気になり飲んでみる

 これまでネパールについて書き留めてきましたが、肝心なことにネパール・コーヒーを飲んだことがありません。さすがに、このままでは拙かろうと、ネパール・コーヒーを扱うお店を探します。100%ネパール産をうたいながら、実際はインド産の豆を使っていたり、ネパール産とインド産を混ぜて使うといった手段が横行していることを知るだけに、信頼できる場所で購入しなければなりません。そこで選んだのが、ネパールの「SHANTISHANTI(サンティー・サンティー)珈琲農園」の直営カフェで、愛知県豊川市にある「MOL CAFE」(モルカフェ)です。 

 この「MOL CAFE」(モルカフェ)は20139月にオープンしており、珈琲農園の直営カフェとあって、正真正銘のネパール・コーヒーが飲めそうです。愛知県豊川市ならば車で行けそうなのですが、今回は、巣篭りのためネット通販を利用しました。 

 「SHANTISHANTI(サンティー・サンティー)珈琲農園」は、日本人の池島さんとネパール人のラジさんとの共同経営する農園です。201565日には、『世界の村で発見!こんなところに日本人』という番組でも取り上げられており、次のような紹介がされています。 

8年前にネパールにくるまではコーヒー栽培に関し全くの素人だった池島さんは、前の会社をやめてやることがなく、旅行きたネパールでコーヒーを飲んで、コーヒーを美味しくしたいと思いネパールにきたのだという。当時のネパールは色々な国が支援をしコーヒーをたくさん植えたはいいが、売り先がなく、大量のコーヒー豆が売れずに残っており、素人の池島さんがみてもわかるほど栽培技術が未熟で低品質なコーヒー豆だったという。 

 池島さんは直感的でコーヒーに賭けようと思いネパールにきて、ラジさんに出会い人生が変わったと話す。ラジさんとは今も一緒にコーヒー作りをしている共同経営者で、当時はマヤタリ村でみかん栽培をしており、ほんのわずかコーヒーの木も植えていたという。若いころに秋田県で野菜栽培の農業研修を行ったことと池島さんといることにより日本語がペラペラになったというラジさんは、当時池島さんを初めて見た時不安だったとい話をする。池島さんは言葉ではなく行動で信頼をしてもらったという。2007年に2人でコーヒー農園を開始し、手探りの日々が続き、文化の違いから喧嘩をよくしたと話す。」 

農園の詳しい内容は、池島さんが立ち上げた農園発珈琲ブランド「FARMERS PASSION」を見るとよく分かります。注文したネパール・コーヒーは、「ナチュラル×ライト 150g」(税込1,134円)です。ライトローストで苦みを極力抑え、果実としてのコーヒーの風味を感じられる、フルーティーな味わいだと言うので選びました。他に、ハニープロセス製法の豆を1年以上寝かせて一層まろやかな味わいに仕上げた「エイジング×ダーク 150g」、ハニープロセス製法でコク深さと甘みを引き出した「ハニー×ミディアム 150g」もあります。(宣伝みたいになっちゃったナ) 

 配達された郵便局のクリックポストの箱を空けると、51日に焙煎したコーヒー豆と納品書、農園のパンフレット、そして手書きのメッセージが書かれたポストカードが出てきました。早速、地元の㈲旭軒製菓輔のアマビエ饅頭とともに美味しくいただいたのでした。ナチュラルの香りとフルーツの酸味が特徴です。 

 今回、何年かぶりにコーヒー豆をネット通販で購入しました。510日(日)の12時過ぎに注文し、配達されたのは15日(金)ですから5日間必要だったことになります。普段利用するネット通販であれば、翌日または翌々日に届くことに慣れてしまっているので、随分遅いという印象を持ってしまうことになりました。発送元が愛知県豊川市と隣接する県ですから、期待して注文されるであろうユーザーとしては、せっかくの手書きメッセージも惜しまれます。 

 新型コロナウイルスの影響もあって、小規模な自家焙煎店ではネット通販に力をいれるところも出てきました。まめ蔵では、当初はホームページ上に通販のページを作っていましたが、利用頻度と発送のための煩雑さを考慮して通販を取りやめた経緯があります。お客様に喜ばれるためには当日発送は必須ですし、世間では「直ぐに着く」が当たり前になっている状況下では、中途半端な取り組みでは逆に信用を落としかねない危うさが伴います。発送作業の簡略化と運送業者の選択、追跡番号を顧客へ知らせるメールなど、利用者の立場になって気付くことが多かったのでした。 

 気になってネパール・コーヒーを飲んでみたら、他店の良いところ、見習うべきところ、ちょっと気になったところなど、普段の景色とは異なる様々な事が網にかかるように見えてきます。ネット販売だけに。