久国寺へ

 今日は、名古屋市北区にある「久国寺」へ向かいました。来年の干支が子年となるため、近くで子年にまつわる神社仏閣がないものかと探してみたら、この久国寺がみつかったというわけです。一足早く、鬼に笑われるかもしれませんが参拝です。 

 子年にまつわる神社と言えば、京都にある「ねずみの社」と呼ばれている、狛犬ならぬ狛ネズミがいる大豊神社があります。神社奥の方の本殿の横にある大国社に狛ネズミがあるのですが、古事記によれば、大国主命(おおくにぬしのみこと)が野火に囲まれて焼き殺されそうなっている時に、洞穴に導いて命を救ったのがネズミだという伝説が由来のようです。さすがに京都までは遠いので、今回は名古屋市までです。

 この久国寺の守り本尊は観世音菩薩です。観世音菩薩のご利益として、「滅罪」、「延命」、「病気治癒」、「安産」、「夫婦円満」、「恋愛成就」などのあらゆる現世利益とされています。また、干支では子(ね)、方位では北を守り、子年のかたの「お守り本尊」として、この年に生まれた方を一代にわたって守護するとされます。 

 そんなこともあって、昭和30年頃には名古屋市観光協会の後援を受け、大名古屋十二支の恵当寺として子年の護り本尊の霊場になっているのですが、大名古屋十二支とは大げさな名前なことか。 

 実は、久国寺に訪れる方の多くが子年の護り本尊の霊場だからという理由より、「芸術は爆発だ!」で有名な岡本太郎作梵鐘 歓喜"という、ユニークな梵鐘があることで知られています。久国寺の住職の知人に岡本太郎氏と知り合いがいたため、鐘の作成を依頼して1965年に作られたそうです。なんと、大阪万博(1970年)の太陽の塔よりも前に作成されているんです。上部の角のようなものは手を表し、下部には妖怪など森羅万象を表現しているそうですが、鐘をついたらどんな音がするんでしょうか?(鐘をつかないよう張り紙あり) 

 その鐘の反対側を見ると、コンクリートで作られた護国観音像があります。この作品は桃太郎神社(犬山市)や五色園(日進市)のコンクリート像で知られる、岐阜県中津川市出身である浅野祥雲の作品です。まさか、ネズミが取り持つ縁なのでしょうか、二人の芸術家の作品を見ることになるとは。 

 さらには、本堂前の横にはセルフサービスの御朱印箱もあり、その菓子箱のブリキ缶を開けると数種類のスタンプが入っています。御朱印代は賽銭箱に入れるんだとか、そんなんでご利益あるんかいな? 

ユニークな梵鐘や名作の護国観音像、セルフサービスの御朱印よりも、本来の目的である早めの子年を済ませ、慌ただしい年末年始が無事に過ぎるよう願ったのでありました。