■ 2015年1月 ブログ

オランジェット

 前日に八朔ピールを作ったので、冷蔵庫に残っていた板チョコをちょこっと使って、オランジェットを作ってみた。たぶん妻が買った板チョコなんだろうけど、これを食べれば怒られないだろう。でも、なんだか変?これって、バレンタインの逆パターン見たい?

 そういえば、次女が「バレンタインには、いつも手作りチョコあげたけど、今年はお父さんが作るのがあるから、買ったのあげる。」って言われたナ。ちょっと残念だけど、もらえるだけいいか。

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八朔ピール

 フルーツケーキにオレンジピールをいれているのですが、市販品には着色料が添加物として入っており、意外と高いとということもあって、今回、スーパーで安い八朔をみつけ、早速、砂糖だけを使った八朔ピールを作ってみました。ついでに果肉はジャムにするため同時進行で煮込みます。

 柑橘類は、色の濃い外果皮と白い繊維質の内果皮から構成されるいますが、外果皮には油胞が無数にあり、柑橘類特有の芳香を持つリモネンなどの精油が含まれています。そして、内果皮にはクェルセチンやヘスペリジンなどのポリフェノールが含まれており、これが苦味のもととなっているんです。だから、その苦味を取り除くため何度も煮る、洗うを繰り返しながら、白い内果皮を取り除いていくのですが、ジャムの方は少々手抜きをしたため、苦味の残ったものになってしまいました。もったいないので、朝のヨーグルトに入れて使い切ろうと思っていますが、結構な量になったので、誰かもらってくれないかな。 

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生豆選び

 コーヒーの生豆を見直す作業を始めて、何か月も費やしました。実際に複数回焙煎して、欠点豆の状態や味覚を確かめ、常時販売できるものをなんとか決定し、やっとホームページにアップしました。

 コーヒー豆には、産地や品種、精製プロセスによって、味覚は様々なのですが、その違を楽しんでもらことができるような、産地や銘柄にしたつもりです。ただ、ブランド力のある「ブルーマウンテン」やカップ・オブ・エクセレンス(COE)といった高価な豆を使用しないため、商売的にはいまいちかもしれません。日本人は高級品には弱いので、巷で流行りの「パナマのゲイシャ」や、ウンチコーヒーの「コピ・ルアック」なんかも、喜んで買ってしまうので、儲かる商品を置かなないのはどうかと考えたんですが、真面目な商売に徹しようと思ったのでした。

 コーヒー屋は商売なんだから、儲かる品ぞろえをしないといけないと言われたこともありましたが、客観的に見て、とんでもなく高価な豆を、さもご利益ありそうに売れないというのが本音です。

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山岡町へ

  恵那市山岡町は岐阜県の南東部に位置し、冬は乾燥し朝晩の冷え込みが激しい内陸性の気候の特徴を活かして、古くからこの冬期に寒天の生産が盛んで、特に細寒天(糸寒天)の生産量は全国一だそうです。ローカルニュースでは、この時期には必ず、田んぼ一面に凍結乾燥させた寒天が放映されます。

 今日は、そんな冬場の風物詩を眺めながら、山岡町で働く元同僚の所へでかけてきました。退職後約2年ぶりの再会となるため、これまでの経過や開店準備の模様などを話しながら、交友を温めていたところ、近くで昨年春から自家焙煎店を始めた方がいるというので、のぞいてみました。

 左の外観のお店「自家焙煎珈琲と手作りおやつの店 milou  ミル」です。ただでさえ田舎の道から外れた場所で、友人から聞かなければ絶対分からないという場所で、ご夫婦二人でお店を経営されていました。お話を聞くと、ミルは名古屋市本山で15年間営業した後、ご主人の実家である山岡町へ昨年移転されたそうです。特徴は、極深煎りのコーヒー豆です。最近は多くの自家焙煎店で浅煎りや中煎りの豆が多い中、極深煎りの豆は久しぶりに出会いました。コスタリカを飲みましたが、甘さとコクが際立っています。抽出はコーノ式で淹れてもらいました。コーヒー好きにはたまらない空間です。

 お二人から自家焙煎店を始めるにあたってのアドバイスを色々いただきながら、コーヒーに対するこだわりをお聞きして、楽しい時間を過ごすことが出来ました。今度は、妻を連れて行こうかな。

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コーヒーカップ

 開店までの数か月の間に、準備しなければならない項目は山ほどあります。まだまだ時間を掛けたいものもありますが、進めることのできるものは随時行っています。その一つとして、コーヒーカップなどの食器の発注です。コーヒーとデザートをメインに考えているので、食器点数が若干少なくて済むため、保管場所も困らないだろうと、ガラス製品を除いて発注しました。

 開業を決めた時は、一般的なコーヒー専門店のように、マイセン、アウガルデン、ウエッジウッド、ローヤルコペンハーゲンなどの有名外国製品や、ノリタケ、ナルミの国内ブランドをカウンター前の棚に並べるかどうか迷っていました。そんな時、「あなたが売るのはコーヒーではないんですか?」と、ある人に言われて迷いが消えました。そこで、実用性のあるコーヒーカップを選ぶことにしたのです。

 今、イスラム圏に関することが話題になっていますが、喫茶という空間を街中に築いていったのはトルコ周辺のイスラム圏なのです。 当時、コーヒー豆は貴重だったため、飲むときには小さな器を使用していました。コーヒー飲用がヨーロッパに伝わったのは17世紀はじめで、 当時ヨーロッパには磁器を作る技術がなかったために、中国から買い付け、 磁器は瞬く間に貴族たちに大人気となったそうです。18世紀初頭、マイセン窯がハンドルのあるコーヒーカップを作るまでは湯呑みが使われていたという話です。画像は、 そのころのマイセンが東洋の器を真似て作ったカップ&ソーサーです。綺麗ですが、やはりハンドルがないと使いにくそうですね。

 コーヒーが95℃前後で抽出され、カップに注ぐと美味しく味わえる適温の62〜70℃になります。しかし美味しいと感じるのは60℃までともいわれているため、これ以上冷めないように工夫が必要です。冷めにくい素材や厚手の形の器を選んだり、急激に冷めないようにあらかじめカップを温めておくことも大切になります。 また、漆黒色のコーヒーをより美味しそうに見せるには、真っ白な磁器のカップであれば、深みのある液色を際立たせることができます。そんな理由からボーンチャイナのコーヒーカップを選びました。シンプルだけど飽きのこない食器だと思ったからです。

 食器棚に綺麗なカップを並べるのも憧れますが、「洋服屋さんがハンガーばかり並べているのと同じだ。コーヒー屋ならコーヒー豆を並べなさい。」と言われてたこともあり、何にこだわるのか考えさせられたコーヒーカップでした。

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スイーツの提供方法

 コーヒーに合うスイーツの提供を考えて、これまで何種類かを試作して、多くの方に試食してもらいました。けれど、実際にお店で全てを同時に提供できるかといえば、現実的ではありません。基本的に一人で行えるようにシュミレーションしているので、当日作るスイーツが増えると、焙煎も含めて事実上不可能で、かえってお客様にご迷惑をかけることになります。

 そこで、数日間保存できる焼き菓子とシフォンケーキを組み合わせ、「本日のスイーツ」として、パターンを組んで提供しようと思います。上の画像のように、4種類の基本となるシフォンケーキに、5種類のスーツを組み合わせて合計12種類のパターンを作りました。これをメニューに挟んでご案内することにします。

 こうすることで、事前に材料の準備と仕込みができるので、なんとかできそうな感じがします。その間に、季節物を随時加えていけたらいいのですがね。やりたいことと、できることの狭間で悩みはつきません。

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クッキーの食品表示

 食品表示の手引きを参考に表示シールを作成してみました。中小事業者が一般的に製造している菓子類の表示ポイントはこんな感じです。

・名称は一般的な名称にする

・原材料名は重量順で表示し、膨張剤は最後に表示する

・傷みやすい食品は「消費期限」で、品質が劣化しにくい食品は「賞味期限」で表示

・製造者は法人以外は個人名で、製造所在地を表示する

といったところがポイントになります。また、文字の大きさが8ポイント以上というのも重要です。

 こうしたシールを作成するのも、包装業者から対応ソフトが無料でダウンロードできるので助かりました。

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食品表示

 店舗でコーヒー豆を販売するとともに、コーヒーに合うお菓子も販売したいと思っているため、クッキー等の焼き菓子を製造販売したいと計画中です。そのため、保健所へ申請する書類には食品表示のラベルも添付する必要があり、適正な表示方法を理解しなければなりません。

 食品表示について一元管理する消費者庁では、食品の表示制度の目的について、次のように述べています。
1.健康危害を防止するための情報提供・アレルギーの原因となる原材料の有無、保存温度、賞味期限などを表示し、食品による健康危害を防止する情報を提供する。・万が一事故発生時の原因追及や拡大防止のための重要な手がかりになる。
2.商品選択のための情報提供・食品の産地や原材料、栄養成分などを表示し、消費者が自らの嗜好にあった商品を選択するための情報を提供する。
3.食品に対する優良誤認の防止
・根拠なく他のものより優良であることを誤認させることのない表示により、正しい情報を提供する。

 なるほど、表示の必要性についてはよくわかりましたが、実際どのように表示すべきかとなると難しい文章ばかりが目立ちます。そこで、分かりやすい資料が群馬県から出ています。その名も「中小事業者向け やさしい食品表示の手引き」です。この内容をしっかり理解すれば進められそうです。

 そこで、自分が作るフルーツパウンドケーキをコンビニの物と原材料を比べてみました。

■コンビニ商品■

 鶏卵、砂糖、小麦粉、植物油、ミックスフルーツ(オレンジピール、レーズン、りんご、チェリー)、水あめ、洋酒、拡張剤、乳化剤、安定剤(キサンタンガム)、香料、着色料(アントシアニン、カロチン)、原材料の一部に大豆を含む)

 店舗で提供予定の原材料と異なるものは、植物油→バター、拡張剤→不使用、あとはミックスフルーツの添加物に多少違いがある程度ですね。

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棟上げ本番

 前日の雨が嘘のような快晴の朝を迎え、いよいよ棟上げの本番です。大工の棟梁はじめ、多くの方がクレーンを使って組み立てます。最初の柱は、昨日行えなかった「いの一番」の柱です。

 そもそも「いの一番」というのは、「いろはにほへと」の最初の文字で、始まりを示すものですが、大工さんは柱の配置を基に「番付」を付けており、横方向に「いろは」、縦方向に「123」といった具合です。この柱を最初に建てないと家は組みあがらないように、大工さんは材料の配置をするんだとか。そんな説明を聞きながら次々に組み立てが進んで、一時間もすると店舗全体の枠組みが見え始めました。

 棟上げの間に、郵便局で送金決済用の郵便振替口座を開設しに行きます。個人商店のため、当面はこれまで使用していた生活費用の通帳と異なる別の通帳を使用する予定ですが、コーヒー豆販売のための送金決済用口座用に、郵便振替口座を新たに開設しました。この振替口座は店名の「まめ蔵」を別名として使用できるので便利です。

 個人商店が屋号で口座を開設する場合、ネット銀行以外では法務局の登記が必要です。登記手続きや登記費用も必要になるうえ、メリットが少ないので、銀行や信金などでは「○○商店+代表者名」という形で口座を開設することにります。そんな訳で、当面は既存の個人口座と振替口座で進めることにします。

 そんなことをしている間に棟上げはどんどん進み、午後4時過ぎには終了しました。雨対策で屋根に瓦屋さんがシートを貼り、建物の周囲にはブルーシートを張ってますます店舗らしくなりましたよ。最後に棟上げを行ってもらった関係者で集合写真をパチリ!無事に終わって感謝感謝です。

 そうそう、工務店からはしっかり請求書をいただきました。

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雨の中の棟上げ

 大安吉日を選んで15日に棟上げを行ったのですが、あいにくの雨になってしまいました。せっかく良い日を選んだので、しかなく雨の中で形だけの棟上げを行うことになりました。

 棟上げは本来、柱や梁など建物の基本構造が完成し、棟木を上げる際に行われる儀式で、建前や棟上げともいわれています。土地や建物の守護神と匠の神を祭って、これまでの工事の無事に感謝し、建物が無事に完成することを祈願するものです。
 棟上式の進行は地域によって異なるようですが、工務店の方にお任せして、建物の四方に塩、酒を左、右、左とまいてお清めをします。最後に形だけになりますが、柱を一本立てて終了です。本来は、「いの1番」という組み立て順の最初の柱を立てるのですが、高い柱を雨で濡らす訳もできないので、今回は低い柱の「いの2番」を立てました。

 いよいよ明日から本格的な工事が始まり、店舗の姿が見えてきます。店舗の中に入れる必要な機材・什器の準備をしなければなりません。事前に把握はしてきたつもりですが、まだまだ詰めていない面もあり、焦りながら進めることになるでしょう。一歩一歩です。

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家具ショールーム再び

 昨年春に、店舗用のイスとテーブル等の家具を選定するため、メーカーのショールームへ訪問して具体的な商品を決め、問屋に見積もりを取っていました。今月から木工事に入るため、もう一度確認のために該当商品の見積もりを取り直そうと調べると、「このイスは廃盤になりました」えっ!?・・・あのイス気にいっていたのに!そんな事を言っても仕方がないので、早急に決めなくてはと、あらかじめ数点をリストアップして再びショールームへ。前回と同じ女性スタッフに説明を受けながら、座り心地や手触り、高さや重さなどを確かめて選んできました。

 自宅に戻ってから、問屋に見積もりを取るために、複数の業者のホームページをチェックしたのですが、大きな金額の差はないものの、検索のし易さや補足説明が親切であったり、お客様目線でホームページが作られている業者に興味を持ち、前回と違う業者にも見積もりを依頼をしてみました。

 ショールームの女性スタッフも言ってましたが、業務用家具の場合は店舗を持つ業者よりもネット販売業者の方が価格が安く、実際に利用する方も大半がネットで注文されるようです。昨年より価格が変更されていたので、どの程度の差が出来たか気になるところです。

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鏡開き

 正月行事は初詣でだけではなく、7日に七草粥を食べることも、11日に鏡開きをするのも一連の行事です。そうそう、地元土岐市では、出初式と成人式も行われましたね。こうした恒例行事が新しい年を迎えて、また始まるんだな~って感じさせます。

 そもそも鏡開きとは、お正月に神様、仏様に供えていた鏡餅を下げて、それを食べるという風習です。神様に供えた食べ物には力が備わると考えられ、神様や仏様に感謝しながらそれを食べることによって、無病息災を祈願して行います。よく、鏡餅を包丁で切るということは、切腹を連想させるので、一般的に木槌で開くことが縁起が良いとされて、テレビでは各地の鏡開きの模様が放送されますね。

 今日は、妻が東京へ研修に、次女は友人の結婚式のための前泊ということで、母と二人で鏡開きです。鏡開きと言っても、市販の鏡餅には小さな丸い餅が入っているので、密封されたビーニールを本当に開くことになります。この餅を焼いて、ぜんざいにして食べました。三食食べた後に追加で食べるので、無病息災よりも肥満の原因になるかも。(肥満の原因はそんなんじゃないと妻から突っ込まれそうですが)

 1月15日には小豆がゆを食べるし、2月3日は節分に、豆まきと恵方巻きがありますね。我が家では当たり前のようにして毎年行っていますが、実際のところ各家庭ではやってるんでしょうか?気にしたこともないんですが、こうした風習で季節を楽しむことができるので、できるだけ続けていきたいと思っています。

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開業のための書類準備

 来週に店舗建物の棟上げを予定しているので、その間を利用して開業に必要な各種書類を書き始めました。

■税務署に提出する書類

・個人事業の開業届書

・所得税の青色申告承認申請書

■保健所に提出する書類

・営業許可申請書

・営業設備の大要

・食品衛生責任者設置届 など

 開業セミナーでは、事業計画書の作り方や開業までのフロチャートなどの説明はありますが、開業に必ず必要な税務署や保健所へ提出する書類などのついては、ほとんど説明しません。税金の事や書類の具体的な書き方を知りたいと思う方がいても、さらりと流されます。それは、法律で税理士や行政書士の仕事の領域を侵すことが出来なくなっているからです。もちろん、説明する人がそれらの資格を保有していれば別ですが、実際に、金融機関の開業セミナーでも省略されたぐらいですから、一般のセミナーではなおさらです。

 開業届出書一つとっても様々な説明が存在しており、国税庁では、「提出時期を事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出してください。」としていますが、開業準備段階でもできるし、たとえ提出期限をすぎてもペナルティーがないなど、税理士によってもアドバイスの内容がことなります。細かな記載方法をし示す方や、とりあえず出せばいいといった方まであり、かえって不安になりますね。

 青色申告についても同様で、とりあえず白色で初めてみたらっていうものから、必ず青色申告しなさいっていうアドバイスする方まであり、いろいろ勉強させられます。

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店に飾る絵

 10月末、店舗に飾るための絵を、瑞浪市稲津町在住のイラストレーター中山尚子さんにお願いしました。作品は宮沢賢治の「よたかの星」を題材にしたもので、その中の4点をジグレー版画にしてもらうことになっていました。

 今日、作品が完成したという連絡を受けて訪問のうえ受領し、そのまま瑞浪市の「オギソ画材」へ持ち込み、額の装丁を頼んできました。ちなみに私が選んだのは、左の画像にある「哀しみのよだか」「お日さん」「星とのかたらい」「最後の願い」です。

 「よだかの星」のあらすじは次のようなものです。主人公よだかは容姿の醜さから他の鳥に馬鹿にされています。鷹から名前を改めるように迫られ、従わなければ殺す言われたたことをきっかけに、弱肉強食の生き物の世界で生きることへの絶望を深めたよだかは、星々に自分も星にしてほしいと願います。星々はよだかの願いを叶えてはくれませんでしたが、よだかは自らの力で空高く舞い上がり、ついに燃え上がって星になるのでした。

 「よだかの星」という作品は前半で、弱肉強食の生き物の世界を描き、中盤では、よだかが星に救済を求める姿を描き、後半では、よだかが自らの力で舞い上がり、燃えて星になるという、賢治らしい難解で奥の深いものとなっており、普通の小説や物語の顛末でなく、宇宙観とか、生命観をも感じる作品です。

 メルヘンチックなイラストとは裏腹に、とても切ない話ではありますが、現実に社会とは本当に冷酷な一面を抱えており、賢治の頃も今も、世の中は、不条理なことで溢れています。時代は大きく変わっても、人が持つ心の闇は変わらないんだということかもしれません。

 そんな読者の解釈に想像の余地を残させる作品を、店舗に飾る作品に選んだかというと、もちろん中山さんの作品が好きだということもあるのですが、手話サークルで障がい者との関わるなかで、自分自身も差別意識と向き合いながら生きている事への戒めであったり、飲食店という立場から、食物連鎖を意識し同時に感謝していくことを忘れないためもあります。コーヒーは植物ですが、それを栽培して流通させ、自分たちの口に入るためには多くの人が関わりますが、その関わり方には「よだか」と同様に上下関係が存在しています。また、そうした現実を理解しながら、自分がお店を通してどのように表現し、何を実現していくか「よだかの星」と違ったストーリーを描いていくのが目標です。

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よいコーヒーとは

 「よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い。」これは、フランスの政治家、タレーラン=ペリゴールの言葉です。甘いのは砂糖をたくさん入れた飲み方をしていたようなので、コーヒー本来の味ではないようですが、面白い表現です。

 カフェ・バッハの田口さんの著書「珈琲大全」では、「よいコーヒー」を次の4つの条件で提起されています。
1.欠点豆のない良質な生豆(発酵豆やカビ豆などの欠点が少ない生豆のことで、必ずしも値段の高い生豆を意味しない)
2.煎りたてのコーヒー(コーヒーの賞味期限は焙煎後2週間以内を目安。豆のままで保存し、抽出する直前に粉に挽く)
3.挽きたてのコーヒー
4.いれたてのコーヒー
 つまり、「よいコーヒー」とは、『欠点豆を除去した良質な生豆を適正に焙煎し、新鮮なうちに正しく抽出されたコーヒー』と定義されています。いわゆる、「おいしいコーヒー」は、官能的理想像、個人の感情の産物なのだから、「おいしいコーヒー」は焙煎や抽出技術の範疇ではないため、達成可能なことは「よいコーヒー」をつくることであり、コーヒーのプロたる者はまず「おいしいコーヒー」より「よいコーヒー」の提供を心がけなくてはならないとおっしゃっています。
 確かに「おいしいコーヒー」は「よいコーヒー」の中からしか生まれないと思います。先日、正月に甥っ子が年始の挨拶に来たとき、学生時代のアルバイト先だった大手コーヒーチェーンでは、抽出したコーヒーは1時間経過したら捨てる。ミルで挽いた豆は3日経過で処分するという規定があったと話してくれました。これも、「よいコーヒー」でなければ「おいしいコーヒー」の条件を満たさないということです。
 コーヒー屋としてゼロからスタートしたため不安もありますが、「よいコーヒー」作りを目指して努力していきたいと考えていますし、努力しがいのある仕事だと思っています。生涯成長できる可能性があることから、挑戦しようと決めたのですから。

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BGMについて

 店舗内に設置するスピーカーの位置について思案しているので、BGMについて考えてみました。

 飲食店や美容室などでBGMを流す場合に問題となるのが著作権です。法律によれば、著作物の利用による直接的な営利の促進に限定して解されるものではなく、間接的な営利的効果を目的とする利用行為も含むものと解されており、デパートでのBGMや会社のオフィス内でのBGMなど営利性のある場での利用を広く含むものなのです。 そのため、飲食店でのBGMも、飲食店が営利事業である以上「営利を目的」としたものとなるのです。

 では店舗内でBGMを流す場合、具体的にどのような手段があるのかというと、次のような選択肢があります。

①有線放送を契約する。

②手持ちのCDを流すために、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)と使用契約を結ぶ。

③著作権フリーの音源を使用する。

 ①の有線放送には大手の「USEN」と「キャンシステム」の二つがありますが、料金はおよそ月額5,000円前後で、キャンシステムの方がUSENより少し安いようです。その他にもインターネット回線を使用した格安のところもありますが、安いところでは最新ヒット曲が流れなかったりなど、値段相応といったところです。いずれも著作権料をJASRACへ代行して支払っています。

 意外と知られていないのが、毎年テレビで放送されている「日本有線大賞」はUSENとはまったく関係なく、キャンシステム加盟の一般社団法人全国有線音楽放送協会のリクエストデータを元にした賞なのだそうです。

 喫茶店やカラオケ店の全盛期の時には、多くの店が有線放送を利用していたので、著作権料収入が安定的に入っていたのですが、店舗の減少や店側が気に入ったCDを流すなどの変化によって、JASRACの直接徴収が厳格化されるようになりました。

②JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)と使用契約を結ぶ場合、店舗面積   500m2までは6,000円の年額使用料(別途消費税相当額を加算)となります。500m2というと150坪な訳で、小規模な店舗が一般的なことを考えると、とんでもない料金体系だと思うんです。さすが、文部科学省からの役員の天下りが50年以上続いてるだけのことはあります。だけど、契約料金を支払えばほとんどのCDが使えるので、気兼ねなく店舗で流せます。

③そんな役人の天下りのための給料を支払いたくない場合は、著作権フリーの音源をweb上からダウンロードしたり、著作権フリーのCDを使用することもできます。ただ、流行の音楽を流せないことや、音質が悪いと言った欠点もあります。

 著作権のことが煩わしい場合は、FMラジオ放送を店内で流すのも方法です。実は、ラジオ放送はOKとされています。でも、ネットラジオはNGなんだとか。よく仕組みが分かりません。究極は、店内でBGMを流さないことです。自家焙煎の珈琲屋さんでは時々あるんです。コーヒーとじっくり向き合ってもらうためとか、BGMに金なんか払いたくないっていう個性的な方がお見えになります。

 結局のところ、JASRACと使用契約を結ぶことになるんでしょうね。

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正月を過ごす

 我が家の年末年始の過ごし方は、ここ何十年も同じです。居間で紅白歌合戦を見ながら年越しそば(作るのは決まって私)を食べ、11時50分頃になると家族で近くの八剣神社へ初詣でに出かけます。12時近くになると、ご祈祷をしてもらう厄年の人達からカウントダウンの掛け声が始まり、町内から集まった大勢の初詣客がしばらく列をなして続いています。あちらこちらから「おめでとうございます」という声が聞こえ、この素朴な光景が私は好きです。

 正月の食事はお節と雑煮と決まっていますが、この地方では、2日の朝は「とろろいも」を食べる習慣があります。正月に「とろろいも」を食べる習慣は全国各地にあるようで、3日に食べる「三日とろろ」と言われているようです。とろろを食べると、長生きするとか、それから一年風邪をひかないとか、一年を無病息災で過ごせるとか、謂われはややあいまいですが、山芋には整腸作用や滋養強壮作用があるとされることから、おせち料理のごちそうに疲れた胃をいたわり、仕事始めに備えた体力作りに功を奏してくれそうな風習です。

 「三日とろろ」の風習は、主に東北地方に伝わってきたとされますが、茨城・栃木・群馬といった北関東や、岐阜・尾張といった濃尾地方などの一部地域だけのようで、地域によっての違いは、例えば、福島では3日の朝に食べる、栃木では3日の夜に、濃尾地方では2日の朝に、といったとろろを食べるタイミングにあったり、とろろの調理法にあったりします。

 この東濃地方では、2日の朝に食べる風習が残されており、「とろろいも」を擂る作業は昔から男の仕事として行われています。(すべての家庭を見聞きしたわけではないですが)「とろろいも」を食べる理由も諸説聞きましたが、とろろかけご飯にして、かき込むように食べることで収入をかき込む願いを託すとされるとか、とろろいもを擂る事で、その年の幸福を家の中にすり込むというなど、縁起を担いで食べるものもあり、本当のところはよくわかりません。あたりまえのように食べている習慣なので、「2日の朝は、早起きしてイモを擂らなきゃ」というのが身についているんです。

 いつもどうりの、変わらないお正月を過ごせる喜びを感じながら、新しい1年を始めました。

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