喜べない

 新型コロナウィルス対策として、店内のドア付近に消毒液を設置したのが222日でした。その後、集団感染を招きやすい密閉、密集、密接の三つの「密」を回避する手段として多数での利用を控えてもらい、テーブルの間隔を2メートル以上空けるよう配置換えすることにしたのが41日。そして47日には、新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言が夕方に出され、続いて411日には、岐阜県独自の「非常事態宣言」が発令されました。この数か月間は、まさに新型コロナウィルス一色といったところです。

 岐阜県では昨日30日も新たな感染者は確認されず、新たな感染者ゼロは7日連続となりました。一見落ち着いてきており一安心かと思いきや、東京では新たに46人が感染し減少傾向に見えるも、その感染の脅威は衰えません。ましてや、北海道では第二波とも言われる41人の感染者数が報告され、感染対策は長期化の様相を呈しているのです。岐阜県だけを見ていては全く喜べません。 

密閉、密集、密接の「三密」を回避すれば、当然来店客数が減少することになります。1月~5月までの来店客数の推移を見てみると、4月から急激に減少しはじめ、「三密」の回避の効果が表れてきました。しかし、同時に店の売り上げの減少となって事業の継続が厳しくなります。 

その補助的な役割を担うのがコーヒー豆の販売です。カフェや喫茶店への卸をせず、100%個人への販売を目的に行っているからこそ、こうした事態においては売上減少を下支えするものになります。ただし、昨年末のデータを見ても分かるとおり、売上全体のコーヒー豆販売が占める割合は40%以下ということもあって、限界も感じているので「コーヒー豆があるから」といって喜べないのです。 

そのコーヒー豆の販売状況は、4月中旬から急激に売り上げを伸ばしています。昨年の1年間で一番売り上げの多かった12月とほぼ同額となり、ある意味で異常な現象です。本来、過去の実績を見ても、冬場から暖かくなる時期にかけてコーヒー豆の需要が減少していく時期に、これだけ多くなるのは新型コロナウィルスの影響に他なりません。 

「家での在宅勤務で飲む機会が増えました。」、「週末に出かけることが無くなり、朝昼晩と飲んでいます。」といったリピーターや、「他の店が休みだから。」とか「時間が出来たからコーヒーでも淹れてみようと思って。」という新たなお客様もありますが、この需要が今後も続くことはないのですから、素直に喜べないのです。 

なによりも、429日から店内での飲食を中止し、コーヒー豆の販売のみにして分かったことは、「楽しくない!」ということです。カウンター越しに何気ない会話をし、時には珈琲談義に夢中になり、店内では会話の声がする、そんな日常を早く取り戻したいというのが本音です。だから、一時的にコーヒー豆が沢山売れても喜べない! 

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コメント: 2
  • #1

    あとりえ あるます (金曜日, 01 5月 2020 15:56)

    コーヒー届いたよ~ごちそうさまです。
    残念だけどコロナは長引きそうだね。いつまでも自粛とはいかないだろうから解除されたら遊びに来てください。

  • #2

    まめ蔵 (金曜日, 01 5月 2020 20:15)

    暇だから今でも行きたいけど、他県ナンバーの車だと石を投げられるような時期なので、またブルーベリーの取れる頃に行きます。