軽減税率対応色々

 昨日、軽減税率に対応したレジシステムの入力について書いたところ、タイミングよく次のようなニュースが目に留まりました。『牛丼チェーン「すき家」を展開するすき家本部は3日、10月の消費税増税時に導入される軽減税率の適用について、店内飲食と持ち帰りの税込み価格を統一すると発表した。牛丼大手では、松屋も税込み価格をそろえる方針だが、吉野家は店内10%、持ち帰りは8%の軽減税率を適用する方針で、対応が分かれた。』(毎日新聞201993日)

 「すき家」は、消費税率が上がることになる店内飲食の牛丼の並盛りについて、本体価格を値下げし、税込みの価格では持ち帰った場合と同じにする方針を固めたとのこと。これは客側から分かりやすいし、現在の低価格志向は本物だと考えているに他ならないのでしょう。

 また、業界第3位の「松屋」も、税込同一料金を選択しています。確かに、テイクアウト用の容器代を考えれば、増税2%分以上のコストがかかるのですから、テイクアウトの方が安いのは変なような気がします。もっとも「松屋」は自動券売機を使っているので、ボタン設定を変更する必要がないのでいいのかも?

 一方、牛丼の老舗である「吉野家」は、「本体価格を2つにしてしまえば、同じ商品なのに価格が異なる一物二価ということになってしまう」という理由で、「店内では10%、持ち帰りでは8%」の路線を貫くんだとか。イートインでもテイクアウトでも、牛丼の値打ちはイン同じだから単純に消費税を上乗せするという、自分の商品を一番に考えていることが理解できますが、客側にとっては複雑な気持ちではないだろうか?

 牛丼以外では、日本KFCホールディングスグループの日本ケンタッキー・フライド・チキンは、軽減税率制度導入後も、店内飲食とテイクアウトの税込価格を統一すると7月に発表しています。店内の表示は全て従来どおり税込価格を使用し、オリジナルチキン単品の税込価格は増税後も現行の250円に据え置く予定のようです。

 そして、日本マクドナルドホールディングスは6月中間連結決算の記者会見で、10月の消費税増税への軽減税率対応について、9月上旬までに公表すると発表していますが、現在のところ発表はなく、かなり悩んでいるのかな?

 消費増税まで残り1か月を切っており、ややこやしい事例の話題が増えてきそうです。「やっぱり軽減税率って、よくない制度だよな!」って妻に話すと、「来年の6月に終わるんじゃないの?」と、能天気な答えが返ってきました。オイオイ!

 軽減税率は、消費増税と同時に導入すると国税庁が公表しており、軽減税率は例外(経過措置)という位置づけではありますが、「いつまで行うのか」「社会情勢がどのようになったら終了するのか」については言及していないのです。

 妻が勘違いしているのは、201910月~20206月の9ヶ月間、中小店舗でキャッシュレスで決済すると、最大5%のポイント還元がされる制度のことです。経済産業省が行う事業で、『キャッシュレス・消費者還元事業は、2019101日の消費税率引上げに伴い、需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点も含め、消費税率引上げ後の一定期間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元等を支援する事業です。』というものです。

 これも軽減税率同様に、ややこやしい事例ばかりで、何だかキャッシュレス化を強引に進めるための方便にも見えます。そう考えると、能天気な妻のようなスタンスの方が、周りに踊らされなくていいのかもしれません。