コーヒーサロンin名古屋

 名古屋市中村区のJICA中部(なごや地球ひろば)大会議室で、コーヒーサロンIN名古屋が開催され、午前中に焙煎を数種類行い、午後から中央線に乗って会場まで向かいました。

 『最近、「コーヒーの危機」について、よく聞かれるようになりましたが、「コーヒー危機」とは何でしょうか。地球温暖化の影響でコーヒー栽培の適地が激減することでしょうか。それとも、コーヒー種の60%が絶滅の危機にあることでしょうか。しかし、もうひとつのコーヒー危機、つまりコーヒー価格が暴落し、コーヒー農民たちは危機的な状況にあるという声明が出されたことはほとんど報道されません。一方、SDGs(持続可能な開発目標)についてはようやく知られるようになってきました。では、SDGsは現在の「コーヒー危機」を克服することにどのように貢献できるのでしょうか。みんなで考えてみたいと思います。』

 こんな案内文に引き寄せられてたどり着いた会場には、既に参加者が集まっていましたが、何だか例年よりも少ない感じがします。三連休の最後の日とあって遊びに行っている人が多いのか、それともテーマのSDGsに馴染みがないせいなのか、そもそもコーヒーには興味はあっても、コーヒー生産国のことについては関心が薄いのかは分かりません。ただ、講演が始まっているにも関わらず、雑談が止まない参加者の数とセミナーの関心度は、関連性があるかもしれません。

 プログラム内容は以下のとおりです。

1.池本幸生(東京大学)「コーヒー価格の変動とコーヒー危機」

2.川島良彰(㈱ミカフェート)「コーヒーとSDGs、生産国の現状」

3.青柳信弥 (Aoyagi Coffee Factory)「SDGsとフェアトレード」

4.玉田侑希(青年海外協力隊事務局) 「ルワンダ報告と海外協力隊募集について」

 普段のような、ネットや書籍、又聞きの情報などから知識と異なり、直接現地で見聞きしたり体験した人の話を聞くことは貴重な経験です。しかし、池本先生の奥歯に物の挟まったような言い回しから、その奥に挟まった物の正体を明確にしないままにされることには、とても歯がゆい気持ちがし、倫理的にどうなの?ってな気持ちです。

 また、川島氏が素晴らしい活動をしている事を知り、新ブランド「CAFÉ REVOLUCIÓN(カフェ レボルシオン)」やサントリー「BOSS」とのコラボとの関係性も、つながるような気がしました。ただ、そうした取り組みを積み重ねても、COEの販売割合が全体の1%にも満たないのと同じで、巨大資本や投資家に対しては無力感を抱いてしまいます。

 「小さことからコツコツと!」というのは理解できます。また、正しい事実や課題を知ることも大切です。しかし、大きな影響力を持つ相手を名指しできないままでは、「コーヒーの世界を変える」には具体的な解決策不足だと言えます。その点、珈琲狂の掲げた新たなゴール(目標)の方が分かりやすいと感じます。

1.アメリカ支配を排除しよう

2.経済後退を受け入れよう

3.スコアや認証をやめよう

4.健康論議をゼロに

5.他の嗜好品へ目を向けよう

 それとも、コーヒー産業が取り組むべきSDGsの解説本が出れば、少しは変わってくるんでしょうか?早く発行してもらいたいものです。

 そんなモヤモヤした中で嬉しかったのが、青年海外協力隊員の活動報告です。ルワンダの田舎町で奮闘努力する様子を聞き、こうした若い人が、名駅前を歩く人混みの中にもきっと居ると思うと、まだまだ捨てたもんじゃないと思えるのでした。(人混みは苦手です。)