緑色の修道院

 今夜、多治見市のホームセンターへ行ったついでに、多治見修道院にも立ち寄ってきました。理由は世界緑内障週間(8~14日)に合わせ、修道院が緑色にライトアップされているからです。私自身も緑内障を患っていることもあって、関心があったということもあります。 

 このライトアップは、緑内障の早期発見や治療の啓発を目的に、日本緑内障学会が2008年に始めた「ライトアップinグリーン運動」の一貫の取り組みのようです。今年も全国260の公共施設や医療機関で行われ、県内では同修道院(14日まで)や岐阜市の岐阜城(9~15日)など18カ所で実施されるということです。 

 多治見へ向かう離れた場所からも緑色に浮かんだ修道院が見え、何だか異様な感じがしました。過去には「世界糖尿病デー」に合わせてシンボルカラーの青色にライトアップされたこともあるそうですから、さらにオカルト的な雰囲気になるのではないでしょうか。 

 ところで、白内障は目の水晶体というカメラでいうレンズの部分が白く濁る病気だから、「白内障」という病名であることは分かるのですが、緑内障はなぜ「緑」という言葉が使われるのか不思議に思えてきました。緑内障を患っている私でさえも、景色が緑色に見えることもありませんし、目も黒目のままですから。 

 妻に聞いてみると、緑内障や白内障の別名が「あおそこひ(青底翳)」、「しろそこひ(白底翳)」と言うから、青を緑と言っているのでは、とはぐらかされます。そこで調べてみると、よくある「諸説あります。」ということが分かりました。 

 一つ目、緑内障は目の圧(眼圧)が上がり目が固くなる病気ですが、角膜という黒目をつくる目の前の部分は、眼圧が急激に上がると白く濁ります。これが緑に見えるという説です。 

 二つ目、昔のヨーロッパの教科書に緑内障の定義として、目が濁る病気でその濁りは緑色なので緑の字が当てられたという説。 

 三つ目、古代ギリシャのヒポクラテスが「目が地中海の海の色のように青くなり、やがて失明状態になる」と記述しており、もともと瞳の色が青い人が瞳孔が広がって(急性の発作の時に広がることが多い)濃い青に見える可能性と、もともと瞳孔の色が薄い人がやはり同じように瞳孔が広がり黒い(青い)目に近くなり、目が青く見えるの両方が考えられるという説。 

 自分の病気のことなのに、その由来がよく分からないとは不思議な気分です。現在は点眼薬で眼圧を抑えるだけの治療をしており、半年に一回眼科で視野の検査を行っています。今のところ大きく悪化するような兆候はありませんが、40歳以上の20人に一人くらいは緑内障になっているようですから、早めの検査で早期発見や治療をしてもらいたいものです。