ペルーCOE2019のカッピング

 昨日は、急遽3時半にお店を閉め、慌てて電車に飛び乗り一路神戸へ向かいました。2年前の1月下旬に参加したペルーCOEのカッピングセミナーが、1月7日の夜に行われることに気付いて前日に申し込み、会場となるUCC神戸本社のUCCコーヒーアカデミー神戸校へ行ったのです。 

 カッピングセミナーのタイトルは『ペルーCOE2019のコーヒーを楽しもう!』、講師はいつものUCCコーヒーアカデミー非常勤講師の中平尚己氏です。昨年から夜の開催となっ理由は、中平氏が東京から神戸本社へ異動となったためで、月曜日以外でこうしたイベントに参加できる条件ができたのには好都合でした。 

 ペルーのコーヒーの生産量は約34万トン(2017FOA調査)で世界第7位です。最新の数字がわからないので何とも言えませんが、前回2016FOA調査では、約27万トンで世界第8位でしたから、確実にコーヒーの生産量は増えているようです。 

 今回、久しぶりにペルーCOEのカッピングを行いますが、COEの対象となったものは92.28点~87.33点までの21です。(昨年からCOEの入賞基準が87点以上に引き上げられた)これまで数カ国のCOEカッピングで経験し、ナチュラルやハニーの精製方法が多くを占めた印象でしたが、ハニーが1つで残り全てウオッシュドとなり、品種も必ず上位に入っていたゲイシャに代わって、Costa Rica95SL-09、カトゥーラが並び新鮮味を感じます。ゲイシャは影を潜めたように、カトゥーラやブルボンといった馴染みの品種が多いのも印象的でした。 

 Costa Rica95は、カトゥーラとティモール・ハイブリッドの交配種であるカティモールの一種で、コスタリカ国立コーヒー協会研究所 (CICAFE) により選別を繰り返して開発されました。ティモール・ハイブリッドを親として持つことで、本来さび病に強いという特性が最大のメリットであったはずですが、実はカティモールの一種でありながらCosta Rica95はさび病への耐性が低いことが報告されています。コーヒー生産者にとってあまり人気のある品種とは言えないようですが、コーヒーの味は個性派なのは確かなようです。 

 SL-09SL」という記号は、かつてケニアのナイロビにあった「スコット農業研究所 (Scott Agricultural Laboratories)」によって選別された品種に付けられたもので、SLの後に数字がつきます。最近ではSL-〇〇といった品種が中南米で栽培されるようになってきましたが、このSL-09は今回が初めてカッピングしました。講師の話ではブルボン系の交配種のようです。 

 ペルーでCOEが導入されたのが3年前です。現在では比較的規模の大きくて資金力のある農園が目立ち始め、小さな農園が残りづらくなったと聞きます。様々な条件下で仕上げたコーヒー豆で、一発当てれば大儲けできるチャンスさえも、規模が小さな農園には与えられなくなるのではないかと思えてなりません。何でもありの様相になってきたCOEは、10年(1999年からなので20年が正当)を経て岐路にあるのでしょうか? 

 ちなみに、1aの落札者には、しっかり丸山珈琲が名を連ねておりました。 

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コメント: 2
  • #1

    帰山人 (水曜日, 08 1月 2020 12:08)

    先日はごちそうさまでした。
    CoE 10年? 20年ですね。

  • #2

    まめ蔵 (水曜日, 08 1月 2020 13:19)

    失礼しました。還暦を過ぎて算数が苦手になりました。
    ペルーのCOE、正直ゲイシャが少なくて物足りなさを感じてしまう自分がいて、なんだか不思議な気分でした。