美鈴珈琲餅

 午前中に焙煎したコーヒー豆をハンドピックし、一息入れようと、お客様からお土産に頂いた株式会社 天狗堂宝船(北海道亀田郡)の「美鈴珈琲餅」を食べます。天狗堂宝船は昭和28年にカステラ製造から創業を開始し、昭和48年から「きびだんご」の製造を始めており、現在までロングセラー商品となっている銘菓です。

 この「美鈴珈琲餅」は、1932年に函館で開業された、北海道で一番古い老舗の珈琲店である「珈琲工房 函館美鈴」が、創業以来守り続けてきた珈琲の味と香りが口に広がる珈琲味の餅菓子だそうです。早い話、「きびだんご」の珈琲バージョンなのです。

 原材料を見ると、水飴、砂糖、小麦粉、粉末コーヒー、もち粉、あん、オブラート(澱粉)、炭酸Ca、香料(原材料の一部に大豆を含む)となっており、粉末コーヒーの食感が分かるコーヒー豆のジャリジャリした餅になっています。

 一般的にコーヒーの菓子類にはインスタントコーヒーを添加したものが多く、がっかりさせる物が多い中にあって、想像以上にコーヒーの香りが強く、砕いたコーヒー豆が入っているので、明らかに他と違う食感が楽しめます。函館美鈴の創業当時の店舗をイメージしたパッケージデザインといい、北海道開拓時の携行食だったいわれる「きびだんご」を味わいます。

 そんな「美鈴珈琲餅」を口に入れながら、映画「函館珈琲」(2016年上映、監督:西尾孔志)や、2016年の夏に函館で泊まったホテルで飲んだ、「珈琲工房 函館美鈴」の味を思い出してみるのでした。まったく、頭の中も口の中もコーヒーだらけです。