白いコーヒーから異性化液糖へ

 コンビニへ立ち寄ったら、「白いコーヒー」という商品が目に留まりました。先日のブログ「ナンジャモンジャ」で、焙煎過程で酸の成分が形成されていない状態で煎り止めし、酸味成分も苦味成分もない豆に仕上げているという「ホ○○トコーヒー」としたのは、何を隠そう「ホワイトコーヒー」であり、今日の「白いコーヒー」へと繋がったのです。

 この「白い雪印コーヒー MEETS HONEY」は、雪印メグミルクから521日より期間限定で販売されたもので、2014年春に期間限定で販売して好評だったという「白い雪印コーヒー」をベースに、再度商品化したんだそうです。確かにカップに注ぐと白っぽいものの、白いコーヒーというよりも、ハチミツ味の薄いコーヒー牛乳といったところです。

 かたや「ホワイトコーヒー」といって販売されているコーヒーの方は、160度以下で焙煎されたコーヒー豆だといいます。カフェインは普通の焙煎と同じに含まれており、注いだコーヒーは焙じ茶を薄くしたような色をしています。コーヒーの焙煎をしたことのある人なら、一ハゼ前の白いコーヒー豆というよりも、黄色いコーヒー豆という状態だと分かる筈です。だったら「ホワイトコーヒー」じゃなくて、「イエローコーヒー」じゃないのかとツッコみたくなりますが、まあ商品のキャッチフレーズとしては黄色より白色なんでしょう。

 「白い雪印コーヒー MEETS HONEY」に話を戻します。名前にコーヒーと入っているものの、原材料名には、乳製品、砂糖、異性化液糖、はちみつ、コーヒー、ココナッツオイル、食塩、香料、カラメル色素、(一部に乳成分を含む)とあります。成分の多い順に表示することになっているので、コーヒーははちみつよりも少ないことになり、ほとんど乳製品って訳です。

 原材料名を見ていたら、「異性化液糖」というのが気になりました。どうも、「コーンシロップ」といわれる、コーンスターチを原料に製造する甘味料のことのようです。詳しく書くと「高フルクトース・コーンシロップ」(HFCS・・・high-fructose corn syrup)

というんだそうです。

 フルクトースは、野菜や果物に含まれていますが、野菜や果物には、繊維やビタミン・ミネラル・酵素・ファイトケミカルなどの有益な植物栄養素が入っていますが、そこから抽出するのは大変だそうで、それに比べて、ブドウ糖(グルコース)は簡単に大量に生産できるんだとか。でも甘味が弱い。そこで、ブドウ糖を果糖に転換(異性化)する酵素(グルコースイソメラーゼ)の生産方法が発明されたようです。

 ちなみに異性化糖は、別名isomerized sugarともいわれており、日本人の高崎義幸さんがこの生産方法を発明しているのです。この技術を、アメリカのコカコーラ社が甘味料として採用したのをはじめ、普段口にしている多くの加工食品に入っています。ソフトドリンク、ジュース、サラダのドレッシングや調味料など、何だか日本人が発明したってだけで嬉しくなりますね。

 「白いコーヒー」から「異性化液糖」という言葉が、オジサン的発想で、異性・化・液糖と分離したイメージでとらえていたため、妙に興味が湧いたのですが、最後には日本人の発明になったというお話でした。