ウンコタタシ

 前回「911日がエチオピア歴での正月となります」と記載しましたが、911日は、エチオピアカレンダーでは91日となってしまう訳のわからないエチオピア歴です。説明を読んでも理解不能で、そもそも西暦についても正しく理解していない私には、単に異国の文化として把握するしかありません。

 そして、エチオピアの新年はウンコタタシ(アムハラ語: እንቁጣጣሽ)と呼ばれます。少年たちが「〇〇〇!」「〇〇〇!」と訳もなく連呼し、女子から「馬鹿じゃないの?」って言われる光景が浮かんでしまうウンコタタシではありますが、ウンコは指輪、タタシはあなたの指という意味があり、古代イスラエルのソロモン王がシバの女王に指輪を贈ったという伝説に由来しているので、幼稚に茶化す言葉ではないのでした。

 お正月の時期は自宅で家族と過ごすことが一般的で、この時期は一週間ほど官公庁など会社や商店がお休みとなります。エチオピアでは国民の80%以上の人が農業および牧畜に携わっていることもあり、五穀豊穣、緑豊かな一年になってほしいという願いをこめて、家の前や食堂、雑貨屋さんと、いたるところで雑な感じに草がばらまかれ地域もあるようです。

 日本では正月はお節料理と決まっていますが、シャクラティブスという炭火焼肉を食べたり、ドロワットと呼ばれるカレーに似た料理が有名なんだとか。「ドロ」とは鶏肉の意味し、「ワット」はカレー状の料理のことだそうです。トロミがある濃い赤茶色のソースをターメリックライスにかけて食べるようですが、とにかく辛い料理で、日本の激辛カレーの30倍~50倍のレベルはあるそうですが、カレーとは異なる味わいがあり、辛さの裏側に旨味と多少の苦味も感じられる、クセになる味だとか。お正月には、家族や友人、恋人などに、ドロワットを手で食べさせてあげることをグルシャと言いい、とても大切な意味があるといいます。

 結局、食べることばかりが気になってしまったエチオピアのお正月でしたが、一度はエチオピ料理店で食べてみたいものです。でも、近くには無いからな~。