■ 2020年5月 ブログ

6年目突入

 岐阜県は、516日に国の緊急事態宣言の対象から解除されました。そして25日には、残る東京など首都圏の1都3県と北海道でも、31日までの期限を待たずに解除になったのです。これで、4月7日から実施していた緊急事態が約7週間ぶりに全面解除され、経済社会活動の再開は感染状況などを見極めながら段階的に実施することになりました。 

 そうした背景もあって、来店客数も5月上旬のどん底から中旬以降は順調に増加しているように見えます。ただし、昨年と同じように利用されるまでには至っていません。その主な要因に、女性グループが減ったことが挙げられます。ランチ後にコーヒーを飲みながらおしゃべりしようとか、公民館行事の帰りに「コーヒーでもどう?」といった複数での利用がありません。せいぜい女性2人で利用されるくらいですから、店内の椅子を取り除いて席数を減らしても、意外に影響は少なかったという訳です。 

 そうした来店客数の減少とは逆に、コーヒー豆の販売は1月から3月までの販売額の伸びと比べ、4月と5月は異常とも思える増加となりました。巣篭りや在宅勤務により飲用回数が多くなり、既存のリピーター購入数が増えたことと、家にいる機会が多くなったからインスタントじゃなくコーヒーを淹れてみようと、新たにコーヒー豆を購入される方が増えたようです。来店客数が少なくなったことによる売上の減少分を、コーヒー豆の販売が補う形となっていますが、それでも全体の減少傾向は変わりありません。 

 当初から予想していた通り、この新型コロナウイルスとの付き合いは長くなりそうで、従来のような来店客数が戻るのはかなり先のように思います。また、コーヒー豆の販売増加も在宅勤務や巣篭りの解消もあって、徐々に通常の利用回数になるでしょうし、新規のお客様が引き続き利用して頂ける保証はありません。「コーヒーを淹れるの始めてみたけれど。」になる可能性が高いように思います。いままでの日常生活を取り戻せば、コーヒーを淹れる時間の余裕がなくなってしまう家庭も多いのではないでしょうか。ライフスタイルは簡単には変えられませんから。 

 これまで5年間かけて徐々にコーヒー豆の利用を増やしてきたこともあり、今回のような急激な利用増加は望んでいません。今後も地に根を生やすように、ゆくりと進んで行きたいと思いながら6年目突入です。この新型コロナウイルスと向き合いながら。それにしても、忘れた頃に配達された「アベノマスク」。いったいどうしたものか?

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ランの花が届いた

 久しぶり訪れた同級生が手荷物を持ってきました。中身は開店5周年記念のランの花です。メッセージカードには「まめ蔵さんへ 祝5周年 これからも美味しいコーヒー おねがいします」なんて書いてあり、可愛いイラストまで。もちろん私の同級生が用意したものではなく、彼の奥様が事前に準備されたことが容易に想像できます。なんと有難い事か! 先日の「鯛(めでたタイ)」と同様、小・中学校の同級生との交流がこうした形で続くことに感謝しながら、互いの近況を語りあって過ごせる時間に喜びを感じています。 

 そんな喜びを綴っていると、カップルが来店され、「この店って8年くらいたちましたかね?」なんて言ってくれます。5年を飛び越えて8年記念を先取りしてくれるのです。嬉しいじゃありませんか。思わず仲の良いカップルを冷やかしながらネホリハホリと聞き出します。そんな楽しい時間が持てるのも、新型コロナウイルスの影響で来店客が少ないからこそ、普段よりも会話が深まるのでした。

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ブルンジの豆入りました

 まめ蔵では、今回、はじめてブルンジのコーヒー豆を取り扱いました。ブルンジといってもピンとこないかもしれませんが、アフリカのルワンダの下、タンザニアの左に位置し、2.78万平方キロメートル(北海道の3分の1くらい)の国土に、1,117万人(2018年)が暮らす小国です。 

そのブルンジの北部、ルワンダ国境近くのカヤンザ地区の標高19002050mにあるブジラグヒンドゥワ生産者協同組合が集める、周辺の3000にも及ぶ生産者のチェリーを生産処理するブジラ・ウォッシングステーションの豆です。今回は、ブルンジで主に栽培されているブルボンを、一般的なウオッシュドではなく、ナチュラルの豆を紹介することにしました。 

ブルンジの国旗デザインには、緑は希望、白は純潔赤は独立への苦闘が表されています。中央の3つの六芒星は、ブルンジの3つの主要な民族である、フツ族(85%)、ツチ族(14%)、トゥワ族(1%)を意味し、同時に国のモットーである統一、労働、進歩を意味しています。フツ族、ツチ族という言葉で連想するものは、隣国であるルワンダの虐殺です。ブルンジにおいてもフツ族とツチ族は長年にわたり激しく対立を続けており、幾度か両民族間で武力衝突や内戦が起きていました。 

このフツ族とツチ族というのは、ベルギーによる植民地化によって勝手に区別されたものであることは、意外に知られていません。第一次世界大戦後に、ドイツ領東アフリカに置かれていたルワンダはベルギー統治下に移ると、「ツチ族の方が鼻が高くヨーロッパ人に近い」、「平たい鼻と厚い唇を持つ顔はフツ族」と、勝手に「顔の違い」を見定め、「ツチ族の方がヨーロッパ人に近くて優れている」という人種的差別観を持ち込み、フツ族とツチ族が対立する根本的原因を作ったのです。 

ルワンダ人ですら顔の違いを認識しておらず、フツ族は農耕、ツチ族は牧畜を営むことが多いと言う生活の違いがあったくらいのもので、身長や皮膚の色、顔に多少の違いは見られたものの、両者がお互いの違いを明確に認識していなかったのです。そして、ベルギーはほぼ全ての首長をツチ族に独占させたほか、税や教育においてもツチ族を優遇し、フツ族を最下位にすることで、宗主国のベルギーを頂上とし、中間支配者のツチ族、大多数を占める被支配者のフツ族という、分断統治のピラミッドを作ったのでした。 

ブルンジもルワンダ同様、ドイツからベルギーの統治下になりましたが、ベルギーはドイツの方針を受け継ぎ、ブルンジ王国を存続させて間接統治を継続します。その後、1962年にブルンジ王国はベルギーから独立しますが、フツ・ツチ両民族の対立し、幾度となく内戦が繰り返され、今では民族間の枠を超えた政治的な混乱となっています。ルワンダが内戦を克服し、今ではアフリカで一番の安定した政情の下で、経済も良好な様相を示すようになっているだけに、対照的状況になったのが同じ地域のブルンジなのです。

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新しい営業許可書

 開業から5年が経過したことを度々書いていますが、5年という筋目には特別な思いがあるからです。その一つに食品衛生営業許可継続の申請が5年毎に必要なため、4月に申請を行い、5月に許可証を受け取る手続きがあります。この許可申請・許可証の受領には、必ず保健所の職員による立入検査があるのですが、今年に限っては、保健所の職員が新型コロナウイルスの対応に追われ、現状に変更が無い事を電話確認して省略する異例の扱いとなりました。 

昨日の定休日に多治見保健所まで出かけて受け取りに行き、改めて額に入れて店内に掲出すると、5年という時間がとても速く感じるとともに、このコロナ禍での筋目が何か特別な意味があると示唆しているのではないかと思えてきたりします。毎年5月には食品衛生責任者再講習会が開催されてきましたが、100人以上が集まる講習会を実施することは未だ先になりそうです。ひょっとすると、毎年集まっていた飲食店等の事業者が減って、寂しい講習会になったりして。笑えないことが起こりそう。

す。 

開業当初、お客様から「飲食店は3年続けられたら5年続く店になり、5年続けられる店づくりをすれば10年続けられる。」と言われたことがあります。もしそうなら、10年は続けられることになりますが、目標は20数年間としていることから、そんな都市伝説のような理屈どおりにはいきません。かといって、何か特別なアイデアがある訳でもなく、成功の秘訣を持ち合わせてもいないので、これまで行ってきた地味で目立たない仕事を続けていくことになるでしょう。結局、自分に無い物は形に出来ませんから。 

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タイが届いた

 昨日、タイが届きました。タイと言っても、コーヒー生産量世界27位(2018年:FAO)のタイ・コーヒーではありません。友人が日本海で釣ってきた魚のタイです。重さ約2kg、全長50cm程のタイを開店記念日用に持ってきてくれました。コロナ禍のために趣味の海釣りを我慢しており、いつものように5月初めに持ってきたかったようですが、先週末の解除後に船に乗って釣ってきてくれました。さっそく、捌いて刺身と塩焼きにして頂きました。ありがたい! 

 2015年5月5日にオープンし、早くも5年が経過しました。毎年、筋目となる5月になると背筋が伸びるような感覚になり、気が引き締まる思いになりますが、今年は新型コロナウイルスの影響もあって、イベントを企画することも断念し、お客様の少ない穏やかな日々を過ごしました。そのため、体も気持ちも緩んでしまったようで、もう一度気合を入れ直さなければと思っています。 

 ちょうど今日、日本政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づいて首都圏と北海道の5つの都道県に出している緊急事態宣言の解除を専門家に諮問する方針で、了承されて解除となれば全都道府県での解除となるようです。そして、全国の緊急事態宣言の解除に合わせて、今後の外出自粛や大規模イベントの再開に向けた基準も示すんだとか。マスコミ報道が先行し、既に都市部では人混みが増えており、第2波がいつ起きるのかと危惧している人も多くいます。 

 そんな影響を地方の小さな珈琲屋でも受けていることを実感し、お客様の言葉に耳を傾けながら、少しずつでもニーズに合わせていかねばと考えています。 

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珈琲煮豆

 お客様から「珈琲煮豆」なるものをいただきました。どうやら生協の取扱商品に掲載されているのをみつけ、さっそく注文されたようです。「マスターが喜ぶんじゃなかろうか?」ってなノリで頂きましたので、喜んで、その場で来店されていたお客様と共に試食させていただきました。 

 この商品は、岡山県倉敷市にある「カモ井食品工業株式会社」の製品です。この会社は、江戸後期に海産物及び乾物の問屋業鴨井長十郎商店を手広く営み、その後、1930(昭和5)年に「つくだに」の生産を開始し、「さきいか」や「チキンライスの素」、「ゆでピーナッツ」などを製造販売しています。 

「珈琲煮豆」の商品説明を読むと、「大黒花芸豆にコーヒーの風味を味付けし、ちょっと大人の、味わい豊かなおやつ煮豆に仕上げました。そのままで、おやつ、お茶うけにおいしく召しあがれます。コーヒーは、インドネシア・ブラジル産のコーヒーを使用しています。コーヒーゼリーにのせたり、ケーキに入れたり、アレンジ広がるおいしさです。」とあります。保存料、着色料は使用されていませんので、頂いた早々に封を開けてみます。 

パッケージには、「コーヒーの香りと煮豆のハーモニーをお楽しみください」とあるので、試食されたお客様に感想を尋ねると、「確かにほのかなコーヒーの香りがする。」、「ちょっと甘すぎるのでは。」、「目を閉じたままではコーヒーを感じない。」といった感想です。確かに強い甘さを感じるのは、砂糖に塩を加えると甘さが際立つように、コーヒーの苦みが強い甘さに感じさせるようです。 

いずれにしても、ご飯のおかずというよりは、コーヒーゼリーにのせたり、ケーキに入れるなど、スイーツのアレンジには使えるかもしれません。お客さんから「マスターも店のコーヒー豆を使って自作したらどう?」って勧められましたが、「私は普通のコーヒー豆を売ります!」と答えておきました。豆は豆でも煮豆じゃなくて、焙煎豆を売るのが仕事ですから。 

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公園散歩

 日々、自宅とお店を往復する生活で、定休日も用事を済ませてお店に篭ることに、ぼちぼち苦痛を感じるようになってきました。そこで、岐阜県の緊急事態宣言解除を受け、可児市の花フェスタ記念公園に出かけ、久しぶりに屋外散歩です。 

この公園では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月28日(土)から閉園していましたが、5月16日(土)午前9時より緊急事態宣言解除に合わせて開園しています。一部屋内施設については入館できませんが、広い園内を歩きながら花々を見るのには何ら問題はありません。 

ホームページでは、「混雑する時間帯(午前11時~午後2時)を避けてご来園ください。」とあるので、その時間帯を避け午後2時半頃に到着すると、駐車場には多くの車が停まっていました。車を停めた区画のナンバープレートを見ると、愛知や三重といった他県ナンバーの車が2割ほどあります。「県をまたぐ移動を避けるように」といっても、現実には難しいようです。 

世間では、「新しい生活様式」といわれる生活習慣に厳密な方もあれば、「自分は大丈夫」といって気の緩んでいる方もあります。来店されるお客様を見ても両極端に分かれているように思え、あまり神経質になるのも考えものですが、ズボラな感覚もどうかと思ってしまいます。いずれにしても、そうした人々が混在しながら社会生活を送ることになるため、自分からある程度の距離感を意識しながら取り組まなければなりません。自分が感染してしまうことが最もリスクのあることですから。 

そんなことを考えながら、新設されたウエルカムガーデン、ジキタルス、世界のバラ園を見て歩き、ヒトツバタゴ(別名:なんじゃもんじゃ)の白さと、大きな木に、風にゆらゆらと白いハンカチがぶら下がってるみたいなハンカチノキの通りを回って、園内をぐるりと一周してくると、マスクをしたままでは息苦しさを覚えます。「こりゃマスクで運動は無理だ!」と実感し、運動不足の解消と気分転換を図ったのでありました。 

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気になり飲んでみる

 これまでネパールについて書き留めてきましたが、肝心なことにネパール・コーヒーを飲んだことがありません。さすがに、このままでは拙かろうと、ネパール・コーヒーを扱うお店を探します。100%ネパール産をうたいながら、実際はインド産の豆を使っていたり、ネパール産とインド産を混ぜて使うといった手段が横行していることを知るだけに、信頼できる場所で購入しなければなりません。そこで選んだのが、ネパールの「SHANTISHANTI(サンティー・サンティー)珈琲農園」の直営カフェで、愛知県豊川市にある「MOL CAFE」(モルカフェ)です。 

 この「MOL CAFE」(モルカフェ)は20139月にオープンしており、珈琲農園の直営カフェとあって、正真正銘のネパール・コーヒーが飲めそうです。愛知県豊川市ならば車で行けそうなのですが、今回は、巣篭りのためネット通販を利用しました。 

 「SHANTISHANTI(サンティー・サンティー)珈琲農園」は、日本人の池島さんとネパール人のラジさんとの共同経営する農園です。201565日には、『世界の村で発見!こんなところに日本人』という番組でも取り上げられており、次のような紹介がされています。 

8年前にネパールにくるまではコーヒー栽培に関し全くの素人だった池島さんは、前の会社をやめてやることがなく、旅行きたネパールでコーヒーを飲んで、コーヒーを美味しくしたいと思いネパールにきたのだという。当時のネパールは色々な国が支援をしコーヒーをたくさん植えたはいいが、売り先がなく、大量のコーヒー豆が売れずに残っており、素人の池島さんがみてもわかるほど栽培技術が未熟で低品質なコーヒー豆だったという。 

 池島さんは直感的でコーヒーに賭けようと思いネパールにきて、ラジさんに出会い人生が変わったと話す。ラジさんとは今も一緒にコーヒー作りをしている共同経営者で、当時はマヤタリ村でみかん栽培をしており、ほんのわずかコーヒーの木も植えていたという。若いころに秋田県で野菜栽培の農業研修を行ったことと池島さんといることにより日本語がペラペラになったというラジさんは、当時池島さんを初めて見た時不安だったとい話をする。池島さんは言葉ではなく行動で信頼をしてもらったという。2007年に2人でコーヒー農園を開始し、手探りの日々が続き、文化の違いから喧嘩をよくしたと話す。」 

農園の詳しい内容は、池島さんが立ち上げた農園発珈琲ブランド「FARMERS PASSION」を見るとよく分かります。注文したネパール・コーヒーは、「ナチュラル×ライト 150g」(税込1,134円)です。ライトローストで苦みを極力抑え、果実としてのコーヒーの風味を感じられる、フルーティーな味わいだと言うので選びました。他に、ハニープロセス製法の豆を1年以上寝かせて一層まろやかな味わいに仕上げた「エイジング×ダーク 150g」、ハニープロセス製法でコク深さと甘みを引き出した「ハニー×ミディアム 150g」もあります。(宣伝みたいになっちゃったナ) 

 配達された郵便局のクリックポストの箱を空けると、51日に焙煎したコーヒー豆と納品書、農園のパンフレット、そして手書きのメッセージが書かれたポストカードが出てきました。早速、地元の㈲旭軒製菓輔のアマビエ饅頭とともに美味しくいただいたのでした。ナチュラルの香りとフルーツの酸味が特徴です。 

 今回、何年かぶりにコーヒー豆をネット通販で購入しました。510日(日)の12時過ぎに注文し、配達されたのは15日(金)ですから5日間必要だったことになります。普段利用するネット通販であれば、翌日または翌々日に届くことに慣れてしまっているので、随分遅いという印象を持ってしまうことになりました。発送元が愛知県豊川市と隣接する県ですから、期待して注文されるであろうユーザーとしては、せっかくの手書きメッセージも惜しまれます。 

 新型コロナウイルスの影響もあって、小規模な自家焙煎店ではネット通販に力をいれるところも出てきました。まめ蔵では、当初はホームページ上に通販のページを作っていましたが、利用頻度と発送のための煩雑さを考慮して通販を取りやめた経緯があります。お客様に喜ばれるためには当日発送は必須ですし、世間では「直ぐに着く」が当たり前になっている状況下では、中途半端な取り組みでは逆に信用を落としかねない危うさが伴います。発送作業の簡略化と運送業者の選択、追跡番号を顧客へ知らせるメールなど、利用者の立場になって気付くことが多かったのでした。 

 気になってネパール・コーヒーを飲んでみたら、他店の良いところ、見習うべきところ、ちょっと気になったところなど、普段の景色とは異なる様々な事が網にかかるように見えてきます。ネット販売だけに。 

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アマビエ様

 今朝の中日新聞東濃版に、『土岐市下石町で荒神窯を営む加藤土岐光さん(60)が、疫病退散に御利益があるといわれる妖怪「アマビエ」の焼き物の像を制作した。十一日に同市泉北山町の道の駅「志野・織部」に飾り、新型コロナウイルス感染症の終息を願った。』という記事が掲載されました。また、夕方のメーテレ・ニュースの中でも短く取り上げられていました。 

 江戸時代に肥後国(現在の熊本県)の海に現れ、「病がはやったら私の写し絵を人々に見せよ」などと告げたと伝わり、疫病退散に御利益があるとされてきたアマビエは、半人半魚で、長い髪やくちばし、うろこをまとった姿が特徴的な妖怪です。 

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、各地で同様のアマビエ様頼みの物が登場し、アマビエを描いたお札を配る神社の他、碧南市では、妖怪「アマビエ」を題材にした鬼瓦、輪島市では輪島塗の額装作品、浜松市では「アマビエクッキー」、四日市や岡山市では創作和菓子等々、そして、地元の土岐市では前出のとおり、妖怪「アマビエ」の焼き物の像でありました。 

 その焼き物を作成したのが同級生ということもあり、来店時に話をすると「ミニ版もあるよ!」というので、閉店後に彼の作業場へ出向き、そのミニ版を購入してきたのです。その際、道の駅に飾る作品の前に試作したアマビエを「店の前に置いとけよ!」と手渡してくれたので、入口のドアの横に飾っておきました。こちらの作品は完成品よりも一回り小さいサイズで、多少不格好でヒビ入りということもあり、ご利益の効果は薄くなるかもしれません。 

 神頼みというよりも、単純に面白そう!ってだけで飾っております。やはり、お店を切り盛りするのは人間ですから、私自身が考えて行動するしか結果はでませんからネ。

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座席数を減らしました

 ゴールデウウィークを前に、429日から店内での飲食を中止し、コーヒー豆の販売だけを行ってきました。せめて県内の感染拡大が収束するまでと考えていましたが、どうやら緊急事態宣言が解除されたとしても、これからもビクビクしながら新型コロナウィルスと向き合わなければならないようです。 

 三密を防ぐために多数での来店を抑制し、コーヒー豆の販売だけに限定した営業を行ったことから、来店者数は大きく減少してきました。開業以来、雪や台風となっても一定人数の方が来店されていたため、こんなに淋しい経験をするのは初めての事です。ただ、コーヒー豆を購入される方々は確実に増えたこともあり、売上は50%以下にはならない状況で、嬉しさ半分、悲しさ半分といったところでしょうか。 

 このままの状態が続けば、近いうちに岐阜県の緊急事態宣言は段階的に解除されるでしょうが、元の状態に戻るには長い時間がかかりそうです。飲食店、料理店、喫茶店等については、基本的に休止を要請しない施設であり、適切な感染防止対策の協力要請と営業時間短縮の協力要請という形になっていますが、お客様の感染予防の感覚は、店側の感覚とは随分かけ離れていると感じています。特に、不特定多数が利用するファミレスや都市部の居酒屋などは顕著に表れています。 

 まめ蔵の場合は利用者の多くが固定客であり、一人でゆっくりコーヒーを飲みたいという方があるため、そうした方に三密を理由にお断りすることに抵抗がありました。それならば、いっそ椅子を減らして座れなくしてしまえば少人数のみの利用になると思い、倉庫に椅子を片付けてしまったのです。 

 そんな訳で、座席数を減らしての再スタートをするこにしました。慌てず、ゆっくり、のんびりと、徐々に会話が取り戻せるように。 

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花言葉は幸福

 55日で開店5年を迎えました。開店時に、同級生や友人からいただいた多くの花や鉢植えも、ズボラな店主の世話にも耐え続けて生き延びています。そんな鉢植えの変化に気付いたのが、お店にコーヒーを飲みに来た妻でした。普段のように、店内が汚れていないか、怠けていないかチェックしていると、「花が咲いている!」と声を上げました。 

 一瞬「また叱られ」と思いながら様子をみると、観葉植物のドラセナ・ジェレのてっぺんに白い花が咲いています。「へ~!花が咲くのを初めて見た。」と言うと、「珍しいんじゃないの?調べてみたら!」と勧められ調べてみると、なんと510年に1度しか花を咲かせないことが分ります。さらに、成熟したドラセナ・ジェレの木でないと花は咲かないのでとても貴重であることを知り、手抜きで世話をしている身としては、よけいに不思議に感じます。 

 ドラセナ・ジェレは「幸福の木」としていわれ、お祝いの際に贈られることが多く、その花言葉は「幸福」です。開店5年の記念となるタイミングや、新型コロナウイルスで異常な状態が続いている中で咲いた花を見ると、「なんでやねん?」と花が咲いた真意を尋ねたくなります。けれど、何だかわかりませんが、この時に咲く意味があるのではないかとも思えてきます。 

 返事をする筈もない白い花を見ながら、この5年間を振り返ってみるのです。 

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待機中

 連休が終わり、通常の営業を再開していると思い、まめ蔵へ来店される方が数人ありました。残念そうに車が帰っていく姿に、申し訳ない気持ちになります。実際、飲食店などでは一部に再開しているところもあり、その判断が難しいところです。新規の感染者ゼロが5日間続いている県内の状況をみると、もう少し待ってみたいと考えています。 

岐阜県では、新型コロナウイルス感染症のまん延防止に向け、医療機関への通院、食料の買い出し、職場への出勤など、生活の維持に必要な場合を除き、原則として外出しないこと等を要請する緊急事態措置が531日まで延長されました。食事提供施設となっている飲食店(居酒屋を含む。)、料理店、喫茶店等(宅配・テークアウトサービスを含む。)については、基本的に休止を要請しない施設であり、適切な感染防止対策の協力要請と営業時間短縮の協力要請という形になっています。具体的に、営業時間短縮については、朝5時から夜8時までの間の営業を要請し、酒類の提供は夜7時までとすることを要請。(宅配・テークアウトサービスは除く。)という内容です。 

営業時間短縮の協力要請は理解できますが、適切な感染防止対策の協力要請の内容はどのようなものでしょうか。資料を見ると、 

・発熱者等の施設への入場防止として、従業員の検温・体調確認を行い、37.5度以上や体調不良の従業員の出勤を停止。来訪者の検温・体調確認を行い、37.5度以上や体調不良の来訪者の入場を制限。 

・3つの「密」(密閉・密集・密接)の防止として、店舗利用者の入場制限、行列を作らないための工夫や列間隔の確保(約2m間隔の確保)。換気を行う(可能であれば、2つの方向の窓を同時に開ける)。 

・飛沫感染、接触感染の防止として、従業員のマスク着用、手指の消毒、咳エチケット、手洗いの励行。来訪者の入店時等における手指の消毒、咳エチケット、手洗いの励行。店舗、事務所内の定期的な消毒。 

・従業員の通勤などの移動時における感染の防止 

となっています。これなら、以前のようにテーブル間隔を空けて、利用人数制限をお願いすれば何とかなりそうです。 

確かに、「岐阜県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金」の対象期間が終了したから再開するという店舗もありますが、今、一番考えなければいけないのが、「お客様が安心して利用していただける」環境が整っているかです。諸外国では感染の第二波や第三波が起こったとか、都市部から地方へ飛び火するのではないかといった懸念がある以上、今までのように再開することに少し違和感を覚えます。 

もうひとつ気になっていることは、お客様の感染防止に対する意識が強くなったことです。コーヒー豆の販売のみをしている際の会計時でさえも、お客様が距離を置いて立っていると感じたり、必ずマスクを付けたり消毒を使用するなど、以前にも増してウイルスへの感染に注意を払っています。もっとも、相変わらず無頓着な人もいたりするんですが、雰囲気が変わったことは間違いありません。そうした空気を無視してまでも再開することに抵抗があるのも事実です。 

結局のところ、利用していただけるお客様の意見を聞きながら、来週以降に再開するか判断しようと思っているしだいです。いわば、待機中といったところでしょうか。 

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気になり調べてみる(2)

 ひょんなことから海外留学生について調べることになりました。そこで、ベトナムやネパールといった留学生が増えたことに気付きます。そういえば、ちょうど一年前にはカレーの話題から始まって、ネパールのコーヒーを扱っている、名古屋市内にある吉岡コーヒーまで繋がったのでした。だた、肝心なところでネパールのコーヒーに辿り着くことができないという、何とも締まらない結果となっています。今回もネパールという国名がでたので、リベンジにネパールコーヒーを飲みに行きたいところですが、このご時世ではしばらくお預けですね。 

 というわけで、ネパールの地図を改めて見てみると、「インドってあんなところまで!」と驚きます。ネパールの横に伸びたインドをよく見ると、紅茶で有名なアッサム州や、ネパールに隣接する西ベンガル州にはダージリンがあります。そのため、ネパールの東にあるイラムは有名なダージリンにとても近く、標高や気候が似ていることもあり、ダージリン系の甘くて芳醇な香りの紅茶が取れるようです。ネパール独自の風味があり、欧米では愛好家が増えてきているため、ほとんどがヨーロッパに出荷されています。(最近は中国も多くなったそうです。

 まめ蔵では、コーヒーが飲めない方のためにインドのアッサムとスリランカのウバを用意していますが、ネパールのイラム・ティーも飲んでみたいものです。ただ、紅茶の飲み方はインドと同じくミルクで煮込んだチャイが主流で、めっちゃ甘いそうですから機会があればというところです。ちなみに、現地のネパール語では「チア」と呼びます。 

 そんな紅茶が飲まれている国ですから、ネパールでコーヒーが栽培されるようになったのは20数年前からということで、まだまだコーヒーの歴史が浅い国です。主にヒマラヤ山脈周辺、アンナブルナ連峰周辺の比較的標高の低い場所で作られ、無農薬で栽培されていることから人気となっています。ただ、生産量は需要に応えるほどではないため、怪しい商売をする業者もあります。 

 インドの低地で作られたコーヒーを「ネパール・オーガニックコーヒー」として販売したり、100%ネパール産をうたいながら、実際はインド産の豆を使っていたり、ネパール産とインド産を混ぜて使うといった手段が横行しています。ネパール国内のポカラ、レイクサイドのカフェで「ネパール・オーガニックコーヒー」として扱われているコーヒーでさえも、ほぼ8割が実はインド産だったりするのですから、信頼できる場所でしか購入できないのが現実なのです。 

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気になり調べてみる

 先月、東濃地方の短大に勤務するお客様から、その短大には留学生が多く在籍しているとの話を聞きました。こんな地方の短大で外国人留学生が多いって?疑問に思ってJASSO(日本学生支援機構)のデータを見ると、201951日現在の留学生数は312,214人と、想像以上に多い事を知ります。先月末からコーヒー豆の販売のみにしてから時間を持て余していたので、ちょっと調べることにしました。 

 日本への留学生増加には理由があるようです。1983年に中曽根元首相の掛け声で、21世紀の初頭までに留学生受け入れ数を10万人にするという『留学生10万人計画』が策定・発表されました。それ以来、日本の国費による外国人留学生が年々増加し、経済成長にともなって私費留学も増加していきます。(現在の国費留学生は約3%) 

その後、2008年に福田元首相のもと、「日本を世界に開かれた国とし、人の流れを拡大、2020年に日本国内の外国人留学生を30万人に増やす」として『留学生30万人計画』が策定され、留学生は順調に増えていきます。そして、201812月末時点で337,000人を記録し30万人計画の目標が達成されました。 

JASSO(日本学生支援機構)が調査した、2019年の外国人留学生の出身国(地域)別留学生数上位5位在籍状況を見てみると、中国、ベトナム、ネパール、韓国、台湾の順になります。ところが、2012年の数字と見比べてみると、ベトナム及びネパールの留学生が急激に増えたことがわかります。 

確かに、お客様はネパールの留学生が多いと話されていましたが、知らぬ間にそんなことになっていたのか!地元の窯業界では、中国やベトナムからの研修生が貴重な労働力として、先細りとなっている地場産業を担う存在になってはいることは知りつつも、ベトナムやネパールからも留学生として、多くの方が日本に来ている現実を知ることとなったのです。 

 もうひとつ知りたかったのが、彼ら外国人留学生が名古屋に住んで、共同生活をしながらアルバイトで生計を維持している理由でした。短大に近い場所のアパートではなく、名古屋という離れた場所で暮らす理由は金銭的な面だけなのか調べてみます。 

外国人留学生は「留学」という在留資格をもっています。この資格は「日本で勉強をする」という活動ための資格であり、働くための資格ではありません。しかし、入管法第19条によって、あらかじめ資格外活動の許可を受けていればアルバイトは可能です。 

日本人の学生ですら、多少はアルバイトをしなければ生活していけないことがあります。そこで、学生の本分である学業の邪魔にならない範囲で就労を認めましょうという趣旨で、資格外活動としてアルバイトを認めているわけです。ただし、外国人留学生は週28時間、14時間(夏休みなどの長期休みでは18時間以内)の労働のみが許されています。もし、この時間を超えて就労すると不法就労にあたり、退去強制といって、いわゆる強制送還の対象になる可能性があります。退去強制になった外国人は、最低5年は入国できません。 

 そのため、原則週28時間しか働けない留学生は、より高給な仕事を探すこととなり、深夜での労働期間が多い都市部に住むこととなります。そして、多くがコンビニで働いているようです。コンビニの場合、勉強の時間を確保しつつ時給が高い深夜バイトが貴重な労働機会となっているそうです。実際、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップのコンビニ大手4社を始め各コンビニ企業で約5万人の外国人が働いていると言われます。 

外国人留学生がアルバイトをする理由は、学費、生活費を稼ぐためですが、さらに、実際に日本語を使って能力を伸ばすこともあります。将来、日本の企業で働くことや、母国の日系企業で働くことを希望している留学生にとっては、日本語が不慣れな内はお客様との会話が少ない倉庫や食品の加工作業をし、慣れてきたらコンビ二を選ぶようです。コンビニに働くとなると、複雑なレジ作業や品だし、コピー機のサポートなど、業務範囲が大きく広がるため、外国人留学生の間では、「コンビニバイトは日本語が上手く話せる証」というステータスになるんだとか。 

そうした外国人留学生の働く場が、新型コロナウィルスによる影響を受けていないか気になります。日本人が困窮している話題しかマスコミは取り上げませんが、こうした人達にもスポットを当ててもらいたいものです。 

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喜べない

 新型コロナウィルス対策として、店内のドア付近に消毒液を設置したのが222日でした。その後、集団感染を招きやすい密閉、密集、密接の三つの「密」を回避する手段として多数での利用を控えてもらい、テーブルの間隔を2メートル以上空けるよう配置換えすることにしたのが41日。そして47日には、新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言が夕方に出され、続いて411日には、岐阜県独自の「非常事態宣言」が発令されました。この数か月間は、まさに新型コロナウィルス一色といったところです。

 岐阜県では昨日30日も新たな感染者は確認されず、新たな感染者ゼロは7日連続となりました。一見落ち着いてきており一安心かと思いきや、東京では新たに46人が感染し減少傾向に見えるも、その感染の脅威は衰えません。ましてや、北海道では第二波とも言われる41人の感染者数が報告され、感染対策は長期化の様相を呈しているのです。岐阜県だけを見ていては全く喜べません。 

密閉、密集、密接の「三密」を回避すれば、当然来店客数が減少することになります。1月~5月までの来店客数の推移を見てみると、4月から急激に減少しはじめ、「三密」の回避の効果が表れてきました。しかし、同時に店の売り上げの減少となって事業の継続が厳しくなります。 

その補助的な役割を担うのがコーヒー豆の販売です。カフェや喫茶店への卸をせず、100%個人への販売を目的に行っているからこそ、こうした事態においては売上減少を下支えするものになります。ただし、昨年末のデータを見ても分かるとおり、売上全体のコーヒー豆販売が占める割合は40%以下ということもあって、限界も感じているので「コーヒー豆があるから」といって喜べないのです。 

そのコーヒー豆の販売状況は、4月中旬から急激に売り上げを伸ばしています。昨年の1年間で一番売り上げの多かった12月とほぼ同額となり、ある意味で異常な現象です。本来、過去の実績を見ても、冬場から暖かくなる時期にかけてコーヒー豆の需要が減少していく時期に、これだけ多くなるのは新型コロナウィルスの影響に他なりません。 

「家での在宅勤務で飲む機会が増えました。」、「週末に出かけることが無くなり、朝昼晩と飲んでいます。」といったリピーターや、「他の店が休みだから。」とか「時間が出来たからコーヒーでも淹れてみようと思って。」という新たなお客様もありますが、この需要が今後も続くことはないのですから、素直に喜べないのです。 

なによりも、429日から店内での飲食を中止し、コーヒー豆の販売のみにして分かったことは、「楽しくない!」ということです。カウンター越しに何気ない会話をし、時には珈琲談義に夢中になり、店内では会話の声がする、そんな日常を早く取り戻したいというのが本音です。だから、一時的にコーヒー豆が沢山売れても喜べない! 

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