カフェと手話

 スターバックス・コーヒー ジャパンが、手話を共通言語に採用した国内初のサイニングストアを2020年夏に東京・国立市に出店する計画なんだとか。新店舗では聴覚に障害のある従業員を中心に、手話を主なコミュニケーションツールとして使用するようです。 

こうした店舗は、マレーシア・クアラルンプールで20167月に初めてオープンしており、スタッフのほとんどが聴覚障害者で、客が言葉を発することなく、手話を使ったり紙に書いたりして注文などをするため、「世界一静かなスタバ」呼ばれたんだとか。その後、米ワシントンや中国・広州などでオープンし、日本でのオープンは世界で5店舗目となるようです。(個人的には手話での会話は静かだと思わない) 

 これまで神奈川、東京の計4店舗で「サイニングデー(手話の日)」と題したイベントを開き、「手話教室」を開いてきた実績があります。同じように、タリーズコーヒーでも手話を使ったコーヒー教室を行ってきました。今回は、手話を共通言語に採用した店舗というのは、ある意味画期的なことです。 

 しかし、素直に素晴らしいと言えない所もあります。新店舗の場所の選定にあたって、「国立市付近にはろう学校があり、ろう文化に理解がある地域であることから、今回の出店場所に選定された。」といいますが、ろう学校があるのは立川だし、葛飾区、豊島区、江東区、品川区など9か所に都立ろう学校があり、なんで通勤に便利な都心部にしないのか不思議です。他地区はろう文化への理解が国立市より劣るのでしょうか? 

 いっそ、聴覚障害者が多く働くトヨタ工場内に出店するとか、需給バランスを考えると不自然で、スターバックスの広告塔としての役割くらいにしか思えてなりません。スターバックスの価値観の一つである「お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化」を大切にしているのなら、手話を共通言語なんて掲げないで、全国どこでも健常者と障がい者が気兼ねなく利用できる空間づくりが大切だと思います。車椅子のバリスタがいたっていいじゃない。

 「聴覚障害者」だから「手話」ではなく、筆談やサインボードを使用してもコミュニケーションを取ることは可能です。むしろ、聴覚障害者=手話という思い込みが弊害となって、見えないバリアを生むのではないか気になります。日本人、外国人、障がい者、大人と子供が普通に存在し、気兼ねなく同じ空間でコーヒーを楽しむ場所がカフェであり、そんなバリアの無い店づくりをすることも私の目標でもあります。 

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コメント: 2
  • #1

    山内 (水曜日, 18 3月 2020 19:21)

    こんばんは。少しも更新しないブログを見ていてくれたんだね。ありがとう。
    昨年の秋から仲間と思いついて始めた事業です。明日19日にすべて完了して運営開始です。しかし豚熱のおかげで今、猪は獲っても食せない状況です。はやくOKになって消費者に届けたいものです。君の店にも立ち寄ろうとは思うのですがなかなかできません。又よれることを楽しみにしています。

  • #2

    まめ蔵 (木曜日, 19 3月 2020 08:16)

    コメントありがとうございます。また、牡丹鍋が食べたくなったら伺います。