カタクリの群生地へ

 東濃保健所へ行って用事を済ませ、その後に向かった先は可児市でした。可児市の西端にある標高313mの山、「鳩吹山」の麓には可児川下流域自然公園があり、カタクリ群生地で有名で、ちょうど淡い紫色の花が満開を迎えた頃だったからです。 

 可児市土田にある日帰り温泉「湯の華アイランド」に隣接している、「湯の華市場」の駐車場に車を留め、鳩吹山の遊歩道がある橋を渡ると、カタクリ群生地の立札が見えてきます。この可児下流域自然公園は、秋には紅葉が見事ですが、春にはカタクリが楽しめる自然豊かな場所になっています。公園内には10万本のカタクリが咲くようです。 

 でも、立札付近を眺めてもチラホラとみえるだけなので、奥から歩いている人に尋ねてみると、「もっと先は綺麗だよ!」と教えてもらいます。さらに進むと紫色のカタクリが斜面にいっぱい咲いていました。少し残念なのが、雨の降った後だったこともあり、花びらが下を向いたままで俯いているようです。近くにいたボランティアガイドさんの話によれば、カタクリの花は気温によって花の角度を変えるそうで、暖かくなるとカタクリの花が逆立ち、一番綺麗に見えるといいます。15℃以上が目安にになるということです。 

 この群生地は地域の方や小学生の方も種をまいたり、花がよく見えるように下草を刈ったりと手をかけて保存されています。そうして綺麗に咲いた花を多くの方に見てもらうため、毎年「カタクリ祭り」が行われてたものの、今年は新型コロナウイルスの拡大防止のために中止となりました。 

 カタクリは、その名前の通り片栗粉が取れる植物としても知られ、球根は良質のデンプンを多く含んでいます。種から発芽し1年目は芽を出すのみで地上部は枯れます。2年目~6年目は春に葉を1枚だけ出すのみです。7年目にようやく葉を2枚出して花を咲かせるのです。7年かけて、じっくりと球根に栄養をためて、花を咲かせる準備をするというのですから、私のように開業5年では花を咲かせないのも無理もないかもしれません。 

 まあ、私の場合は花を咲かせることよりも、少しでも成長し続けることに主眼を置いているので、目立たせる必要もないのですが。