店に籠りながら

 岐阜県では4月19日現在、累計感染者数が139人となり、急激な感染者の上昇から少し落ち着いてきた感もありますが、全国的には感染者は増え続けています。そして、医療従事者への感染が目立ってきたことも気になる所です。 

 お店への来店者は、多数での来店を控えてもらうようお願いしたこともあってか、4月上旬から減り始め、中旬には目に見えて少なくなりました。意識して来店を抑える方、後から来店される方があると直ぐに帰る方、駐車場に車が複数台あるとUターンして帰る方もあり、滞在時間も短くなって、感染防止の面からホッと一安心といったところです。 

 そんな状況下であってもコーヒー豆を買い求める方は減らず、「開いててよかった!」、「コーヒー豆の販売だけは続けて下さい。」といった言葉を聞くと、感謝の言葉しか見当たりません。そんな訳で、定休日の今日は、店に籠って焙煎を繰り返しています。 

 ハンドピックしながら幾つかの動画を見ていると、新型コロナウィルスに関するコメントが散見されますが、無責任に好き勝手に発言しているようなものも見られます。私としては、4月10日に、公益社団法人神奈川県医師会の「本当のことを知ってください! ~新型コロナウイルス感染症について~かながわコロナ通信」というメッセージが分かりやい思うので、その一部を掲載します。 

◆ごまかされないで◆ 

この新しい未知のウイルスに、本当の専門家がいません。本当は誰もわからないのです。過去の類似のウイルスの経験のみですべてを語ろうとする危うさがあります。そして専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。視聴者の不安に寄り添うコメンテーターは、聞いていても視聴者の心情に心地よく響くものです。不安や苛立ちが多い時こそ、慎重に考えてください。(中略)第一線で活躍している医師は、現場対応に追われてテレビに出ている時間はありません。出演している医療関係者も長時間メディアに出てくる時間があれば、出来るだけ早く第一線の医療現場に戻ってきて、今現場で戦っている医療従事者と一緒に奮闘すべきだろうと思います。 

◆PCR検査の本当◆ 

医療関係者は、もうすでに感染のストレスの中で連日戦っています。その中で、PCR検査を何が何でも数多くするべきだという人がいます。しかしながら、新型コロナウイルスのPCR 検査の感度は高くて70%程度です。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります。検査をすり抜けた感染者が必ずいることを、決して忘れないでください。 

さっさとドライブスルー方式の検査をすればよいという人がいます。その手技の途中で、手袋や保護服を一つひとつ交換しているのでしょうか。もし複数の患者さんへ対応すると、二次感染の可能性も考えなければなりません。正確で次の検査の人に二次感染の危険性が及ばないようにするには、一人の患者さんの検査が終わったら、すべてのマスク・ゴーグル・保護服などを、検査した本人も慎重に外側を触れないように脱いで、破棄処分しなければなりません。マスク・保護服など必須装備が絶対的に不足する中、どうすればよいのでしょうか。次の患者さんに感染させないようにするために、消毒や交換のため、30 分以上1 時間近く必要となります。テレビなどのメディアに登場する人は、本当のPCR検査の実情を知っているのでしょうか。そして、専門家という人は実際にやったことがあるのでしょうか。 

◆医療機関への偏見や差別◆ 

皆さんは、咳をしたり、熱が出ていたりする人が近くにいたら、きっと嫌な顔をして、文句を言うか、離れていくことでしょう。今この時も医療関係者は、コロナ感染の恐怖の中で戦っています。戦っている医療機関の医師や看護師や事務職員にも、子供や孫、そして親はいます。その愛する人たちに、うつすかもしれないという恐怖の内で、医療職という使命の中で戦っています。そして自分の子供が、バイキンと言われ、いじめにあうかもしれないという、悲しみとも戦っています。(中略)わかってください。知ってください。理解してください。感染が拡大すれば、誰もが感染者になります。そのとき、偏見や差別を受けたらどんな思いをするのか、一人ひとりが賢明に考えて、不確かな情報に惑わされて。人を決して傷つけないように、正しい情報に基づいた冷静な行動をするようにしてほしいのです。まして、地域の医療機関の活動が差別意識で妨げられるようなことは、決してあってはならないことでしょう。 

◆一緒に戦いましょう◆ 

もう少し、もう少し我慢して下さい。四週間、何か月いや一年以上になるかもしれません。病と闘って生きていたいと、つらい治療と闘っている患者さんもいます。生きていることだけでも幸せなのだと、ぜひ、ぜひ思ってください。安易に外出して、密集、密閉、密接のところには絶対行かないでください。あなたの行動が、新しい患者さんを作ってしまうかもしれません。お願いします。私たち医療従事者も、ストレスや恐怖に我慢して戦っています。お願いします。皆さんはぜひ、我慢と闘って、我慢してください。戦いは、長くてつらいかもしれませんが、みんなで手を取り合っていきましょう。 

昨年は、4月末からのゴールデンウイーク期間中の来店者が多くなっています。日々の来店者の傾向を把握しながら、コーヒー豆の販売のみの営業に切り替える時期を考えていきます。

追加 

医療関係者が感染者と向き合う場合の動画を見つけました。名古屋検疫所 中部空港検疫所支所 検疫衛生課 医師 守屋 章成氏が、感染防止のための PPE(個人防護具)の着脱方法 実演レクチャーしています。この動画を見ると、いかに感染防止が必要であり、そのためのPPE(個人防護具)の不足により、大阪市長が代用品として雨カッパの提供を呼びかけている理由がわかります。

また、重症肺炎患者の治療に使う人工心肺装置(ECMO、エクモ)の増産が叫ばれていますが、この近辺には県立多治見病院に1台あるものの、複数の医師や技師が常にいなければならず、(手術中と同じ状態)実際の使用には課題もあります。仮に増産されても、現場で使用できる人材がいないのですから、やはり、感染しないようにするしかないのです。