真に恐れるべきは恐怖そのものである

 新型コロナウイルスに関する動きが先週から慌ただしくなってきました。政府はイベントの開催自粛に加えて、公立小中高校への休校を要請するに事態となって、なんだか政府自体がパニックに陥っているかのように見えています。同様に、マスコミからは国民へ恐怖を煽るような情報ばかり垂れ流し、なんとかテレビに釘付けさせようとしているのではないかとも思えてきます。 

 こんな小さな店内でも、お客様からは感染者を犯人探しのようにする噂話が多く、中には誹謗中傷のようなものまであって、耳を塞ぎたくなる時もあります。また、在日中国人の子供に対するいじめや、旅行への中止のみならず、旅行へ行った人への差別的な意見なども聞かれ、何と身勝手で自己中心的な人達なのかと、人間の本性を見たようで気持ち悪くなってしまいます。 

 町ではマスク不足が続き、週末にはトイレットペーパーに群がる人々が出てきました。これでは、恐れるべきは新型コロナウイルスではなくて人間そのものです。フランクリン・ローズヴェルトの第1回大統領就任演説ではないですが、『真に恐れるべきは恐怖そのものである。』のように、漠然として理屈に合わぬ筋の通らない恐怖感こそ、恐れなければならないのです。 

 ちょうど今朝読んだ、エコノミストの吉崎達彦さんの「かんべえ」のホームページでは、 溜池通信vol.685で「新型コロナウイルスへの個人的見解」と題し、客観的な意見が述べられております。その昔、都会が「コンクリートジャングル」なんて言われておりましたが、本当にジャングルのような弱肉強食で秩序のない社会にならないでほしいものです。