聴覚障害について

 昨晩は手話サークルの例会がありました。サークルの例会では手話通訳の練習の他、聴覚障害について理解するような学習も行っています。それは、聴覚障害になった時期によって、聴覚組織の奇形や、妊娠中のウイルス感染(特に風疹)などで聴覚系統がおかされた先天的なものと、突発性疾患、薬の副作用、頭部外傷、騒音、高齢化などによって聴覚組織に損傷を受けた後天的なものとによって、聴覚障害の状態が様々に異なるからです。

 よく、聞こえの不自由な人を聴覚障害者と言いますが、聴覚障害の原因や種類、聞こえの程度が様々なため、一般的に聴覚障害者を、「中途失聴者」、「難聴者」、「ろう(あ)者」に分かれているものの、その人がどれに当たるかは、その人自身がどう思っているかというアイデンティティの問題も含め、正確に分けることができず、そのため、「中途失聴者」と「難聴者」の両方を含む広い意味で「難聴者」という場合が多くあります。

 また、難聴といっても、音が伝わりにくくなっただけなので、補聴器などで音を大きくすれば比較的よく聞こえるようになる、外耳、中耳の障害による伝音性難聴。音が歪んだり響いたりしていて、言葉の明瞭度が悪いため、補聴器などで音を大きくして伝えるだけでは上手く聞こえない感音性難聴。さらには、伝音性難聴と感音性難聴の両方の原因をもつ混合性難聴と聞こえの状態には個人差があります。

 そうした聴覚障害者に対してのコミュニケーションには、手話に限らず相手に合った選択肢で行う事が大切であり、相手のことをある程度理解しなければいけません。ただ、これが結構やっかいでもあります。

 聴覚障害が先天的か後天的か、仮に後天的なものであっても、何歳で失聴したかによって日本語の理解度が違うため、手話表現も相手に合わせる必要があります。特に高齢者と若者では違いが明らかで、若者はボキャブラリーが豊富で助詞を多用するなど、日本語に合わせた表現をする人が多く、高齢者は独自にコミュニケーション手段として広まった日本手話が使われるなど、毎週のように例会で学習会を行っているものの、自分が年齢を重ねるにつれ手話技術はなかなか向上しません。

 こんなことを書いたのも、昨日の夕方放送されたローカルニュース、『70代の5割が難聴に?頼りになる「要約筆記」とは?』のタイトルで、高齢者が聴覚障害になった場合の支援策として、要約筆記やスマホを利用した音声変換システムを紹介していたこともあり、聴覚障害について触れてみることにしました。聴覚障害に限らず、障害には様々なケースがあり、その障害について正しく理解することが先ず第一歩だと改めて思ったのでした。