機でじっくり時間をかけて焼き上げた丸焼きを手早くカットしています。一晩タレに漬け込んだ生鶏と焼き上がった鶏とでは、油分が減り35%以上小さくなっているそうで、意外とあっさりした味付けになっています。

 そのオッソブラジルから少し歩いていると、「チチカカ」という雑貨屋がありました。中南米の衣料、アクセサリ、雑貨が充実してます。日本人スタッフなので、店の奥にある中南米の置物を見ながら異国情緒を味わうことができ、奇妙な人形やお面のような飾り物、南米らしいデザインの小物が目を引きました。

 大須商店街には世界各国のグルメを楽しむことができます、インド、台湾、トルコ、中国、イタリア、次回は何を食べてみようか迷ってしまいます。そんな独特な看板の商店を見ながらたどり着いたのが、最終目的地の「松屋コーヒー本店」です。一年以上も来ていなかったので何だか懐かしい気分で店内に入り、松屋式の金枠と雑貨を購入し、カフェ・ルパンで「ブラジル松屋スペシャル」の注文します。

 ブラジル松屋スペシャルを飲みながら、大須商店街の地図を眺めて歩いた道のりを確認し、今日の「大須ブラ散歩」は終了しました。あ~美味しい!

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災害対応

 今年の夏は例年と比べて局地的な大雨が多く、これまで防災行政無線ではあまり聞くことのなかった、「非難勧告」の言葉をよく聞きます。

 昨日の朝も、お店の裏に設置された防災行政無線から、「下石町、妻木町に避難勧告が出ています!」と流れますが、危機感を感じような状況に思えません。けれど緊迫感がないまま、「今、避難勧告の放送が流れています。」と店内のお客様へは一応お知らせしました。

 昨夜も寝室で寝ていると、防災行政無線が何度も「非難勧告」を知らせる放送が流れました。けれど、外の様子は特別多くの雨が降っている様子もなく、いったい土砂災害の心配な場所はどこなのか具体的にしてほしいと思いました。そして、朝起きてテレビを見ると、「瑞浪市の中央道で土砂崩れが発生し、何台もの車が巻き込まれました。」と、身近な災害を知ることになります。

 あってはならないことですが、自然災害は、いつ、どのような形で起きるかもしれません。そんな気持ちになったのは、以前に巨大地震発生の緊急テスト放送が流れた際、テスト放送だと気付かずに防災行政無線を信じ、「お客様、今、大きな地震がくるとの放送がありました。もし揺れたら、直ぐにテーブルの下へ隠れてください。」と案内しました。緊急放送を聞きなおしてテスト放送だと気付きましたが、本当だったら今のままで良かったのかと反省したものです。

 今回の「非難勧告」放送を聞き、消化器2基の使用期限や懐中電灯の電池在庫を確認しましたが、気になると他にもヘルメットを用意した方がいいんじゃないかとか、心肺蘇生覚えているかな?AEDは隣の消防施設にあるし、なんて色々考えます。これまで、幸いにも大きな災害に見舞われたこともなく過ごしてきましたが、今後はどうなるかわかりません。必要な防災具の準備や心の準備も必要です。とりあえず、災害時対応の注意点を壁にでも貼っておこうかな。

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ダボコロcooking

 コーヒーと一緒に食べるお菓子といえば、クッキー、チョコレート、ケーキ、柿の種なんて直ぐに浮かびます。人によっては、これが一番合うってのもあるでしょうが、コーヒー原産地といわれるエチオピアにも定番の物があります。それは「ダボコロ」です。

 エチオピアでは、来客があった際に行うコーヒーセレモニーで、欠かせないお菓子の一つが「ダボコロ」。ダボはアムハラ語パン、コロは、穀物(豆)という意味です。細長いダボコロは麦の形、三角形は穀物(豆)の形を表しています。都会では買って済ませる人が多くなったようですが、地方では家庭で手作りが主流だそうです。ダボコロは、「はなむけの菓子」とも呼ばれ、家族や友人が長旅にでるときに持たせます。「その土地に慣れるまで、ダボコロを食べて元気を出してね。」という意味だそうです。

 そこで、今日の「本日のコーヒー」をエチオピアにしたのに合わせ、「ダボコロ」を作ってみました。下記にレシピを載せましたので面白半分に作ってみてください。

■材料■

小麦小麦粉  225g
砂糖    大さじ1
塩    小さじ1/2
水    100ml
サラダ油 大さじ1.5

揚げ油 適量
打ち粉 少々

①材料を混ぜて、よく練る
 ボウルに材料を入れ、分量の水を少しずつ加えます。5、6分よく練り、滑らかで、少し固めの生地をつくります。
②生地を切り分ける
 生地を6等分に切り分け、生地を麺棒で一つずつ丸く伸ばし、1.5cmくらいの幅で細長く切っていきます。
③生地をひも状に伸ばす
 生地を手で転がしながら、直径4-5mmくらいのひも状に伸ばします。
④生地を切る
 調理ばさみや包丁を使って、豆を表す(三角形)と穀物(麦の形)の2つの形を作ります。※調理ばさみを斜め平行に切ると麦の形、斜めに交互に切ると三角形になります。
⑤調理する
 調理方法は、油で揚げる、から煎りの2通りあります。お好きな方を試してください。どちらも、きつね色になる色づく手前で火を止めるのがコツです。手前で止めると、余熱でちょうどよい仕上がりになります。※お店ではオーブンで焼いてみました。

 エチオピアのお菓子ですが、材料にスパイスを使いう訳でもなく、小麦粉をベースにしているので違和感なく食べられます。「おかき」や「スナック菓子」のような感じで、意外に後を引きますね。

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こんなところにコーヒー農園

  昨夜テレビを見ていると、『世界の村で発見!こんなところに日本人 3時間スペシャル』で、コスタリカに住む日本人を紹介していました。その中でコーヒー農園の画像も出ていたので、気になって取材先の場所について調べてみたのです。

 日本人のいた場所は山奥にある小さな集落・アマグロで、わずか5世帯20人しか暮らしていないらしい。地図ではコスタリカ西部に位置し、太平洋岸のほとんどをカバーする同国最大の州、プンタレーナス州の自治体モンテス・デ・オーロの中心地、ミラマールからアマグロまではおよそ1時間半の道程だといいます。

 このあたりは、アレナル火山やポアス火山の近くでコーヒー栽培に適した地域であり、コスタリカの主要コーヒー産地の一つグアナカステや西盆地近辺なので、コーヒー農園の画像が出てきてもうなずけます。そもそも、コスタリカは国土の約半分は海抜500m以上の高地で、北からグアナカステ火山脈、ティララン火山脈、中央火山脈、タラマンカ山脈が連なり、この国の中央を背骨のように走っています。中央山脈の南にある中央盆地は、海抜9001,500mの緩やかな起伏地形となっており、このあたりに多くのコーヒー農園が集中しているのです。

 お店で使用しているコーヒー豆は、コスタリカ中部の州のサンホセ州にある自治体タラスで、標高:1,7001,900mにあるガンボア農園の豆を使用しています。今回テレビ番組でコスタリカが紹介されたので、改めてコスタリカの地図を見ながら旅行気分を味わうのでした。

 でも、妻から「知らない街で感染症になったら大変だよ!」と言われ、テレビ番組のリポーター役が病気で寝込んでいた光景を思い出し、「やっぱり旅行気分だけにしておこう!」って思うのでした。

 

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煙突掃除

 定休日の朝は、昨日さぼった店内の掃除を行い、予定よりも早く焙煎機の煙突掃除をします。通常は焙煎の使用回数で掃除の時期を決めるのではなく、煙突の内側に1cm近くクリンカーと呼ばれる、焙煎の際に発生する油成分が綿菓子のように付着したら掃除をしています。でも、こうして早目に掃除するのは、焙煎時の温度上昇に違和感を感じたからです。

 使用している焙煎機の構造は意外にシンプルで、コーヒー豆を鉄のドラムという筒の中で回転させながら、下からガスの炎で加熱します。手網焙煎ならば加熱した空気はそのまま上に登りますが、焙煎による煙がモクモクと発生し、豆の表面を覆う薄皮(シスバースキン)が焦げたチャフと呼ばれるカスが落ちます。それでは店内が煙だらけゴミだられになるので、それらの排気を集めて煙突で外へ流すって訳です。その際に、チャフを集めた取り除くのですが、軽い煤のようなものが煙突に付着してクリンカーとなるのです。

 煙突は煙を出すだけでなく、焙煎機の中の熱を移動をスムーズにさせる効果があり、煙突内部に1cmもクリンカーが付着してしまうと空気の流れが遅くなって、外気温や外気の風の速度に影響されやすくなります。煎り止めのタイミングも晴れや雨の日で異なるので、煙突の口径はとても大切なのです。

 そんな訳で、今日は真面目に煙突掃除を行って焙煎機の面倒をみたのですが、来年には焙煎機を一部分解して本格的にメンテナンスをしようと考えています。長く付き合う相棒ですからね。

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宵の明治村

 お盆の期間中も普段と変わらず営業をしていますが、今日だけは家族サービスを目的に、午後3時までの営業時間とさせてもらいました。その後どうしたかというと、愛知県犬山市の博物館明治村で行われている、「宵の明治村」を楽しんだのでした。

 「宵の明治村」とは、“夜までたっぷり楽しむ明治の「涼」”をテーマに、明治村が21時まで延長開村され、明治の建物と街並がライトアップされます。花火やジャズコンサートが行われるほか、さまざまな屋台が並ぶ「明治お祭り広場」や、プロの占い師が運勢や相性を鑑定する「宵の占い体験館」をはじめ、「マジックショウ」「宵街映写」、夏“喜”氷(かきごおり)フェアなど、明治村ならではの夏の宵の“お祭”感が楽しめる企画が盛りだくさんなのです。

 過去に娘達が出かけて楽しんだこともあり、今回は次女と私達夫婦の三人で行くことになりました。また、当日は浴衣姿で入場すると、男女とも入村料が500円と半額以下になることから、久しぶりに浴衣を着て「宵の明治村」を楽しむことになります。浴衣は着る機会はあるものの、帯をきちんと締めるのは久しぶりでした。けれど、なんとか男結びで形だけでも何とか様になったのですが、履き慣れない草履で足を痛めてしまいました。日本人なのに恥ずかしいかぎりです。

 レンガ通りの灯篭の灯りに、浴衣姿がよく映える光景を楽しみながら歩くと、札幌電話交換局の壁面に映し出されるプロジェクションマッピングに目を引きます。
続いて、歩兵第六聯隊兵舎の二階で射的に挑戦して景品を獲得し、色鮮やかなステンドグラスがライトアップされる聖ザビエル天主堂で記念撮影です。途中、冷いきしめんやかき氷を味わいながら、重要文化財である芝居小屋の呉服座で行われたマジックショー堪能しました。マス席でマジックを見るのも粋なもので、タネがあると分かっていても驚かされます。ただ、天然の妻が驚くポイントに少しずれが生じているのも、マジック以上に驚きでした。

 多少歩き疲れて帝国ホテル近くで休憩し、ステージで行われている太鼓のショーを見ながら、メインイベントの花火の時間を待ちます。花火は短時間で終わってしまいますが、明治村の宵の時間を家族で楽しみ、満足して帰路に着いたのでありました。これで、家族の夏休みは終わりです。 

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イノベーション

 一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会が主催し、東京ビッグサイトで9月20日から22日まで開催される「SCAJ2017」に、今年も一日だけ日帰りで行く予定です。このイベントは、国内外のコーヒー関連企業や団体が出展し、世界各国のコーヒー生産者や機器メーカー、関連業者などの最新情報が日本に集結する、アジア最大のスペシャルティコーヒーイベントなので、開業前から興味を持って覗いています。
 今年のテーマは「革新の時」(The Age of Innovation)。趣旨は、「近年スペシャルティコーヒーのサプライチェーンで、数々のイノベーションが起こっている。イノベーションこそが、スペシャルティコーヒー業界を成長させてゆく」らしいです。多様で革新性のある商品、技術、流通情報が会場に満載だそうだけど、「革新」という言葉から受ける印象は、「保守と革新」という政治の場で使われ、革新と言われながら本当は保守や中道だったりする、政治の怪しい世界を連想せる言葉だし、「イノベーション」は経営者が好きな言葉で、中間管理者が連呼すると部下から嫌われ、現場が真面目に革新案を出すと上司から拒否され評価が下がる、看板倒れの言葉の印象があります。
 私が過去に行った際のテーマは、2014年「サプライズ」、2015年「多様性への招待」、2016年「多様性と革新」、そして、「革新の時」と多様性から革新へと移っていく感じがしますが、いったい革新とは具体的に何を示してくれるのでしょうか。私の知らない革新的な現実を目の当たりにすることができるのか、商業的なコジ付けで使ってみた言葉だけなのか、しっかり確かめたいと思います。

 残念ながら定休日以外の日に開催されるため、一日だけですが臨時休業させていただきます。

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強→中→薄?

 昨日は在庫の無くなったケーキをいくつか作ろうと決め、使用する材料を計量して準備を進めて薄力粉を出そうとした時、「えっ!強力粉じゃないか!!何で?」、思わず手が止まってしまいました。どうやら、ネット注文した薄力粉が到着するまでの数日間を穴埋めするため、定休日に専門店で買った際、隣にあった強力粉を誤ってカゴに入れたようです。仕方なく薄力粉が到着するまで、ケーキ作りを諦めることにしました。

 日清製粉の小麦粉分類図を見てのとおり、使用用途によって名称が異なります。コーヒー豆も産地や品種によって苦みや酸味といった味わいも違い、提供する商品を選定する際には、そのコーヒー豆の持つ特性を見極める必要があります。けれど、小麦粉のような用途別の品種や焙煎度を表す図もないため、色々な本や資料、生豆商社の意見を参考にして実際に焙煎してみるのです。

 そこで、以前から気になっていた疑問が湧いてきました。というのは、グルテンが多い小麦粉が強力粉であるのに対し、グルテンの少ない小麦粉がなぜ薄力粉なのかという疑問です。グルテンの多い小麦粉を、「力(リキ)が強い」というので、強力を「きょうりょく」ではなく「きょうりき」と読ませるのは納得できます。しかし、強力粉→中力粉とくれば次にくるのは当然、弱力粉であるはずです。また、薄力粉を基準と考えるなら、薄力粉→中力粉→濃力粉となるべきです。「薄」は薄いという意味なので、その反意語は「濃」でなのですからね。

 さっそくネットで調べてみますが、納得できるような意見がみつかりません。そんなこんな調べていると、(財)製粉振興会が回答した文書がみつかりました。

『中国では、用途から考えて、古代に小麦粉をグルテンの力で分類するという発想はなかったと思われますので、明治時代末期に必要上から自然発生的に生まれた言葉だと思います。製粉会社が販売の都合で名付けたのが、普及したのではないでしょうか。当時創業の大手製粉会社の社史を見ても、その辺のところは書いてありません。強力粉は自然というか当然の言葉ですが、それに対応する言葉として「弱力粉」では印象が悪いので、「薄力粉」と言ったのだと思います。製粉の先進国である欧米には、これらに相応する言葉も概念もありません。硬質小麦の粉および軟質小麦の粉と呼ぶか、パン用粉、ケーキ用粉、クッキー用粉などと呼びます。』

 へ~!日本独特の呼び方なんだ~。そんなことをブログに書いていると、宅配便が薄力粉を運んでくれました。さて、ケーキ作りを再開するとしましょうか。先ずは、りんごのケーキから。

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みつけた感

  土岐市、瑞浪市エリアに配布される、地域密着型の無料タウン情報誌があります。その名は「月刊らせる」で、 小学生からお年寄りまで、幅広い世代をターゲットにし、地域に密着した特集のほか、グルメ、イベント、ファッションなど、とことん地元にこだわたった生活情報を掲載するというものです。

 この情報誌は、岐阜市に本社のある株式会社中広のフリーマガジン事業で行っているもので、地域みっちゃく生活情報誌を発行し無料で各家庭に配布する形態で、今では30都道府県、計132誌を発行する急成長の紙媒体です。(画像を勝手に載せたから、これぐらい褒めればいいかな。)

 ネット情報が氾濫する世の中でも、こうした紙媒体の情報や広告は存在価値があり、我が家でも毎月の発行を楽しみにしています。地元にいても知らない間に新しいお店がオープンしていたり、意外と気づかなかったローカルな話題など、家族の中では意外に重宝しているのです。

 その「月刊らせる」の営業社員が先日訪問し、「下石町の会社を特集するので、マップにお店を紹介しませんか。」との話でした。もちろん丁重にお断りしました。これは開店当時から決めていることで、口コミを一番大切にし、タウン誌などに広告を載せないと決めていたので、以前に訪問してくれた社員にも断る意図は説明していました。

 広告の効果はあると思うのですが、あくまで一時的で継続性がなく、珈琲屋という認識で来店されません。先日も、「お茶とケーキのセットで20名予約したいんですが?」という電話があり、「席は15で、一人でやっているので少々時間がかかりますよ。」と話すと、たいそう驚かれました。経営的には大変うれしいものの、お店の目指す形態とのバランスは難しいものがあります。そのためには、お店のファンとなった方からの口コミがとても意味があると思っています。

 FC店や従業員を雇うような規模のお店ならともかく、一人で全て行うことを条件にしている訳ですから、お客様の増やし方には工夫が必要で、「みつけた感」を持ってもらえるような満足感や、知らない人に「教えてあげた満足感」が大切な要素になります。それ以上に、実際の来店の際の満足感と信頼を得ることが一番重要なのです。この点が毎日の課題であり、ずっと続く課題であると考えています。でも、それも楽しいと思えるようなポジティブな発想を心がけるようにしています。だって、人生を楽しむために開業したのですから。

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一杯の珈琲

 今日は土岐市保健センターの検診で、年一回の胸部レントゲンを行ってきました。二週間後は胃がんと大腸がん検診を行う予定です。サラリーマン時代は、人間ドックで一度に検診を行ってきましたが、今では数回に分けての検診となり面倒な気もしますが、普段から内科、眼科の掛り付けの病院に行っているので、意外に苦になりません。
 そんな検診を済ませてから焙煎を少し行って、以前から覗いてみたかった岐阜県各務原市にある、珈琲工房ひぐち桜町本店へでかけてきました。この店は珈琲屋を始める前にも訪れており、昨年にリニューアルしているので気になっていたのです。台風が接近してくるのためトンボ返りのドライブとなりましたが、良い気分転換になりました。
 リニューアルしたお店は、入口のから落ち着いた雰囲気に変わり、新しいテーブルや椅子は以前のカジュアルな感じから、シックな大人のイメージになっていました。ちょうどランチ時で多くのお客様で賑わっており、店のスタッフがキビキビと動いているのが見ていて気持ち良いです。
 ふと目を上に向けると、以前は大きなコーヒー豆の付いたボードがなくなり、代わりに黒板に文字が書かれています。『何気ない日常のひととき「たかがコーヒー」「されど一杯の珈琲」ささやかな しあわせの時でありますように・・・珈琲工房 ひぐち』
 この言葉の意味するものは、「マーサ21」のお店紹介を見ると分かります。「おいしいコーヒーの前提には安心・安全への配慮があります。生産履歴の明らかなもの、環境・生態系の保全に勤めている農園、国際的なコーヒーの品質評価によって認められたものを扱っています。」そして、同時期のフェイスブックには「日常のなかの小さな幸せ時間、いこいの時間、自分時間、誰かとの楽しい時間。珈琲や手作りのランチ・デザートと笑顔のおもてなしで珈琲の香りに包まれた空間をお届けします。」これが、「たががコーヒー、されど一杯の珈琲」ということなのでしょう。

 でも、自分か珈琲屋を始めて感じることですが、「たかがコーヒー」という表現は使えなくなりました。カップ一杯のコーヒーに心を込めて淹れており、コーヒー豆を購入される方々の家庭での様子を伺って、一杯のコーヒーを淹れるための素敵な時間を知ることになりました。お店でコーヒーを飲まれる方の中には、「たかがコーヒー」と思っている人もいるかもしれませんが、提供する側としては抵抗を感じてしまいます。

 よく使われる言葉なので気にするほどのことでもないし、他意はないのですが、自分ならどのような表現をするのだろうかって考えながら、一杯の珈琲をいただいたのでした。それにしても素敵なお店です。

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一人一人に

 毎日のようにカウンターで一人座ってコーヒーを飲む方が、今月から入院生活を始められました。「来月から又来るから!」って元気に話してくれましたが、病状を考えると心配になってしまいます。

 先日、定期的にコーヒー豆を購入される方が、体調を崩されたようで、体重が2kg減って食事制限をされているそうです。帰り際に、「まめ蔵の豆は今年中は買えるから。」と言われ、返す言葉が見つかりません。

 今朝は、「明日は定休日でコーヒーが飲めないから、今日は飲みにこなければと思って。」と言って年配の方がカウンターに座られました。そして、コーヒーを飲みながら「やっぱり、ここのコーヒーは美味しいワ。」と言っていただきました。

 それぞれ高齢の方で、年齢は皆80代なので、適切な表現ではないかもしれませんが人生の終焉期です。自分自身も必ずそうした時期を迎えますし、それよりも早くなるかも分かりません。だからこそ、一人一人に美味しいと思っていただけるような一杯を淹れたいし、今の自分に提供出来る最高の状態の豆を届けたいと思います。

 30代で珈琲屋を始めていれば、そんなことなど考えもしなかっただろうし、人生の終わりなって想像できなかったろうな。いつも前ばかり見て足元なんか見ないし、ましてや後ろを振り返ることは無意味だと思っていたんだろうな。

 そんなことを考えていると、先ほど30代の女性がコーヒー豆を買いにみえました。開口一番「失敗しちゃったんです!某チューン店の豆を買ったら美味しくないんだもの。どうしても我慢できないから買いにきたの。」って。話を聞くと、夏休みで子供の世話で忙しく、コーヒーで気持ちを切り替えたいのに、それが出来なかったそうです。

 静かな老後を迎える人、慌ただしく日々の生活に追われる人、様々な人に飲まれるコーヒーだということを忘れず、午前中になくなった商品の補充のために昼の焙煎を始めます。一人一人に届けるため。

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ぽわ~んと

 先月参加したUCCコーヒーセミナーの帰り際、会場にあった情報誌を持ち帰りました。これは、UCCグループの外食店や小売店に関連する場所向けに年2回発行される、コミュニケーション誌『UCC COFFEE JOURNAL Good Coffee Smile』というもので、帰りの電車の中で暇つぶしにと読んでいたのでした。

 紙面はコーヒーの知識、フードメニュー、UCCグループのトピックスなどの情報が掲載されており、今回の特集記事は、「伝説を伝説で終わらせないために。レユニオン島の幻のコーヒー ブルボンポワントゥ復活物語」です。
 ブルボンポワントゥとは、18世紀にフランス・ブルボン島(現在のレユニオン島)で発見された突然変異種のコーヒーのことで、その豊かな香りと甘みはブルボン王朝の人々や文豪バルザックをも魅了したと言われています。

 その豆は、19世紀初頭にサイクロンや病害虫の被害を受けて生産量が減少し、1942年で輸出記録が途絶えて以降、姿を消したものと思われてきました。その幻となったブルボンポワントゥの再生に乗り出したのがUCCなのです。

 1999年にフランス国立農業研究開発国際協力センターとレユニオン島のサポートを受け、再生プロジェクトを開始し、島内に残るブルボンポワントゥを島民と一体となって捜索し、発見された約2000本の木の中から最終的に品質の優れた4本のマザーツリーが選び出されました。そして、試験栽培を繰り返した末に、2006年に再生に成功し、翌年からUCCが独占販売を開始しました。昨年は100g8,640円(税込)という超高級豆なんです。

 こうしたストーリーはコーヒーハンター川島良彰氏の「私はコーヒーで世界を変えることにした」で詳しく語られていますが、今では部外者となったため、川島氏の「か」の字も出てきません。それは大人の事情なので理解できるのですが、誌面に掲載されているブルボンポワントゥの味覚表現は次のうよ紹介されていました。

■香りは■ブルボンポワントゥのアロマは「香りのブーケ」とも称されるほど、フルーティな甘い香り。まるで、名もない野の花を集めたような繊細でピュアな香りを秘めている。焙煎直後はあまり香りが立たないが、粉砕すると大きく香る。ドリップする時、カップに注ぐ時、そして味わいながら。最後はカップに残る香りまで楽しみたい。

■味は■口にした誰もが驚くほどの澄み切ったクリアな味わいで、渋味はなく自然が育んだ低カフェインコーヒーの透明感と気品にあふれている。少し遅れて口の中に広がる甘味を含んだ酸味も印象的。しかも、冷めてもなお、おいしいのがブルボンポワントゥの大きな魅力。コーヒーの新しい世界を教えてくれること間違いなし。

 香りのブーケ?繊細でピュアな香り?どうも納得いきません。なぜなら、開業前に2回試飲する機会があり、その時の印象とはまるで異なる表現だったからです。パナマ・エスメラルダゲイシャを飲んだ時のような新鮮な驚きもなく、何だか「ぽわ~んと」した印象しか残っていません。ウンチクだけはたっぷり聞かされましたが、正直「何なん?」「どこが?」という記憶しか残っていなかったのです。

 月日が経って、改めて「香りのブーケ」や「繊細でピュアな香り」と言われると、あの時の自分は味覚音痴だったのか?と思ってしまい、もう一度味を確かめたいという願望がムクムクと沸いてきました。そうなると何とか飲めないものかと調べてみるものの、一杯2,500円のコーヒーは東海地区では飲むことができず、ますます飲みたくなります。

 そんな引き裂かれた恋人状態の時に、偶然にも春日井から珈琲狂が来店されました。思い切って「実際どうなん?」と尋ねると、「ぽわ~んと」って表現は間違ってないかもと言われてしまいました。色々と話を聞く中で、しだいに100年の恋もなんとか状態になり、一気に覚めてしまったという訳です。

 でも、男って未練たらしい生き物だから、きっと飲める場所に行ったら飲むんだろーな。2,500円払っても!

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小さな珍客

 今朝、店舗に入るために裏口へ行くと、一匹のハチが飛んでいるのが見えます。ここ1ヶ月くらいの間に何度か裏口付近で目にするので、近くにハチの巣でもあるのかと見渡しますが、店舗には見当たらないし、隣の消防の施設にでも巣を作っているのかと思っていました。

 ところが、今回は、目の前のハチが室外ガス給湯器の小さな穴に入っていくではないですか。ハチが入った給湯器のパネルの一部をネジを回して外してみると、何と15cm程の大きさのハチの巣があり、アシナガバチが何匹も群がっています。そうです、裏口付近に小さな珍客がいたのです。

 アジナガバチはハチの中でも大人しい方で、こちらから威嚇しなければ攻撃してきませんが、毒があるので注意しなければいけないハチです。子供の頃から見慣れているので気にしませんが、当面はそのまま給湯器のパネルを元に戻し、退店してくれる時期まで待とうと思います。幸いにも燃焼部分ではなく、配管部分の隙間に巣作りしているので、巣立ってくれるまで待ち、その後にハチの巣を取り除くことにします。

 小さな珍客がいるから、「蜂の巣をつついたような」忙しい店にはならないだろうし、せいぜい、「泣きっ面に蜂」とならないよう、欲張らないでコツコツとやっていきたいものです。 

 と、今回は終わるはずだったのですが、・・・やってしまいました!写真を撮影して給湯器のパネルを取り付ける際、ネジの音か気になるのかアシナガバチが一斉に飛び出してきました。その中の1匹が右手人差し指に止まったので、「エイ!」と払うと同時に、「チク!」っと仕返しされてしまったのです。アホです!

 急いで刺された部分を絞り出し、毒を少しでも出しますが、みるみると腫れてくるのが分かります。出勤前の妻に連絡し、事情を説明して薬を依頼しました。持ってきてくれたのはアンモニアが主成分の「キンカン」とステロイド剤のの軟膏です。当面は様子を見て「アナフィラキシーショック」が出ないか注意するようにとのこと、症状が少しでも出たら救急車を呼ぶようにと忠告して仕事に出かけました。

 幸いにも、こうしてブログを書いていられるほど症状は軽く、指の腫れもかなり退いて痛みも少なくなりました。そんな訳で、アジナガバチには申し訳ないのですが、人間の都合上やもなく駆除させてもらいました。

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バンダナ巻いて

 普段は使用していませんが、お店の中では「フンドシ締めて」いや、「ハチマキ締めて」でもなく、「バンダナ巻いて」仕事をしています。コーヒーを淹れるだけならバンダナは不要かもしれませんが、ケーキやクッキーを作る関係上、衛生的にしなければいけないので、髪の毛が落ちないようにバンダナを巻く訳です。お店によっては帽子を被るところもありますが、昔からバンダナの方が手軽で好んで使用していました。

 「そもそも髪の毛が無いじゃないか!」と突っ込まれそうですが、髪の毛がフサフサ有る時からバンダナを使用しており、僅かですが頭部下部に残っている以上、衛生的に必要だと考えています。

 そんな日常的に使用しているバンダナを、長女が誕生日プレゼントに送ってくれました。丁度、使用中のバンダナが破れかけていたので、早速使い始めた次第です。同時期に妻からもプレゼントされましたが、デザインが今一つなので順番は後回しになりそうです。ですが、こうして家族からもらったバンダナを体に身に着けることができ、本当に幸せ者だと感じています。

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エジプトの方ご来店

 今日は何だか国際色豊かです。午前中には、ベトナムへ仕事で出かけた方の奥さんが、お土産にベトナムコーヒーを届けてくれました。もちろんロブスタです。早速コーヒーを淹れ、練乳入りのコーヒーで、その場にいた方々にも振る舞いました。

 そんな事をして楽しんでいると、午後から英字新聞を読む人が来店され、その後、時々お見えになるご夫婦がエジプトに方を伴って来店されました。どうも、「コーヒーが飲みたい」というリクエストに答えて、このお店へお連れいただいたようです。

 エジプトというと、コーヒーよりも紅茶のイメージがあります。イギリスの植民地だったこともあって紅茶文化の国で、喫茶店では紅茶を飲みながらシーシャと呼ばれる水煙草を吸っている絵が浮かびます。その点を来店された方に尋ねると、確かにそうらしいのですが、コーヒーを飲む方も多く、トルコ・コーヒーのようにイブリックを使ってコーヒーを淹れるそうです。お店にあるイブリックをお見せすると、「そうそう!この器具にはサイズが色々あって、これを使って私も淹れていました。」「だけど、日本では道具がみつからなくって。」ということでした。

 お客様が若くて綺麗なエジプトの方だったので、「予備のイブリックを差し上げます!」って言いたかったのですが、下心見え見えに思われても困るので、「ネットでも購入できますよ。日本のメーカーではカリタ製があります。」と答えておきました。そんな話をしながら、同席された方にイブリックの使い方や、スパイスをいれること、トルコではコーヒー占いもあることを説明すると、「エジプトにもコーヒー占いあるんです。」ということでした。

 そんな楽しい時間を過ごし、お客様はお帰りになりました。その後、隣に座っていた英字新聞を読む方から、「この店も国際的になったじゃないですか。」と冷やかされながら、夕方の焙煎を始める準備をするのでした。

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